| 【発明の名称】 |
車両用空調装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤田 明 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内
【氏名】西田 伸 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内
|
| 【要約】 |
【課題】■「乗員が漏れ出した冷媒を直接に吸引してしまうことを防止する」、又は■「高湿度の空気をそのまま窓ガラスに向けて吹き出してしまうことを防止する」を確実に達成する。
【解決手段】内外気切換ドア31、デフドア32a、フェイスドア32b及びフットドア32cがECU1が指令した状態と異なるときには、送風機22を停止する。これにより、「乗員が漏れ出した冷媒を直接に吸引してしまうことを防止する」、又は「高湿度の空気をそのまま窓ガラスに向けて吹き出してしまうことを防止する」ことを達成することが可能となる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車室内に空気を送風する送風手段(22)と、車室内に吹き出す空気と熱交換する熱交換器(21)と、前記熱交換器(21)を収納するとともに、前記熱交換器(21)を通過した空気が流れる通路を構成する空調ケーシング(20)と、空気流れを制御するドア手段(31、32a〜32c)と、前記ドア手段(31、32a〜32c)のドア位置検出するドア位置検出手段(41、42a〜42c)と、前記ドア位置検出手段(41、42a〜42c)が検出したドア位置が所定の位置からずれているときには、前記送風手段(22)を停止させる制御手段(1)とを備えることを特徴とする車両用空調装置。 【請求項2】 車室内に空気を送風する送風手段(22)と、車室内に吹き出す空気と熱交換する熱交換器(21)と、前記熱交換器(21)を収納するとともに、前記熱交換器(21)を通過した空気が流れる通路を構成する空調ケーシング(20)と、車室内に吹き出す空気の方向を制御する吹き出しモード制御ドア(32a〜32c)と、前記空調ケーシング(20)の空気導入側に車室外空気を導入する外気モードと車室内空気を導入する内気モードとを切り換える内外気切換ドア(31)と、前記吹き出しモード制御ドア(32a〜32c)及び前記内外気切換ドア(31)のうち少なくとも一方のドア位置検出するドア位置検出手段(41、42a〜42c)と、前記空調ケーシング(20)内に冷媒が漏れ出しているか否か、又は漏れ出得る状態にあるか否かを判定する冷媒漏れ判定手段(24)と、少なくとも、前記冷媒漏れ判定手段(24)により冷媒が漏れ出している、又は漏れ出得る状態にあると判定されたときであって、前記ドア位置検出手段(41、42a〜42c)が検出したドア位置が所定の位置からずれているときには、前記送風手段(22)を停止させる制御手段(1)とを備えることを特徴とする車両用空調装置。 【請求項3】 車室内に空気を送風する送風手段(22)と、車室内に吹き出す空気と熱交換する熱交換器(21)と、前記熱交換器(21)を収納するとともに、前記熱交換器(21)を通過した空気が流れる通路を構成する空調ケーシング(20)と、車室内に吹き出す空気の方向を制御する吹き出しモード制御ドア(32a〜32c)と、前記空調ケーシング(20)の空気導入側に車室外空気を導入する外気モードと車室内空気を導入する内気モードとを切り換える内外気切換ドア(31)と、前記熱交換器(21)を通過した空気の少なくとも一部を外部に排出する排出口(20c)を開閉する排出口開閉ドア(37)と前記吹き出しモード制御ドア(32a〜32c)、前記内外気切換ドア(31)及び前記排出口開閉ドア(37)のうち少なくとも一方のドア位置検出するドア位置検出手段(41、42a〜42c、47)と、前記空調ケーシング(20)内に冷媒が漏れ出しているか否か、又は漏れ出得る状態にあるか否かを判定する冷媒漏れ判定手段(24)と、少なくとも、前記冷媒漏れ判定手段(24)により冷媒が漏れ出している、又は漏れ出得る状態にあると判定されたときであって、前記ドア位置検出手段(41、42a〜42c、47)が検出したドア位置が所定の位置からずれているときには、前記送風手段(22)を停止させる制御手段(1)とを備えることを特徴とする車両用空調装置。 【請求項4】 前記所定のドア位置とは、前記排出口(20c)を開くときの前記排出口開閉ドア(37)のドア位置であることを特徴とする請求項3に記載の車両用空調装置。 【請求項5】 車室内に空気を送風する送風手段(22)と、車室内に吹き出す空気と熱交換する熱交換器(21)と、前記熱交換器(21)を収納するとともに、前記熱交換器(21)を通過した空気が流れる通路を構成する空調ケーシング(20)と、車室内に吹き出す空気の方向を制御する吹き出しモード制御ドア(32a〜32c)と、前記空調ケーシング(20)の空気導入側に車室外空気を導入する外気モードと車室内空気を導入する内気モードとを切り換える内外気切換ドア(31)と、前記吹き出しモード制御ドア(32a〜32c)及び前記内外気切換ドア(31)のうち少なくとも一方のドア位置検出するドア位置検出手段(41、42a〜42c)と、車室内の窓ガラスが曇り易い状況にあるか否かを判定する曇り判定手段(25)と、少なくとも、前記曇り判定手段(25)により窓ガラスが曇り易い状況にあると判定されたときであって、前記ドア位置検出手段(41、42a〜42c)が検出したドア位置が所定の位置からずれているときには、前記送風手段(22)を停止させる制御手段(1)とを備えることを特徴とする車両用空調装置。 【請求項6】 前記所定のドア位置とは、前記外気モード時における前記内外気切換ドア(31)のドア位置であることを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1つに記載の車両用空調装置。 【請求項7】 前記所定のドア位置とは、車室内下方側に空気を吹き出すフットモード時における吹き出しモード制御ドア(32a〜32c)のドア位置であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両用空調装置に関すものである。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】車両の衝突により冷媒漏れが懸念される場合、又は実際に冷媒漏れを検出した場合の対策として、出願人は、冷媒漏れが懸念される場合又は冷媒漏れを検出した場合には、漏れ出た冷媒を多量に含むと考えられる空気を外部に排出する冷媒排出モード、又は乗員が冷媒を直接に吸引することを防止すべく、漏れ出た冷媒を多量に含むと考えられる空気を車室内下方側に空気を吹き出すフットモードとするとともに、室外空気を車室内に導入する外気モードとする車両用空調装置を考えた。 【0003】また、冷房モードから暖房モードに切り換えたとき等の室内に吹き出す空気が高湿度であるときに、デフモードとして高湿度の空気をそのまま窓ガラスに向けて吹き出すと、窓ガラスが曇ってしまう可能性が高いので、窓ガラスが曇ってしまう可能性が高い状況を判定したときには、窓ガラスに向けて空気を吹き出すデフロスタ開口部を閉じる車両用空調装置を考えた。 【0004】しかし、フットモードやデフモード等の吹き出しモードを制御する吹き出しモード制御ドア、又は室内空気を車室内に導入する内気モードと外気モードとを切り換える内外気切換ドアが、本来位置すべき所定の位置からずれている状態で、送風機を稼動させると、上記の目的、すなわち■「乗員が漏れ出した冷媒を直接に吸引してしまうことを防止する」、又は■「高湿度の空気をそのまま窓ガラスに向けて吹き出してしまうことを防止する」ことを達成することができなくなる。 【0005】本発明は、上記点に鑑み、上記2つの目的のうち少なくとも一方の目的を確実に達成し得るようにすることを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、車室内に空気を送風する送風手段(22)と、車室内に吹き出す空気と熱交換する熱交換器(21)と、熱交換器(21)を収納するとともに、熱交換器(21)を通過した空気が流れる通路を構成する空調ケーシング(20)と、空気流れを制御するドア手段(31、32a〜32c)と、ドア手段(31、32a〜32c)のドア位置検出するドア位置検出手段(41、42a〜42c)と、ドア位置検出手段(41、42a〜42c)が検出したドア位置が所定の位置からずれているときには、送風手段(22)を停止させる制御手段(1)とを備えることを特徴とする。 【0007】これにより、「乗員が漏れ出した冷媒を直接に吸引してしまうことを防止する」、又は「高湿度の空気をそのまま窓ガラスに向けて吹き出してしまうことを防止する」ことが可能となる。 【0008】請求項2に記載の発明では、車室内に空気を送風する送風手段(22)と、車室内に吹き出す空気と熱交換する熱交換器(21)と、熱交換器(21)を収納するとともに、熱交換器(21)を通過した空気が流れる通路を構成する空調ケーシング(20)と、車室内に吹き出す空気の方向を制御する吹き出しモード制御ドア(32a〜32c)と、空調ケーシング(20)の空気導入側に車室外空気を導入する外気モードと車室内空気を導入する内気モードとを切り換える内外気切換ドア(31)と、吹き出しモード制御ドア(32a〜32c)及び内外気切換ドア(31)のうち少なくとも一方のドア位置検出するドア位置検出手段(41、42a〜42c)と、空調ケーシング(20)内に冷媒が漏れ出しているか否か、又は漏れ出得る状態にあるか否かを判定する冷媒漏れ判定手段(24)と、少なくとも、冷媒漏れ判定手段(24)により冷媒が漏れ出している、又は漏れ出得る状態にあると判定されたときであって、ドア位置検出手段(41、42a〜42c)が検出したドア位置が所定の位置からずれているときには、送風手段(22)を停止させる制御手段(1)とを備えることを特徴とする。 【0009】これにより、「乗員が漏れ出した冷媒を直接に吸引してしまうことを防止する」ことが可能となる。 【0010】請求項3に記載の発明では、車室内に空気を送風する送風手段(22)と、車室内に吹き出す空気と熱交換する熱交換器(21)と、熱交換器(21)を収納するとともに、熱交換器(21)を通過した空気が流れる通路を構成する空調ケーシング(20)と、車室内に吹き出す空気の方向を制御する吹き出しモード制御ドア(32a〜32c)と、空調ケーシング(20)の空気導入側に車室外空気を導入する外気モードと車室内空気を導入する内気モードとを切り換える内外気切換ドア(31)と、熱交換器(21)を通過した空気の少なくとも一部を外部に排出する排出口(20c)を開閉する排出口開閉ドア(37)と吹き出しモード制御ドア(32a〜32c)、内外気切換ドア(31)及び排出口開閉ドア(37)のうち少なくとも一方のドア位置検出するドア位置検出手段(41、42a〜42c、47)と、空調ケーシング(20)内に冷媒が漏れ出しているか否か、又は漏れ出得る状態にあるか否かを判定する冷媒漏れ判定手段(24)と、少なくとも、冷媒漏れ判定手段(24)により冷媒が漏れ出している、又は漏れ出得る状態にあると判定されたときであって、ドア位置検出手段(41、42a〜42c、47)が検出したドア位置が所定の位置からずれているときには、送風手段(22)を停止させる制御手段(1)とを備えることを特徴とする。 【0011】これにより、「乗員が漏れ出した冷媒を直接に吸引してしまうことを防止する」ことが可能となる。 【0012】なお、請求項4に記載の発明では、所定のドア位置とは、排出口(20c)を開くときの排出口開閉ドア(37)のドア位置であることを特徴とするものである。 【0013】請求項5に記載の発明では、車室内に空気を送風する送風手段(22)と、車室内に吹き出す空気と熱交換する熱交換器(21)と、熱交換器(21)を収納するとともに、熱交換器(21)を通過した空気が流れる通路を構成する空調ケーシング(20)と、車室内に吹き出す空気の方向を制御する吹き出しモード制御ドア(32a〜32c)と、空調ケーシング(20)の空気導入側に車室外空気を導入する外気モードと車室内空気を導入する内気モードとを切り換える内外気切換ドア(31)と、吹き出しモード制御ドア(32a〜32c)及び内外気切換ドア(31)のうち少なくとも一方のドア位置検出するドア位置検出手段(41、42a〜42c)と、車室内の窓ガラスが曇り易い状況にあるか否かを判定する曇り判定手段(25)と、少なくとも、曇り判定手段(25)により窓ガラスが曇り易い状況にあると判定されたときであって、ドア位置検出手段(41、42a〜42c)が検出したドア位置が所定の位置からずれているときには、送風手段(22)を停止させる制御手段(1)とを備えることを特徴とする。 【0014】これにより、「高湿度の空気をそのまま窓ガラスに向けて吹き出してしまうことを防止する」ことが可能となる。 【0015】なお、請求項6に記載の発明では、所定のドア位置とは、外気モード時における内外気切換ドア(31)のドア位置であることを特徴とするものである。 【0016】請求項7に記載の発明では、所定のドア位置とは、車室内下方側に空気を吹き出すフットモード時における吹き出しモード制御ドア(32a〜32c)のドア位置であることを特徴とするものである。 【0017】因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。 【0018】 【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1は本実施形態に係る車両用空調装置10の模式図であり、図3〜6は車両用空調装置10の作動を示す模式図である。 【0019】圧縮機13は走行用のエンジンから動力を得て冷媒を吸入圧縮するものであり、室外熱交換器14は冷媒と外気とを熱交換して冷媒を冷却するものであり、減圧器11は冷媒を減圧する減圧手段である。 【0020】室内熱交換器21は室内に吹き出す空気と冷媒とを熱交換するものであり、アキュムレータ12は、室内熱交換器21から流出した冷媒を液相冷媒と気相冷媒とに分離して気相冷媒を圧縮機13の吸入側に流出させると共に、余剰冷媒を液相冷媒として蓄える気液分離器である。 【0021】なお、四方弁15は圧縮機13から吐出した冷媒を室外熱交換器14側に流す冷房運転、除湿冷房運転又は除湿暖房運転と室内熱交換器21側に流す暖房運転とを切り換える切替弁である。 【0022】送風機22は車室内に空気を送風する送風手段であり、空調ケーシング20は室内熱交換器21を収納するとともに、室内熱交換器21を通過した空気が流れる空気通路を構成するダクト手段である。 【0023】ヒータ23は、空調ケーシング20内のうち室内熱交換器21より空気流れ下流側に収納されてエンジン冷却水を熱源として車室内に吹き出す空気を加熱する加熱手段であり、エアミックスドア33はヒータ23を通過する風量とヒータ23を迂回して流れる風流との割合を調節して室内に吹き出す空気の温度を調節する温度調節手段である。 【0024】また、送風機22の空気流れ上流側には、車室外空気を導入する外気モードと車室内空気を導入する内気モードとを切り換える内外気切換ドア31が設けられ、一方、ヒータ23及びエアミックスドア33より空気流れ下流側には、車室内に吹き出す空気の方向を制御する吹き出しモード制御用のドア32a〜32cが設けられている。 【0025】なお、ドア32aは窓ガラスの方向に向けて空気を吹き出させるデフロスタ開口部を開閉してデフモードを制御するデフドアであり、ドア32bは乗員の上半身に向けて空気を吹き出させるフェイス開口部を開閉してフェイスモード制御するフェイスドアであり、ドア32cは乗員の下半身に向けて空気を吹き出させるフット開口部を開閉してフットモードを制御するフットドアである。 【0026】そして、内外気切換ドア31、ドア32a〜32c及びエアミックスドア33は、そのドア位置をポテンショメータが一体となったサーボモータ等の駆動手段により開閉駆動されるとともに、電子制御装置(ECU)1は、ポテンショメータの出力信号等に基づいてサーボモータ及び送風機22を制御する。 【0027】なお、ポテンショメータ41は内外気切換ドア31のドア位置を検出するドア位置検出手段であり、ポテンショメータ42aはデフドア32aのドア位置を検出するドア位置検出手段であり、ポテンショメータ42bはフェイスドア32bのドア位置を検出するドア位置検出手段であり、ポテンショメータ42cはフットドア32cのドア位置を検出するドア位置検出手段である。 【0028】酸素センサ24は、空調ケーシング20内を流れる空気の酸素濃度を検出することにより、間接的に漏れ出した冷媒量を検出する冷媒漏れ判定手段であり、本実施形態では、酸素センサ24により酸素濃度が所定濃度以下となったものと判定されたとき、又は車両の衝突を検知するセンサ(エアバッグ作動に用いる加速度センサ)が車両の衝突を検出したときに、空調ケーシング20内に冷媒が漏れ出している、又は漏れ出得る状態にあると判定する。 【0029】なお、本実施形態では、冷媒として、二酸化炭素又はプロパンや炭化水素等の可燃性ガスを採用している。 【0030】湿度センサ25は空気の湿度を検出するもので、車室内の窓ガラスが曇り易い状況にあるか否かを判定する曇り判定手段をなす。なお、本実施形態では、冷房運転から暖房運転に切り替わったとき、除霜運転終了後、若しくは起動初期で室内熱交換器21表面の水分蒸発が懸念されるとき、又は湿度センサ25が所定値以上の湿度を検知したときに、車室内の窓ガラスが曇り易い状況にあると判定する。 【0031】なお、本実施形態では、酸素センサ24及び湿度センサ25を空調ケーシング20内外に設けているが、いずれか一方のみであってもよい。 【0032】因みに、冷房運転、除湿冷却時及び除湿暖房時における冷媒流れは、全て図1の実線矢印にて示される流れであり、暖房運転及び除霜運転における冷媒流れは、全て図1の波線矢印にて示される流れである。 【0033】次に、本実施形態に係る空調装置の特徴的作動ついて述べる。 【0034】1.冷媒漏れ対策図2は空調ケーシング20内に冷媒が漏れ出している、又は漏れ出得る状態にあると判定された場合における、内外気切換ドア31、デフドア32a、フェイスドア32b及びフットドア32cと送風機22の作動との関係を示す図表であり、図3〜6は図2に示されたモード1〜4における内外気切換ドア31、デフドア32a、フェイスドア32b及びフットドア32cの状態を示すものである。 【0035】また、本実施形態では、空調ケーシング20内に冷媒が漏れ出している、又は漏れ出得る状態にあると判定された場合には、フェイス開口部を閉じて吹き出しモードをフットモードとするとともに外気モードとして、空調ケーシング20から車室内に吹き出す空気が乗員の上半身(頭部)側に吹き出すことを防止して乗員が漏れ出した冷媒を多く含む空気を吸引することを防止しつつ、漏れ出した冷媒を含まない外気を積極的に車室内に導入させる以下、図3から順に図6までについて説明する。 【0036】モード1図3は、外気モードとすべき制御信号がECU1から内外気切換ドア31に発せられているにもかかわらず、内外気切換ドア31が外気モードとすべきドア位置からずれていることをポテンショメータ41の検出信号から検出した場合を示すものである。 【0037】この場合には、漏れ出した冷媒が車室内を循環するおそれが高いため、内外気切換ドア31、デフドア32a、フェイスドア32b及びフットドア32cのドア位置の如何によらず、送風機22を停止する。 【0038】モード2図4は、デフドア32a及びフェイスドア32bを両方閉じたいがドアの動作不良により少なくとも一方のドアが開いてしまっている場合である。このとき、漏れ出した冷媒が乗員の頭部へ向けて吹き出す危険があるので送風機22を停止する。 【0039】モード3図5は、空調ケーシング20内に冷媒が漏れ出している、又は漏れ出得る状態にあると判定された場合において、内外気切換ドア31、デフドア32a、フェイスドア32b及びフットドア32cが正常作動した場合を示すもので、この場合は送風機22を稼動させる。 【0040】モード4図6は、フットドア32cの動作不良によりすべてのモードドアが閉じている場合である。このとき、洩れ出した冷媒がドアの隙間から室内へ洩れだす速度を遅くし、また、唯一の開放部となる外気導入するための外気導入口から漏れ出しや冷媒を含む空気を排出するために送風機22を停止する。 【0041】2.防曇対策前述した条件を検出し、車室内の窓ガラスが曇り易い状況にあると判定された場合には、デフドア32aによりデフロスタ開口部を閉鎖し、かつ、フットドア32cによりフット開口部を開いた状態で送風機22を稼動させて、水分を多く含む窓ガラスを曇らせ易い湿った空気を乗員の足元側へ放出する。 【0042】また、図7は空調ケーシング20内に冷媒が漏れ出している、又は漏れ出得る状態にあると判定された場合における、内外気切換ドア31、デフドア32a、フェイスドア32b及びフットドア32cと送風機22の作動との関係を示す図表であり、図3〜6は図7に示されたモード1〜4における内外気切換ドア31、デフドア32a、フェイスドア32b及びフットドア32cの状態を示すものである。 【0043】なお、図3〜6は前述したものであるので、以下、防曇対策に関連した事項を述べる。 【0044】モード5図3は、外気モードとすべきところ内外気切換ドア31の動作不良により外気のみを導入することができなくなった場合を示すものである。このときは内気の高湿度空気が循環するため窓曇りが促進し危険となるため、他のドア(デフドア32a、フェイスドア32b及びフットドア32c)の位置の如何によらず、送風機22を停止する。 【0045】モード6図4は、少なくともデフドア32aを閉じるべきとことろを、デフドア32aの動作不良よりデフロスタ開口部が閉じない場合を示すものである。このとき、窓ガラスを曇らせ易い高湿度の空気が窓側に吹き出されるおそれがあるため送風機22を停止する。 【0046】モード7図5は、車室内の窓ガラスが曇り易い状況にあると判定された場合において、内外気切換ドア31、デフドア32a、フェイスドア32b及びフットドア32cが正常作動した場合を示すもので、この場合は送風機22を稼動させる。 【0047】モード8図6は、フットドア32cの動作不良によりすべてのモードドアが閉じている場合である。このとき、高湿度空気がドアの隙間から室内へ洩れだす速度を遅くし、また、唯一の開放部である外気導入口から高湿度の空気を排出するために送風機22を停止する。 【0048】次に、本実施形態の特徴を述べる。 【0049】本実施形態によれば、内外気切換ドア31、デフドア32a、フェイスドア32b及びフットドア32cがECU1が指令した所定にドア位置にあることを確認した上で送風機22を作動させるので、「乗員が漏れ出した冷媒を直接に吸引してしまうことを防止する」、又は「高湿度の空気をそのまま窓ガラスに向けて吹き出してしまうことを防止する」ことを達成することができる。 【0050】(第2実施形態)本実施形態は、図8に示すように、室内熱交換器21を迂回させてデフロスタ開口部側に空気を導くバイパス通路20a、及び外気導入口側から空調ケーシング20内に導入された空気をバイパス通路20a側に導くガイド20bを新たに設けて、漏れ出した冷媒、又は高湿度の空気をフット開口部から流しながら、外気を導入して車室内を換気しつつ、車室内暖房を行えるようにした空調装置に本発明を適用したものである。 【0051】なお、本実施形態も第1実施形態と同様に、空調ケーシング20内に冷媒が漏れ出している、又は漏れ出得る状態にあると判定された場合には、フェイス開口部を閉じて吹き出しモードをフットモードとするとともに外気モードとし、また、車室内の窓ガラスが曇り易い状況にあると判定された場合には、デフドア32aによりデフロスタ開口部を閉鎖し、かつ、フットドア32cによりフット開口部を開いた状態で送風機22を稼動させるものであり、その要旨及び作用効果は、第1実施形態と同じである。 【0052】なお、バイパス通路20aを設けたことに伴い、本実施形態では、ドア34〜36及びこれらドア34〜36のドア位置検出するポテンショメータ44〜46を新たに設けている。因みに、ポテンショメータ43はエアミックスドア33のドア位置を検出するものである。 【0053】ここで、ドア34はバイパス通路20aを通過した空気の流れを制御するものであり、ドア35は第2のエアミックスドアであり、ドア36は、ヒータ23の空気流れ下流側に設けられた仕切板21aによって仕切られたフット開口部側とフェイス開口部側との連通状態を調節するものである。 【0054】また、図9は空調ケーシング20内に冷媒が漏れ出している、又は漏れ出得る状態にあると判定された場合、及び車室内の窓ガラスが曇り易い状況にあると判定された場合における、内外気切換ドア31、デフドア32a、フェイスドア32b及びフットドア32c等と送風機22の作動との関係を示す図表であり、図10〜18は図9に示されたモード1〜9における内外気切換ドア31、デフドア32a、フェイスドア32b及びフットドア32c等の状態を示すものである。 【0055】モード1図10は外気導入とするところ内外気切換ドア31の動作不良により、外気のみを導入することができなくなった場合を示すものである。このとき、漏れ出した冷媒が車室内を循環するおそれがあるため送風機22を停止する。 【0056】モード2図11は漏れ出した冷媒をフット開口部から放出すべくフットモードヘ変更した際に、動作不良によりデフドア32a、フェイスドア32b及びフットドア32cがすべて閉じている場合である。このとき、洩れ出した冷媒がドアの隙間から室内へ洩れだす速度を遅くし、また、開放部である外気導入口から漏れ出した冷媒を排出するために送風機22を停止する。 【0057】モード3図12は冷媒をフット開口部から放出すべくフットモードヘ変更した際に、動作不良によりフットドア32cが開かなかった場合を示すものである。このとき洩れ出した冷媒が乗員の頭部へ向けて吹き出すおそれがあるため送風機22は停止する。 【0058】モード4図13はドア34に動作不良が発生した場合を示すもので、この場合には、漏れ出した冷媒がデフロスタ開口部及びフェイス開口部側側へ流れる。このため、漏れ出した冷媒が乗員の頭部へ向けて吹き出すおそれがあるため送風機22は停止する。 【0059】モード5図14はドア35に動作不良が発生した場合を示すもので、この場合、漏れ出した冷媒がデフロスタ開口部及びフェイス開口部側へ流れる。このとき、漏れ出した冷媒が乗員の頭部へ向けて吹き出すおそれがあるため送風機22は停止する。 【0060】モード6図15はドア36に動作不良が発生した場合を示すもので、この場合、漏れ出した冷媒がデフロスタ開口部及びフェイス開口部側へ流れる。このとき、漏れ出した冷媒が乗員の頭部へ向けて吹き出すおそれがあるため送風機22は停止する。 【0061】モード7図16は内外気切換ドア31、デフドア32a、フェイスドア32b及びフットドア32c等が正常作動した場合を示すもので、この場合は送風機22を稼動させる。 【0062】モード8図17は、ドア32a、32b、36が動作不良を起こしているものの、漏れ出した冷媒がフット開口部からのみ車室内へ流れるので、このときは、送風機22の運転をそのまま続ける。 【0063】なお、ドア32a、32b、36の動作不良が発生しているので、勿論、送風機22の運転を停止してもよいモード9図18は、ドア32a、32b、35の動作不良によりドアがすべて閉じている場合である。このとき、漏れ出した冷媒がドアの隙間から室内へ洩れだす速度を遅くし、また、開放部である外気導入口から排出するために送風機22を停止する。 【0064】なお、上記の説明は冷媒漏れを例に述べたが、第1実施形態で述べたように、車室内の窓ガラスが曇り易い状況にあると判定された場合も冷媒漏れを検出したときの同様な制御を行うので、車室内の窓ガラスが曇り易い状況にあると判定されたときの説明は省略するが、本実施形態においても、第1実施形態と同様な効果を得ることができることは、言うまでもない。 【0065】(第3実施形態)本実施形態は、第2実施形態の変形例であり、具体的には、図19に示すように、室内熱交換器21を通過した空気の少なくとも一部を外部に排出する排出口20cを設けるとともに、排出口20cを開閉する排出口開閉ドア37及び排出口開閉ドア37のドア位置を検出するポテンショメータ47を設けたものである。 【0066】そして、空調ケーシング20内に冷媒が漏れ出している、又は漏れ出得る状態にあると判定された場合には、また、車室内の窓ガラスが曇り易い状況にあると判定された場合には、ドア37を開いて漏れ出した冷媒を車室外へ排出するとともに、ドア34、35を閉じる。さらに、車室内の換気あるいは暖房を行うために、ドア32a、32b、32cの少なくとも1つを開く、あるいは空調を必要としないとした際にはすべてのドアを閉じる。 【0067】また、図20は空調ケーシング20内に冷媒が漏れ出している、又は漏れ出得る状態にあると判定された場合、及び車室内の窓ガラスが曇り易い状況にあると判定された場合における、内外気切換ドア31、デフドア32a、フェイスドア32b及びフットドア32c等と送風機22の作動との関係を示す図表であり、図21〜27は図20に示されたモード1〜7における内外気切換ドア31、デフドア32a、フェイスドア32b及びフットドア32c等の状態を示すものである。 【0068】モード1図21は、ドア37の動作不良により排出口20cが閉じてしまってた場合を示すもので、この場合は、実質的に排出口20cが設けられていない第2実施形態と同様となるので、送風機22の制御は第2実施形態(図9)と同様とする。又は、ドア37に動作不良が発生していることから、送風機22を停止するとしてもよい。 【0069】モード2図22は、外気導入とするところ内外気切換ドア31の動作不良より外気のみを導入することができなくなった場合を示すものである。このとき、漏れ出した冷媒が車室内を循環するおそれがあるため送風機22を傳止する。 【0070】モード3図23はドア34の動作不良が発生した場合を示すものである。この場合、漏れ出した冷媒がデフロスタ開口部及びフェイス開口部側へ流れて、漏れ出した冷媒が乗員の頭部へ向けて吹き出すおそれがあるので、送風機22を停止する。 【0071】モード4図24はドア35の動作不良が発生した場合を示すものである。この場合、漏れ出した冷媒がデフロスタ開口部及びフェイス開口部側へ流れて、漏れ出した冷媒が乗員の頭部へ向けて吹き出すおそれがあるので、送風機22を停止する。 【0072】モード5図25はドア35の動作不良が発生した場合を示すものである。この場合、漏れ出した冷媒が車室内へ流れ込んでしまうおそれがあるが、流れ込む通路は、フット開口部のみであるので、送風機22の運転は続けるかどうかは危険度により判断する。あるいは、ドア35に動作不良が発生しているので、送風機22を停止してもよい。 【0073】モード6図26は内外気切換ドア31、デフドア32a、フェイスドア32b及びフットドア32c等が正常作動した場合を示すもので、この場合は送風機22を稼動させる。 【0074】モード7図27では、ドア32a、32bが動作不良となっているものの、結果として漏れ出した冷媒が乗員の頭部へ向けて吹き出すことはないので、ドア34〜36が動作不良を起こしていても送風機22の運転をする。あるいは、ドア35に動作不良が発生しているので、送風機22を停止してもよい。 【0075】なお、上記の説明は冷媒漏れを例に述べたが、第1実施形態で述べたように、車室内の窓ガラスが曇り易い状況にあると判定された場合も冷媒漏れを検出したときの同様な制御を行うので、車室内の窓ガラスが曇り易い状況にあると判定されたときの説明は省略するが、本実施形態においても、第1実施形態と同様な効果を得ることができることは、言うまでもない。 【0076】(その他の実施形態)また、上述の実施形態では、ヒータ23はエンジン冷却水を熱源とするものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば電気ヒータやエンジンの排気ガスを熱源とするヒータなどであってもよい。 【0077】また、上述の実施形態では、室内熱交換器21に直接に冷媒が流れるものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、水又はアルコール等を成分とする2次冷媒を室内熱交換器21に流し、この2次冷媒を加熱又は冷却することにより室内に吹き出す空気を加熱又は冷却してもよい。 【0078】また、上述の実施形態では、ドア手段として板ドアを採用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば公知のフィルムドアやスライドドアであってもよい。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地
|
| 【出願日】 |
平成14年3月15日(2002.3.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100100022 【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 洋二 (外2名)
|
| 【公開番号】 |
特開2003−267026(P2003−267026A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月25日(2003.9.25) |
| 【出願番号】 |
特願2002−72344(P2002−72344) |
|