| 【発明の名称】 |
車両用空調装置用フィルタの固定構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】山田 功 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内
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| 【要約】 |
【課題】フィルタ挿入口部分にパッキンを配設しても、フィルタの組み付け性が悪化してしまうことを防止する。
【解決手段】フィルタ130の枠体132の先端が内外気切換ケーシング121の突起部123の先端に形成された斜面123aに沿うように変位させて、枠体132を撓ませて突起部123と穴部133とを嵌合させる。これにより、摩擦力に比べて、確実、かつ、大きな固定力を得ることができるとともに、適切な節度感を持たせながら、比較的に小さな挿入力にて突起部123と穴部133とを確実に嵌合させることができる。したがって、パッキン140を押し潰して挿入口126部分を確実にシールしながら、フィルタ130の組み付け性を向上させることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 空気を浄化するフィルタ(130)を有する車両用空調装置において、前記フィルタ(130)を空調ケーシング(121)に挿入装着するためのフィルタの固定構造であって、前記空調ケーシング(121)のうち前記フィルタ(130)の挿入口(126)部分には、パッキン(140)が設けられ、前記フィルタ(130)の枠体(132)のうち挿入方向先端側には、前記空調ケーシング(121)に形成された突起部(123)と係合する穴部(133)が形成されており、さらに、前記突起部(123)の挿入方向後退側には、前記フィルタ(130)の挿入方向前進の向きに対する迎え角(θ1)が鋭角となるような斜面(123a)が形成されていることを特徴とする車両用空調装置用フィルタの固定構造。 【請求項2】 空気を浄化するフィルタ(130)を有する車両用空調装置において、前記フィルタ(130)を空調ケーシング(121)に挿入装着するためのフィルタの固定構造であって、前記空調ケーシング(121)のうち前記フィルタ(130)の挿入口(126)部分には、パッキン(140)が設けられ、前記フィルタ(130)の枠体(132)のうち挿入方向先端側には、前記空調ケーシング(121)に形成された突起部(123)と係合する穴部(133)が形成されており、さらに、前記枠体(132)の先端には、前記フィルタ(130)の挿入方向後退の向きに対する迎え角(θ3)が鋭角となるような斜面(132b)が形成されていることを特徴とする車両用空調装置用フィルタの固定構造。 【請求項3】 前記穴部(133)の内壁のうち挿入方向前進側、及び前記突起部(123)のうち挿入方向前進側のうち少なくとも一方には、挿入方向後退の向きに対する迎え角(θ2)が鋭角となるような斜面(123b)が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用空調装置用フィルタの固定構造。 【請求項4】 前記空調ケーシング(121)には、前記穴部(133)と前記突起部(123)との係合状態が外れることを防止するフィルタ押さえ手段(124)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置用フィルタの固定構造。 【請求項5】 前記空調ケーシング(121)には、前記フィルタ(130)の挿入を案内する挿入ガイド(125)が設けられており、さらに、前記挿入ガイド(125)には、前記枠体(132)に向けて突出する突起部(125a)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用空調装置用フィルタの固定構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、フィルタを空調ケーシングに挿入装着するためのフィルタの固定構造に関するもので、トラック等のいわゆるキャブオーバ型の車両に適用して有効である。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】トラック等のいわゆるキャブオーバ型の車両では、フィルタのメインテナンス性を向上させるべく、車両前面側の開閉ドアを開くことにより、車室外からフィルタを脱着することができるように構成されている。 【0003】このとき、フィルタを空調ケーシングに固定するに当たっては、フィルタの枠体に比較的に小さな突起部を設けるとともに、この突起部の先端側を撓ませるようにして突起部を所定の面圧にて空調ケーシングに接触させて、摩擦力によりフィルタを空調ケーシングに固定していた。 【0004】ところで、上記のフィルタの固定構造では、車室外からフィルタを空調ケーシングに装着するため、空調ケーシングに設けられたフィルタ挿入用の挿入口から雨水が空調ケーシング内に進入するおそれがある。 【0005】これに対して、従来は、挿入口が車両前面側のうち比較的に雨水が浸入し難い部位に設けられていたので、空調ケーシング内への雨水の浸入がそれほど顕著な問題とはならなかったが、近年、車種によっては、空調ケーシング内への雨水の浸入が顕著な問題となる場合が発生してきた。 【0006】そこで、発明者は、挿入口部分にスポンジ状のパッキンを配設することを検討したが、挿入口部分にパッキンを配設すると、以下のような問題が新たに発生する。 【0007】すなわち、パッキンにて十分に挿入口をシールするには、パッキンを所定量以上、押し潰す必要があるが、パッキンを押し潰すと、パッキンが元に戻ろうとする復元力が大きくなるので、フィルタを空調ケーシングに固定保持するための固定力をパッキンの復元力の増大に応じて大きくする必要がある。 【0008】このため、上記の構造のごとく、摩擦力によりフィルタを空調ケーシングに固定する構造では、突起部を大きくして摩擦力を大きくせざるを得ないので、フィルタを空調ケーシングに装着する際に大きな挿入力を必要とし、フィルタの組み付け性、すなわち脱着メインテナンス性が悪化してしまう。 【0009】本発明は、上記点に鑑み、挿入口部分にパッキンを配設しても、フィルタの組み付け性が悪化してしまうことを防止することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、空気を浄化するフィルタ(130)を有する車両用空調装置において、フィルタ(130)を空調ケーシング(121)に挿入装着するためのフィルタの固定構造であって、空調ケーシング(121)のうちフィルタ(130)の挿入口(126)部分には、パッキン(140)が設けられ、フィルタ(130)の枠体(132)のうち挿入方向先端側には、空調ケーシング(121)に形成された突起部(123)と係合する穴部(133)が形成されており、さらに、突起部(123)の挿入方向後退側には、フィルタ(130)の挿入方向前進の向きに対する迎え角(θ1)が鋭角となるような斜面(123a)が形成されていることを特徴とする。 【0011】これにより、フィルタ(130)を挿入すると、枠体(132)の先端が斜面(123a)に沿うように移動して枠体132が撓んで、突起部(123)と穴部(133)とが嵌合して係合する。 【0012】そして、本発明では、突起部(123)と穴部(133)とを係合させて固定するので、摩擦力に比べて、確実、かつ、大きな固定力を得ることができる。 【0013】また、枠体(132)を撓ませて突起部(123)と穴部(133)とを係合させるので、適切な節度感を持たせながら、比較的に小さな挿入力にて突起部(123)と穴部(133)とを確実に係合させることができる。 【0014】したがって、パッキン(140)を押し潰して挿入口(126)部分を確実にシールしながら、フィルタ(130)の組み付け性を向上させることができる。 【0015】また、突起部(123)と穴部(133)との係合によりフィルタ(130)を固定するので、摩擦力にてフィルタ(130)を固定する場合に比べて、経時変化の影響を受け難く、長期間に渡って安定的にフィルタ(130)を固定することができる。 【0016】請求項2に記載の発明では、空気を浄化するフィルタ(130)を有する車両用空調装置において、フィルタ(130)を空調ケーシング(121)に挿入装着するためのフィルタの固定構造であって、空調ケーシング(121)のうちフィルタ(130)の挿入口(126)部分には、パッキン(140)が設けられ、フィルタ(130)の枠体(132)のうち挿入方向先端側には、空調ケーシング(121)に形成された突起部(123)と係合する穴部(133)が形成されており、さらに、枠体(132)の先端には、フィルタ(130)の挿入方向後退の向きに対する迎え角(θ3)が鋭角となるような斜面(132b)が形成されていることを特徴とする。 【0017】これにより、フィルタ(130)を挿入すると、枠体(132)の先端が斜面(132b)に沿うように移動して枠体132が撓んで、突起部(123)と穴部(133)とが嵌合して係合する。 【0018】そして、本発明では、突起部(123)と穴部(133)とを係合させて固定するので、摩擦力に比べて、確実、かつ、大きな固定力を得ることができる。 【0019】また、枠体(132)を撓ませて突起部(123)と穴部(133)とを係合させるので、適切な節度感を持たせながら、比較的に小さな挿入力にて突起部(123)と穴部(133)とを確実に係合させることができる。 【0020】したがって、パッキン(140)を押し潰して挿入口(126)部分を確実にシールしながら、フィルタ(130)の組み付け性を向上させることができる。 【0021】また、突起部(123)と穴部(133)との係合によりフィルタ(130)を固定するので、摩擦力にてフィルタ(130)を固定する場合に比べて、経時変化の影響を受け難く、長期間に渡って安定的にフィルタ(130)を固定することができる。 【0022】請求項3に記載の発明では、穴部(133)の内壁のうち挿入方向前進側、及び突起部(123)のうち挿入方向前進側のうち少なくとも一方には、挿入方向後退の向きに対する迎え角(θ2)が鋭角となるような斜面(123b)が形成されていることを特徴とする。 【0023】これにより、枠体(132)の先端側が斜面(123b)に沿って変位して枠体(132)が撓むため、突起部(123)と穴部(133)とを係合状態が開放され、フィルタ(130)を空調ケーシング(121)から容易に取り外すことができる。 【0024】したがって、比較的に小さな挿入力にて突起部(123)と穴部(133)との係合状態が開放を開放することができるので、フィルタ(130)の脱着性を向上させることができる。 【0025】なお、請求項4に記載の発明のごとく、空調ケーシング(121)には、穴部(133)と突起部(123)との係合状態が外れることを防止するフィルタ押さえ手段(124)を設けることが望ましい。 【0026】また、請求項5に記載の発明のごとく、空調ケーシング(121)にフィルタ(130)の挿入を案内する挿入ガイド(125)を設け、挿入ガイド(125)に枠体(132)に向けて突出する突起部(125a)を設けてもよい。 【0027】因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。 【0028】 【発明の実施の形態】本実施形態は、本発明に係る車両用空調装置用フィルタの固定構造をキャブオーバ型の車両に適用したものであって、図1は空調装置のうち送風機ユニット110及び内外気切換ユニット120の外観図である。なお、図2は後述するフィルタ130の二面図であり、図3は後述する内外気切換ケーシング121の説明図である。 【0029】ここで、図1に示される送風機ユニット110は、シロッコファン等の遠心ファン(図示せず。)、遠心ファンを回転駆動する電動モータ等の駆動源111、及び遠心ファンを収納する渦巻き状のスクロールケーシング112等からなるもので、送風機ユニット110の吸入口(図示せず。)側に内外気切換ユニット120が組み付けられている。 【0030】また、内外気切換ユニット120は、車室内空気を導入する内気導入口及び車室外空気を導入する外気導入口が形成された内外気切換ケーシング121、並びに内気導入口及び外気導入口を開閉する内外気切換ドア122等からなるものであり、内外気切換ドア122は、手動操作又はサーボモータにより駆動される。 【0031】そして、内外気切換ケーシング121のうち内気導入口には、内気導入口に流入する空気中の塵埃を除去することにより車室内に吹き出す空気を浄化するフィルタ130が装着されており、このフィルタ130は、図2に示すように、無数の微孔が形成された膜状のフィルタ部131、樹脂製の枠体132等からなるもので、フィルタ部131は熱溶着等の手段により枠体132に固着されている。 【0032】また、枠体132のうち挿入方向先端側には、内外気切換ケーシング121に形成された突起部123(図3参照)と係合する穴部133が形成されている。 【0033】そして、図3に示すように、突起部123の挿入方向後退側(図3において、突起部123の左側の面)には、フィルタ130の挿入方向前進の向きに対する迎え角θ1が鋭角となるような斜面123aが形成され、一方、突起部123のうち挿入方向前進側(図3において、突起部123の右側の面)には、挿入方向後退の向きに対する迎え角θ2が鋭角となるような第2の斜面123bが形成されて、突起部123の先端側断面が三角状に形成されている。 【0034】また、内外気切換ケーシング121には、穴部133と突起部123との係合状態が外れることを防止するフィルタ押さえ124、及びフィルタ130の挿入を案内する挿入ガイド125が一体形成されている。 【0035】そして、挿入ガイド125には、フィルタ130の枠体132に向けて突出する突起部125aが一体形成されているとともに、枠体132のうち突起部125aに対応する部位には、図2に示すように、突起部125aが嵌合する凹部132aが形成されている。 【0036】また、枠体132の先端には、フィルタ130の挿入方向後退の向きに対する迎え角θ3が鋭角となるような斜面132bが形成されている。なお、本実施形態では、フィルタ130表裏両面側を同一形状として誤組み付けを防止すべく、凹部132a及び斜面132bを枠体132の表裏両面に設けている。 【0037】また、本実施形態では、フィルタ130のうち、内外気切換ケーシング121に設けられたフィルタ挿入用の挿入口126(図3参照)に対応する部位に、挿入口126を塞ぐようなフランジ部134を設けるとともに、このフランジ部134の挿入口134側にスポンジ等の弾性変形可能な材料からなるパッキン140を貼り付けている。 【0038】次に、フィルタ130の装着方法、及びその効果を図4に基づいて述べる。 【0039】図4はフィルタ130の装着方法を示す説明図であり、装着時には(a)→(b)→(c)の順となり、取り外すときには、逆に(c)→(b)→(a)の順となる。 【0040】1.装着時枠体132に設けられたつまみ部135を持って挿入口126からフィルタ130を挿入していく。すると、枠体132の先端が突起部123に突き当たり、作業者は枠体132の先端が突起部123まで到達したことを挿入力の変化により感じ取る(図4(a))。 【0041】そしてさらに、枠体132を押し込むと、突起部123の先端に形成された斜面123aと枠体132の先端に形成された斜面132bとが衝突するため、枠体132の先端側に挿入方向と直交する方向の力が作用し、枠体132の先端側が、図4(b)に示すように、斜面123a、132bに沿うように移動して枠体132が撓み、最後には、突起部123と穴部133とが嵌合して係合するとともに、挿入ガイド125の突起部125aが枠体132の凹部132aに嵌合する(図4(c))。 【0042】そして、フィルタ押さえ124により突起部123と穴部133との嵌合が外れることが防止され、フィルタ130が内外気切換ケーシング121に固定される。 【0043】以上に述べたように、本実施形態では、突起部123と穴部133とを係合させて固定するので、摩擦力に比べて、確実、かつ、大きな嵌合固定力を得ることができる。 【0044】また、枠体132を撓ませて突起部123と穴部133とを係合させるので、適切な節度感を持たせながら、比較的に小さな挿入力にて突起部123と穴部133とを確実に係合させることができる。 【0045】したがって、パッキン140を押し潰して挿入口126を確実にシールしながら、フィルタ130の組み付け性を向上させることができる。 【0046】また、本実施形態では、突起部123と穴部133との係合によりフィルタ130を固定するので、摩擦力にてフィルタ130を固定する場合に比べて、経時変化の影響を受け難く、長期間に渡って安定的にフィルタ130を固定することができる。 【0047】2.フィルタを取り外すときつまみ部135を持ってフィルタ130の挿入方向とは逆向き、つまり挿入方向後退側に引っ張る。これにより、穴部133の内壁と突起部123の斜面123bとが衝突するため、枠体132の先端側が斜面123bに沿って変位して枠体132が撓むため(図4(b))、突起部123と穴部133とを係合状態が開放され、フィルタ130を内外気切換ケーシング121から取り外すことができる。 【0048】したがって、比較的に小さな挿入力にて突起部123と穴部133との係合状態が開放を開放することができるので、フィルタ130の脱着性を向上させることができる。 【0049】また、本実施形態では、枠体132に穴部133等の係合手段を設けているので、フィルタ130の通風面積を縮小させることなく、フィルタ130を固定することができる。したがって、通風面積の縮小に伴う性能低下及び騒音増加を未然に防止できる。 【0050】また、突起部123と挿入ガイド125と直交する方向に突出させているので、スライド型を用いることなく、容易に内外気切換ケーシング121及び突起部123を一体成形することができる。 【0051】ところで、仮に、係合手段を枠体132の先端ではなく、挿入口126側に設けると、挿入口126近傍に係合手段を構成する穴部を設ける必要があるので、挿入口126を十分にシールすることができなくなるおそれがある。 【0052】これに対して、本実施形態では、枠体132の先端側に係合手段を設けているので、上記のような問題は発生せず、確実に挿入口126をシールすることができる。 【0053】(その他の実施形態)上述の実施形態では、突起部123のうち挿入方向前進側に、挿入方向後退の向きに対する迎え角θ2が鋭角となるような第2の斜面123bを設けて、フィルタ130を取り外す際に枠体132が撓み易くしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、穴部133の内壁のうち挿入方向前進側に、挿入方向後退の向きに対する迎え角が鋭角となるような斜面を設けてよい。 【0054】また、上述の実施形態では、室外からフィルタ130を取り外す空調装置を例に本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地
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| 【出願日】 |
平成13年11月15日(2001.11.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100100022 【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 洋二 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−146069(P2003−146069A) |
| 【公開日】 |
平成15年5月21日(2003.5.21) |
| 【出願番号】 |
特願2001−350445(P2001−350445) |
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