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【発明の名称】 車両用空気清浄器
【発明者】 【氏名】片岡 博
【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内

【氏名】守屋 徹
【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内

【要約】 【課題】十分な風量を確保できる上に機器全体の厚さを薄くでき、かつケーシングを構成するカバー体の変形を防止できる車両用空気清浄器を提供する。

【解決手段】1つの吸込口31と2つの吹出口41をもつ車両用空気清浄器10のケーシング1が、矩形状の本体ケース2と、矩形状のカバー体3及びフィルタカバー4とからなり、本体ケースとカバー体とが長手方向に十分な間隔をあけて矩形状の四隅のネジ固定部32でネジ9等によって固定されており、かつ長手方向の2つのネジ固定部間の略中央部で、カバー体に設けられた引掛リブ33によって、カバー体が本体ケースに係止されている。これによりカバー体の変形が防止できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 吸込口から吹出口へと空気が流れる空気通路と、該吸込口から該吹出口に向かう空気流を該空気通路内に発生させる送風機と、該空気通路内に設置され、該空気通路内を通過する空気を清浄化するフィルタとを備えた車両用空気清浄器において、前記車両用空気清浄器のケーシングが、少なくとも矩形状の本体ケースと矩形状のカバー体とよりなり、前記本体ケースと前記カバー体とが長手方向に十分な間隔をあけて矩形状の四隅において、ネジ固定部でネジ等によって固定されており、かつ長手方向の2つのネジ固定部間の略中央部で、前記カバー体に設けられた引掛リブによって前記カバー体が前記本体ケースに係止されることを特徴とする車両用空気清浄器。
【請求項2】 前記カバー体に前記引掛リブを設けた位置が、前記本体ケースに設けられるスイッチの近傍であることを特徴とする請求項1に記載の車両用空気清浄器。
【請求項3】 前記カバー体に前記引掛リブの型抜き穴が設けられており、該型抜き穴が銘板によって覆われていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用空気清浄器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車室内の空気を清浄化する車両用空気清浄器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車室内の空気を清浄化する空気清浄器を車室の天井に装着した車両用空気清浄器がある。この車両用空気清浄器は、空気の吸込口及び吹出口がそれぞれ1個所であり、またファンのモータもブラシモータを使用しているため、空気清浄器の機器の厚さがかなり厚くなってしまい、車室の天井からかなり突出した形になるため、乗員の頭部がぶつかる恐れがあった。また、吸込口と吹出口が各1個所であるため、十分な風量を確保できず、空気流れが極所的になりがちであり、車室内の空気が淀み易く、車室内全体に渡って均一に空気を清浄化することができなかった。
【0003】そこで、本出願人は、先に特開2001−105848号公報に記載されるような車両用空気清浄器を提案している。この公知の車両用空気清浄器は、空気の吹出口を2個所にし、吸込口を1個所にしてフィルタによる空気流の圧力損失を少なくして十分な風量を確保できるようにしたものである。しかしながら、この車両用空気清浄器においても、吹出口が完全に側方を向いているため、機器の天井からの突出部分を十分に薄くすることができず、また吹出口が車両の前後方向を向いているために、吹出空気が乗員の頭部に直接触れるため、乗員に冷風感を与えたり或いは髪が乱れたりするという不具合が生じていた。また、この従来の車両用清浄器においては、機器全体が十分に薄く形成されていないため、ケーシングの変形についてはほとんど考慮されていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題に鑑みなされたもので、その目的は、十分な風量を確保できる上に機器全体の厚さを十分に薄くでき、かつケーシングを構成するカバー体の変形を防止できる車両用空気清浄器を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項に記載の車両用空気清浄器を提供する。請求項1に記載の車両用空気清浄器は、そのケーシングが、少なくとも矩形状の本体ケースと矩形状のカバー体とよりなり、これらの本体ケースとカバー体とが長手方向に十分な間隔をあけて矩形状の四隅において、ネジ固定部でネジによって固定されており、かつ長手方向の2つのネジ固定部間の略中央部で、カバー体に設けられた引掛リブによってカバー体が本体ケースに係止されるようにしたものであり、これにより、カバー体が自重によって撓むことによる変形が防止できる。
【0006】請求項2の車両用空気清浄器は、カバー体の引掛リブの位置を、本体ケースに設けられるスイッチの近傍にしたものであり、これにより、カバー体の撓みによってスイッチがカバー体の内部に潜り込んでしまうことを防止できる。請求項3の車両用空気清浄器は、カバー体に引掛リブの型抜き穴が設けられ、この型抜き穴を銘板で覆ったものである。引掛リブを有したカバー体を樹脂成形する場合には、引掛リブを型抜きするためにカバー体に型抜き穴を設ける必要があり、この型抜き穴を銘板で覆って外観を良好にすると共に、埃等の侵入を防止したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形態の車両用空気清浄器について説明する。図1は、本発明の車両用空気清浄器の特徴を最もよく示している、図2のA−A線における部分拡大断面図であり、図2は、本発明の車両用空気清浄器のカバー体の平面図であり、図3は、車両用空気清浄器の縦断面図である。車両用空気清浄器10のケーシング1は、矩形状の本体ケース2と、空気の吸込口が設けられた、同じく矩形状のカバー体3と、空気の吹出口を兼用したフィルタカバー4とから構成されている。このケーシング内部には、吸込口31から吹出口41に至る空気通路12が形成されると共に、吸込口31から吹出口41に向かう空気流れを発生させる、モータ51とファン52とよりなる送風機5が設置される。なお、モータ51としてはブラシレスモータを使用している。吸込口31は、車両用空気清浄器10の略中央部に1個所設けられ、下方から空気を吸い込むようになっている。吹出口41は、中央の吸込口31に対して左右対称に2個所設けられている。従って吸込口31から吸い込まれた空気は、左右に分流されて空気通路12を通ってそれぞれの吹出口41から車室内に吹き出される。
【0008】送風機5の下流で、吹出口41の上流に位置する空気通路12内には、空気流れに沿って上流から順に除塵フィルタ6及び脱臭フィルタ7が配置されている。除塵フィルタ6は、直方体の形状をしていて、ひだ折りした不織布よりなり空気中の塵を捕捉(除去)し、脱臭フィルタ7は、同じく直方体の形状をしていて、ハニカム担体に添付された活性炭よりなり空気中の臭いを除去している。このように構成された車両用空気清浄器10は、車室天井の内装板8に、空気の吹出口41が車両の両側面をそれぞれ向くように装着されている。
【0009】本体ケース2とカバー体3とは、図4に示されるように両者の開口側を合わせる形で、ネジ9によって固定される。即ち矩形状のカバー体3の四隅には、ネジ固定部32が形成されており、これらのネジ固定部32に対応する本体ケース2の位置には、ネジ穴が形成されていて、ネジ9によって本体ケース2とカバー体3とが固着される。なお、本体ケース2に固着されたカバー体3の両側面には、吹出口を有するフィルタカバー4が着脱自在に取り付けられる。
【0010】更にカバー体3の長手方向の2つのネジ固定部間の略中央部には、本発明の特徴である顎部33aを有する引掛リブ33を設けている。この引掛リブ33は、カバー体3の内面から本体ケース2側に突出して設けられる。また、この顎部33aを有する引掛リブ33を樹脂成形により形成する必要上、引掛リブ33に隣接してカバー体3には型抜き穴34が設けられる。この型抜き穴34は、樹脂成形後に銘板35によって覆い隠される。更にカバー体3の引掛リブ33の近傍には、本体ケース2に設けられたスイッチ21をカバー体3から突き出させるためのスイッチ孔36が設けられている。このスイッチ21は、送風機5を手動によって高速運転と低速運転に切り換えるためのスイッチである。
【0011】本体ケース2には、カバー体3の引掛リブ33を受け入れ、顎部33aを引っ掛けるための壁部2aが形成されている。なお、本体ケース2の側部には、車両天井の内装材8の開口部周縁に引っ掛けるためのかぎ状フック22が設けられており、本体ケース2を内装材8に仮止めできるようになっている。
【0012】以上のように構成された本発明の車両用空気清浄器のケーシングにおいては、本体ケース2とカバー体3とをネジ固定するときに、カバー体3の長手方向の2つのネジ固定部32間の略中央部が、引掛リブ33によって本体ケース2に係止されるようになる。これは、本発明のように十分な風量を確保し、しかも機器の厚さを出来るだけ薄くするには、吸込口31及び吹出口41側の表面積を大きくする必要があり、そのためカバー体3が大きくなり、長手方向のネジ間のスパン(例えば、約370mm以上)が拡がり、カバー体3が自重により撓み易くなるが、本発明のカバー体3のようにネジ固定部32間の略中央部が引掛リブ33によって本体ケース2に係止されるので、カバー体3の撓みによる変形が防止できる。なお、カバー体3の中央部近辺には構造上ネジ固定のためのネジ固定部が設けられないために、引掛リブによって代行するものである。また、カバー体の変形が防止できるので、スイッチがカバー体の内部に没入するようなこともなくなり、スイッチ操作も容易に行える。
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地
【出願日】 平成13年11月15日(2001.11.15)
【代理人】 【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外3名)
【公開番号】 特開2003−146067(P2003−146067A)
【公開日】 平成15年5月21日(2003.5.21)
【出願番号】 特願2001−350626(P2001−350626)