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【発明の名称】 サスペンション
【発明者】 【氏名】横山 賢司
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車工業株式会社内

【要約】 【課題】車両のサスペンションにおいて、車幅方向にリーフスプリングを複数枚積層して配置することを実用上可能とし、サスペンションのコストを低減させる。

【解決手段】車両のクロスメンバ1に沿い2枚のリーフスプリング9、10が積層して車幅方向に配置され、クロスメンバ1に設けられたピポット14の近傍で、リーフスプリング9、10間にスペーサ15が配置されており、スペーサ14は鉄板16にゴム状弾性体17が加硫接着されたものであって、鉄板16が上方のリーフスプリング9に接着剤で接着され、ゴム状弾性体17が下方のリーフスプリング10に弾力的に当接していて、リーフスプリング9、10はピポット14により上方から支持されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数枚が積層されて車幅方向に配置され両端部にそれぞれ車輪側部材が連結されたリーフスプリングと、上記両端部に対して車両中央寄りに位置し上記リーフスプリングを車体側に支持するピポットと、隣接する上記リーフスプリング間に配置されたスペーサとを有し、上記スペーサは相互に連結された金属板及び弾性体をそなえ、隣接する上記リーフスプリングの一方に上記金属板が接着剤により接着されていると共に、隣接する上記リーフスプリングの他方に上記弾性体が弾力的に当接したサスペンション。
【請求項2】 請求項1において、上記弾性体がゴム状弾性体であるサスペンション。
【請求項3】 請求項1または請求項2において、隣接する上記リーフスプリングのうち上方のリーフスプリングに上記金属板が接着されたサスペンション。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両におけるサスペンション、とくに、車幅方向にリーフスプリングが配置されたサスペンションに関する。
【0002】
【従来の技術】車幅方向にリーフスプリングが配置された従来のサスペンションは、実開平6−79609号公報に例示されているように、単一の例えば合成樹脂製リーフスプリングを車幅方向に配置し、車両の左右にそれぞれコイルばねを装備しているが、車両の左右にコイルばねを装備させる場合には、コイルばねの単なるコスト増大に止まらず、車両の左右にそれぞれコイルばねを設置するスペースが必要となり、かつ、左右コイルばねを車両に組み付けるための工数が増加する等の問題があった。
【0003】他方、上記リーフスプリングのばね負荷を増大させてコイルばねを省略するために、リーフスプリングを単に複数枚積層して使用する場合、リーフスプリングに孔明け加工を施して、その孔を挿通するボルトで各リーフスプリングを固定することは、リーフスプリングにおける高応力部の強度を低下させることとなるため不具合であり、また、各リーフスプリング間をゴム材の加硫接着で連結するようにすれば、加硫接着時の熱影響により各リーフスプリングの強度が低下するおそれがあるので、リーフスプリングの複数枚積層使用は困難であると考えられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、車両のサスペンションにおいて、車幅方向にリーフスプリングを複数枚積層して配置することを実用上可能とし、サスペンションに関するコストを容易に低減させようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため、本発明にかかるサスペンションは、複数枚が積層されて車幅方向に配置され両端部にそれぞれ車輪側部材が連結されたリーフスプリングと、上記両端部に対して車両中央寄りに位置し上記リーフスプリングを車体側に支持するピポットと、隣接する上記リーフスプリング間に配置されたスペーサとを有し、上記スペーサは相互に連結された金属板及び弾性体をそなえ、隣接する上記リーフスプリングの一方に上記金属板が接着剤により接着されていると共に、隣接する上記リーフスプリングの他方に上記弾性体が弾力的に当接している。
【0006】すなわち、隣接するリーフスプリング間に配置されたスペーサの金属板が接着剤により一方のリーフスプリングに接着されていて、このリーフスプリングに対する金属板の接着に際してとくに熱処理が施されることはなく、また、他方のリーフスプリングに対してはスペーサの弾性体が弾力的に当接しているにすぎないため、リーフスプリング間にスペーサが配置されていても、リーフスプリングの強度は何ら損なわれることがないので、車幅方向に配置されたリーフスプリングを複数枚積層することが実用上可能となって、リーフスプリングが負担可能なばね荷重を容易に増大させることができることとなる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面に示す本発明の各実施形態例について、同等部分にはそれぞれ同一符号を付けて説明する。
【0008】図1〜図3において、車幅方向に延びるクロスメンバ1が図示しない車体に連結され、クロスメンバ1の左右両端にそれぞれサスペンションロアアーム2の一端が枢着されていると共に、タワー部材3を介してサスペンションアッパーアーム4の一端が枢着されており、両アーム2、4間に跨がって取り付けられたナックル5に図示しない車輪が装着され、サスペンションロアアーム2及びタワー部材3に跨がってショックアブソーバ6が取付けられている。
【0009】また、左右のサスペンションロアアーム2上にそれぞれ形成された略梯形凹部7に中空カバー8が嵌め込まれて位置決めされている一方、クロスメンバ1に沿い2枚のばね鋼製リーフスプリング9、10が積層して車幅方向に配置され、リーフスプリング9、10の左右両端がそれぞれ合成樹脂製スペーサ11を挟み、リーフスプリング9端部の長孔12にスペーサ11の突起13が嵌め込まれた状態で、中空カバー8内に挿入されている。
【0010】さらに、クロスメンバ1に設けられたピポット部14の近傍でリーフスプリング9、10間にスペーサ15が配置されており、スペーサ15は鉄板16の一方の面に平板状のゴム状弾性体17の一方の面が加硫接着されたものであって、鉄板16の他方の面はリーフスプリング9の下面にアセタール系等の接着剤により強固に接着され、ゴム状弾性体17の他方の面はリーフスプリング10の上面に弾力的に当接していて、リーフスプリング9、10はピポット部14により上方から支持されている。
【0011】この場合、リーフスプリング9、10が上下方向に作用する負荷に応じて上下へ弾力的に撓み、また、左右のショックアブソーバ6が車体の上下変位に応じて伸縮することにより、車体は左右の車輪に対して適宜弾力的に懸架され、リーフスプリング9、10間の相対的な変位は、スペーサ15におけるゴム状弾性体17の伸縮及びまたは剪断変形により吸収されることとなるが、鉄板とゴム状弾性体との接着剤による接着力は比較的小さいのに対し、リーフスプリング9と鉄板16との接着剤による接着力は比較的大きく、しかも、鉄板16がリーフスプリング9の下面、すなわち、リーフスプリング9のテンション面側に接着されているため、その接着力を良好に確保することができ、また、鉄板16に対するゴム状弾性体17の加硫接着力も大きいので、スペーサ15によってリーフスプリング9、10間の上記相対的変位が容易に許容されることとなる。
【0012】上記装置においては、リーフスプリング9、10間に配置されたスペーサ15の鉄板16が接着剤により一方のリーフスプリング9に接着されていて、リーフスプリング9に対する鉄板16の接着に際してとくに熱処理が施されることはなく、また、他方のリーフスプリング10に対してはスペーサ15のゴム状弾性体17が弾力的に当接していて、リーフスプリング9、10間にスペーサ15が配置されていても、リーフスプリング9、10の強度は何ら損なわれることがないので、車幅方向に配置されたリーフスプリング9、10を積層して使用することが実際上可能となって、リーフスプリング9、10により負担可能なばね荷重を容易に増大させることができることとなる。
【0013】従って、車両の左右に従来必要とされたコイルばねを不要とすることができるため、コイルばねのコストを不要にできると同時に、車両の左右にそれぞれコイルばねを設置するスペースも、左右コイルばねを車両に組み付けるための工数も不要となるので、サスペンション全体としてのコストを大幅に軽減させることができる。
【0014】図4に示す実施形態例は、スペーサ15におけるばね鋼板16の一方の面側へ切り起こし20が形成されたものであって、ばね鋼板16の他方の面がリーフスプリング9の下面に接着剤により強固に接着され、切り起こし20の先端がリーフスプリング10の上面に弾力的に当接していて、他の構造は上記実施形態例と変わるところがなく、リーフスプリング9、10が上下へ弾力的に撓む場合におけるリーフスプリング9、10間の相対的な変位は、切り起こし20の撓みと、切り起こし20先端及びリーフスプリング10上面間のすべりにより容易に許容されることとなって、上記実施形態例と同等の作用効果を奏することができるものである。
【0015】なお、上記各実施形態例はリーフスプリングが2枚使用されているが、必要に応じてリーフスプリングの数を適宜増大させ、各リーフスプリング間に上記各実施形態例の場合と同様なスペーサをそれぞれ配置することにより、上記各実施形態例と同様な作用効果を奏することができるのはいうまでもなく、また、スペーサの鉄板を下側のリーフスプリングに接着して、スペーサの弾性体を上側のリーフスプリングに弾力的に当接するようにしてもよいものである。
【0016】
【発明の効果】本発明にかかるサスペンションにあっては、隣接するリーフスプリング間に配置されたスペーサの金属板が接着剤により一方のリーフスプリングに接着され、他方のリーフスプリングに対してはスペーサの弾性体が弾力的に当接していて、リーフスプリング間にスペーサが配置されていても、リーフスプリングの強度は何ら損なわれることがないため、車幅方向に配置されたリーフスプリングを複数枚積層することが実用上可能となって、リーフスプリングが負担可能なばね荷重を容易に増大させることができるので、従来必要とされた車両左右のコイルばねを不要化して、全体的なコストの低減を図ることが可能となる。
【出願人】 【識別番号】303002158
【氏名又は名称】三菱ふそうトラック・バス株式会社
【住所又は居所】東京都港区港南二丁目16番4号
【出願日】 平成14年5月30日(2002.5.30)
【代理人】 【識別番号】100066278
【弁理士】
【氏名又は名称】日昔 吉武
【公開番号】 特開2003−341328(P2003−341328A)
【公開日】 平成15年12月3日(2003.12.3)
【出願番号】 特願2002−156538(P2002−156538)