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【発明の名称】 ブラケット
【発明者】 【氏名】望月 貴司
【住所又は居所】東京都日野市日野台3丁目1番地1 日野自動車株式会社内

【要約】 【課題】サイドレールに対する締結部位の高い強度信頼性を確保しつつ同時に大幅な軽量化を実現し得るようにしたブラケットを提供する。

【解決手段】車両のシャシフレームを成す各サイドレール1の外側面に上端部を取り付けられて下方向きに延び且つその下端部でロアロッドを支持するようにしたブラケット21に関し、各サイドレール1の外側面に取り付けられる上端部に、ボルト締結用のボス部16,17を上下二段に配列し、その上段側のボス部16の列群と下段側のボス部17の列群との間を、下方へ向かうに従い徐々に車幅方向外側へ張り出すように傾斜させて形成し、その傾斜させて形成した部位Aの車幅方向内側の面に、上下方向に延びる適宜な条数のリブ22を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両のシャシフレームを成す各サイドレールの外側面に上端部を取り付けられて下方向きに延び且つその下端部でロアロッドを支持するようにしたブラケットにおいて、前記各サイドレールの外側面に取り付けられる上端部に、ボルト締結用のボス部を上下二段に配列し、その上段側のボス部の列群と下段側のボス部の列群との間を、下方へ向かうに従い徐々に車幅方向外側へ張り出すように傾斜させて形成し、その傾斜させて形成した部位の車幅方向内側の面に、上下方向に延びる適宜な条数のリブを形成したことを特徴とするブラケット。
【請求項2】 車幅方向に延在するスタビライザバーを保持し得るよう下端部に軸保持部を設け、該軸保持部に保持されて車幅方向外側に張り出したスタビライザバーの端部とアクスルの下方部位との間を連結するアームをロアロッドを兼用する部材として支持し得るように構成したことを特徴とする請求項1に記載のブラケット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のサスペンション構造でロアロッドを車体側から支持するためのブラケットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6及び図7はトラックやバスなどの大型車両におけるサスペンション構造の一例を示すもので、車体の前後方向(図6中における左右方向)に延びる左右一対のサイドレール1の下方に、車幅方向(図7中における上下方向)に延び且つその両端で車輪2を軸支する為のアクスル3が配置されており、該アクスル3の端部寄りの下面に一体的に組み付けられたサポートビーム4の前後端部と前記サイドレール1下面との間に、上下方向の振動を吸収するエアスプリング5が介装されている。
【0003】また、前側に配置されたエアスプリング5の更に前方のサイドレール1の外側面には、下方向きに延びるブラケット6の上端部が取り付けられており、該ブラケット6の下端部と前記サポートビーム4の中間部との間が、車体のロール剛性を高めるスタビライザ7により傾動自在に連結されている。
【0004】即ち、ここに図示しているスタビライザ7は、一般的にロアロッド一体式スタビライザと称されているもので、左右のブラケット6の下端部に設けた軸保持部11によりラバーブッシュを介し両端部を保持されて車幅方向に延在する中空パイプのスタビライザバー8と、該スタビライザバー8の両端部に前端部を固定装着し且つ後端部を前記サポートビーム4の中間部に設けたブラケット10に対しラバーブッシュを介して連結したアーム9とにより構成されて左右の車輪2の間をコの字型に橋渡しするようになっており、左右の車輪2が同時に上下動した場合はブラケット6に対しスタビライザバー8がラバーブッシュの弾性変形により左右対称に回動してスタビライザ7が特に働くことはないが、コーナリングなどで左右の車輪2が異なる上下動を成した場合には、スタビライザバー8に捩じれモーメントが作用し、その反力で左右の車輪2を元に戻すような働きを成すようになっている。
【0005】ここで、このスタビライザ7におけるアーム9は、ロアロッド(ロア側のラジアスロッド)としてアクスル3の前後の位置決めを行う機能も兼ね備えており、ロアロッドを別に設けなくても済むようにしてあるが、これらのアーム9だけでは、アクスル3にかかる軸回りの回転モーメント(制動力や駆動力)及び横方向への変位モーメントを確実に抑え込むことが困難である為、アクスル3の中央部上面と、左右のサイドレール1の内側面との間が、アッパロッド(アッパ側のラジアスロッド)として機能するVロッド12により連結されるようになっており、より具体的には、このVロッド12の左右に別れた分岐端部12a(前側端部)が、左右のサイドレール1の内側面から延ばしたブラケット13に対しラバーブッシュを介して連結され、また、Vロッド12中央の屈曲端部12b(後側端部)が、アクスル3の中央部上側に設けたブラケット14に対しラバーブッシュを介して連結されている。
【0006】このようなVロッド12を採用すれば、車体の前後方向と左右方向の両方の向きの入力に対して対応することが可能となるので、平行リンク式のトルクロッドを採用した場合のような左右方向の入力対策としてのラテラルロッドを別途並設しなくても済み、しかも、下側のアーム9に対し上方にオフセット配置されているので、アクスル3にかかる軸回りの回転モーメントを確実に抑え込むことが可能となる。
【0007】尚、前記サポートビーム4の中途部と、その直上のサイドレール1との間は、上下方向に延びるショックアブソーバ15により連結されており、このショックアブソーバ15により上下方向の振動の揺り返しを抑制して振動減衰が図られるようにしてある。
【0008】そして、斯かる従来のサスペンション構造においては、図8〜図11に詳細を示す如く、ロアロッドを兼ねたアーム9の前端部を支持しているブラケット6の上端部にボルト締結用のボス部16,17を上下二段に配列し、その上段側のボス部16の列群と下段側のボス部17の列群との間を垂直面としてサイドレール1の外側面に沿わせ、前記各ボス部16,17に図示しないボルトを通して前記ブラケット6の上端部をサイドレール1の外側面に締結するようにしている(図中の18,19は軽減孔を示す)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このようにブラケット6の上端部をサイドレール1の外側面に沿わせて締結しただけの構造では、アーム9からスタビライザバー8を介して入力される推進時及び制動時の応力に対する締結部位の十分な強度信頼性を確保することが難しいため、ブラケット6の上端部の車幅方向外側の面に上下方向に延びる比較的大型のリブ20を複数条形成して補強を図る必要があるが、この比較的大型のリブ20の形成分が鋳物のブラケット6の重量、延いては車両重量を増加させる要因となっていた。
【0010】本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、サイドレールに対する締結部位の高い強度信頼性を確保しつつ同時に大幅な軽量化を実現し得るようにしたブラケットを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、車両のシャシフレームを成す各サイドレールの外側面に上端部を取り付けられて下方向きに延び且つその下端部でロアロッドを支持するようにしたブラケットにおいて、前記各サイドレールの外側面に取り付けられる上端部に、ボルト締結用のボス部を上下二段に配列し、その上段側のボス部の列群と下段側のボス部の列群との間を、下方へ向かうに従い徐々に車幅方向外側へ張り出すように傾斜させて形成し、その傾斜させて形成した部位の車幅方向内側の面に、上下方向に延びる適宜な条数のリブを形成したことを特徴とするものである。
【0012】従って、本発明では、上段側のボス部の列群と下段側のボス部の列群との間が、下方へ向かうに従い徐々に車幅方向外側へ張り出すように傾斜されているため、この傾斜させて形成した部位と、サイドレールの外側面と、上下二段のボス部の列群とにより囲まれた閉断面のモノコックに近い剛構造が構成されることになり、しかも、前記の傾斜させた部位の車幅方向内側の面を、上下方向に延びる適宜な条数のリブにより効果的に補強しているので、いたずらに肉厚部分を形成しなくても、全体質量に対し効率の良い強度向上を図ることが可能となり、特に前記のリブを比較的小型薄肉のもので済ませることが可能となる。
【0013】また、本発明のブラケットを具体的に実施するにあたっては、例えば、車幅方向に延在するスタビライザバーを保持し得るよう下端部に軸保持部を設け、該軸保持部に保持されて車幅方向外側に張り出したスタビライザバーの端部とアクスルの下方部位との間を連結するアームをロアロッドを兼用する部材として支持し得るように構成しても良い。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0015】図1〜図5は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図8〜図11と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
【0016】図1〜図5に示す本形態例のブラケット21において、図8〜図11で説明した従来のブラケット6と比較して最も改善された特徴部分は、ブラケット21の上端部における上段側のボス部16の列群と下段側のボス部17の列群との間を、下方へ向かうに従い徐々に車幅方向外側へ張り出すように傾斜させて形成し、その傾斜させて形成した部位A(特に図5を参照)の車幅方向内側の面(図5中の左側の面)に、上下方向に延びる適宜な条数のリブ22を形成したところにあり、ここに図示している例では、四本のリブ22(図4参照)を上下の適宜なボス部16,17同士を結ぶように形成した場合を例示している。
【0017】而して、このようにブラケット21の上端部を形成すれば、上段側のボス部16の列群と下段側のボス部17の列群との間が、下方へ向かうに従い徐々に車幅方向外側へ張り出すように傾斜されているため、この傾斜させて形成した部位Aと、サイドレール1の外側面と、上下二段のボス部16,17の列群とにより囲まれた閉断面のモノコックに近い剛構造が構成されることになり、しかも、前記の傾斜させた部位Aの車幅方向内側の面を、上下方向に延びる適宜な条数のリブ22により効果的に補強しているので、いたずらに肉厚部分を形成しなくても、全体質量に対し効率の良い強度向上を図ることが可能となり、特に前記のリブ22を比較的小型薄肉のもので済ませることが可能となる。
【0018】従って、上記形態例によれば、サイドレール1の外側面を構造的な一要素として取り込むことにより閉断面のモノコックに近い剛構造を構成することができ、しかも、これを比較的小型薄肉のリブ22により効果的に補強して従来に劣らない高い強度を得ることができるので、サイドレール1に対するブラケット21の締結部位の高い強度信頼性を確保しつつ同時にブラケット21の大幅な軽量化を実現することができる。
【0019】尚、本形態例においては、車幅方向に延在するスタビライザバー8を保持し得るよう下端部に軸保持部11を設け、該軸保持部11に保持されて車幅方向外側に張り出したスタビライザバー8の端部とアクスル3(図6参照)の下方部位との間を連結するアーム9をロアロッドを兼用する部材として支持し得るように構成した場合を例示しているが、スタビライザを別の場所に配置してロアロッドを独立配置した形式のサスペンション構造にも適用できることは勿論であり、このような形式のサスペンション構造に適用した場合にも、当然にして前述と同様の作用効果を得ることができる。
【0020】また、本発明のブラケットは、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、ロアロッドの上側に配置されるアッパロッドは、必ずしもVロッドとする必要はなく、ラテラルロッドを併用したパラレルリンク式のアッパロッドとしても良いこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0021】
【発明の効果】上記した本発明のブラケットによれば、サイドレールの外側面を構造的な一要素として取り込むことにより閉断面のモノコックに近い剛構造を構成することができ、しかも、これを比較的小型薄肉のリブにより効果的に補強して従来に劣らない高い強度を得ることができるので、サイドレールに対するブラケットの締結部位の高い強度信頼性を確保しつつ同時にブラケットの大幅な軽量化を実現することができるという優れた効果を奏し得る。
【出願人】 【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
【住所又は居所】東京都日野市日野台3丁目1番地1
【出願日】 平成14年5月27日(2002.5.27)
【代理人】 【識別番号】100062236
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 恒光 (外1名)
【公開番号】 特開2003−341325(P2003−341325A)
【公開日】 平成15年12月3日(2003.12.3)
【出願番号】 特願2002−152493(P2002−152493)