| 【発明の名称】 |
車両用制振走行システム |
| 【発明者】 |
【氏名】樋田 一弘
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】液圧計で流体移動に伴う直線運動量を検出し、ショックアブソーバーからの交流分のみに限定した変位信号は、バンドパスフィルターおよび対数圧縮回路を経由してサーボアンプに入力し、増幅拡大後、衝撃振動数のみを制御信号とし、アクチュエーター制振装置へ伝達する一方、雄ネジの中央位置監視制御のためのアクチュエーター制振装置への移動量をみるセンサーとしての変位計を置き、そのための直流分制御信号を作る、また、対象とする周波数範囲は概ね3〜20ヘルツを目的とする、振動が伝達されるショックアブソーバーの運動方向に、アクチュエーター制振装置を直列に取り付け、振動伝達を制限して静かに走行させるようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】車両の車輪に軸支点を介して配設されるピストンをショックアブソーバーに内蔵させ、該ショックアブソーバーに連設して電気式あるいは油圧式のアクチュエーター制振装置を車体に固定し、ショックアブソーバーに併設してショックアブソーバー内の流体移動に伴う直線運動量を検出する液圧計を置き、さらにショックアブソーバーからの交流分のみに限定した変位信号は、バンドパスフィルター及び対数圧縮回路を経由してサーボアンプに入力し、増幅拡大後、衝撃振動数のみを制御信号とし、アクチュエーター制振装置へ伝達する一方、雄ネジの中央位置監視制御のためのアクチュエーター制振装置への移動量をみるセンサーとしての変位計を置き、別にダイナミックレンジを最大に置くための制御信号(直流分)を作り、対象とする周波数範囲は概ね3ないし20ヘルツとした高域振動が伝達されるショックアブソーバーの運動方向に、電気式あるいは油圧式のアクチュエーター制振装置を直列に取り付け、低域に相当する3ないし20ヘルツの振動を制限して静かに走行させるための車両用制振走行システム。 【請求項2】車両の車軸における上下動作は、車輪の軸支点を通して、バネとショックアブソーバーへ伝え、バネの端末は、車体構造部に接触して荷重を支え、ショックアブソーバーの上部は、アクチュエーターの雄ネジに直結して、ラジアル方向に固定され、回転しないようにし、雄ネジに対応して回転する雌ネジはモーターの回転子と一体とし、スラスト方向に動かないように回転軸を固定し、モーターの固定子側は車体構造に固定されている車両用制振走行システム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、舖装が不十分な道路や、多くの段差、マンホール舗装など、乗り心地に障害となっている道路を通行する小型車両のうち、人を運搬する自動車の制振、衝撃吸収を目的としたものである。 【0002】また、自動車の走行によって騒音として感じる可聴周波数では、スチレンブタジエンゴムやイソブチレンプレンゴムなどの防振ゴムや、弾性ゴム車輪の弾力、車体を含む防音機器などにより車体には殆ど伝わらないが、弾性ゴム車輪が吸収できない音域より下の周波数領域の衝撃振動を除去するために、この発明の機能を利用するものである。 【0003】 【従来の技術】自動車における振動発生源としては、エンジン、路面、回転部アンバランス、歯車のかみ合いなどが知られ、発生源で発生した振動が駆動系、懸架系などの伝達経路を経て車体へと伝えられている。 【0004】エンジン系の振動の原因としては、エンジンの起振力、クランク軸のねじり振動、エンジン懸架系の振動、動弁系の振動などがあり、ねじりダンパの設計、エンジンマウントの設計、ゴム材料の設計などで対応しているほか、周波数で分類すると、200〜500ヘルツは振動伝達系、500ヘルツ以上は吸遮音材で対応している。 【0005】また、車両の運行に際して、乗り心地に障害となっている舗装していない道路や、多くの段差、マンホール舗装の不十分な箇所が多く存在しており、悪路走行に伴う振動の原因としては、路面の凹凸による変位強制をタイヤが受け、これによってサスペンション系の振動が発生し、車体に伝達され、低周波数領域(20〜50ヘルツ)のこもり音が発生している。特に3〜20ヘルツの領域は身体障害のある人や、高齢者には気になることが多く、そのため後部トランクルームに鉛板を敷いて重量を増し、高域周波数成分が車体部分へ伝達することに対し、抵抗させて防止する工夫をしている例があった。 【0006】従来、一般車両に利用されている懸架装置は、バネ材料と流体式緩衝器(ショックアブソーバー)の二つの機能の組み合わせから成っている。車輪からの振動入力に対してはバネが受けるが、速い急峻な振動衝撃がある場合にバネの伸縮がバネ全体に伝わる前に応力集中部分が発生し折損することがあり、緩衝器としては衝撃的成分、高周波数領域、大振幅変位入力に対して、バネ材の折損事故を防止する目的でショックアブソーバーを対応させている。実際、ショックアブソーバーは、路面から受ける衝撃的領域(高い周波数成分)において、剛性力が増大する特性がある。 【0007】ショックアブソーバーは、車両の高性能化にともなって、アクティブ制御の構成要素としての高機能化、あるいは従来のダンパ機能をさらに高めるためにバルブ機構の複雑化、高精度化が追及され、周波数感応型、ストローク感応型が登場しているばかりか、ショックアブソーバー減衰力制御も登場し、フロント、リヤの各サスペンションに取り付けられた4本のショックアブソーバーの減衰力を、車両の走行状態に応じて、自動的に切替え、乗り心地と操縦安定性の両立を図っている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】車両の衝撃振動を改善して乗り心地を良くするために、従来では空気バネを用いて改善を試みていたが、複雑な機能を必要とするために大型車両などに用いるなど用途が限られていた。しかし、同時にショックアブソーバーを併用する懸架装置である限り、低周波数領域(3〜20ヘルツ)の影響除去からは避けて通れないものである。 【0009】車両は、一般に小型の車両ほど振動除去が困難であるが、普通はゴムタイヤを使って運行しており、使っているタイヤの空気圧力の量によって燃料の消費効率が大きく異なり、圧力が高くなるに従って、ある一定値まで燃費は向上するが、その反面、ゴムの張力が増大し、弾性が大きくなるので、乗り心地が悪くなってしまうことから小型の車両の振動除去が重要な課題になっている。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を解決するために提案したもので、振動除去が困難な小型車両を中心に、逆に低価格で、振動を軽減する装置として組み込み対応できる車両用制振走行システムである。 【0011】図面に従って詳細に説明すると、図2は、車両用制振走行システムの概略図であって、車両の車輪14に軸支点13を介して配設されるショックアブソーバー12のピストン25を固定しショックアブソーバー12に内蔵させ、該ショックアブソーバー12に連設して電気式あるいは油圧式のアクチュエーター制振装置15を車体20に固定し、ショックアブソーバー12に併設してショックアブソーバー12内の流体移動に伴う直線運動量を検出する液圧計10を置き、さらにショックアブソーバー12からの交流分のみに限定した変位信号29は、バンドパスフィルター18及び対数圧縮回路17を経由してサーボアンプ16に入力し、増幅拡大後、衝撃振動数のみを制御信号21とし、アクチュエーター制振装置15へ伝達する一方、雄ネジ5の中央位置監視制御のためのアクチュエーター制振装置15への移動量をみるセンサーとしての変位計6を置き、別にダイナミックレンジ9を最大に置くための直流分制御信号22を作り、対象とする周波数範囲は概ね3〜20ヘルツとする。高域振動が伝達されるショックアブソーバー12の運動方向に、電気式あるいは油圧式のアクチュエーター制振装置15を直列に取り付け、振動伝達に制限して静かに走行させるための小型の車両から対応できる車両用制振走行システムであり、アクチュエーター制振装置15は、主として電気式を用いているが、コストを無視すれば油圧なども利用できるし、ショックアブソーバーと一体とすることもできる。 【0012】また、ショックアブソーバー12は2つの部屋の中間にピストン25があり、一方から流体28を別の部屋へ閉回路でつなぎ、ピストン25の位置が移動するとき、閉回路の通路の途中に流体絞り弁36を設け、流体28が通過するときの流体抵抗性を利用し、前記流体絞り弁36を加減して乗り心地と車体保護両方の良点を定め、減衰吸収(クリチカルダンピング)状態に置き、車体重量とバネ定数との関係は一定の固有振動数があり、特定の振動入力時、振幅が発散し、走行が不安定になる時の振幅をショックアブソーバー12の抵抗性により、速やかに減衰吸収する機能を持たせた車両用制振走行システムであって、力伝達特性的にみれば摩擦抵抗を除き微分動作をするものである。 【0013】さらに、車両の車軸における上下動作は、車輪14の軸支点13を通してバネ11とショックアブソーバー12へ伝え、バネ11の端末は車体構造部27に接触して荷重を支え、ショックアブソーバー12の上部は、アクチュエーター15の雄ネジ5に直結してラジアル方向に固定され、回転しないようにし、雄ネジ5に対応して回転する雌ネジ26はモーターの回転子7に固定し、モーターの固定子8側は車体20に固定され、切替器としてシフトレバー等と連動している車両用制振走行システムである。 【0014】車体の構造部分の機能として、アクチュエーター制振装置15が衝撃を吸収するための電気式アクチュエーター制振装置について、つぎのように詳細な実施例として説明する。 【0015】ショックアブソーバー12と車体20の接合部分を切り離し、中間に直線運動をさせる雄ネジ5を置き、雄ネシ5に対応する雌ねじ26はモーターの回転子7と直結し、モーターの回転子7は軸方向に固定されスラスト方向には動かないようになっていて、モーターがラジアル方向に回転すれば、雄ネジ5のピッチに従って雌ネジ26の回転によりスラスト方向へ直線運動をする構造となっている。モーターの固定子(ステーター)8側は車体20と接続固定している。 【0016】振動制御のために起振源の特性を把握し、伝達経路を調べ、振動伝達特性を明確にし、起振源に近い箇所で制振技術で対処すれば、振動が広がらず、対処箇所も狭い範囲に限定することができ、振動計測技術としては、変位、速度、加速度で行なっているが、ホログラフィ計測を利用して広範囲の振幅分布を短時間に把握し、複雑なエンジン外壁、ボデー外板の振動振幅計測に活用されている。 【0017】車体重量とバネ定数との関係は、理論的に一定の固有振動数があり、特定の振動入力時、振幅が発散(段々大きくなること)し、走行が不安定になる。その時の振幅をショックアブソーバー12の抵抗性により、速やかに減衰吸収(クリチカルダンピング)する機能を持たせている。 【0018】車体の固有振動数とは別に、路面走行の状況により車輪を通して路面から振動が伝達し、振動周波数が増大するに従い、剛性力が優勢になり車体に伝わる。その結果、路面の凹凸に感応して車体へ衝撃振動が伝わり、舗装していない道路やマンホールの蓋の上を通過するときなどにおいては乗り心地が悪いことになっている。 【0019】車両が静止している場合は、ショックアブソーバー12は反発力が無いゼロの状態で、雄ネジ5、雌ネジ26相互には力関係はゼロになっている。(実際は摩擦などにより多少の反力があるが)。即ち、荷重はすべて、圧縮バネの反発力によって支えられており、雄ネジ5の位置関係はアクチュエーター制振装置15の移動範囲の中央にくるように制御する。これは、上下方向のダイナミックレンジ9(アクチュエーター機構の移動範囲のほぼ中間)を最大とする。 【0020】制限要素の説明をすると、ショックアブソーバー12の直線運動量を検出するセンサとして液圧計(変位に比例する)10を置き、また、モーター制御用偏差信号増幅器(サーボアンプ)16を置き、さらにアクチュエーター制振装置15(送りネジ5の中央位置監視制御のための)移動量をみるセンサーとしての変位計6を置いている。 【0021】また、制御の回路について説明すると、アクチュエーター制振装置15へ伝達する変位信号29はショックアブソーバー12からの信号(交流分のみ)をバンドパスフィルター18及び対数圧縮回路17を経由してサーボアンプ16に入力し、増幅拡大後、衝撃振動数のみを制御信号21としている。さらに、別にダイナミックレンジ9を最大に置くための制御信号(直流分)を作っている。 【0022】動作について説明すると、定常状態では雄ネジ5はダイナミックレンジ9の最大にあり、走行に先立ち,シフトギアーがパーキングPの位置で、静止荷重値において比例微分回路19の機能で初期に低速追従し,偏差が無くなれば停止することになり、この場合、ショックアブソーバー12がアクチュエーター制振装置15により位置移動をすることになっている。 【0023】シフトギアーが走行Dの位置に切り替わり、走行が開始され、特定の範囲の振動周波数補正を行い、サーボアンプ16からアクチュエーター制振装置15へ伝達し、衝撃振動を吸収するように自動制御をすることになっている。 【0024】バンドパスフィルター18の通過周波数帯域は3ヘルツあたりから20ヘルツの範囲に定めるが、実際の実車走行で体験して総合性能から多少修正して定めることにしている。サーボアンプの特性を補正して、車体振動防止制御をゼロ目標としない場合でも、十分に実用性を発揮することができるようになった。 【0025】バンドパスフィルター18により定めた以外の周波数領域(ゆっくりした振動及び音として感じる高い周波数)においては、制御不感動になるからショックアブソーバー12本来の機能を損なうことはない。 【0026】制御について詳細に説明すると、振動衝撃入力に対してアクチュエーター制振装置15が完全追従した場合は、ショックアブソーバー12の機能が働かない状態に等しいが、前述するように低域振動遮断周波数から高域はアクチュエーター制振装置15が追従できる振動周波数範囲まで(結果として帯域フィルターになる)のため動作範囲が制限されており、さらにダイナミックレンジ9の範囲とする対数圧縮器17の制限によって補正する振幅を抑え、車体に伝える制御を行なうものである。 【0027】性能を高めること、即ち乗り心地を良くすることは、アクチュエーター制振装置15の追従速度と密接に関係するので、当然、ショックアブソーバー12を含む補正動作機構部分の慣性を小さくし、モーター駆動用に大きな出力パワーを出し、追従速度を向上させる必要がある。しかも、現在十分な電子的要素である部品は容易に入手できることになっている。 【0028】振動衝撃の振動方向に逆らって機能するのではなく、逃げる方向(順方向)であるため、雄ネジ5の送り角度量および摩擦係数値の小さいネジを選択した場合は追従応答も向上することになり、出力パワーは、その分小さいパワーで充分である。 【0029】走行実験によると、この場合、発進、停止、工事箇所などでは低速度域のため帯域外で、不感動領域のためアクチュエーター制振装置15は機能停止状態となる。対象とする振動の変位に対しては、最大±80mmあれば、良好な乗り心地を提供し、この目的の十分な機能を果たす結果が得られることになっている。 【0031】図1の車両用制振装置の制御システムのブロック図で説明すると、振動θの目標値Vはサーボアンプ1に入力され、さらに制御対象のアクチュエーター2に送られ、外乱としての振動入力Uとともに、制御量Xとして出力され、一方検出部としてのショックアブソーバー3に送られ、信号処理されてネガティブフィードバックμとして帰還しVと加算を行い再度ループゲインGoにより伝達される。 【0032】制御方式として下記式の形式をとる。 【数 1】
【0033】外乱Uによって生ずる閉回路の制御量Xは、【数 2】
【0034】図3のパーキング位置におけるアクチュエーター制振装置15の追従する図で説明すると、比例微分回路19を通るフィードバックループ内により変位計6とアクチュエーター制振装置15の追従動作との関係は、図3に示すように積分形追従になる。時間(t)は微分回路定数Dに従って決定される。この場合、サーボアンプ16の増幅率Pは無限に大きいものとし、偏差信号がゼロになるまで補正される。 【0035】図4の走行時の制御特性図で説明すると、走行D指定位置の場合の応答(3〜20ヘルツ間)で、質量Mが影響する応答遅れ34と、対数圧縮回路による振幅の制限量35は、図4のようになる。 【0036】 【発明の効果】本発明によれば、普通はゴムタイヤを使って運行し、ゴムの張力が増大し、弾性が大きくなり、乗り心地が悪くなってしまう小型の車両の振動除去が重要な課題になっていたが、組み込み対応できる制振走行システムによって、振動除去が困難な小型車両を中心に低価格で、振動を軽減する装置として快適性が向上し、燃費向上が同時に図られることになった。 【0037】また、車両の運行に際して、乗り心地に障害となっている舗装していない道路や、多くの段差、マンホール舗装の不十分な箇所を除き、騒音として感じる高い周波数領域の振動は、防振ゴムや、弾性ゴム車輪の弾力などにより車体にはほとんど伝わらないが、ショックアブソーバーを併用する懸架装置である限り乗員がもっとも不快に感じる低周波数領域(3〜20ヘルツ)の影響除去からは避けて通れず、路面の凹凸による変位強制をタイヤが受け、これによってサスペンション系の振動が発生し、車体に伝達され、低周波数領域(20〜50ヘルツ)のこもり音が発生し、特に身体障害のある人や、高齢者には気になることが多かったが、弾性ゴム車輪が吸収できない音域より下の周波数領域の衝撃振動を除去することができるようになった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】302004849 【氏名又は名称】樋田 一弘
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| 【出願日】 |
平成14年3月19日(2002.3.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075823 【弁理士】 【氏名又は名称】嶋本 久寿弥太
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| 【公開番号】 |
特開2003−267023(P2003−267023A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月25日(2003.9.25) |
| 【出願番号】 |
特願2002−119917(P2002−119917) |
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