| 【発明の名称】 |
サスペンション装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】平原 道人 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
【氏名】酒井 辰男 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
【氏名】巖 桂二郎 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
【氏名】牧田 光弘 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産自動車株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】乗り心地に影響を与えることなく、加速時の直進性・走行安定性を向上させる。
【解決手段】2本のAアーム3、4をアクスル2の上下に配し、各Aアーム3、4をアクスル2に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュ8、9を介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、下側のAアーム4の弾性ブッシュ9の回転軸の車両後方側を車両内側に傾けて配すると共に、上側のAアーム3の弾性ブッシュ8の回転軸の車両後方側を車両外側に傾けて配し、サイドロッド5とアクスル2との結合点の車両前後方向位置をアクスル2のボールジョイント6、7間を結ぶ直線よりも後方に設定すると共に、車両上下方向位置をアクスル2のボールジョイント6、7の間に設定した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車輪支持部材と車体側部材とを結合する2本のアームと1本のリンクとを備え、前記2本のアームをホイールセンタの上下に配し、各アームを前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、下側のアームの弾性ブッシュの回転軸の車両後方側を車両内側に傾けて配すると共に、上側のアームの弾性ブッシュの回転軸の車両後方側を車両外側に傾けて配し、前記リンクの軸線を略車幅方向に向けて配して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記リンクと前記車輪支持部材との結合点の車両前後方向位置を当該車輪支持部材の各アームとの結合点間を結ぶ直線よりも後方に設定すると共に、前記リンクと前記車輪支持部材との結合点の車両上下方向位置を前記各アームとの結合点の間に設定したことを特徴とするサスペンション装置。 【請求項2】 車輪支持部材と車体側部材とを結合する1本のアームと3本のリンクとを備え、前記アームをホイールセンタの下方に配して、前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記アームの弾性ブッシュの回転軸の車両後方側を車両内側に傾けて配し、前記3本のリンクのうち第1のリンク及び第2のリンクを前記ホイールセンタの上方に配し、前記第1のリンクの軸線を略車両前後方向に向けて配して、当該第1のリンクを少なくとも1つの弾性ブッシュを介して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、前記第2のリンクを前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に、径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第2のリンクの軸線の車両内側を車両後方側に傾けて配し、前記3本のリンクのうち第3のリンクの軸線を略車幅方向に向けて配して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第3のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両前後方向位置を当該車輪支持部材のアームとの結合点と第2のリンクとの結合点とを結ぶ直線よりも後方に設定すると共に、前記第3のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両上下方向位置を前記アームとの結合点と前記第2のリンクとの結合点との間に設定することを特徴とするサスペンション装置。 【請求項3】 車輪支持部材と車体側部材とを結合する1本のアームと3本のリンクとを備え、前記アームをホイールセンタの上方に配して、前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記アームの弾性ブッシュの回転軸の車両後方側を車両外側に傾けて配し、前記3本のリンクのうち第1のリンク及び第2のリンクを前記ホイールセンタの下方に配し、前記第1のリンクの軸線を略車両前後方向に向けて配して、当該第1のリンクを少なくとも1つの弾性ブッシュを介して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合すると共に、前記第2のリンクを前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第2のリンクの軸線の車両内側を車両前方側に傾けて配し、前記3本のリンクのうち第3のリンクの軸線を略車幅方向に向けて配して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第3のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両前後方向位置を当該車輪支持部材のアームとの結合点と第2のリンクとの結合点とを結ぶ直線よりも後方に設定すると共に、前記第3のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両上下方向位置を前記アームとの結合点と前記第2のリンクとの結合点との間に設定することを特徴とするサスペンション装置。 【請求項4】 車輪支持部材と車体側部材とを結合する5本のリンクを備え、前記5本のリンクのうち第1のリンクと第2のリンクとをホイールセンタの下方に配し、前記第1のリンクの軸線を略車両前後方向に向けて配して、当該第1のリンクを少なくとも1つの弾性ブッシュを介して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合すると共に、前記第2のリンクを前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第2のリンクの軸線の車両内側を車両前方側に傾けて配し、前記5本のリンクのうち第3のリンク及び第4のリンクを前記ホイールセンタの上方に配し、前記第3のリンクの軸線を略車両前後方向に向けて配して、当該第3のリンクを少なくとも1つの弾性ブッシュを介して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合すると共に、前記第4のリンクを前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第4のリンクの軸線の車両内側を車両後方側に傾けて配し、且つ、前記5本のリンクのうち第5のリンクの軸線を略車幅方向に向けて配して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第5のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両前後方向位置を当該車輪支持部材の第2のリンクとの結合点と第4のリンクとの結合点とを結ぶ直線よりも後方に設定すると共に、前記第5のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両上下方向位置を前記第2のリンクとの結合点と前記第4のリンクとの結合点との間に設定することを特徴とするサスペンション装置。 【請求項5】 車輪支持部材と車体側部材とを結合する1本のアームと3本のリンクとを備え、前記アームをホイールセンタの下方に配して、前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記アームの弾性ブッシュの回転軸の車両後方側を車両内側に傾けて配し、前記3本のリンクのうち第1のリンク及び第2のリンクを前記ホイールセンタの上方に配し、前記第1のリンクを少なくとも1つの弾性ブッシュを介して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、前記第2のリンクを前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第2のリンクの軸線の車両内側を車両後方側に傾けて配し、前記車輪支持部材の第2のリンクとの結合点とホイールセンタとの間の距離に比べて前記第1のリンクとの結合点とホイールセンタとの間の距離を大きく設定し、前記3本のリンクのうち第3のリンクの軸線を略車幅方向に向けて配して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第3のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両前後方向位置を当該車輪支持部材のアームとの結合点と第2のリンクとの結合点とを結ぶ直線よりも後方に設定すると共に、前記第3のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両上下方向位置を前記アームとの結合点と前記第2のリンクとの結合点との間に設定することを特徴とするサスペンション装置。 【請求項6】 車輪支持部材と車体側部材とを結合する1本のアームと3本のリンクとを備え、前記アームをホイールセンタの上方に配して、前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記アームの弾性ブッシュの回転軸の車両後方側を車両外側に傾けて配し、前記3本のリンクのうち第1のリンク及び第2のリンクを前記ホイールセンタの下方に配し、前記第1のリンクを少なくとも1つの弾性ブッシュを介して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、前記第2のリンクを前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第2のリンクの軸線の車両内側を車両前方側に傾けて配し、前記車輪支持部材の第2のリンクとの結合点とホイールセンタとの間の距離に比べて前記第1のリンクとの結合点とホイールセンタとの間の距離を大きく設定し、前記3本のリンクのうち第3のリンクの軸線を略車幅方向に向けて配して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第3のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両前後方向位置を当該車輪支持部材のアームとの結合点と第2のリンクとの結合点とを結ぶ直線よりも後方に設定すると共に、前記第3のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両上下方向位置を前記アームとの結合点と前記第2のリンクとの結合点との間に設定することを特徴とするサスペンション装置。 【請求項7】 車輪支持部材と車体側部材とを結合する5本のリンクを備え、前記5本のリンクのうち第1のリンク及び第2のリンクを前記ホイールセンタの下方に配し、前記第1のリンクを少なくとも1つの弾性ブッシュを介して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、前記第2のリンクを前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第2のリンクの軸線の車両内側を車両前方側に傾けて配し、前記車輪支持部材の第2のリンクとの結合点とホイールセンタとの間の距離に比べて前記第1のリンクとの結合点とホイールセンタとの間の距離を大きく設定し、前記5本のリンクのうち第3のリンク及び第4のリンクを前記ホイールセンタの上方に配し、前記第3のリンクを少なくとも1つの弾性ブッシュを介して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、前記第4のリンクを前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第4のリンクの軸線の車両内側を車両後方側に傾けて配し、前記車輪支持部材の第4のリンクとの結合点とホイールセンタとの間の距離に比べて前記第3のリンクとの結合点とホイールセンタとの間の距離を大きく設定し、前記5本のリンクのうち第5のリンクの軸線を略車幅方向に向けて配して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第5のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両前後方向位置を当該車輪支持部材の第2のリンクとの結合点と第4のリンクとの結合点とを結ぶ直線よりも後方に設定すると共に、前記第5のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両上下方向位置を前記第2のリンクとの結合点と前記第4のリンクとの結合点との間に設定することを特徴とするサスペンション装置。 【請求項8】 車輪支持部材と車体側部材とを結合する5本のリンクを備え、前記5本のリンクのうち第1のリンク及び第2のリンクを前記ホイールセンタの下方に配し、前記第1のリンクを少なくとも1つの弾性ブッシュを介して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、前記第2のリンクを前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第2のリンクの軸線の車両内側を車両前方側に傾けて配し、前記車輪支持部材の第2のリンクとの結合点とホイールセンタとの間の距離に比べて前記第1のリンクとの結合点とホイールセンタとの間の距離を大きく設定し、前記5本のリンクのうち第3のリンク及び第4のリンクを前記ホイールセンタの上方に配し、前記第3のリンクの軸線を略車両前後方向に向けて配して、当該第3のリンクを少なくとも1つの弾性ブッシュを介して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合すると共に、前記第4のリンクを前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第4のリンクの軸線の車両内側を車両後方側に傾けて配し、前記5本のリンクのうち第5のリンクの軸線を略車幅方向に向けて配して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第5のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両前後方向位置を当該車輪支持部材の第2のリンクとの結合点と第4のリンクとの結合点とを結ぶ直線よりも後方に設定すると共に、前記第5のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両上下方向位置を前記第2のリンクとの結合点と前記第4のリンクとの結合点との間に設定することを特徴とするサスペンション装置。 【請求項9】 車輪支持部材と車体側部材とを結合する5本のリンクを備え、前記5本のリンクのうち第1のリンクと第2のリンクとをホイールセンタの下方に配し、前記第1のリンクの軸線を略車両前後方向に向けて配して、当該第1のリンクを少なくとも1つの弾性ブッシュを介して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合すると共に、前記第2のリンクを前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第2のリンクの軸線の車両内側を車両前方側に傾けて配し、前記5本のリンクのうち第3のリンク及び第4のリンクを前記ホイールセンタの上方に配し、前記第3のリンクを少なくとも1つの弾性ブッシュを介して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、前記第4のリンクを前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第4のリンクの軸線の車両内側を車両後方側に傾けて配し、前記車輪支持部材の第4のリンクとの結合点とホイールセンタとの間の距離に比べて前記第3のリンクとの結合点とホイールセンタとの間の距離を大きく設定し、前記5本のリンクのうち第5のリンクの軸線を略車幅方向に向けて配して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第5のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両前後方向位置を当該車輪支持部材の第2のリンクとの結合点と第4のリンクとの結合点とを結ぶ直線よりも後方に設定すると共に、前記第5のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両上下方向位置を前記第2のリンクとの結合点と前記第4のリンクとの結合点との間に設定することを特徴とするサスペンション装置。 【請求項10】 前記回転軸の車両後方側が車両内側に傾けて配されている弾性ブッシュの軸線と車両前後方向とがなす角度、又は軸線の車両内側が車両前方側に傾けて配されているリンクの軸線と車幅方向とがなす角度をθ1とし、当該軸線方向の剛性をK1とし、前記回転軸の車両後方側が車両外側に傾けて配されている弾性ブッシュの軸線と車両前後方向とがなす角度、又は軸線の車両内側が車両後方側に傾けて配されているリンクの軸線と車幅方向とがなす角度をθ2とし、当該軸線方向の剛性をK2とし、ホイールセンタの下方に配されているアーム又はリンクと前記車輪支持部材との結合点の高さをH1とし、前記ホイールセンタの上側に配されているアーム又はリンクと前記車輪支持部材との結合点の高さをH2としたとき、軸線が略車幅方向に向けて配されているリンクと前記車輪支持部材との結合点の高さであるサイドロッド高さHsを、Hs<(H22・(sinθ1)2/K1+ H12・(sinθ2)2/K2 )/(H2・(sinθ1)2/K1+H1・(sinθ2)2/K2 ) に設定したことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のサスペンション装置。 【請求項11】 前記回転軸の車両後方側が車両内側に傾けて配されている弾性ブッシュの軸線と車両前後方向とがなす角度、又は軸線の車両内側が車両前方側に傾けて配されているリンクの軸線と車幅方向とがなす角度をθ1とし、当該軸線方向の剛性をK1とし、前記回転軸の車両後方側が車両外側に傾けて配されている弾性ブッシュの軸線と車両前後方向とがなす角度、又は軸線の車両内側が車両後方側に傾けて配されているリンクの軸線と車幅方向とがなす角度をθ2とし、当該軸線方向の剛性をK2とし、ホイールセンタの下方に配されているアーム又はリンクと前記車輪支持部材との結合点の高さをH1とし、前記ホイールセンタの上側に配されているアーム又はリンクと前記車輪支持部材との結合点の高さをH2としたとき、軸線が略車幅方向に向けて配されているリンクと前記車輪支持部材との結合点の高さであるサイドロッド高さHsを、Hs ≧(H2・(R−H1)・cosθ1・sinθ12/K1+H1・(R−H2)・cosθ2・sinθ2/K2)/((R−Hl)・cosθ1・sinθl/K1+(R−H2)・cosθ2・sinθ2/K2 ) に設定したことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のサスペンション装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、旋回中に車輪に横力が加わったときに、弾性ブッシュのたわみを利用してアンダーステア方向に当該車輪を角度変化する横力コンプライアンスステアや、車輪に制動力が加わったときに、弾性ブッシュのたわみを利用してトーイン方向に当該車輪を角度変化する制動力コンプライアンスステア等で、車両の走行安定性向上を図るサスペンション装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の装置としては、例えば特開昭61−263809号公報に記載されている「リヤサスペンション」が知られている。この従来例には、図13に示すように、2本のAアーム50、51の一端を車輪支持部材の上下に結合すると共に、他端を弾性ブッシュ52を介して車体側部材に連結し、それらの弾性ブッシュ52の軸線の車両後側を車両内側に向けて配し、後輪53に横力や制動力が作用したときに、その軸線に沿って上下のAアーム50、51を車両内側にスライドさせて、ラテラルロッド54の外側端部を中心として後輪53の前部を車両内側に回転し、トーイン方向にトー角を変化させる方法が開示されている。 【0003】しかしながら、上記従来例にあっては、後輪53のトー角を制動時にトーイン方向に変化できるものの、加速時にはAアーム50、51が弾性ブッシュ52の軸線に沿って車両外側にスライドして、前記トー角がトーアウト方向に変化するため、直進性の向上や車両挙動の安定性向上を図りにくいという問題点があった。そのため、このようなサスベンション装置では、加速時にトー角がトーアウト方向に変化してしまうことを抑制するために、図12に示すように、車両前方への変位を制限する弾性ブッシュ55を用いてAアーム50、51が加速力によって前側に移動するのを防いでいるものもあった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来例にあっては、車両前方への変位を制限する弾性ブッシュ55を用いるため、路面突起乗り越し等によってハ−シュネス振動が発生すると、その振動が車体に伝わって当該車体を前後に振動させてしまい、乗り心地に影響してしまうという問題点があった。そこで、本発明は、上記従来の技術の未解決の問題点に着目してなされたものであって、乗り心地に影響することなく、加速時の直進性・走行安定性を向上できるサスペンション装置を提供することを課題とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1に係る発明であるサスペンション装置は、車輪支持部材と車体側部材とを結合する2本のアームと1本のリンクとを備え、前記2本のアームをホイールセンタの上下に配し、各アームを前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、下側のアームの弾性ブッシュの回転軸の車両後方側を車両内側に傾けて配すると共に、上側のアームの弾性ブッシュの回転軸の車両後方側を車両外側に傾けて配し、前記リンクの軸線を略車幅方向に向けて配して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記リンクと前記車輪支持部材との結合点の車両前後方向位置を当該車輪支持部材の各アームとの結合点間を結ぶ直線よりも後方に設定すると共に、前記リンクと前記車輪支持部材との結合点の車両上下方向位置を前記各アームとの結合点の間に設定したことを特徴とする。 【0006】また、上記課題を解決するために、請求項2に係る発明であるサスペンション装置は、車輪支持部材と車体側部材とを結合する1本のアームと3本のリンクとを備え、前記アームをホイールセンタの下方に配して、前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記アームの弾性ブッシュの回転軸の車両後方側を車両内側に傾けて配し、前記3本のリンクのうち第1のリンク及び第2のリンクを前記ホイールセンタの上方に配し、前記第1のリンクの軸線を略車両前後方向に向けて配して、当該第1のリンクを少なくとも1つの弾性ブッシュを介して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、前記第2のリンクを前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に、径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第2のリンクの軸線の車両内側を車両後方側に傾けて配し、前記3本のリンクのうち第3のリンクの軸線を略車幅方向に向けて配して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第3のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両前後方向位置を当該車輪支持部材のアームとの結合点と第2のリンクとの結合点とを結ぶ直線よりも後方に設定すると共に、前記第3のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両上下方向位置を前記アームとの結合点と前記第2のリンクとの結合点との間に設定することを特徴とする。 【0007】さらに、上記課題を解決するために、請求項3に係る発明であるサスペンション装置は、車輪支持部材と車体側部材とを結合する1本のアームと3本のリンクとを備え、前記アームをホイールセンタの上方に配して、前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記アームの弾性ブッシュの回転軸の車両後方側を車両外側に傾けて配し、前記3本のリンクのうち第1のリンク及び第2のリンクを前記ホイールセンタの下方に配し、前記第1のリンクの軸線を略車両前後方向に向けて配して、当該第1のリンクを少なくとも1つの弾性ブッシュを介して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合すると共に、前記第2のリンクを前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第2のリンクの軸線の車両内側を車両前方側に傾けて配し、前記3本のリンクのうち第3のリンクの軸線を略車幅方向に向けて配して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第3のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両前後方向位置を当該車輪支持部材のアームとの結合点と第2のリンクとの結合点とを結ぶ直線よりも後方に設定すると共に、前記第3のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両上下方向位置を前記アームとの結合点と前記第2のリンクとの結合点との間に設定することを特徴とする。 【0008】また、上記課題を解決するために、請求項4に係る発明であるサスペンション装置は、車輪支持部材と車体側部材とを結合する5本のリンクを備え、前記5本のリンクのうち第1のリンクと第2のリンクとをホイールセンタの下方に配し、前記第1のリンクの軸線を略車両前後方向に向けて配して、当該第1のリンクを少なくとも1つの弾性ブッシュを介して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合すると共に、前記第2のリンクを前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第2のリンクの軸線の車両内側を車両前方側に傾けて配し、前記5本のリンクのうち第3のリンク及び第4のリンクを前記ホイールセンタの上方に配し、前記第3のリンクの軸線を略車両前後方向に向けて配して、当該第3のリンクを少なくとも1つの弾性ブッシュを介して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合すると共に、前記第4のリンクを前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第4のリンクの軸線の車両内側を車両後方側に傾けて配し、且つ、前記5本のリンクのうち第5のリンクの軸線を略車幅方向に向けて配して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第5のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両前後方向位置を当該車輪支持部材の第2のリンクとの結合点と第4のリンクとの結合点とを結ぶ直線よりも後方に設定すると共に、前記第5のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両上下方向位置を前記第2のリンクとの結合点と前記第4のリンクとの結合点との間に設定することを特徴とする。 【0009】さらに、上記課題を解決するために、請求項5に係る発明であるサスペンション装置は、車輪支持部材と車体側部材とを結合する1本のアームと3本のリンクとを備え、前記アームをホイールセンタの下方に配して、前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記アームの弾性ブッシュの回転軸の車両後方側を車両内側に傾けて配し、前記3本のリンクのうち第1のリンク及び第2のリンクを前記ホイールセンタの上方に配し、前記第1のリンクを少なくとも1つの弾性ブッシュを介して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、前記第2のリンクを前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第2のリンクの軸線の車両内側を車両後方側に傾けて配し、前記車輪支持部材の第2のリンクとの結合点とホイールセンタとの間の距離に比べて前記第1のリンクとの結合点とホイールセンタとの間の距離を大きく設定し、前記3本のリンクのうち第3のリンクの軸線を略車幅方向に向けて配して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第3のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両前後方向位置を当該車輪支持部材のアームとの結合点と第2のリンクとの結合点とを結ぶ直線よりも後方に設定すると共に、前記第3のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両上下方向位置を前記アームとの結合点と前記第2のリンクとの結合点との間に設定することを特徴とする。 【0010】また、上記課題を解決するために、請求項6に係る発明であるサスペンション装置は、車輪支持部材と車体側部材とを結合する1本のアームと3本のリンクとを備え、前記アームをホイールセンタの上方に配して、前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記アームの弾性ブッシュの回転軸の車両後方側を車両外側に傾けて配し、前記3本のリンクのうち第1のリンク及び第2のリンクを前記ホイールセンタの下方に配し、前記第1のリンクを少なくとも1つの弾性ブッシュを介して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、前記第2のリンクを前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第2のリンクの軸線の車両内側を車両前方側に傾けて配し、前記車輪支持部材の第2のリンクとの結合点とホイールセンタとの間の距離に比べて前記第1のリンクとの結合点とホイールセンタとの間の距離を大きく設定し、前記3本のリンクのうち第3のリンクの軸線を略車幅方向に向けて配して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第3のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両前後方向位置を当該車輪支持部材のアームとの結合点と第2のリンクとの結合点とを結ぶ直線よりも後方に設定すると共に、前記第3のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両上下方向位置を前記アームとの結合点と前記第2のリンクとの結合点との間に設定することを特徴とする。 【0011】さらに、上記課題を解決するために、請求項7に係る発明であるサスペンション装置は、車輪支持部材と車体側部材とを結合する5本のリンクを備え、前記5本のリンクのうち第1のリンク及び第2のリンクを前記ホイールセンタの下方に配し、前記第1のリンクを少なくとも1つの弾性ブッシュを介して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、前記第2のリンクを前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第2のリンクの軸線の車両内側を車両前方側に傾けて配し、前記車輪支持部材の第2のリンクとの結合点とホイールセンタとの間の距離に比べて前記第1のリンクとの結合点とホイールセンタとの間の距離を大きく設定し、前記5本のリンクのうち第3のリンク及び第4のリンクを前記ホイールセンタの上方に配し、前記第3のリンクを少なくとも1つの弾性ブッシュを介して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、前記第4のリンクを前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第4のリンクの軸線の車両内側を車両後方側に傾けて配し、前記車輪支持部材の第4のリンクとの結合点とホイールセンタとの間の距離に比べて前記第3のリンクとの結合点とホイールセンタとの間の距離を大きく設定し、前記5本のリンクのうち第5のリンクの軸線を略車幅方向に向けて配して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第5のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両前後方向位置を当該車輪支持部材の第2のリンクとの結合点と第4のリンクとの結合点とを結ぶ直線よりも後方に設定すると共に、前記第5のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両上下方向位置を前記第2のリンクとの結合点と前記第4のリンクとの結合点との間に設定することを特徴とする。 【0012】また、上記課題を解決するために、請求項8に係る発明であるサスペンション装置は、車輪支持部材と車体側部材とを結合する5本のリンクを備え、前記5本のリンクのうち第1のリンク及び第2のリンクを前記ホイールセンタの下方に配し、前記第1のリンクを少なくとも1つの弾性ブッシュを介して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、前記第2のリンクを前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第2のリンクの軸線の車両内側を車両前方側に傾けて配し、前記車輪支持部材の第2のリンクとの結合点とホイールセンタとの間の距離に比べて前記第1のリンクとの結合点とホイールセンタとの間の距離を大きく設定し、前記5本のリンクのうち第3のリンク及び第4のリンクを前記ホイールセンタの上方に配し、前記第3のリンクの軸線を略車両前後方向に向けて配して、当該第3のリンクを少なくとも1つの弾性ブッシュを介して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合すると共に、前記第4のリンクを前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第4のリンクの軸線の車両内側を車両後方側に傾けて配し、前記5本のリンクのうち第5のリンクの軸線を略車幅方向に向けて配して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第5のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両前後方向位置を当該車輪支持部材の第2のリンクとの結合点と第4のリンクとの結合点とを結ぶ直線よりも後方に設定すると共に、前記第5のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両上下方向位置を前記第2のリンクとの結合点と前記第4のリンクとの結合点との間に設定することを特徴とする。 【0013】さらに、上記課題を解決するために、請求項9に係る発明であるサスペンション装置は、車輪支持部材と車体側部材とを結合する5本のリンクを備え、前記5本のリンクのうち第1のリンクと第2のリンクとをホイールセンタの下方に配し、前記第1のリンクの軸線を略車両前後方向に向けて配して、当該第1のリンクを少なくとも1つの弾性ブッシュを介して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合すると共に、前記第2のリンクを前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第2のリンクの軸線の車両内側を車両前方側に傾けて配し、前記5本のリンクのうち第3のリンク及び第4のリンクを前記ホイールセンタの上方に配し、前記第3のリンクを少なくとも1つの弾性ブッシュを介して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、前記第4のリンクを前記車輪支持部材に回転揺動可能に結合すると共に径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さい弾性ブッシュを介して前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第4のリンクの軸線の車両内側を車両後方側に傾けて配し、前記車輪支持部材の第4のリンクとの結合点とホイールセンタとの間の距離に比べて前記第3のリンクとの結合点とホイールセンタとの間の距離を大きく設定し、前記5本のリンクのうち第5のリンクの軸線を略車幅方向に向けて配して前記車輪支持部材及び前記車体側部材に回転揺動可能に結合し、且つ、前記第5のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両前後方向位置を当該車輪支持部材の第2のリンクとの結合点と第4のリンクとの結合点とを結ぶ直線よりも後方に設定すると共に、前記第5のリンクと前記車輪支持部材との結合点の車両上下方向位置を前記第2のリンクとの結合点と前記第4のリンクとの結合点との間に設定することを特徴とする。 【0014】また、請求項10に係る発明は、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の発明であるサスペンション装置において、前記回転軸の車両後方側が車両内側に傾けて配されている弾性ブッシュの軸線と車両前後方向とがなす角度、又は軸線の車両内側が車両前方側に傾けて配されているリンクの軸線と車幅方向とがなす角度をθ1とし、当該軸線方向の剛性をK1とし、前記回転軸の車両後方側が車両外側に傾けて配されている弾性ブッシュの軸線と車両前後方向とがなす角度、又は軸線の車両内側が車両後方側に傾けて配されているリンクの軸線と車幅方向とがなす角度をθ2とし、当該軸線方向の剛性をK2とし、ホイールセンタの下方に配されているアーム又はリンクと前記車輪支持部材との結合点の高さをH1とし、前記ホイールセンタの上側に配されているアーム又はリンクと前記車輪支持部材との結合点の高さをH2としたとき、軸線が略車幅方向に向けて配されているリンクと前記車輪支持部材との結合点の高さであるサイドロッド高さHsを、Hs<(H22・(sinθ1)2/K1+ H12・(sinθ2)2/K2 )/(H2・(sinθ1)2/K1+H1・(sinθ2)2/K2 ) に設定したことを特徴とする。 【0015】さらに、請求項11に係る発明は、請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の発明であるサスペンション装置において、前記回転軸の車両後方側が車両内側に傾けて配されている弾性ブッシュの軸線と車両前後方向とがなす角度、又は軸線の車両内側が車両前方側に傾けて配されているリンクの軸線と車幅方向とがなす角度をθ1とし、当該軸線方向の剛性をK1とし、前記回転軸の車両後方側が車両外側に傾けて配されている弾性ブッシュの軸線と車両前後方向とがなす角度、又は軸線の車両内側が車両後方側に傾けて配されているリンクの軸線と車幅方向とがなす角度をθ2とし、当該軸線方向の剛性をK2とし、ホイールセンタの下方に配されているアーム又はリンクと前記車輪支持部材との結合点の高さをH1とし、前記ホイールセンタの上側に配されているアーム又はリンクと前記車輪支持部材との結合点の高さをH2としたとき、軸線が略車幅方向に向けて配されているリンクと前記車輪支持部材との結合点の高さであるサイドロッド高さHsを、Hs ≧(H2・(R−H1)・cosθ1・sinθ12/K1+H1・(R−H2)・cosθ2・sinθ2/K2)/((R−Hl)・cosθ1・sinθl/K1+(R−H2)・cosθ2・sinθ2/K2 ) に設定したことを特徴とする。 【0016】 【発明の効果】したがって、請求項1に係る発明であるサスペンション装置にあっては、下側のアームの弾性ブッシュの回転軸の車両後方側が車両内側に向けて配されると共に、上側のアームの弾性ブッシュの回転軸の車両後方側が車両外側に向けて配されるため、運転者がステアリングホイ−ルを操作して旋回外側の後輪に横力が作用すると、その後輪の下側のアームには車両内側方向の外力が作用し、前記下側のアームが弾性弾性ブッシュの軸線方向に沿って車両内側にスライドして変位するので、リンクと車体側部材との結合点を中心として旋回外輪の前部が車両内側に回転する。また同時に、旋回内側の後輪には逆向きの力が作用して当該後輪の前部が車両外側に回転し、横力アンダーステアのコンプライアンスステアの傾向が大きくなる。 【0017】また、運転者がブレ−キペダルを操作して、左右の後輪に制動力が作用すると、その後輪の下側のアームには車両後方向の外力が作用すると共に、上側のアームには車両前方向の外力が作用し、上下のアームが弾性ブッシュの軸線に沿って車両内側へスライドして変位するので、リンクと車体側部材との結合点を中心として左右の後輪の前部が車両内側に回転し、トーイン方向にトー角を変化させるコンプライアンスステアが得られる。 【0018】さらに、運転者がアクセルペダルを操作して、左右の後輪に加速力が作用すると、その後輪の上側のアームには車両前方向に外力が作用し、前記上側のアームが弾性ブッシュの軸線方向に沿って車両内側にスライドして変位するので、トーアウト方向にトー角が変化してしまうことが抑制される。このように、下側のアームの弾性ブッシュの回転軸の車両後方側を車両内側に向けて配すると共に、上側のアームの弾性ブッシュの回転軸の車両後方側を車両外側に向けて配することによって、トーアウト方向へトー角が変化することを抑制できるようにしたので、乗り心地に影響することなく加速時の直進性・走行安定性を確保できる。 【0019】また、請求項2から請求項4に係る発明であるサスペンション装置にあっては、請求項1に記載されている2本のアームのうち少なくとも一方を2本のリンクで構成し、一方のリンクの軸線方向を略車両前後方向に向けて配すると共に、他方のリンクの軸線の車両内側を、当該他方のリンクがホイールセンタの上方にあるときには車両後方側に傾けて配し、下方にあるときには車両内側を車両前方側に傾けて配したため、請求項1に記載のアームとほぼ同等の力学的特性を有し、請求項1と同等の効果を奏することができる。 【0020】さらに、請求項5から請求項9に係る発明であるサスペンション装置にあっては、請求項1に記載されている2本のアームのうち少なくとも一方を2本のリンクで構成し、一方のリンクの車輪支持部材との結合点をホイールセンタの近くに配し、他方のリンクの車輪支持部材との結合点をホイールセンタから離れて配し、且つ、前記一方のリンクの軸線の車両内側を、当該一方のリンクがホイールセンタの上方にあるときには車両後方側に傾けて配し、下方にあるときには車両前方側に傾けて配したため、請求項1に記載のアームと力学的特性を有し、請求項1と同等の効果を得ることができる。 【0021】また、請求項10に係る発明であるサスペンション装置にあっては、横力が作用しても、上下のアーム又はリンクと車輪支持部材との結合点を結ぶ直線が車幅方向に変位しない点の高さよりも、サイドロッド高さHsを小さく設定するため、横力作用時に、略車幅方向に向けて配されているリンクの水平面と前記直線との交点が車両内側に変位し、当該リンクと車体側部材との結合点を中心として旋回外輪の前部が車両内側に回転し、横力アンダーステアのコンプライアンスステアが得られる。 【0022】さらに、請求項11に係る発明であるサスペンション装置にあっては、加速力が作用しても、上下のアーム又はリンクと車輪支持部材との結合点を結ぶ直線が車幅方向に変位しない点の高さよりも、サイドロッド高さHsを同等か又は大きく設定するため、加速力作用時に、略車幅方向に向けて配されているリンクの水平面と前記直線との交点が変位しないか又は車両内側に変位し、当該リンクと車体側部材との結合点を中心として左右の後輪の前部が回転しないか又は車両内側に回転し、トー角が変化しないか又はトーイン方向にトー角を変化させるコンプライアンスステアが得られる。 【0023】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係るサスペンション装置を図面に基づいて説明する。図1,図2は、本発明の第1の実施形態を示す概略構成図である。まず、サスペンション装置の概略を簡単に説明すると、図1において符号100は後輪用サスペンション装置のサスペンションメンバであり、このサスペンションメンバ100は、車両の略前後方向に延びて互いに車幅方向に離間配置された一対のサイドメンバ101と、互いに車両の前後方向に離間配置されて一対のサイドメンバ101を連結する一対のクロスメンバ102とを備えている。 【0024】一対のサイドメンバ101はそれぞれ上下2本のAアーム3、4介して左右のアクスル2に連結され、それらのアクスル2には一本のサイドロッド5が取り付けられると共に、後輪1が回転自由に取り付けられて、一般的なダブルウィッシュボーンタイプのサスペンション装置が構成されている。また、図2に示すように、上下2本のAアーム3、4はアクスル2の上下端にボールジョイント6、7を介して回転揺動可能に結合されると共に、サスペンションメンバ100に2つの弾性ブッシュ8、9を介して回転揺動可能に結合されている。それらの弾性ブッシュ8、9は、径方向の剛性に比べて軸方向の剛性が小さく、Aアーム3、4に外力が働くと当該弾性ブッシュ8、9が弾性変形して軸方向にAアームがスライドする。なお、2つの弾性ブッシュ8、9の軸方向は略同一直線上に配されており、下側のAアーム4の弾性ブッシュ9は回転軸線の車両後方側が車両内側へ傾いて配されており、上側のAアーム3の弾性ブッシュ8は回転軸線の車両後方側が車両外側へ傾いて配されている。 【0025】また、サイドロッド5は、軸線が車幅方向に向けて配されてアクスル2及びサスペンションメンバ100にボールジョイント10、11を介して結合され、アクスル2側のボールジョイント10の車両前後方向位置が上下のAアーム3、4のボールジョイント6、7を結ぶ直線よりも車両後方に配されると共に、その車両上下方向位置が上下のAアーム3、4のボールジョイント6、7の間に配されている。 【0026】次に、本実施の形態の動作を具体的な状況に基づいて詳細に説明する。運転者がステアリングホイ−ルを右方向に操作して、旋回外輪である左側の後輪1に横力FSが作用したとする。すると、図3に示すように、左側の後輪1の下側のAアーム4のボールジョイント7には車両内側方向に下記(1)式で表される第1の横力分力FS1が作用して、下側のAアーム4の弾性ブッシュ9には軸線に沿って車両後方向に下記(2)式で表される外力が作用し、当該弾性ブッシュ9が弾性変形して、下側のAアーム4が前記軸線に沿って下記(3)式で表される距離だけ車両後方にスライドし、下記(4)式で表される第1の横力変位量XS1だけ前記ボールジョイント7が車幅方向内側に変位する。 【0027】 FS1=FS・H2/(H2−H1) ………(1) FS1・sinθ1 ………(2) FS1・sinθ1/K1 ………(3) XS1=FS1・(sinθ1)2/K1 ………(4) 但し、H1は上側のAアーム3の高さであり、H2は下側のAアーム4の高さであり、θ1は弾性ブッシュ9の軸線と車両前後方向とのなす角度であり、K1は2つの弾性ブッシュ9の軸方向剛性値の和である。 【0028】また同時に、上側のAアーム3のボールジョイント6には車両外側方向に下記(5)式で表される第2の横力分力FS2(<FS1)が作用して、上側のAアーム3の弾性ブッシュ8には軸線に沿って車両後方向に下記(6)式で表される外力が作用し、当該弾性ブッシュ8が弾性変形して、上側のAアーム3が前記軸線に沿って下記(7)式で表される距離だけ車両後方にスライドし、下記(8)で表される第2の横力変位量XS2だけ前記ボールジョイント6が車幅方向外側に変位する。 【0029】 FS2=FS・H1/(H2−H1) ………(5) FS2・sinθ2 ………(6) FS2・sinθ2/K2 ………(7) XS2=FS2・(sinθ2)2/K2 ………(8) 但し、θ2は弾性ブッシュ8の軸線と車両前後方向とのなす角度であり、K2は2つの弾性ブッシュ8の軸方向剛性値の和である。 【0030】そのため、サイドロッド5が配されている水平面では、当該サイドロッド5とアクスル2との結合点であるボールジョイント10の高さが小さいほど、上下のAアーム3、4のボールジョイント6、7間を結んだ直線と当該水平面との交点が車両内側へ移動し、サイドロッド5のボールジョイント10を中心として、左側の後輪1の前部が車両内側に回転する傾向が大きくなる。一方、旋回内輪である右側の後輪では横力FSが逆に作用して、サイドロッド5が配されている水平面では、当該サイドロッド5とアクスル2との結合点であるボールジョイント10の高さが小さいほど、その前部が車両外側に回転する傾向が大きくなり、横力アンダーステアのコンプライアンスステアの特性が大きくなる。 【0031】なお、サイドロッド5の高さHsが、下記(9)式で算出される、上下のAアーム3、4のボールジョイント6、7を結ぶ直線が横力作用時に車幅方向に変位しない点の高さよりも小さければ、前記直線とサイドロッド5が配されている水平面との交点は車両内側に変位するので、横力コンプライアンスステアを得ることができる。 Hs<(XS1・H2+XS2・H1)/(XS1+XS2) =( H22(sinθ1)2/K1+H12(sinθ2)2/K2 )/( H2(sinθ1)2/K1+H1(sinθ2)2/K2 ) ………(9) また、運転者がブレ−キペダルを操作して、図4に示すように、左右の後輪に制動力FBが作用したとする。すると、左側の後輪1の下側のAアーム4のボールジョイント7には車両後方向に下記(10)式で表される第1の制動力分力FB1が作用して、下側のAアーム4の弾性ブッシュ9には軸線に沿って車両後方向に下記(11)式で表される外力が作用し、前記弾性ブッシュ9が弾性変形して、下側のAアーム4が前記軸線に沿って下記(12)式で表される距離だけ車両後方にスライドし、下記(13)で表される第1の制動力変位量XB1だけ前記ボールジョイント7が車幅方向内側に変位する。 【0032】 FB1=FB・H2/(H2−H1) ………(10) FB1・cosθ1 ………(11) FB1・cosθ1/K1 ………(12) XB1=FB1・cosθ1・sinθ1/K1 ………(13) また同時に、上側のAアーム3のボールジョイント6には車両前方向に下記(14)式で表される第2の制動力分力FB2が作用して、上側のAアーム3の弾性ブッシュ8には軸線に沿って車両前方向に下記(15)式で表される外力が作用し、前記弾性ブッシュ8が弾性変形して、上側のAアーム3が前記軸線に沿って下記(16)式で表される距離だけ車両前方にスライドし、下記(17)で表される第2の制動力変位量XB2だけ前記ボールジョイント6が車幅方向内側に変位する。 【0033】 FB2=FB・H1/(H2−H1) ………(14) FB2・cosθ2 ………(15) FB2・cosθ2/K2 ………(16) XB2=FB2・cosθ2・sinθ2/K2 ………(17) そのため、サイドロッド5が配されている水平面では、上下のAアーム3、4のボールジョイント6、7間を結んだ直線と当該水平面との交点が車両内側へ移動し、サイドロッド5のボールジョイント10を中心として、左側の後輪1の前部が車両内側に回転する。 【0034】一方、右側の後輪においても制動力FBが同様に作用して、左側の後輪1と同様に、その前部が車両内側に回転し、トーイン方向のコンプライアンスステアが得られる。さらに、運転者がアクセルペダルを操作して、左右の後輪のホイールセンタに加速力FAが作用したとする。すると、図5に示すように、左側の後輪1の下側のAアーム4のボールジョイント7には車両前方向に下記(18)式で表される第1の加速力分力FA1が作用して、下側のAアーム4の弾性ブッシュ9には軸線に沿って車両前方向に下記(19)式で表される外力が作用し、当該弾性ブッシュ9が弾性変形して、下側のAアーム4が前記軸線に沿って下記(20)式で表される距離だけ車両前方にスライドし、下記(21)で表される第1の加速力変位量XA1だけ前記ボールジョイント7が車幅方向外側に変位する。 【0035】 FA1=FA・(H2−R)/(H2−H1) ………(18) FA1・cosθ1 ………(19) FA1・cosθ1/K1 ………(20) XA1=FA1・cosθ1・sinθ1/K1 ………(21) また同時に、上側のAアーム3のボールジョイント6には車両前方向に下記(22)式で表される第2の制動力分力FA2が作用して、上側のAアーム3の弾性ブッシュ8には軸線に沿って車両前方向に下記(23)式で表される外力が作用し、当該弾性ブッシュ8が弾性変形して、上側のAアーム3が前記軸線に沿って下記(24)式で表される距離だけ車両前方にスライドし、下記(25)で表される第2の加速力変位量XA2だけ前記ボールジョイント6が車幅方向内側に変位する。 【0036】 FA2=FA・(R−H1)/(H2−H1) ………(22) FA2・cosθ2 ………(23) FA2・cosθ2/K2 ………(24) XA2=FA2・cosθ2・sinθ2/K2 ………(25) そのため、サイドロッド5が配されている水平面では、上下のAアーム3、4のボールジョイント6、7間を結んだ直線と当該水平面との交点は殆ど変位せず、右側の後輪においても制動力FAが同様に作用するが、左側の後輪1と同様に、前記交点は殆ど変位せず、トーアウト方向にトー角が変化してしまうことが抑制される。 【0037】なお、サイドロッド5の高さHsが、下記(26)式で算出される、上下のAアーム3、4のボールジョイント6、7を結ぶ直線が加速力作用時に車幅方向に変位しない点の高さよりも大きければ、前記直線とサイドロッド5が配されている水平面との交点は車両内側に変位するので、トーインのコンプライアンスステアを得ることができる。なお、下記(26)式の不等号が等号の場合は、トー角がトーアウト方向、トーイン方向のいずれにも変化しないようにできる。 【0038】 Hs>(XA1・H2+XA2・H1)/(XA1+XA2) =(H2・(R−H1)cosθ1・sinθ12/K1+ H1・(R−H2)・cosθ2・sinθ2/K2 )/((R−H1)・cosθ1・sinθ1/K1+(R−H2)・cosθ2・sinθ2/K2 )………(26) なお、本実施形態においては、請求項1の車輪支持部材はアクスル2に対応し、アームはAアーム3、4に対応し、リンクはサイドロッド5に対応する。 【0039】次に、本発明のサスペンション装置の第2の実施形態について説明する。この実施形態は、第1の実施形態の上側のAアーム3に代えて2本のリンクを用いた点が第1の実施形態と異なっている。つまり、第2の実施形態では、図6に示すように、前述した第1の実施形態の図2の上側のAアーム3に代えて、アクスル2とサスペンションメンバ100とを結合する第1リンク12と第2リンク13とが配されている。この第1リンク12は、その軸線が略車両前後方向に向けて配されて、アクスル2の上端前側にボールジョイント14を介して回転揺動可能に結合されると共に、サスペンションメンバ100に弾性ブッシュ15を介して回転揺動可能に結合されている。また、第2リンク13は、その軸線の車両内側が車両後方側に傾けて配されて、アクスル2の上端でホイールセンタの近くにボールジョイント16を介して回転揺動可能に結合されると共に、サスペンションメンバ100に弾性ブッシュ17を介して回転揺動可能に結合されている。また、その弾性ブッシュ17は、回転軸線の車両後方側が車両外側へ傾いて配されている。 【0040】また、サイドロッド5は、アクスル2側のボールジョイント10の車両前後方向位置がAアーム4のボールジョイント7と第2リンク13のボールジョイント16とを結ぶ直線よりも車両後方に配されると共に、その車両上下方向位置がAアーム4のボールジョイント7と第2リンク13のボールジョイント16との間に配されている。次に、本実施の形態の動作を具体的な状況に基づいて詳細に説明する。 【0041】運転者がステアリングホイ−ルを右方向に操作して、旋回外輪である左側の後輪1に横力FSが作用したとする。すると、第1の実施形態と同様、左側の後輪1の上側の第2リンク13のボールジョイント16には車両外側方向に下記(27)式で表される第2の横力分力FS2が作用するが、第2リンク13が突っ張ることにより、第2リンク13の軸線と直交する方向で車両後方側に下記(28)式で表される外力が作用することになり、第2リンク13のボールジョイント16が下記(29)式で表される距離だけ第2リンク13の軸線と直交する方向で車両後方側に変位すると共に、第2リンク13がサスペンションメンバ100側の弾性ブッシュ17を中心として回転し、下記(30)で表される第2の横力変位量XS2だけ前記ボールジョイント16が車幅方向外側に変位する。 【0042】 FS2=FS・H1/(H2−H1) ………(27) FS2・sinθ2 ………(28) FS2・sinθ2/K2 ………(29) XS2=FS2・(sinθ2)2/K2 ………(30) 但し、H1は上側の第1リンク12及び第2リンク13の高さであり、H2は下側のAアーム4の高さであり、θ2は第2リンク13の軸線と車幅方向とのなす角度であり、K2は第1リンク12の第2リンク13の軸線と直交する方向の両端結合点での剛性の直列和と、第2リンク13の両端結合点のコジリ剛性の並列和に当該第2リンクの長さの2乗を乗じた値と、の並列和である。 【0043】ここで、上記(30)式は第1実施形態の(8)式と同じ式となり、本実施形態においても第1実施形態と同等の効果を得られることが分かる。また、制動力FB、加速力FAについても、力学的には等価であり、第1実施形態と同等の効果を得ることができる。なお、本実施形態では、第1リンク12をアクスル2の前方に向けて配する例を示したが、アクスル2の後方に向けて配するようにしてもよい。また、本実施形態では、請求項2のアームはAアーム4に対応し、第1のリンクは第1リンク12に対応し、第2のリンクは第1リンク13に対応し、第3のリンクはサイドロッド5に対応する。 【0044】次に、本発明のサスペンション装置の第3の実施形態について説明する。この実施形態は、第1の実施形態の下側のAアーム4に代えて2本のリンクを用いた点が第1の実施形態と異なっている。つまり、第3の実施形態では、図7に示すように、前述した第1の実施形態の図2の下側のAアーム4に代えて、アクスル2とサスペンションメンバ100とを結合する第3リンク18と第4リンク19とが配されている。この第3リンク18は、その軸線が略車両前後方向に向けて配されて、アクスル2の下端前側にボールジョイント20を介して回転揺動可能に結合されると共に、サスペンションメンバ100に弾性ブッシュ21を介して回転揺動可能に結合されている。また、第4リンク19は、その軸線の車両内側が車両前方に傾けて配されて、アクスル2の下端でホイールセンタの近くにボールジョイント22を介して回転揺動可能に結合されると共に、サスペンションメンバ100に弾性ブッシュ23を介して回転揺動可能に結合されている。また、その弾性ブッシュ23は、回転軸線の車両後方側が車両内側へ傾いて配されている。 【0045】また、サイドロッド5は、アクスル2側のボールジョイント10の車両前後方向位置がAアーム4のボールジョイント6と第4リンク19のボールジョイント22とを結ぶ直線よりも車両後方に配されると共に、その車両上下方向位置がAアーム3のボールジョイント6と第4リンク19のボールジョイント22との間に配されている。次に、本実施の形態の動作を具体的な状況に基づいて詳細に説明する。 【0046】運転者がステアリングホイ−ルを右方向に操作して、旋回外輪である左側の後輪1に横力FSが作用したとする。すると、左側の後輪1の下側の第4リンク19のボールジョイント22には車両内側方向に下記(31)式で表される第2の横力分力FS2が作用するが、第4リンク19が突っ張ることにより、第4リンク19の軸線と直交する方向で車両後方側に下記(32)式で表される外力が作用することになり、第4リンク19のボールジョイント22が下記(33)式で表される距離だけ、第4リンク19の軸線と直交する方向で車両後方側に変位すると共に、第4リンク19がサスペンションメンバ100側の弾性ブッシュ23を中心として回転し、下記(34)で表される第2の横力変位量XS2だけ前記ボールジョイント22が車幅方向内側に変位する。 【0047】 FS1=FS・H2/(H2−H1) ………(31) FS1・sinθ1 ………(32) FS1・sinθ1/K1 ………(33) XS1=FS1・(sinθ1)2/K1 ………(34) 但し、H1は上側のAアーム3の高さであり、H2は下側の第3のリンク18及び第4リンク19の高さであり、θ1は第4リンク19の軸線と車幅方向とのなす角度であり、K1は第3リンク18の第4リンク19の軸線と直交する方向の両端結合点での剛性の直列和と、第4リンク19の両端結合点のコジリ剛性の並列和に当該第4リンクの長さの2乗を乗じた値と、の並列和である。 【0048】ここで、上記(34)式は第1実施形態の(4)式と同じ式となり、本実施形態においても第1実施形態と同等の効果を得られることが分かる。また、制動力FB、加速力FAについても、力学的には等価であり、第1実施形態と同等の効果を得ることができる。なお、本実施形態においては、請求項3に記載のアームはAアーム3に対応し、第1のリンクは第3リンク18に対応し、第2のリンクは第4リンク19に対応し、第3のリンクはサイドロッド5に対応する。また、本実施形態では、第3リンク18をアクスル2の前方に向けて配する例を示したが、アクスル2の後方に向けて配するようにしてもよい。 【0049】さらに、本実施形態では第1の実施形態の下側のAアーム4に代えて2本のリンク18、19を用いる例を示したが、図8に示すように、上記第2の実施形態に示したように、上側のAアーム3に代えて2本のリンク12、13を同時に用いてもよい。次に、本発明のサスペンション装置の第4の実施形態について説明する。この実施形態は、第1の実施形態の上側のAアーム3に代えて互いに離して配された2本のリンクを用いた点が第1の実施形態と異なっている。 【0050】つまり、第4の実施形態では、図9に示すように、前述した第1の実施形態の図2の上側のAアーム3に代えて、アクスル2とサスペンションメンバ100とを結合する第1リンク24と第2リンク25とが配されている。この第1リンク24は、その軸線の車両内側が車両前方側に傾けて配されて、アクスル2の上端前側にボールジョイント26を介して回転揺動可能に結合されると共に、サスペンションメンバ100に弾性ブッシュ28を介して回転揺動可能に結合されている。また、第2リンク25は、その軸線の車両内側が車両後方側に傾けて配されて、アクスル2の上端でホイールセンタの近くにボールジョイント27を介して回転揺動可能に結合されると共に、サスペンションメンバ100に弾性ブッシュ29を介して回転揺動可能に結合されている。そして、第1リンク24のボールジョイント26とホイールセンタとの距離は、第2リンク25のボールジョイント27とホイールセンタとの距離に比べて、車両前後方向位置が2倍以上離れて配されている。また、弾性ブッシュ29は、回転軸線の車両後方側が車両外側へ傾いて配されている。 【0051】また、サイドロッド5は、アクスル2側のボールジョイント10の車両前後方向位置がAアーム4のボールジョイント7と第2リンク25のボールジョイント27とを結ぶ直線よりも車両後方に配されると共に、その車両上下方向位置がAアーム4のボールジョイント7と第2リンク25のボールジョイント27との間に配されている。次に、本実施の形態の動作を具体的な状況に基づいて詳細に説明する。 【0052】運転者がステアリングホイ−ルを右方向に操作して、旋回外輪である左側の後輪1に横力FSが作用したとする。すると、第1の実施形態と同様、左側の後輪1の上側の第2リンク25のボールジョイント27には車両外側方向に下記(35)式で表される第2の横力分力FS2が作用するが、第2リンク25が突っ張ることにより、第2リンク25の軸線と直交する方向で、車両後方側に下記(36)式で表される外力が作用することになり、第2リンク25のボールジョイント27が下記(37)式で表される距離だけ第2リンク25の軸線と直交する方向で車両後方側に変位すると共に、第2リンク25がサスペンションメンバ100側の弾性ブッシュ29を中心として回転し、下記(38)で表される第2の横力変位量XS2だけ前記ボールジョイント27が車幅方向外側に変位する。 【0053】 FS2=FS・H1/(H2−H1) ………(35) FS2・sinθ2 ………(36) FS2・sinθ2/K2 ………(37) XS2=FS2・(sinθ2)2/K2 ………(38) 但し、H1は上側の第1リンク24及び第2リンク25の高さであり、H2は下側のAアーム4の高さであり、θ2は第2リンク25の軸線と車幅方向とのなす角度であり、K2は第2リンク25の両端結合点でのコジリ剛性の並列和に第2リンク25の長さの2乗を乗じた値と、第1リンク24の両端結合点での剛性のボールジョイント27の位置における第2リンクの軸線と直交する方向の等価剛性と、の並列和である。 【0054】ここで、上記(38)式は第1実施形態の(8)式と同じ式となり、本実施形態においても第1実施形態と同等の効果を得られることが分かる。また、制動力FB、加速力FAについても、力学的には等価であり、第1実施形態と同等の効果を得ることができる。なお、本実施形態では、請求項5のアームはAアーム4であり、第1のリンクは第1リンク24であり、第2のリンクは第2リンク25であり、第3のリンクはサイドロッド5でる。また、本実施形態では、第1リンク24をアクスル2の前方に配する例を示したが、アクスル2の後方に配するようにしてもよい。 【0055】さらに、本実施形態では第1の実施形態の下側のAアーム4に代えて互いに離して配された2本のリンク24、25を用いる例を示したが、上記第2の実施形態に示したように、上側のAアーム3に代えて2本のリンク12、13を同時に用いてもよく、第1実施形態と同等の効果を得ることができる。次に、本発明のサスペンション装置の第5の実施形態について説明する。この実施形態は、第1の実施形態の下側のAアーム4に代えて互いに離して配された2本のリンクを用いた点が第1の実施形態と異なっている。 【0056】つまり、第5の実施形態では、図10に示すように、前述した第1の実施形態の図2の下側のAアーム4に代えて、アクスル2とサスペンションメンバ100とを結合する第3リンク30と第4リンク31とが配されている。この第3リンク30は、その軸線の車両内側が車両前方側に傾けて配されて、アクスル2の下端前側にボールジョイント32を介して回転揺動可能に結合されると共に、サスペンションメンバ100に弾性ブッシュ34を介して回転揺動可能に結合されている。また、第4リンク31は、その軸線の車両内側が車両前方側に傾けて配されて、アクスル2の下端でホイールセンタの近くにボールジョイント22を介して回転揺動可能に結合されると共に、サスペンションメンバ100に弾性ブッシュ35を介して回転揺動可能に結合されている。そして、第3リンク30のボールジョイント32とホイールセンタとの距離は、第4リンク31のボールジョイント33とホイールセンタとの距離に比べて、車両前後方向位置が2倍以上離れて配されている。 【0057】また、サイドロッド5は、アクスル2側のボールジョイント10の車両前後方向位置がAアーム3のボールジョイント6と第4リンク31のボールジョイント22とを結ぶ直線よりも車両後方に配されると共に、その車両上下方向位置がAアーム3のボールジョイント6と第4リンク31のボールジョイント22との間に配されている。次に、本実施の形態の動作を具体的な状況に基づいて詳細に説明する。 【0058】運転者がステアリングホイ−ルを右方向に操作して、旋回外輪である左側の後輪1に横力FSが作用したとする。すると、第1実施形態と同様、左側の後輪1の下側の第4リンク31のボールジョイント22には車両内側方向に下記(39)式で表される第2の横力分力FS1が作用するが、第4リンク31が突っ張ることにより、第4リンク31の軸線と直交する方向で車両後方側に下記(40)式で表される外力が作用することになり、第4リンク31のボールジョイント22が下記(41)式で表される距離だけ第4リンク31の軸線と直交する方向で車両後方側に変位すると共に、第4リンク31がサスペンションメンバ100側の弾性ブッシュ17を中心として回転し、下記(42)で表される第2の横力変位量XS1だけ前記ボールジョイント16が車幅方向内側に変位する。 【0059】 FS1=FS・H2/(H2−H1) ………(39) FS1・sinθ1 ………(40) FS1・sinθ1/K1 ………(41) XS1=FS1・(sinθ1)2/K1 ………(42) 但し、H1は上側のAアーム3の高さであり、H2は下側の第3リンク30及び第4リンク31の高さであり、θ1は第4リンク31の軸線と車幅方向とのなす角度であり、K1は第4リンク31の両端結合点でのコジリ剛性の並列和に第4リンク31の長さの2乗を乗じた値と、第3リンク30の両端結合点での剛性のボールジョイント22の位置における第4リンク31の軸線と直交する方向の等価剛性と、の並列和である。 【0060】ここで、上記(42)式は第1実施形態の(4)式と同じ式となり、本実施形態においても第1実施形態と同等の効果を得られることが分かる。また、制動力FB、加速力FAについても、力学的には等価であり、第1実施形態と同等の効果を得ることができる。なお、本実施形態では、請求項6のアームはAアーム3であり、第1のリンクは第3リンク30であり、第2のリンクは第4リンク31であり、第3のリンクはサイドロッド5である。 【0061】また、本実施形態では第1の実施形態の下側のAアーム4に代えて互いに離して配された2本のリンク30、31を用いる例を示したが、上記第4の実施形態に示したように、上側のAアーム3に代えて互いに離して配された2本のリンク24、25を同時に用いてもよく、また、上記第2の実施形態に示したように、上側のAアーム3に代えて2本のリンク12、13を同時に用いてもよく、第1実施形態と同等の効果を得ることができる。 【0062】以上説明したように、前記第1〜第5の実施形態にあっては、アクスル2とサスペンションメンバ100とを連結する下側のアームとして、回転軸線の車両後方側が車両内側へ傾いて配されたAアームからなるもの(図11A)、車両内側が車両前方側に傾けて配された第4リンク及び軸線が略車両前後方向に向けて配された第3リンクからなるもの(図11B)、又は車両内側が車両前方側に傾けて配された第4リンク及びホイールセンタから離れた位置に配された第3リンクからなるもの(図11C)が用いられている。また、上側のアームとして、回転軸線の車両後方側が車両外側へ傾いて配されたAアームからなるもの(図11D)、車両内側が車両後方側に傾けて配された第2リンク及び軸線が略車両前後方向に向けて配された第1リンクからなるもの(図11E)、又は車両内側が車両後方側に傾けて配された第2リンク及びホイールセンタから離れた位置に配された第1リンクからなるもの(図11F)が用いられている。この、3種類の上側アームと3種類の下側アームが組み合わされることによる9種類のサスペンションのいずれも、運転者がステアリングホイ−ルを操作して旋回外側の後輪に横力が作用すると、横力アンダーステアのコンプライアンスステアの傾向が大きくなり、運転者がブレーキペダルを操作して、左右の後輪に制動力が作用すると、トーイン方向にトー角を変化させるコンプライアンスステアが得られ、運転者がアクセルペダルを操作して、左右の後輪に加速力が作用すると、トーアウト方向にトー角が変化してしまうことを抑制できるようにしたので、乗り心地に影響することなく、加速時の直進性・走行安定性が向上する。 【0063】また、上記実施の形態は本発明のサスペンション装置の一例を示したものであり、装置の構成等を限定するものではない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003997 【氏名又は名称】日産自動車株式会社 【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地
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| 【出願日】 |
平成13年11月12日(2001.11.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100066980 【弁理士】 【氏名又は名称】森 哲也 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−146038(P2003−146038A) |
| 【公開日】 |
平成15年5月21日(2003.5.21) |
| 【出願番号】 |
特願2001−346541(P2001−346541) |
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