| 【発明の名称】 |
軌陸作業車 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐々木 聡 【住所又は居所】埼玉県上尾市大字領家字山下1152番地の10 株式会社アイチコーポレーション上尾工場内
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| 【要約】 |
【課題】軌道走行時における安全性を向上させた軌陸作業車を提供する。
【解決手段】走行制御装置30が、ジャッキ接地検出器49によりジャッキの下端部が地面に当接していない状態が検出され、且つ転車台格納姿勢検出器50により転車台が格納位置に格納されている状態が検出されると上部走行操作装置による軌道走行を許可し、ブーム格納位置検出器47によりブームがブーム格納位置に位置している状態が検出され、且つジャッキ接地検出器49によりジャッキの下端部が地面に当接していない状態が検出され、且つ転車台格納姿勢検出器50により転車台が格納位置に格納されている状態が検出されると下部走行操作手段による軌道走行を許可する制御を行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車体に配設された道路上を走行するための道路走行用車輪と、前記車体に格納、張出可能に配設された軌道上を走行するための軌道走行用車輪と、前記車体に格納、張出可能に配設され、前記車体に格納された格納位置から下方に張り出して前記車体を持ち上げ支持するとともにこの状態で前記車体を水平旋回させることが可能な転車台と、前記転車台が前記格納位置に格納されているか否かを検出する転車台格納姿勢検出手段と、前記車体に配設され、下端部が地面に当接して前記車体を持ち上げ支持するジャッキと、前記ジャッキの前記下端部が地面に当接したか否かを検出するジャッキ接地検出手段と、前記車体上に起伏、伸縮および旋回作動が可能に設けられたブームと、前記ブームが所定ブーム格納位置に位置しているか否かを検出するブーム格納位置検出手段と、前記ブームの先端に取り付けられて前記ブームの起伏、伸縮および旋回作動に応じて移動される作業台と、前記作業台に配設され、前記軌道走行用車輪を軌道上に張り出して走行する軌道走行時の走行操作が可能な上部走行操作手段と、前記車体に配設され、前記軌道走行時の走行操作が可能な下部走行操作手段と、前記ジャッキ接地検出手段により前記ジャッキの前記下端部が地面に当接していない状態が検出され、且つ前記転車台格納姿勢検出手段により前記転車台が前記格納位置に格納されている状態が検出されると前記上部走行操作手段による前記軌道走行を許可し、前記ブーム格納位置検出手段により前記ブームが前記ブーム格納位置に位置している状態が検出され、且つ前記ジャッキ接地検出手段により前記ジャッキの前記下端部が地面に当接していない状態が検出され、且つ前記転車台格納姿勢検出手段により前記転車台が前記格納位置に格納されている状態が検出されると前記下部走行操作手段による前記軌道走行を許可する制御を行う走行制御手段とを備えて構成されていることを特徴とする軌陸作業車。 【請求項2】 前記軌道走行用車輪を駆動する複数の油圧モータと、前記複数の油圧モータに作動油を供給するポンプと、前記ポンプからの作動油を、前記複数の油圧モータを直列に結合させて供給するか並列に結合させて供給するかを切り替える流路切替手段とを備え、前記上部走行操作手段による前記軌道走行を行う場合には、前記走行制御手段が前記流路切替手段に前記複数の油圧モータを直列に結合させることを規制する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の軌陸作業車。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、道路および軌道(鉄道レール)上を走行可能な軌陸作業車に関し、さらに詳しくは、軌陸作業車の軌道走行時における走行制御に関する。 【0002】 【従来の技術】軌陸作業車は、タイヤ車輪等を有して路上走行可能な作業用車両の車体に、鉄道軌道(レール上)を走行するための軌道走行装置と、鉄道軌道に乗り入れる際に乗り入れ作業を容易化する転車装置とを備えて構成されている。 【0003】軌道走行装置は、張り出し(下降)及び格納(上昇)が自在な鉄輪を有しており、路上走行時には鉄輪を車体に格納し、軌道走行時には鉄輪を張り出させて鉄道レールに鉄輪の踏面を接輪させ、この鉄輪に接続された油圧モータを回転作動させる等して軌道上を走行することができるように構成されている。転車装置は、車体に対して張り出し(下降)及び格納(上昇)が自在な転車台を有しており、この転車台を張り出させて車体を持ち上げ支持し、この状態で軌道走行装置の鉄輪を張り出しあるいは格納させ、または車体を軌道の方向や道路の方向にあわせて容易に旋回させることができるように構成されている。 【0004】軌道に沿って設置されたトロリ線や各種設備の保守、点検等を行うための軌陸作業車には、その車体上に起伏、伸縮および旋回自在なブームが取り付けられるとともにその先端に作業者搭乗用の作業台が設けられ、ブームを作動して作業台を所望の位置に移動させ、軌道に沿って設置された各種設備に対する高所作業ができるようになっている。 【0005】このような軌陸作業車により、軌道沿線での高所作業を行うときには、まず作業現場近くの踏切まではタイヤ車輪により道路上を走行して移動し、その後踏切から作業現場までは鉄輪を下方に張り出すとともにタイヤ車輪を軌道上から浮かせ、油圧モータにより鉄輪を駆動して軌道上を走行移動する。そして作業現場に到着すると、車体に設けられたジャッキを張り出して鉄輪を浮かせ車体が転倒しないように支持した後、ブームを作動して作業台を任意の位置に移動させ、作業台に搭乗した作業者により作業を行う。 【0006】また、前述ような軌陸作業車の中には、軌道上での走行操作のために車体の運転運転キャビンに設けられた下部走行操作手段に加え、上部走行操作手段が作業台に設けられたものもある。このようにすれば、作業台に搭乗して高所作業を行う作業者自らの操作で軌道走行を行うことができる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の軌陸作業車では、転車台やジャッキを張り出した状態でも軌道上で鉄輪を駆動させることができたため、軌陸作業車の軌道走行時における安全性が低下するおそれがあった。また、ブームを作動させた状態で下部走行操作手段による軌道走行ができたため、軌陸作業車の軌道走行時における安全性が低下するおそれがあった。 【0008】本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、軌道走行時における安全性を向上させた軌陸作業車を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】このような目的達成のため、本発明における軌陸作業車は、車体に配設された道路上を走行するための道路走行用車輪と、車体に格納、張出可能に配設された軌道上を走行するための軌道走行用車輪と、車体に格納、張出可能に配設され、車体に格納された格納位置から下方に張り出して車体を持ち上げ支持するとともにこの状態で車体を水平旋回させることが可能な転車台と、転車台が格納位置に格納されているか否かを検出する転車台格納姿勢検出手段と、車体に配設され、下端部が地面に当接して車体を持ち上げ支持するジャッキと、ジャッキの下端部が地面に当接したか否かを検出するジャッキ接地検出手段と、車体上に起伏、伸縮および旋回作動が可能に設けられたブームと、ブームが所定ブーム格納位置に位置しているか否かを検出するブーム格納位置検出手段と、ブームの先端に取り付けられてブームの起伏、伸縮および旋回作動に応じて移動される作業台と、作業台に配設され、軌道走行用車輪を軌道上に張り出して走行する軌道走行時の走行操作が可能な上部走行操作手段と、車体に配設され、軌道走行時の走行操作が可能な下部走行操作手段と、ジャッキ接地検出手段によりジャッキの下端部が地面に当接していない状態が検出され、且つ転車台格納姿勢検出手段により転車台が格納位置に格納されている状態が検出されると上部走行操作手段による軌道走行を許可し、ブーム格納位置検出手段によりブームがブーム格納位置に位置している状態が検出され、且つジャッキ接地検出手段によりジャッキの下端部が地面に当接していない状態が検出され、且つ転車台格納姿勢検出手段により転車台が格納位置に格納されている状態が検出されると下部走行操作手段による軌道走行を許可する制御を行う走行制御手段とを備えて構成される。 【0010】このような構成の軌陸作業車によれば、走行制御手段が、ジャッキの下端部が地面に当接せず、且つ転車台が格納位置に格納されている状態になると上部走行操作手段による軌道走行を許可し、ブームがブーム格納位置に位置し、且つジャッキの下端部が地面に当接せず、且つ転車台が格納位置に格納されている状態になると下部走行操作手段による軌道走行を許可する制御を行うため、転車台やジャッキを張り出した状態での軌道走行が規制され、また、ブーム作動状態での下部走行操作手段による軌道走行が規制されることから、軌陸作業車の軌道走行時における安全性を向上させることができる。 【0011】また、本発明における軌陸作業車が、軌道走行用車輪を駆動する複数の油圧モータと、複数の油圧モータに作動油を供給するポンプと、ポンプからの作動油を、複数の油圧モータを直列に結合させて供給するか並列に結合させて供給するかを切り替える流路切替手段とを備え、上部走行操作手段による軌道走行を行う場合には、走行制御手段が流路切替手段に複数の油圧モータを直列に結合させることを規制する制御を行うことが好ましい。このようにすれば、複数の油圧モータを直列に結合すると油圧モータは並列に結合した場合と比べて高速回転となるため、上部走行操作手段による軌道走行を行う場合に、走行制御手段が流路切替手段に複数の油圧モータを直列に結合させることを規制することで、作業者が作業台に搭乗した状態での油圧モータの高速回転駆動による軌陸作業車の高速走行を回避することができ、軌陸作業車の軌道走行時における安全性をさらに向上させることができる。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。図2には、本発明に係る走行制御装置を備えた軌陸作業車1の構成を示している。軌陸作業車1は、車体2に設けられた運転キャビン2aを有するトラック車両をベースとして構成されており、車体2の前後左右の4箇所に取り付けられたタイヤ車輪(道路走行用車輪)3によって道路上を走行することができる。さらに、車体2の前後左右の4箇所には、鉄輪(軌道走行用車輪)4が、車体2に揺動自在に支持された鉄輪支持部材4aに回転自在に取り付けられている。 【0013】鉄輪支持部材4aは鉄輪張出格納シリンダ5の伸縮作動により揺動作動するようになっており、この鉄輪支持部材4aを揺動作動させることにより鉄輪4を下方に張り出したり上方に格納したりできるようになっている。軌陸作業車1は、鉄輪4を張り出した状態で車体2をレール(軌道)R上に載置し、鉄輪4に接続された左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rにより鉄輪4を駆動してレールR上を自走可能となっている(図1においては、右側鉄輪駆動油圧モータ21Rのみを図示しているが、左側鉄輪駆動油圧モータ21Lは鉄輪4の左側に接続されている)。 【0014】車体2の下部中央には、軌陸作業車1をレールR上へ乗せ換え移動するための転車台6が取り付けられている。転車台6は、転車台張出格納シリンダ7の伸縮作動により下方に張り出したり上方に格納したりできるようになっており、さらに車体旋回モータ8により車体2を転車台6に対して水平旋回することができるようになっている。 【0015】車体2上には、高所作業装置10が設けられている。この高所作業装置10は、車体2に対して水平旋回自在に取り付けられた旋回台11と、この旋回台11の上部に起伏自在に取り付けられ、入れ子式に伸縮作動が自在なブーム12と、このブーム12の先端に取り付けられた作業者搭乗用の作業台13とから構成されている。また、車体2の前後左右の4カ所に下方に伸縮自在なアウトリガジャッキ14が設けられており、高所作業を行うときには、このアウトリガジャッキ14を下方に張り出して車体2を持ち上げ支持できるようになっている。 【0016】このような構成の軌陸作業車1により、レールR上を走行して目的地まで移動し、その位置において車両を停車させ、高所作業装置10にブーム12の旋回、起伏、伸縮等の作動を行って作業台13を所望高所に移動し、作業台13に搭乗した作業者(図示せず)が軌陸作業車1上の張架線やトロリ線等の鉄道設備の工事等を行う。なお、一般道路走行時の運転は運転キャビン2a内より行うが、レールR上を走行する際の運転は運転キャビン2a内のほか、作業台13上からも行うことができる。以下に、この軌陸作業車1がレールR上を走行する際の走行制御装置30について図1を参照して説明する。 【0017】走行制御装置30は、作業台13に配設された上部コントローラ31と、車体2に配設された下部コントローラ41とを有して構成されており、上部コントローラ31と下部コントローラ41とは相互通信可能になっている。上部コントローラ31には、レールR上を走行する走行操作を行うための上部走行操作装置32からの操作信号と、レールR上を走行中の軌陸作業車1を緊急停止させるための上部緊急停止スイッチ37からの緊急停止信号とが入力される。そして、上部コントローラ31は、作業台13に配設された走行システム異常表示LED61へ表示指令信号を出力する。 【0018】上部走行操作装置32は、上部電源スイッチ33と、上部走行速度設定ボリュ−ム34と、上部走行操作レバー35と、上部走行モード切替スイッチ36とを有して構成されおり、作業台13に搭乗した作業者が操作してレールR上を低速走行できるようになっている。上部電源スイッチ33は作業台13に配設されており、上部電源スイッチ33を作動させると上部走行操作装置32が電源側と電気的に接続されて作業者による操作が可能となるように構成されている。また、上部電源スイッチ33からの接続信号が上部コントローラ31へ入力されると、その接続信号は下部コントローラ41へ送られ、下部コントローラ41は上部電源表示LED63へ表示指令信号を出力して上部電源表示LED63を点灯させる。上部電源表示LED63は運転キャビン2a内に配設されており、運転キャビン2a内の作業者が上部走行操作装置32の操作状況を確認することができるようになっている。 【0019】上部走行速度設定ボリュ−ム34は作業台13に配設されており、上部走行操作装置32による走行時の最高速度を設定可能に構成されている。作業台13に配設されている上部走行操作レバー35は手動により中立位置から前方もしくは後方へ傾動操作可能な中立位置自動復帰型のレバーであり、これを手動により前方もしくは後方へ傾動操作すると走行操作信号を出力する。この走行操作信号は、上部走行操作レバー35の操作量(傾動量)に応じた速度情報を含んでおり、より高速で走行したいときには上部走行操作レバー35の操作量を大きくすればよい。 【0020】ところで、本実施形態における軌陸作業車1は、左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rを直列に結合させて作動油を供給することで左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rを高速回転駆動させてレールR上を走行する高速走行モードと、左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rを並列に結合させて作動油を供給することで左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rを低速回転駆動させてレールR上を走行する低速走行モードとを有している。そして、作業台13に配設されている上部走行モード切替スイッチ36は、高速走行モードと低速走行モードとに切替設定可能に構成されており、この上部走行モード切替スイッチ36を所望の走行モードに切り替えると、上部走行モード切替スイッチ36から走行モード切替信号が上部コントローラ31へ出力される。上部緊急停止スイッチ37は作業台13に配設されており、上部緊急停止スイッチ37を作動させると、緊急停止信号が上部コントローラ31へ送られるようになっている。 【0021】下部コントローラ41には、レールR上を走行する走行操作を行うための下部走行操作装置42からの操作信号と、ブーム12が所定ブーム格納位置に位置しているか否かを検出するブーム格納位置検出器47からの検出信号と、ブーム12が所定ブーム格納長さであるか否かを検出するブーム格納長さ検出器48からの検出信号と、アウトリガジャッキ14の下端部が地面に当接したか否かを検出するジャッキ接地検出器49からの検出信号と、転車台6が所定格納位置に位置しているか否かを検出する転車台格納姿勢検出器50からの検出信号と、鉄輪4が所定鉄輪張出位置に位置しているか否かを検出する鉄輪姿勢検出器51からの検出信号と、アウトリガジャッキ14の伸縮操作を行うためのジャッキ操作装置52からの操作信号と、鉄輪4の張出格納操作を行うための鉄輪張出格納操作装置53からの操作信号と、転車台6の張出格納操作を行うための転車台張出格納操作装置54からの操作信号と、レールR上を走行中の軌陸作業車1を緊急停止させるための下部緊急停止スイッチ55および車両側方、後方緊急停止スイッチ56からの操作信号とが入力される。 【0022】そして、下部コントローラ41は、運転キャビン2a内に配設された走行システム表示LED62および上部電源表示LED63への表示指令信号を出力し、詳細はそれぞれ後述する流路切替バルブ66と、傾転角制御バルブ67と、電磁比例リリーフバルブ83と、シャットオフバルブ84と、走行駐車切替バルブ86とにそれぞれ作動制御信号を出力する。 【0023】下部走行操作装置42は、走行選択スイッチ43と、ブレーキストローク検出器44を備えたブレーキペダル(図示せず)と、下部走行モード切替スイッチ45と、駐車ブレーキレバー検出器46を備えた駐車ブレーキレバー(図示せず)とを有して構成されおり、運転キャビン2aに搭乗した作業者が操作してレールR上を高速走行できるようになっている。走行選択スイッチ43は運転キャビン2aに配設されており、軌陸作業車1がレールR上で停止する中立位置と、軌陸作業車1をレールR上で前進させる前進位置と、軌陸作業車1をレールR上で後進させる後進位置とに切替設定可能に構成されている。そして、この走行選択スイッチ43を所望の切替位置に位置させると、走行選択スイッチ43から進行方向切替信号が下部コントローラ41へ出力されるようになっている。 【0024】ブレーキストローク検出器44は、運転キャビン2aに配設されたブレーキペダルの操作量(踏み込み量)を検出し、その検出信号を下部コントローラ41へ出力するようになっている。運転キャビン2aに配設されている下部走行モード切替スイッチ45は、高速走行モードと低速走行モードとに切替設定可能に構成されており、この下部走行モード切替スイッチ45を所望の走行モードに切り替えると、下部走行モード切替スイッチ45から走行モード切替信号が下部コントローラ41へ出力されるようになっている。駐車ブレーキレバー検出器46は、運転キャビン2aに配設された駐車ブレーキレバー(図示せず)が操作されている否かを検出し、その検出信号を下部コントローラ41へ出力するようになっている。 【0025】ブーム格納位置検出器47は、ブーム12が所定ブーム格納位置に位置しているか否かを検出するためのもので、旋回台11の旋回角を検出する旋回角センサ(図示せず)と、ブーム12の起伏角を検出する起伏角センサ(図示せず)とを有して構成される。そして、旋回台11の旋回角およびブーム12の起伏角が所定ブーム格納位置に対応した値になると、ブーム格納位置検出器47はブーム12が所定ブーム格納位置に位置していると判断して、その検出信号を下部コントローラ41へ出力するようになっている。 【0026】ブーム格納長さ検出器48は、ブーム12が所定ブーム格納長さであるか否かを検出するためのもので、ブーム12の伸長量を検出する伸長センサ(図示せず)を有して構成される。そして、ブーム12の伸長量が所定ブーム格納長さになると、ブーム格納長さ検出器48はその検出信号を下部コントローラ41へ出力するようになっている。 【0027】ジャッキ接地検出器49は車体2に設けられており、アウトリガジャッキ14の下端部が地面に当接すると、その検出信号を下部コントローラ41へ出力するようになっている。また、ジャッキ操作装置52は車体2に設けられており、作業者が操作してアウトリガジャッキ14の伸縮作動を行わせるようになっている。そして、ジャッキ操作装置52の操作信号は下部コントローラ41へ送られるようになっている。 【0028】転車台格納姿勢検出器50は車体2に設けられており、転車台6が所定格納位置に位置すると、その検出信号を下部コントローラ41へ出力するようになっている。また、転車台張出格納操作装置54は車体2に設けられており、作業者が操作して転車台張出格納シリンダ7の伸縮作動、すなわち転車台6の張り出しおよび格納作動を行わせるようになっている。そして、転車台張出格納操作装置54の操作信号は下部コントローラ41へ送られるようになっている。 【0029】鉄輪姿勢検出器51は車体2に設けられており、鉄輪4が所定鉄輪張出位置に位置に位置すると、その検出信号を下部コントローラ41へ出力するようになっている。また、鉄輪張出格納操作装置53は車体2に設けられており、作業者が操作して鉄輪張出格納シリンダ5の伸縮作動、すなわち鉄輪4の張り出しおよび格納作動を行わせるようになっている。そして、鉄輪張出格納操作装置53の操作信号は下部コントローラ41へ送られるようになっている。 【0030】下部緊急停止スイッチ55は運転キャビン2a内に配設されており、下部緊急停止スイッチ55を作動させると、緊急停止信号が下部コントローラ41へ送られるようになっている。また、車両側方、後方緊急停止スイッチ56は車体2の側部および後部に配設されており、車両側方、後方緊急停止スイッチ56を作動させると、緊急停止信号が下部コントローラ41へ送られるようになっている。 【0031】なお、下部コントローラ41にはさらに、旋回台11の旋回角を検出する旋回角センサの旋回角信号と、ブーム12の起伏角を検出する起伏角センサの起伏角信号と、ブーム12の伸長量を検出する伸長センサの伸長量信号と、ブーム12の起伏作動を行わせる起伏シリンダ(図示せず)等に作用する軸力を検出する軸力センサ(図示せず)の軸力信号とが入力されている。 【0032】そして、起伏角センサおよび伸長センサにより検出されたブーム12の起伏角および伸長量と、軸力センサにより検出された起伏シリンダ等に作用する軸力とに基づいて、下部コントローラ41は車体2に作用する転倒モーメントを算出し、この転倒モーメントが所定の許容転倒モーメントを超えているか否かを判定している。 【0033】また、旋回角センサにより検出された旋回台11の旋回角と、起伏角センサおよび伸長センサにより検出されたブーム12の起伏角および伸長量とに基づいて、下部コントローラ41はブーム12および作業台13の作動位置を算出し、ブーム12および作業台13が所定の車両側方走行規制範囲を超えているか否かを判定している。ここで、車両側方走行規制範囲は、ブーム12および作業台13が車体2の側方における所定幅を超えた領域に設定され、ブーム12および作業台13が車両側方走行規制範囲に位置する状態での軌陸作業車1のレールR上の走行を規制して、ブーム12および作業台13が対向列車や電柱等と接触するのを防止するようになっている。 【0034】さて、車体2には、エンジンENGにより駆動されて作動油を吐出する第1油圧ポンプ65と、第1油圧ポンプ65からの作動油を受けて回転する左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rと、第1油圧ポンプ65からの作動油を、左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rを直列に結合させて供給するか並列に結合させて供給するかを切り替える流路切替バルブ66とが設けられており、これらは油路71〜76により連結されて油圧閉回路を形成している。 【0035】ここで、第1油圧ポンプ65は、斜板式可変容量型の油圧ポンプであり、その斜板の傾転方向および傾転角度の制御は傾転角制御バルブ67により行われている。傾転角制御バルブ67は電磁制御式のバルブであり、下部コントローラ41から送られる作動制御信号に基づいて作動が制御される。 【0036】流路切替バルブ66は電磁制御式のバルブであり、下部コントローラ41から送られる作動制御信号に基づいて作動が制御される。ソレノイド66aが非励磁状態で流路切替バルブ66が図1に示すようにバネ66bにより押されて左動した位置にあるときには、左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rを並列に結合し、ソレノイド66aが励磁されてバネ66bの付勢力に抗して右動した位置に移動すると、左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rを直列に結合するようになっている。 【0037】車体2にはさらに、第1油圧ポンプ65と同様にエンジンENGにより駆動される第2油圧ポンプ81が設けられており、この第2油圧ポンプ81から吐出される作動油は、鉄輪4の近傍に設けられた複数のブレーキ装置82、82と、左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rの内部に設けられた複数の駐車ブレーキ装置85、85とに供給されるようになっている。 【0038】ブレーキ装置82は、シリンダ82aと、シリンダ82a内に張出格納自在に設けられたピストン82bと、ピストン82bの先端に設けられたディスク82cと、シリンダ82a内に設けられてピストン82bを格納方向(図1の場合右方)に付勢するピストンバネ82dとを有して構成されている。そして、第2油圧ポンプ81からの作動油が油路91を介してシリンダ室82e内に供給されると、ピストン82bはピストンバネ82dの付勢力に抗して張出方向(図1の場合左方)に移動し、ディスク82cを鉄輪4に押圧させて鉄輪4の制動を行うようになっている。 【0039】また、油路91から分岐して、油タンクTと繋がる油路92へそれぞれ繋がる油路93、94には電磁比例リリーフバルブ83とシャットオフバルブ84とがそれぞれ設けられている。電磁比例リリーフバルブ83は電磁制御式のバルブであり、下部コントローラ41から送られる作動制御信号に基づいて作動が制御される。ソレノイド83aが非励磁状態であるときには、電磁比例リリーフバルブ83は完全にバルブを開き、ソレノイド83aが励磁されると、下部コントローラ41からの作動制御信号に応じてバルブを絞るようになっている。また、バルブを完全に閉じた状態では、油圧が所定圧以上になるとバルブを開いて作動油をリリーフさせるようになっている。 【0040】シャットオフバルブ84は電磁制御式のバルブであり、下部コントローラ41から送られる作動制御信号に基づいて作動が制御される。ソレノイド84aが非励磁状態でシャットオフバルブ84が図1に示すようにバネ84bにより押されて上動した位置にあるときには、油路94を閉じ、ソレノイド84aが励磁されてバネ84bの付勢力に抗して下動した位置に移動すると、油路94を開くようになっている。このようにして、ブレーキ装置82は、この電磁比例リリーフバルブ83およびシャットオフバルブ84により、作動油のリリーフ圧を制御することにより油路91の油圧を制御してその作動が制御されるようになっている。 【0041】駐車ブレーキ装置85は、シリンダ85aと、シリンダ85a内に張出格納自在に設けられたピストン85bと、ピストン85bの先端に設けられたディスク85cと、シリンダ85a内に設けられてピストン85bを張出方向(図1の場合右方)に付勢するピストンバネ85dとを有して構成されている。そして、駐車ブレーキ装置85に油圧が供給されていないときには、ピストン85bはピストンバネ85dに押されて張出方向へ移動し、ディスク85cが左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rの内部に設けられた多板ブレーキ(図示せず)を押圧して、左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rの鉄輪駆動軸21La、21Raがロックされるようになっている。 【0042】一方、第2油圧ポンプ81からの作動油が油路91から分岐した油路95および96を介してシリンダ室85e内に供給されると、ピストン85bはピストンバネ85dの付勢力に抗して格納方向(図1の場合左方)に移動し、ディスク85cが多板ブレーキから離れて鉄輪駆動軸21La、21Raのロックが解除されるようになっている。 【0043】なお、油路95と油路96との間には走行駐車切替バルブ86が設けられている。走行駐車切替バルブ86は電磁制御式のバルブであり、下部コントローラ41から送られる作動制御信号に基づいて作動が制御される。ソレノイド86aが非励磁状態で走行駐車切替バルブ86が図1に示すようにバネ86bにより押されて左動した位置にあるときには、油路95の一端を閉鎖状態にするとともに油路92と油路96とを接続し、ソレノイド86aが励磁されてバネ86bの付勢力に抗して右動した位置に移動すると、油路92の一端を閉鎖状態にするとともに油路95と油路96とを接続するようになっている。このようにして、駐車ブレーキ装置85は、この走行駐車切替バルブ86により油路95と油路96との断接制御を行ってその作動が制御されるようになっている。 【0044】このような構成の走行制御装置30による走行制御について図1を参照して説明する。まず、運転キャビン2a内の作業者が下部走行操作装置42を操作してレールR上を走行する場合、上部および下部コントローラ31、41は、下部操作走行条件を満たすと、下部走行操作装置42の操作による各制御バルブの作動を許可する。すなわち、作業者が下部走行操作装置42を操作してレールR上を走行することが可能となる。 【0045】ここで、下部操作走行条件は、ブーム12が所定ブーム格納位置に位置している状態が検出され、且つブーム12が所定ブーム格納長さである状態が検出され、且つアウトリガジャッキ14の下端部が地面に当接していない状態が検出され、且つジャッキ操作装置52からの操作信号が検出されず、且つ、転車台6が所定格納位置に位置している状態が検出され、且つ転車台張出格納操作装置54からの操作信号が検出されず、且つ鉄輪4が所定鉄輪張出位置に位置している状態が検出されず、且つ鉄輪張出格納操作装置53からの操作信号が検出されず、且つ上部電源スイッチ33からの接続信号が検出されず、且つ上部および下部コントローラ31、41の判断により走行制御装置30が正常に作動していると判断されるという条件となっている。 【0046】一方、下部操作走行条件を満たさないときには、上部および下部コントローラ31、41は、下部走行操作装置42の操作による各制御バルブの作動を許可せず、走行システム表示LED62へ表示指令信号を出力し、走行システム表示LED62を点灯させる。これにより、運転キャビン2a内の作業者が下部操作走行条件を満たしていないことを確認することができる。 【0047】作業者が下部走行操作装置42を操作してレールR上を走行するときには、まず、駐車ブレーキレバーの操作を解除する。このとき、駐車ブレーキレバー検出器46から下部コントローラ41にオフ信号が入力され、下部コントローラ41は走行駐車切替バルブ86に油路95と油路96とを接続させる作動制御信号を出力し、駐車ブレーキ装置85に作動油が供給されて左右の鉄輪駆動軸21La、21Raのロックが解除される。 【0048】次に、走行選択スイッチ43を前進位置もしくは後進位置に位置させる。このとき、下部コントローラ41は傾転角制御バルブ67に第1油圧ポンプ65の斜板を所定量傾転させる作動制御信号を出力し、第1油圧ポンプ65から作動油が供給されて左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rが回転する。すなわち、左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rにより鉄輪4が回転して軌陸作業車1がレールR上を走行する。 【0049】なお、走行選択スイッチ43を前進位置に位置させると、走行選択スイッチ43から下部コントローラ41に前進進行方向切替信号が入力され、下部コントローラ41は傾転角制御バルブ67に軌陸作業車1が前進するように第1油圧ポンプ65の斜板を所定量傾転させる作動制御信号を出力し、走行選択スイッチ43を後進位置に位置させると、走行選択スイッチ43から下部コントローラ41に後進進行方向切替信号が入力され、下部コントローラ41は傾転角制御バルブ67に軌陸作業車1が後進するように第1油圧ポンプ65の斜板を所定量傾転させる作動制御信号を出力する。 【0050】軌陸作業車1の走行速度は、作業者がエンジンENGのアクセルペダルの踏み込み量を変化させることにより、エンジンENGの回転数を変化させ、エンジンENGにより駆動される第1油圧ポンプ65から供給される左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rの作動油の流量を変化させることにより制御される。 【0051】また、作業者が下部走行操作装置42を操作してレールR上を走行するときには、走行モード切替スイッチ45により高速走行モードと低速走行モードとに切替可能になっている。走行モード切替スイッチ45を低速走行モードに切り替えると、走行モード切替スイッチ45から下部コントローラ41に低速走行モード切替信号が入力され、下部コントローラ41は流路切替バルブ66に左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rを並列に結合させる作動制御信号を出力し、左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rを高トルク低速回転駆動させることにより軌陸作業車1が高トルク低速走行を行う。一方、走行モード切替スイッチ45を高速走行モードに切り替えると、走行モード切替スイッチ45から下部コントローラ41に高速走行モード切替信号が入力され、下部コントローラ41は流路切替バルブ66に左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rを直列に結合させる作動制御信号を出力し、左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rを低トルク高速回転駆動させることにより軌陸作業車1が低トルク高速走行を行う。 【0052】そして、レールR上を走行する軌陸作業車1を減速、停止させるには、ブレーキペダルを操作して鉄輪4を制動させる。このとき、ブレーキストローク検出器44によりブレーキペダルの操作量(踏み込み量)が検出されて、その検出信号が下部コントローラ41へ入力される。そうすると、下部コントローラ41は傾転角制御バルブ67に第1油圧ポンプ65の吐出量を零にする作動制御信号を出力し、左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rへの作動油の供給を停止させるとともに、シャットオフバルブ84に油路94を開放させる作動制御信号を出力し、電磁比例リリーフバルブ83にブレーキペダルの操作量に応じてバルブを絞らせる作動制御信号を出力して、ブレーキ装置82へ第2油圧ポンプ81からの作動油を供給し、ブレーキ装置82にブレーキペダルの操作量に応じたブレーキ圧による鉄輪4の制動を行わせる。 【0053】また、レールR上を走行する軌陸作業車1は、下部操作走行条件を満たさなくなったとき、走行選択スイッチ43を中立位置に位置させたとき、駐車ブレーキレバーを操作したとき、そして下部緊急停止スイッチ55および車両側方、後方緊急停止スイッチ56を作動させたときには自動的に停止するようになっている。 【0054】このとき、下部コントローラ41は流路切替バルブ66に左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rを並列に結合させる作動制御信号を出力し、左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rを高トルク低速回転駆動させる。次に、傾転角制御バルブ67に第1油圧ポンプ65の吐出量を零にする作動制御信号を出力し、左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rへの作動油の供給を停止させるとともに、シャットオフバルブ84に油路94を開放させる作動制御信号を出力し、電磁比例リリーフバルブ83に所定量バルブを絞らせる作動制御信号を出力して、ブレーキ装置82へ第2油圧ポンプ81からの作動油を供給し、ブレーキ装置82に所定ブレーキ圧による鉄輪4の制動を行わせる。 【0055】電磁比例リリーフバルブ83およびシャットオフバルブ84への作動制御信号出力は、制動開始から所定時間(30秒程度)行われ、所定時間(30秒程度)が経過すると、下部コントローラ41はシャットオフバルブ84に油路94を閉鎖させる作動制御信号を出力し、電磁比例リリーフバルブ83に完全にバルブを開かせる作動制御信号を出力して、ブレーキ装置82への作動油の供給を停止する。また、制動開始から所定時間(25秒程度)経過後には、下部コントローラ41は走行駐車切替バルブ86に油路95と油路96とを遮断して駐車ブレーキ装置85への作動油の供給を停止させる作動制御信号を出力し、駐車ブレーキ装置85に左右の鉄輪駆動軸21La、21Raをロックさせる。これにより、軌陸作業車1は自動的に停止する。 【0056】一方、作業台13上の作業者が上部走行操作装置32を操作してレールR上を走行する場合、上部および下部コントローラ31、41は、上部操作走行条件を満たすと、上部走行操作装置32の操作による各制御バルブの作動を許可する。すなわち、作業者が上部走行操作装置32を操作してレールR上を走行することが可能となる。 【0057】ここで、上部操作走行条件は、アウトリガジャッキ14の下端部が地面に当接していない状態が検出され、且つジャッキ操作装置52からの操作信号が検出されず、且つ、転車台6が所定格納位置に位置している状態が検出され、且つ転車台張出格納操作装置54からの操作信号が検出されず、且つ鉄輪4が所定鉄輪張出位置に位置している状態が検出されず、且つ鉄輪張出格納操作装置53からの操作信号が検出されず、且つ上部電源スイッチ33からの接続信号が検出され、且つブーム12および作業台13が車両側方走行規制範囲に位置しておらず、且つ転倒モーメントが所定の許容転倒モーメントを超えておらず、且つ上部および下部コントローラ31、41の判断により走行制御装置30が正常に作動していると判断されるという条件となっている。 【0058】一方、上部操作走行条件を満たさないときには、上部および下部コントローラ31、41は、上部走行操作装置32の操作による各制御バルブの作動を許可せず、走行システム表示LED61へ表示指令信号を出力し、走行システム表示LED61を点灯させる。これにより、作業台13上の作業者が上部操作走行条件を満たしていないことを確認することができる。 【0059】作業者が上部走行操作装置32を操作してレールR上を走行するときには、まず、上部走行速度設定ボリュ−ム34を所望の最高速度に設定する。このとき、上部走行速度設定ボリュ−ム34から上部コントローラ31へ設定最高速度が入力される。 【0060】次に、上部走行操作レバー35を前方もしくは後方へ傾動操作する。このとき、下部コントローラ41は傾転角制御バルブ67に第1油圧ポンプ65の斜板を傾転させる作動制御信号を出力し、第1油圧ポンプ65から作動油が供給されて左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rが回転する。すなわち、左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rにより鉄輪4が回転して軌陸作業車1がレールR上を走行する。 【0061】なお、上部走行操作レバー35を前方へ傾動させると、上部走行操作レバー35から上部コントローラ31を介して下部コントローラ41に前進走行操作信号が入力され、下部コントローラ41は傾転角制御バルブ67に軌陸作業車1が前進するように第1油圧ポンプ65の斜板を傾転させる作動制御信号を出力し、上部走行操作レバー35を後方へ傾動させると、上部走行操作レバー35から上部コントローラ31を介して下部コントローラ41に後進走行操作信号が入力され、下部コントローラ41は傾転角制御バルブ67に軌陸作業車1が後進するように第1油圧ポンプ65の斜板を傾転させる作動制御信号を出力する。 【0062】軌陸作業車1の走行速度は、上部走行操作レバー35の操作量(傾動量)を変化させることにより、第1油圧ポンプ65の斜板の傾転角度を変化させ、エンジンENGにより駆動される第1油圧ポンプ65から供給される左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rの作動油の流量を変化させることにより制御される。ただし、最高速度は上部走行速度設定ボリュ−ム34により設定された最高速度となる。 【0063】なお、作業者が上部走行操作装置32を操作してレールR上を走行するときには、低速走行モードのみの走行とし、上部および下部コントローラ31、41は高速走行モードへの切り替えを規制している。これにより、作業者が誤って上部走行モード切替スイッチ36を高速走行モードに切り替えて、左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rが直列に結合されて低トルク高速回転駆動することを回避することができるため、安全性をさらに向上させることができる。 【0064】そして、レールR上を走行する軌陸作業車1を停止させるには、上部走行速度設定ボリュ−ム34を所定最低速度(約3km/h)未満に設定して、上部走行操作レバー35を中立位置に位置させる。このとき、上部走行速度設定ボリュ−ム34から上部コントローラ31を介して下部コントローラ41に所定最低速度未満である設定最高速度が入力された状態で、上部走行操作レバー35から上部コントローラ31を介して下部コントローラ41に中立走行操作信号が入力される。そうすると、下部コントローラ41は傾転角制御バルブ67に第1油圧ポンプ65の吐出量を零にする作動制御信号を出力し、左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rへの作動油の供給を停止させるとともに、シャットオフバルブ84に油路94を開放させる作動制御信号を出力し、電磁比例リリーフバルブ83に所定量バルブを絞らせる作動制御信号を出力して、ブレーキ装置82へ第2油圧ポンプ81からの作動油を供給し、ブレーキ装置82に所定ブレーキ圧による鉄輪4の制動を行わせる。 【0065】電磁比例リリーフバルブ83およびシャットオフバルブ84への作動制御信号出力は、制動開始から所定時間(15秒程度)行われ、所定時間(15秒程度)が経過すると、下部コントローラ41はシャットオフバルブ84に油路94を閉鎖させる作動制御信号を出力し、電磁比例リリーフバルブ83に完全にバルブを開かせる作動制御信号を出力して、ブレーキ装置82への作動油の供給を停止する。また、制動開始から所定時間(10秒程度)経過後には、下部コントローラ41は走行駐車切替バルブ86に油路95と油路96とを遮断して駐車ブレーキ装置85への作動油の供給を停止させる作動制御信号を出力し、駐車ブレーキ装置85に左右の鉄輪駆動軸21La、21Raをロックさせる。これにより、軌陸作業車1は停止状態となる。 【0066】また、レールR上を走行する軌陸作業車1は、上部操作走行条件を満たさなくなったとき、上部走行操作レバー35を中立位置に位置させたとき、そして上部緊急停止スイッチ37を作動させたときには自動的に停止するようになっている。 【0067】このとき、下部コントローラ41は傾転角制御バルブ67に第1油圧ポンプ65の吐出量を零にする作動制御信号を出力し、左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rへの作動油の供給を停止させるとともに、シャットオフバルブ84に油路94を開放させる作動制御信号を出力し、電磁比例リリーフバルブ83に所定量バルブを絞らせる作動制御信号を出力して、ブレーキ装置82へ第2油圧ポンプ81からの作動油を供給し、ブレーキ装置82に所定ブレーキ圧による鉄輪4の制動を行わせる。 【0068】電磁比例リリーフバルブ83およびシャットオフバルブ84への作動制御信号出力は、制動開始から所定時間(30秒程度)行われ、所定時間(30秒程度)が経過すると、下部コントローラ41はシャットオフバルブ84に油路94を閉鎖させる作動制御信号を出力し、電磁比例リリーフバルブ83に完全にバルブを開かせる作動制御信号を出力して、ブレーキ装置82への作動油の供給を停止する。また、制動開始から所定時間(25秒程度)経過後には、下部コントローラ41は走行駐車切替バルブ86に油路95と油路96とを遮断して駐車ブレーキ装置85への作動油の供給を停止させる作動制御信号を出力し、駐車ブレーキ装置85に左右の鉄輪駆動軸21La、21Raをロックさせる。これにより、軌陸作業車1は自動的に停止する。 【0069】以上のようにして、走行制御装置30が、アウトリガジャッキ14の下端部が地面に当接せず、且つ転車台6が所定格納位置に格納されている状態になると上部走行操作装置32による軌道走行を許可し、ブーム12がブーム格納位置に位置し、且つアウトリガジャッキ14の下端部が地面に当接せず、且つ転車台6が所定格納位置に格納されている状態になると下部走行操作装置42による軌道走行を許可する制御を行うため、転車台6やアウトリガジャッキ14を張り出した状態での軌道走行が規制され、また、ブーム12の作動状態での下部走行操作装置42による軌道走行が規制されることから、軌陸作業車1の軌道走行時における安全性を向上させることができる。 【0070】また、左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rを直列に結合すると並列に結合した場合と比べて高速回転となるため、上部走行操作装置32による軌道走行を行う場合に、走行制御装置30が流路切替バルブ66に左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rを直列に結合させることを規制することで、作業者が作業台13に搭乗した状態での左および右側鉄輪駆動油圧モータ21L、21Rの高速回転駆動による軌陸作業車1の高速走行を回避することができ、軌陸作業車1の軌道走行時における安全性をさらに向上させることができる。 【0071】なお、当該例において、上部緊急停止スイッチ37や、下部緊急停止スイッチ55および車両側方、後方緊急停止スイッチ56を作動させたときに、ブレーキ装置82および駐車ブレーキ装置85に第2油圧ポンプ81から作動油が供給されているが、車両故障における制動も可能となるように別途非常用ポンプを設け、この非常用ポンプから作動油が供給されるようにしてもよい。 【0072】また、当該例において、ブレーキペダルを操作して鉄輪4を制動させる場合に、ブレーキ装置82にブレーキペダルの操作量に応じたブレーキ圧による鉄輪4の制動を行わせているが、停止ショック等を考慮したショックレスブレーキ圧を設定し、ブレーキ装置82にショックレスブレーキ圧よる鉄輪4の制動を行わせるようにしてもよい。 【0073】 【発明の効果】以上説明したように、本発明による軌陸作業車によれば、走行制御手段が、ジャッキの下端部が地面に当接せず、且つ転車台が格納位置に格納されている状態になると上部走行操作手段による軌道走行を許可し、ブームがブーム格納位置に位置し、且つジャッキの下端部が地面に当接せず、且つ転車台が格納位置に格納されている状態になると下部走行操作手段による軌道走行を許可する制御を行うため、転車台やジャッキを張り出した状態での軌道走行が規制され、また、ブーム作動状態での下部走行操作手段による軌道走行が規制されることから、軌陸作業車の軌道走行時における安全性を向上させることができる。 【0074】また、本発明における軌陸作業車が、軌道走行用車輪を駆動する複数の油圧モータと、複数の油圧モータに作動油を供給するポンプと、ポンプからの作動油を、複数の油圧モータを直列に結合させて供給するか並列に結合させて供給するかを切り替える流路切替手段とを備え、上部走行操作手段による軌道走行を行う場合には、走行制御手段が流路切替手段に複数の油圧モータを直列に結合させることを規制する制御を行うことが好ましい。このようにすれば、複数の油圧モータを直列に結合すると油圧モータは並列に結合した場合と比べて高速回転となるため、上部走行操作手段による軌道走行を行う場合に、走行制御手段が流路切替手段に複数の油圧モータを直列に結合させることを規制することで、作業者が作業台に搭乗した状態での油圧モータの高速回転駆動による軌陸作業車の高速走行を回避することができ、軌陸作業車の軌道走行時における安全性をさらに向上させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000116644 【氏名又は名称】株式会社アイチコーポレーション 【住所又は居所】愛知県名古屋市中区千代田2丁目15番18号
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| 【出願日】 |
平成14年5月9日(2002.5.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100092897 【弁理士】 【氏名又は名称】大西 正悟
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| 【公開番号】 |
特開2003−326930(P2003−326930A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月19日(2003.11.19) |
| 【出願番号】 |
特願2002−134616(P2002−134616) |
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