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【発明の名称】 無人車両
【発明者】 【氏名】六角 英一
【住所又は居所】京都府長岡京市東神足2丁目1番1号 日本輸送機株式会社内

【要約】 【課題】、救援車で吊り上げた状態で、スィッチタワーの全てのスィッチが確実に操作されるようにした無人車両の提供を目的とする。

【解決手段】無人車両の後部に設けるベース1に球面継手4を介してスィッチタワー5を全方位に傾倒可能に連接する一方、受座3を受止めている救援車の連結具18の上面19に当接するカラー17をスィッチタワー5に固定する。これにより、無人車両の吊り上げや救援車の無人車両に対するロールがある時に、連結具18の上面19でカラー17を牽制して、スィッチタワー5を連結具18の上面19に略直立する位置に位置させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 救援時に救援車が操作する所定数のスィッチを縦に並べて支持するスィッチタワーと、救援車に設けられた二股状の連結具を受止める受座と、これらスィッチタワー及び受座を車体に支持するベースとを備える無人車両において、前記スィッチタワーがベースの上端部に全方位に傾倒可能に連接されると共に、該スィッチタワーに固定され、かつ前記受座の外周囲で前記連結具の上面に当接されるカラーとが設けられることを特徴とする無人車両。
【請求項2】 スィッチタワー及びカラーが球面継手を介してベースの上端部に連接されることを特徴とする請求項1に記載の無人車両。
【請求項3】 前記スィッチタワーをベースと同軸又は平行になる位置に復帰させる付勢手段が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の無人車両。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無人車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば核燃料や核燃料廃棄物の荷役作業においては、人が放射線に曝されないようにするため、無人操縦される荷役車両が用いられ、この荷役作業にトラブルが発生して荷役作業が中止されたり、荷役車両が停止したりすると、無人操縦される救援車を出動させ、荷役車両に連結して荷役車両を操縦し、必要に応じて荷役作業を安全な状態で終らせてから、人が接近できるところまで荷役車両を移動させている。
【0003】このような無人操縦される荷役車両などの無人車両は、例えば図4の側面図に示すように、車体101の重量を前後各2輪、合計4輪で分担するようにしてあり、後輪のうちの1輪が制動時に制動される制動輪102とされ、その他は自由に回転するようになっている。又、この無人車両100は、後部に、例えば該車体101に搭載されたバッテリ、走行用モータ、電磁ブレーキ、油圧パワーユニット、油圧バルブアレイなどを覆うケース106の後部上に、救援時に救援車200が操作する所定数のスィッチを縦に並べて支持するスィッチタワー103と、救援車200に設けられた二股状の連結具201を受止める受座104と、これらスィッチタワー103及び受座104を車体に支持するベース105とを備えている。
【0004】これに対して、救援車200には、前記連結具201と、スィッチを選択的に操作するスィッチプッシャ202とが設けられる。この連結具201は救援車200の車体203に昇降及び横行可能に支持されたブラケット204に、上面が水平になるように固定されており、スィッチプッシャ202はこのブラケット204にエレベータ205を介して前記連結具201の上面に対して直角に昇降可能に支持されている。
【0005】前記自走車両の受座104の下面は部分球面状に形成され、前記連結具201の上面には、これに対応する部分球面状に座刳りが凹設され、救援車200を操縦してベース105を跨ぐように受座104の下側に連結具201を差込み、上昇させると、連結具201の座刳りに受座104の下面が嵌り込み、これにより、自走台車の後輪が床面又は地面から浮き上がった状態に自走台車と救援車とが連結される。
【0006】なお、救援車200の走行、連結具201の昇降、スィッチプッシャ202の昇降、スィッチプッシャ202の操作は、救援車200に設けたカメラ206で監視しながら、放射線から防護された操縦室より無線あるいは有線で遠隔操縦している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この無人車両100によれば、救援車200が無人車両100の後方から連結される場合には、救援車200の連結具201を受座104の下に差込んで受座104を持ち上げることにより車体101の後部を床面又は地面から浮き上がらせると、前記スィッチタワー103が例えば鉛直線V−Vに対してα°前傾するので、図5の側面図に示すように、スィッチの位置が高くなると、救援車200のスィッチプッシャ202とスィッチとの距離sが大きくなり、スィッチ操作が不確実になるおそれがあるということが分った。
【0008】又、例えば救援車が無人車両に対してロールしている場合には、スィッチタワーの軸心がロール方向に傾斜し、スィッチの高さが高くなる程、スィッチプッシャ202がスィッチから横にずれてスィッチ操作が不確実になるおそれがあるということが分った。
【0009】本発明は、この従来技術の課題を解消し、救援車で吊り上げた状態で、スィッチタワーの全てのスィッチが確実に操作されるようにした無人車両を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、要救援時に救援車が操作する所定数のスィッチを縦に並べて支持するスィッチタワーと、救援車に設けられた二股状の連結具を受止める受座と、これらスィッチタワー及び受座を車体に支持するベースとを備える無人車両において、この目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。
【0011】即ち、本発明は、前記スィッチタワーがベースの上端部に全方位に傾倒可能に連接されると共に、該スィッチタワーに固定され、かつ前記受座の前方で前記受座に受止められた連結具の上面に当接されるカラーとが設けられるという技術的手段を採用するのである。
【0012】これによれば、救援車の連結具を持ち上げて連結具の上面に受座を受止めた後、更に連結具を持ち上げて無人車両の後部を持ち上げると、ベースの軸が前傾するのに対して、カラーが受座の前方で連結具の上面に受止められることにより、スィッチタワーの軸心が連結具の上面に対して略直立する位置にカラーが連結具の上面に牽制される。
【0013】これにより、後方から救援車が連結される場合には、スィッチタワーの軸心がスィッチプッシャの昇降方向と略平行になり、スィッチの高さに関係なく、スィッチプッシャとスィッチとの距離が略一定になるので、スィッチの高さに関係なく、安定した操作力で確実にスィッチ操作できるようになる。
【0014】又、側方から救援車が連結される場合には、側面から見てスィッチタワーの軸心とスィッチプッシャの昇降軌道とが略一致して、スィッチプッシャが略スィッチの中心を押すようになるので、スィッチの高さに関係なく、安定した操作力で確実にスィッチ操作できるようになる。
【0015】ところで、救援車は後方から連結されるとは限らず、側方から連結されることもあり、又、牽引中に救援車が連結される向きが変わることもある。後部が吊り上げられた無人車両の後部のベースが前傾することは当然であるが、救援車がロールしている場合には、救援車のスィッチプッシャの昇降軌道に対してベースが傾斜する方向は全方位にわたる。そこで、本発明において、スィッチタワーは後方のみならず全方位に傾倒可能にベースに連接されるのである。
【0016】スィッチタワーをベースに全方位に傾倒可能に連接する構造としては、例えばスィッチタワーを十字継手とも呼ばれる自在継手(ユニバーサルジョイント)でベースに連接する構造を挙げることができるが、小型で堅固に連接できる上、構成が簡単で、故障が発生し難く、しかも、メンテナンスが簡単な球面継手でスィッチタワーとベースとを連接する構造を採用することが好ましい。
【0017】又、本発明においては、運転時にスィッチタワー及びカラーが遊動してスィッチタワーの姿勢が不安定になったり、騒音が発生したり、カラーとベースとの接触によりこれらが摩耗したり、変形したりすることを防止するために、前記スィッチタワーをベースと同軸又は平行になる位置に復帰させる付勢手段が設けられることが望ましいのである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の1実施例を図面に基づいて具体的に説明する。図面中、図1は本発明の要部の縦断側面図であり、図2はその円A囲繞部を拡大して示す縦断側面図である。
【0019】図1及び図2に示すベース1は、従来と同様に無人車両のケースの後部上に縦軸にして固定され、その上部に下面2が部分球面状に形成された受座3を該ベース1の軸心の回りに回転自在に支持している。
【0020】このベース1の上端部に、球面継手4を介してスィッチタワー5が全方向に傾倒可能に連接される。即ち、この球面継手4は、ベース1の上端部に外嵌され、球面継手4の部分球状の外周面を有するインナーレース6と、このインナーレース6に摺動可能に外嵌されたアウタレース7と、このアウタレース7を保持するホルダ8とを備え、このホルダ8の上端部に前記スィッチタワー5を固定することにより、前記インナーレース6の球心を中心にして全方向に傾倒できるようにスィッチタワー5がベース1に連接されている。
【0021】一方、前記ベース1の受座3とインナーレース6との間には円盤状の下バネ受板9が固定され、前記ホルダ8にはこれに対応する上バネ受板10が固定される。そして、これら上下両バネ受板9、10の間に、周方向に等間隔を置いて、少なくとも3本の圧縮コイルバネからなる付勢手段11が挿入され、この付勢手段11により上バネ受板10、ホルダ8を介して前記スィッチタワーの軸心が直立する位置、即ち、ベース1の軸方向と同軸に各スィッチが並ぶ位置に所定の圧力で付勢している。
【0022】この実施例では、付勢手段11はベース1の前後及び左右の4箇所に配置され、図1及び図2にはそのうちの前後の付勢手段11を図面に示している。
【0023】図2に示すように、各付勢手段11の下端は下バネ受座12を介して下バネ受板10に受止められ、この下バネ受座12には前記上バネ受板9に挿通される牽制軸13が固定されている。この牽制軸13の上部には、上バネ受板9の上側から牽制ナット14が螺合され、この牽制ナット14が上バネ受板9の上面に受止められることにより、前記付勢手段11が組込み長さよりも長く伸長しないようにしている。
【0024】なお、前記付勢手段11の上端は上バネ受座15を介して上バネ受板9に受止めさせてあるが、この上バネ座15は省略してもよい。又、前記牽制軸13の上端には、必要に応じて、牽制ナット14の緩解を防止する止めナット16が螺合される。
【0025】前記上バネ受板9の外周囲部には、受座3を取囲む例えば円筒状のカラー17が固定され、このカラー17は、受座3の下方にベース1を跨ぐように水平に差込まれた連結具18を上昇させて該連結具18の上面19に形成された凹部20に前記受座3を嵌め込んだ時に、該連結具18の上面19に全周にわたって平均的に接近するように形成されている。
【0026】さて、救援に際しては、救援車を操縦して、図1及び図2に示すように、後方から前記受座3の下方にベース1を跨ぐように連結具18を水平に差込み、この後、連結具18を上昇させて該連結具18の上面19に形成された凹部20に前記受座3を嵌め込む。そして、これに引き続き、更に、連結具18を上昇させて無人車両の後部を走行面(地面、又は床面、若しくは軌条面)から浮き上がらせる。
【0027】図3は救援車により無人車両の後部が吊り上げられている時の図2に対応する縦断側面図であり、この図3に示すように、無人車両の車体後部を浮き上がらせた状態では、無人車両の車体に固定されたベース3は例えば鉛直線V−Vに対してα°前傾するのに対して、カラー17、ホルダ8及びスィッチタワー5は、カラー17の後部が連結具18の上面19に牽制されるので、ベース3に対しては後方に傾斜し、連結具18の上面19に対しては略直立することになる。そして、ベース1の軸心に対してスィッチタワー5の軸心が傾斜することにより圧縮される前側の付勢手段11の付勢力によって、連結具18の上面19にカラー17の後端下縁が隙間なく当接されることにより、カラー17、ホルダ8及びスィッチタワー5の遊動が防止される。
【0028】かくして、スィッチタワー5は、その軸心が連結具18の上面19に対して略垂直になるように保持されるので、連結具18の上面に対して垂直に昇降するスィッチプッシャとスィッチタワーの各スィッチの間隔はスィッチの高さに関係なく略一定になる。換言すると、スィッチプッシャとスィッチタワー5の各スィッチとの間隔が、適切な操作力でスィッチを操作できる所定の範囲内に保持されることができるようになる。
【0029】又、例えば側方から連結される救援車がロールしている場合は、スィッチタワー5がベース3に対して前方又は後方に傾斜し、連結具18の上面に対して略直立することにより、スィッチタワー5の軸心がスィッチプッシャの昇降軌跡と略平行になるので、スィッチプッシャが横ずれすることなく確実に各スィッチを操作できるようになる。
【0030】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明は、救援時に救援車が操作する所定数のスィッチを縦に並べて支持するスィッチタワーと、このスィッチタワーに固定され、救援車に設けられた二股状の連結具を受止める受座と、これらスィッチタワー及び受座を車体に支持するベースとを備える無人車両において、前記スィッチタワーがベースの上端部に全方位に傾倒可能に連接されると共に、該スィッチタワーに固定され、前記受座の外周囲で前記連結具の上面に当接されるカラーとが設けられることを特徴とする無人車両である。
【0031】これによれば、救援車が無人車両の車体後部を吊り上げることにより車体が前傾する時に、前記カラーを連結具の上面によって、カラー及びスィッチタワーがベースに対して後方に傾斜し、連結具の上面に対して略直立する位置に牽制されるという作用が得られ、これにより、スィッチタワーの各スィッチと救援車のスィッチプッシャとの間隔をスィッチの高さに関係なく一定以内に設定することができ、全てのスィッチを確実に操作できるようになるという効果を得ることができる。
【0032】又、無人車両に対して救援車がロールしている時には、前記カラーを連結具の上面によって、カラー及びスィッチタワーがベースに対してロール方向と反対の方向に傾斜し、連結具の上面に対して略直立する位置に牽制されるという作用が得られ、これにより、スィッチタワーの各スィッチに対して救援車のスィッチプッシャが一定以上横にずれることを防止でき、全てのスィッチを確実に操作できるようになるという効果を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000232807
【氏名又は名称】日本輸送機株式会社
【住所又は居所】京都府長岡京市東神足2丁目1番1号
【出願日】 平成14年1月25日(2002.1.25)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−211927(P2003−211927A)
【公開日】 平成15年7月30日(2003.7.30)
【出願番号】 特願2002−16300(P2002−16300)