| 【発明の名称】 |
空気供給装置、ホイールおよびタイヤユニット |
| 【発明者】 |
【氏名】赤堀 豊 【住所又は居所】長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコーエプソン株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】構造が簡易であり、エネルギー源を用いることなく、自動的に、かつ確実に、回転体の空気充填部に空気を供給し得る空気供給装置、ホイールおよびタイヤユニットを提供する。
【解決手段】空気供給装置4は、シリンダ50を備えた装置本体5と、シリンダ50内に移動可能に設置されたピストン6とを有し、装置本体5は、貫通孔54がバルブ31の流路に連通するように、バルブ31の途中に接合されている。ピストン6の移動方向は、タイヤユニット1(ホイール3)の半径方向と略一致しており、そのピストン6は、タイヤユニット1の回転により生じる遠心力によって移動し得るようになっている。シリンダ50内のピストン6の下側には、ピストン6を係止する係止部51が形成され、また、コイルバネ7が設置されている。また、装置本体5には、調整ネジ8、逆止弁12、13、エアフィルタ11が設けられている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 空気を充填する空気充填部を有する回転体に設けられ、前記空気充填部に空気を供給する空気供給装置であって、シリンダおよびピストンを有し、前記回転体の回転により生じる遠心力により前記ピストンが移動して空気を前記空気充填部に供給するよう構成されていることを特徴とする空気供給装置。 【請求項2】 空気を収納する空気充填部を有する回転体に設けられ、前記空気充填部に空気を供給する空気供給装置であって、空気を導入する空気導入部と、空気を排出する空気排出部とを有するシリンダと、前記シリンダ内に移動可能に設けられ、前記回転体の回転により生じる遠心力によって移動するピストンと、前記ピストンを前記遠心力の方向と反対方向に付勢する付勢手段とを備え、前記遠心力が変化することにより前記ピストンが往復運動し、該ピストンの往復運動により、前記シリンダ内に空気を導入し、その空気を前記シリンダ内から排出して前記空気充填部に供給するよう構成されていることを特徴とする空気供給装置。 【請求項3】 前記遠心力の増大により前記ピストンが前記回転体の回転中心から遠ざかる方向に移動して前記シリンダ内に空気を導入し、前記遠心力の減少により、前記ピストンが前記と逆方向に移動し、前記シリンダ内の空気を排出して前記空気充填部に供給するよう構成されている請求項2に記載の空気供給装置。 【請求項4】 前記遠心力の減少により前記ピストンが前記回転体の回転中心に接近する方向に移動して前記シリンダ内に空気を導入し、前記遠心力の増大により、前記ピストンが前記と逆方向に移動し、前記シリンダ内の空気を排出して前記空気充填部に供給するよう構成されている請求項2に記載の空気供給装置。 【請求項5】 前記付勢手段は、バネである請求項2ないし4のいずれかに記載の空気供給装置。 【請求項6】 前記シリンダ内に空気を導入する流路に、前記シリンダ内へ向う空気の流れを可能にし、前記シリンダ内からその外へ向う空気の流れを阻止する空気導入用の逆止弁を有する請求項2ないし5のいずれかに記載の空気供給装置。 【請求項7】 前記空気導入用の逆止弁は、前記空気導入部に設けられている請求項6に記載の空気供給装置。 【請求項8】 空気を前記シリンダ内から排出して前記空気充填部に供給する流路に、前記シリンダ内からその外へ向う空気の流れを可能にし、前記シリンダ内へ向う空気の流れを阻止する空気排出用の逆止弁を有する請求項2ないし7のいずれかに記載の空気供給装置。 【請求項9】 前記空気排出用の逆止弁は、前記空気排出部に設けられている請求項8に記載の空気供給装置。 【請求項10】 前記シリンダ内に空気を導入する流路に、異物の通過を阻止するエアフィルタを有する請求項1ないし9のいずれかに記載の空気供給装置。 【請求項11】 前記エアフィルタは、液体の通過を阻止する機能を有する請求項10に記載の空気供給装置。 【請求項12】 前記空気充填部内の最大圧力を規制する圧力規制手段を有する請求項1ないし11のいずれかに記載の空気供給装置。 【請求項13】 前記圧力規制手段は、前記シリンダ内の空気の圧縮比を調整するものである請求項12に記載の空気供給装置。 【請求項14】 前記圧力規制手段は、前記ピストンの最大移動距離を調整するものである請求項12または13に記載の空気供給装置。 【請求項15】 前記圧力規制手段は、前記ピストンに当接する先端部を有し、前記シリンダに対して螺合する調整ネジである請求項14に記載の空気供給装置。 【請求項16】 前記回転体は、ホイールと、該ホイールに装着されたタイヤとを有するタイヤユニットであり、当該空気供給装置は、前記ホイールに設けられる請求項1ないし15のいずれかに記載の空気供給装置。 【請求項17】 前記ホイールに、前記タイヤに空気を注入・排出するバルブが設けられており、該バルブ内に連通するように当該空気供給装置が設けられる請求項16に記載の空気供給装置。 【請求項18】 前記ホイールに、前記タイヤに空気を注入・排出するバルブが設けられており、該バルブとは別の箇所に当該空気供給装置が設けられる請求項16に記載の空気供給装置。 【請求項19】 当該空気供給装置は、前記ホイールの回転中心を介して前記バルブの反対側に設けられる請求項18に記載の空気供給装置。 【請求項20】 タイヤが装着されるホイールであって、請求項1ないし19のいずれかに記載の空気供給装置を有することを特徴とするホイール。 【請求項21】 ホイールと、前記ホイールに装着されたタイヤと、前記ホイールに設けられ、請求項1ないし19のいずれかに記載の空気供給装置とを有することを特徴とするタイヤユニット。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、空気供給装置、ホイールおよびタイヤユニットに関するものである。 【0002】 【従来の技術】自動車や自転車等は、タイヤが回転することによって走行し、安全に走行するために、常にタイヤの空気圧を所定範囲内に保つ必要がある。 【0003】しかしながら、タイヤの空気圧は、時間経過や走行により減少してしまうので、コンプレッサ等を用い、手作業により、タイヤに空気を供給しなければならず、タイヤの空気圧の管理に手間と時間がかかるという問題がある。 【0004】このような問題を解決するために、従来では、例えば、特開平7−69017号において、タイヤ圧力管理システム(装置)が提案されている。 【0005】しかしながら、前記従来の装置では、構造が複雑であり、システムが大掛りになり、また、装置を駆動するために複雑な制御を必要とするとともに、装置を駆動させるためのエネルギー源として、車体側のバッテリー等を必要とするという欠点がある。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、構造が簡易であり、エネルギー源(例えば、電気、燃料、高圧空気等の供給源)を用いることなく、自動的に、かつ確実に、回転体の空気充填部に空気を供給し得る空気供給装置、ホイールおよびタイヤユニットを提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】このような目的は、下記(1)〜(21)の本発明により達成される。 【0008】(1) 空気を充填する空気充填部を有する回転体に設けられ、前記空気充填部に空気を供給する空気供給装置であって、シリンダおよびピストンを有し、前記回転体の回転により生じる遠心力により前記ピストンが移動して空気を前記空気充填部に供給するよう構成されていることを特徴とする空気供給装置。 【0009】(2) 空気を収納する空気充填部を有する回転体に設けられ、前記空気充填部に空気を供給する空気供給装置であって、空気を導入する空気導入部と、空気を排出する空気排出部とを有するシリンダと、前記シリンダ内に移動可能に設けられ、前記回転体の回転により生じる遠心力によって移動するピストンと、前記ピストンを前記遠心力の方向と反対方向に付勢する付勢手段とを備え、前記遠心力が変化することにより前記ピストンが往復運動し、該ピストンの往復運動により、前記シリンダ内に空気を導入し、その空気を前記シリンダ内から排出して前記空気充填部に供給するよう構成されていることを特徴とする空気供給装置。 【0010】(3) 前記遠心力の増大により前記ピストンが前記回転体の回転中心から遠ざかる方向に移動して前記シリンダ内に空気を導入し、前記遠心力の減少により、前記ピストンが前記と逆方向に移動し、前記シリンダ内の空気を排出して前記空気充填部に供給するよう構成されている上記(2)に記載の空気供給装置。 【0011】(4) 前記遠心力の減少により前記ピストンが前記回転体の回転中心に接近する方向に移動して前記シリンダ内に空気を導入し、前記遠心力の増大により、前記ピストンが前記と逆方向に移動し、前記シリンダ内の空気を排出して前記空気充填部に供給するよう構成されている上記(2)に記載の空気供給装置。 【0012】(5) 前記付勢手段は、バネである上記(2)ないし(4)のいずれかに記載の空気供給装置。 【0013】(6) 前記シリンダ内に空気を導入する流路に、前記シリンダ内へ向う空気の流れを可能にし、前記シリンダ内からその外へ向う空気の流れを阻止する空気導入用の逆止弁を有する上記(2)ないし(5)のいずれかに記載の空気供給装置。 【0014】(7) 前記空気導入用の逆止弁は、前記空気導入部に設けられている上記(6)に記載の空気供給装置。 【0015】(8) 空気を前記シリンダ内から排出して前記空気充填部に供給する流路に、前記シリンダ内からその外へ向う空気の流れを可能にし、前記シリンダ内へ向う空気の流れを阻止する空気排出用の逆止弁を有する上記(2)ないし(7)のいずれかに記載の空気供給装置。 【0016】(9) 前記空気排出用の逆止弁は、前記空気排出部に設けられている上記(8)に記載の空気供給装置。 【0017】(10) 前記シリンダ内に空気を導入する流路に、異物の通過を阻止するエアフィルタを有する上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の空気供給装置。 【0018】(11) 前記エアフィルタは、液体の通過を阻止する機能を有する上記(10)に記載の空気供給装置。 【0019】(12) 前記空気充填部内の最大圧力を規制する圧力規制手段を有する上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の空気供給装置。 【0020】(13) 前記圧力規制手段は、前記シリンダ内の空気の圧縮比を調整するものである上記(12)に記載の空気供給装置。 【0021】(14) 前記圧力規制手段は、前記ピストンの最大移動距離を調整するものである上記(12)または(13)に記載の空気供給装置。 【0022】(15) 前記圧力規制手段は、前記ピストンに当接する先端部を有し、前記シリンダに対して螺合する調整ネジである上記(14)に記載の空気供給装置。 【0023】(16) 前記回転体は、ホイールと、該ホイールに装着されたタイヤとを有するタイヤユニットであり、当該空気供給装置は、前記ホイールに設けられる上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の空気供給装置。 【0024】(17) 前記ホイールに、前記タイヤに空気を注入・排出するバルブが設けられており、該バルブ内に連通するように当該空気供給装置が設けられる上記(16)に記載の空気供給装置。 【0025】(18) 前記ホイールに、前記タイヤに空気を注入・排出するバルブが設けられており、該バルブとは別の箇所に当該空気供給装置が設けられる上記(16)に記載の空気供給装置。 【0026】(19) 当該空気供給装置は、前記ホイールの回転中心を介して前記バルブの反対側に設けられる上記(18)に記載の空気供給装置。 【0027】(20) タイヤが装着されるホイールであって、上記(1)ないし(19)のいずれかに記載の空気供給装置を有することを特徴とするホイール。 【0028】(21) ホイールと、前記ホイールに装着されたタイヤと、前記ホイールに設けられ、上記(1)ないし(19)のいずれかに記載の空気供給装置とを有することを特徴とするタイヤユニット。 【0029】 【発明の実施の形態】以下、本発明の空気供給装置、ホイールおよびタイヤユニットを添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明では、空気を充填する空気充填部を有する回転体を自動車のタイヤユニットとした場合を説明する。 【0030】図1は、本発明のタイヤユニットの第1実施形態を示す側面図、図2および図3は、それぞれ、図1に示すタイヤユニットの空気供給装置を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、図2および図3中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。 【0031】図1に示すように、タイヤユニット(回転体)1は、ホイール3と、ホイール3に装着されたタイヤ2と、空気を充填する空気充填部に空気を供給(注入)する空気供給装置4とを有している。このタイヤユニット1(タイヤ2)の前記空気充填部は、タイヤ2の内周面およびホイール3のリム等で構成されている。以下、これらの各構成要素について順次説明する。 【0032】図2に示すように、ホイール3には、タイヤユニット1(タイヤ2)の空気充填部(以下、単に「タイヤ」とも言う)に空気を注入・排出するバルブ31が設けられている。このバルブ31の先端部(上側の端部)には、外部からタイヤ2内へ向う空気の流れを可能にし、タイヤ2内から外部へ向う空気の流れを阻止する(空気を一方向にのみ通過させる)逆止弁311が設置されている。逆止弁311は、例えば、従来の一般的なホイールに設置されているバルブに設けられている逆止弁と同じ構造、働きを有している。 【0033】空気供給装置4は、ホイール3に設けられている。本実施形態では、この空気供給装置4は、バルブ31の途中、すなわち、バルブ31の逆止弁311より基端側(下側)に、後述する貫通孔54がバルブ31内(バルブ31の流路)に連通するように設けられる。以下、空気供給装置4について説明する。 【0034】空気供給装置4は、シリンダ50を備えた装置本体5と、シリンダ50内に移動可能に設置されたピストン6とを有している。 【0035】装置本体5のシリンダ50の左側には、貫通孔54がバルブ31の流路に沿って形成されており、この装置本体5は、前記貫通孔54がバルブ31の流路に連通するように、バルブ31の途中、すなわち、バルブ31の逆止弁311の下側に接合されている。 【0036】ピストン6の移動方向は、タイヤユニット1(ホイール3)の半径方向と略一致しており、そのピストン6は、タイヤユニット1の回転により生じる遠心力によって移動し得るようになっている。 【0037】シリンダ50内の下側(ピストン6の下側)には、ピストン6を係止する係止部51が形成されている。 【0038】また、装置本体5の上部(ピストン6の上側)の側方には、シリンダ50内に空気を導入する空気導入部52と、シリンダ50内から空気を排出する空気排出部53とが、それぞれ形成されている。 【0039】空気導入部52は、外部とシリンダ50内とを連通させる貫通孔であり、その途中には、シリンダ50内へ向う空気の流れを可能にし、シリンダ50内からその外へ向う空気の流れを阻止する(空気を一方向にのみ通過させる)空気導入用の逆止弁12が設けられている。 【0040】なお、逆止弁12の位置は、前記空気導入部52の途中に限らず、シリンダ50内に空気を導入する流路のいずれの位置にその逆止弁12を設けてもよい。 【0041】空気排出部53は、シリンダ50内と貫通孔54とを連通させる貫通孔であり、その途中には、シリンダ50内からその外へ向う空気の流れを可能にし、シリンダ50内へ向う空気の流れを阻止する(空気を一方向にのみ通過させる)空気排出用の逆止弁13が設けられている。 【0042】なお、逆止弁13の位置は、前記空気排出部53の途中に限らず、例えば、貫通孔54の途中等、空気をシリンダ50内から排出してタイヤ2内に供給する流路のいずれの位置にその逆止弁13を設けてもよい。 【0043】逆止弁12、13は、共に、空気の流入側と排出側の空気圧の差が僅かでも空気の流入、逆止が可能であることが望ましい。 【0044】また、装置本体5の空気導入部52の外側(右側)には、異物および液体の通過を阻止するエアフィルタ11が設けられている。 【0045】このエアフィルタ11により、例えば、砂、埃、塵等の異物や、水、油等の液体のシリンダ50内への侵入が阻止(防止)される。 【0046】また、シリンダ50内のピストン6の下側には、コイルバネ(付勢手段)7が設置されている。 【0047】このコイルバネ7は、無負荷状態(自然長)から収縮した状態で設置されており、その復元力(弾性力)により、ピストン6をタイヤユニット1(ホイール3)の回転により生じる遠心力の方向と反対方向(タイヤユニット1の回転中心に接近する方向)に付勢している。 【0048】また、装置本体5には、タイヤ2内の空気の最大圧力(最大空気圧)を規制する圧力規制手段として、シリンダ50内の空気の圧縮比を調整する調整ネジ8が設けられている。 【0049】前記シリンダ50内の空気の圧縮比とは、空気供給装置4のコンプレッサとしての圧縮比、すなわち、シリンダ50内の空気が導入される部分の全容積(隙間容積+行程容積)を隙間容積で割った値(ピストン6が最も下側に位置しているときのシリンダ50内の容積を、ピストン6が最も上側に位置しているときのシリンダ50内の容積で割った値)である。以下、前記シリンダ50内の空気の圧縮比を、単に、「圧縮比」と言う。 【0050】調整ネジ8は、ピストン6に当接する先端部(当接部)81を有し、その基端部(上側の端部)には、指で把持する把持部(摘み)82が形成されている。 【0051】この調整ネジ8は、シリンダ50の上壁501に対して螺合しており、回転操作により、シリンダ50に対して上下方向に移動する。 【0052】また、シリンダ50の上壁501の外側には、シリンダ50に対する調整ネジ8の回転および上下方向への移動を可能にしつつ、上壁501と調整ネジ8との間の隙間を封止する封止部材(弾性部材)9が設けられている。この封止部材9により、シリンダ50内の気密状態(気密性)を保持することができる。 【0053】前記調整ネジ8の先端部81にピストン6が当接することで、そのピストン6の最大移動距離(ストローク)、すなわち、圧縮比が規制され、これによりタイヤ2内の最大空気圧が規制される。 【0054】従って、調整ネジ8を回転操作することで、ピストン6の最大移動距離、すなわち、圧縮比を調整することができ、タイヤ2内の最大空気圧(目標空気圧)を任意の値に調整(設定)することができる。 【0055】また、調整ネジ8には、この調整ネジ8で規制される圧縮比に対応するタイヤ2内の最大空気圧を示す目盛(図示せず)が設けられている。 【0056】ここで、空気供給装置4のピストン6の構成材料は、特に限定されないが、比重が比較的大きいもの(素材)、例えば、タングステン等の金属や合金が好ましい。 【0057】これにより、ピストン6を小さくしつつ、大きい遠心力を得ることができる。すなわち、空気供給装置4を小型化しつつ、ピストン6の圧力(空気の圧縮力)を大きくすることができる。 【0058】また、装置本体5の構成材料は、特に限定されないが、比重が比較的小さいもの、例えば、アルミニウム等の金属や合金が好ましい。これにより、空気供給装置4の軽量化に有利である。 【0059】次に、空気供給装置4等の作用を説明する。図2に示すように、空気供給装置4のピストン6は、コイルバネ7の復元力(弾性力)により、タイヤユニット1(ホイール3)の回転により生じる遠心力の方向と反対方向(タイヤユニット1の回転中心に接近する方向)、すなわち、上側に向けて付勢されているので、自動車が停止してタイヤユニット1の回転が停止しているときは、ピストン6は、前記コイルバネ7の付勢力で、調整ネジ81の先端部に当接している。 【0060】自動車が発進し、タイヤユニット1が回転すると、その回転により、ピストン6に遠心力(タイヤユニット1の回転中心から半径方向外側へ向う力)が作用する。そして、自動車の加速に伴いタイヤユニット1の回転速度(回転数)が増大し、これにより、ピストン6に作用する遠心力が増大する。 【0061】遠心力が増大すると、ピストン6は、コイルバネ7の付勢力に抗して、タイヤユニット1の回転中心から遠ざかる方向、すなわち、下側に移動し、コイルバネ7は、さらに収縮する。このピストン6の移動により、外部の空気がエアフィルタ11および逆止弁12を介し、空気導入部52からシリンダ50内に導入(吸引)される。この際、エアフィルタ11により、例えば、砂、埃、塵等の異物や、水、油等の液体の混入が阻止(防止)される。 【0062】自動車の速度、すなわち、タイヤユニット1の回転速度が所定値に達すると、ピストン6は、図3に示すように、係止部51に係止され(当接し)、停止する。これにより、前記シリンダ50内への空気の導入も停止される。 【0063】逆に、自動車の減速に伴いタイヤユニット1の回転速度が減少し、これにより、ピストン6に作用する遠心力が減少する。 【0064】遠心力が減少すると、コイルバネ7の付勢力により、ピストン6は、前記と逆方向(タイヤユニット1の回転中心に接近する方向)、すなわち、上側に移動し、これにより、シリンダ50内の空気は、圧縮される。 【0065】この圧縮された空気の圧力(空気圧)がタイヤ2内の空気圧を超えると、シリンダ50内の空気は、逆止弁13を介し、空気排出部53から排出され、貫通孔54を経て、タイヤ2内へ供給される。 【0066】自動車の速度、すなわち、タイヤユニット1の回転速度が所定値に達すると、ピストン6は、図2に示すように、調整ネジ8の先端部81に当接し、停止する。これにより、前記シリンダ50内の空気の圧縮も停止される。 【0067】また、自動車の速度、すなわち、タイヤユニット1の回転速度(遠心力の大きさ)に応じて、ピストン6は、調整ネジ8の先端部81と係止部51との間の所定の位置に移動する。 【0068】このように、自動車の加速と減速の繰り返しにより、ピストン6に作用する遠心力が増減(変化)し、ピストン6は、調整ネジ8の先端部81と係止部51との間を往復運動する。 【0069】これにより、外部の空気がシリンダ50内に導入され、シリンダ50内からタイヤ2内へ空気が供給される。 【0070】この場合、空気供給装置4の圧縮比は、予め、調整ネジ8で適正値に調整(設定)されており、タイヤ2内の空気圧がその圧縮比に対応する空気圧(目標空気圧)になるまで、タイヤ2内へ空気が供給される。 【0071】すなわち、タイヤ2内の空気圧が減少している場合は、空気供給装置4により、タイヤ2内へ空気が供給され、タイヤ2内の空気圧が適正値(目標空気圧)になると、前記空気の供給はなされない。これにより、タイヤ2内の空気圧は、適正値に保持される。 【0072】前記タイヤ2内の最大空気圧(目標空気圧)を調整(設定)する場合には、使用者(作業者)は、例えば指で調整ネジ8の把持部82を把持し、所定方向に回転操作する。 【0073】これにより、調整ネジ8が下側または上側に移動し、ピストン6の最大移動距離(ストローク)、すなわち、圧縮比が変更され、タイヤ2内の目標空気圧が変更される。この場合、調整ネジ8が下側に移動すると、ピストン6の最大移動距離、すなわち、圧縮比が減少し、タイヤ2内の目標空気圧が減少し、逆に、調整ネジ8が上側に移動すると、ピストン6の最大移動距離、すなわち、圧縮比が増大し、タイヤ2内の目標空気圧が増大する。 【0074】この操作の際は、使用者は、調整ネジ8に設けられている目盛を見ながら、その調整ネジ8を回転操作し、図示しない指標が目盛の目標値に一致するまで調整ネジ8を移動させる。これにより、容易、迅速かつ確実に、前記調整を行うことができる。 【0075】以上説明したように、この空気供給装置4、ホイール3およびタイヤユニット1によれば、タイヤユニット1の回転に伴って、タイヤ2内に空気を自動的かつ確実に供給(注入)することができる。 【0076】これにより、タイヤ2内の空気圧が減少しても、その空気圧を増大させることができ、タイヤ2内の空気圧を適正値に保持することができる。 【0077】また、リリース弁等を設けることなく、調整ネジ8によりタイヤ2内の最大空気圧を規制することができる。 【0078】また、その調整ネジ8により、圧縮比を調整することで、タイヤ2内の最大空気圧を調整することができる。 【0079】また、タイヤユニット1の回転により生じる遠心力でピストン6を移動させ、タイヤ2内に空気を供給するので、エネルギー源(例えば、電気、燃料、高圧空気等の供給源)を用いる必要がない。 【0080】また、空気供給装置4は、軽量かつ小型であり、部品点数も少なく、その構造も簡易である。 【0081】また、空気供給装置4には、電気回路や電気的な制御を必要としない。このため、信頼性が高い。 【0082】また、空気供給装置4によれば、容易に、ホイール3へ装着することができる。例えば、既存のホイール3に対し、空気供給装置4を容易に後付けすることもできる。 【0083】また、空気供給装置4は、ホイール3に設置されるので(車体側とホイール3側とに分散して設置されるものではないので)、その空気供給装置4を交換する場合には、ホイール3または空気供給装置4のみを交換すればよく、また、その作業を容易に行うことができる。 【0084】また、空気供給装置4は、軽量かつ小型であるので、タイヤユニット1のホイールバランスへの影響が少ない(ほとんどない)。 【0085】また、自動車の速度が高いほど、タイヤユニット1のホイールバランスが重要になるが、自動車が高速(所定値以上の速度)で走行しているときは、ピストン6は、遠心力で係止部51に押し付けられ、その位置が固定され、これにより、ホイールバランスを一定に保つことができる。特に、前記ピストン6が係止部51に当接しているときにホイールバランスが取れるように設定することで、前記高速走行時において、ホイールバランスの取れた状態を保つことができる。 【0086】また、タイヤ2内の空気が完全に抜けた状態、例えばホイール3にタイヤ2を初めて装着した状態の時には、バルブ31、逆止弁311を介して、従来のタイヤに空気を充填するコンプレッサ等で空気をタイヤ2内に所定の空気圧まで充填することができる。または所定の空気圧近くまで従来のコンプレッサ等で空気を充填し、その後は本発明の空気供給装置4によって所定の空気圧まで空気を充填することができる。 【0087】なお、本発明では、空気供給装置4は、バルブ31とは別の箇所に設けられてもよい。 【0088】この場合、空気供給装置4は、ホイール3の回転中心を介してバルブ31の反対側に設けられるのが好ましい。 【0089】次に、第2実施形態について説明する。図4は、本発明のタイヤユニットの第2実施形態を示す側面図、図5および図6は、それぞれ、図4に示すタイヤユニットの空気供給装置を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、図5および図6中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。 【0090】以下、第2実施形態について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。 【0091】図4に示すように、第2実施形態では、空気供給装置4は、ホイール3のバルブ31とは別の箇所に設けられる。 【0092】この場合、空気供給装置4は、図4に示すように、ホイール3の回転中心を介してバルブ31の反対側に設けられるのが好ましい。 【0093】これにより、タイヤユニット1のホイールバランスを取るための錘(バランサ)を減少、または、無くすことができる。 【0094】図5に示すように、空気供給装置4は、シリンダ50を備えた装置本体5と、シリンダ50内に移動可能に設置されたピストン6とを有している。 【0095】空気導入部52は、装置本体5の下部(ピストン6の下側)の側方に形成されており、空気排出部53は、装置本体5の下壁502に形成されている。 【0096】空気導入部52は、外部とシリンダ50内とを連通させる貫通孔であり、空気排出部53は、ホイール3に形成されている図示しない孔部を介し、シリンダ50内と、タイヤユニット1(タイヤ2)の空気充填部(以下、単に「タイヤ」とも言う)内とを連通させる貫通孔である。 【0097】また、コイルバネ(付勢手段)7は、シリンダ50内のピストン6の上側に設置されている。 【0098】このコイルバネ7は、無負荷状態(自然長)から伸長した状態で設置されており、その復元力(弾性力)により、ピストン6をタイヤユニット1(ホイール3)の回転により生じる遠心力の方向と反対方向(タイヤユニット1の回転中心に接近する方向)に付勢している。 【0099】また、空気供給装置4は、調整ネジ8、封止部材9、エアフィルタ11、逆止弁12および13を有しているが、これらについては、前述した第1実施形態と同様であるので、その説明は省略する。 【0100】次に、空気供給装置4等の作用を説明する。図5に示すように、空気供給装置4のピストン6は、コイルバネ7の復元力(弾性力)により、タイヤユニット1(ホイール3)の回転により生じる遠心力の方向と反対方向(タイヤユニット1の回転中心に接近する方向)、すなわち、上側に向けて付勢されているので、自動車が停止してタイヤユニット1の回転が停止しているときは、ピストン6は、前記コイルバネ7の付勢力で、調整ネジ81の先端部に当接している。 【0101】自動車が発進し、タイヤユニット1が回転すると、その回転により、ピストン6に遠心力(タイヤユニット1の回転中心から半径方向外側へ向う力)が作用する。そして、自動車の加速に伴いタイヤユニット1の回転速度(回転数)が増大し、これにより、ピストン6に作用する遠心力が増大する。 【0102】遠心力が増大すると、ピストン6は、コイルバネ7の付勢力に抗して、タイヤユニット1の回転中心から遠ざかる方向、すなわち、下側に移動し、コイルバネ7は、さらに伸張し、これにより、シリンダ50内の空気は、圧縮される。 【0103】この圧縮された空気の圧力(空気圧)がタイヤ2内の空気圧を超えると、シリンダ50内の空気は、逆止弁13を介し、空気排出部53から排出され、タイヤ2内へ供給される。 【0104】自動車の速度、すなわち、タイヤユニット1の回転速度が所定値に達すると、ピストン6は、図6に示すように、係止部51に係止され(当接し)、停止する。これにより、前記シリンダ50内の空気の圧縮も停止される。 【0105】逆に、自動車の減速に伴いタイヤユニット1の回転速度が減少し、これにより、ピストン6に作用する遠心力が減少する。 【0106】遠心力が減少すると、コイルバネ7の付勢力により、ピストン6は、前記と逆方向(タイヤユニット1の回転中心に接近する方向)、すなわち、上側に移動する。これにより、外部の空気がエアフィルタ11および逆止弁12を介し、空気導入部52からシリンダ50内に導入(吸引)される。 【0107】自動車の速度、すなわち、タイヤユニット1の回転速度が所定値に達すると、ピストン6は、図5に示すように、調整ネジ8の先端部81に当接し、停止する。これにより、前記シリンダ50内への空気の導入も停止される。 【0108】また、自動車の速度、すなわち、タイヤユニット1の回転速度(遠心力の大きさ)に応じて、ピストン6は、調整ネジ8の先端部81と係止部51との間の所定の位置に移動する。 【0109】このように、自動車の加速と減速の繰り返しにより、ピストン6に作用する遠心力が増減(変化)し、ピストン6は、調整ネジ8の先端部81と係止部51との間を往復運動する。 【0110】これにより、タイヤ2内の空気圧が空気供給装置4の圧縮比に対応する空気圧(目標空気圧)になるまで、タイヤ2内へ空気が供給される。 【0111】この空気供給装置4、ホイール3およびタイヤユニット1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。 【0112】なお、本発明では、空気供給装置4は、バルブ31内(バルブ31の流路)に連通するように、例えば、バルブ31の途中等に設けられてもよい。 【0113】次に、前述したタイヤユニット1における空気供給装置4の排気量およびピストン6の圧力等を下記の条件で計算して求めた。 【0114】ホイールのインチサイズ:14インチタイヤの幅:185mmタイヤの扁平率:60%タイヤの外径(直径):577.6mmホイールの外径(直径):355.6mmタイヤの外周の長さ:1814.584mm自動車の速度:60km/hタイヤの1時間当りの回転数(回転速度):33065.43rphタイヤの1分間当りの回転数:551.0905rpmタイヤの1秒間当りの回転数:9.184842rpsピストンの重量:5gピストンにおける遠心力:0.30212kgf(=2.960771N) ピストンの横断面における直径:3mmピストンの横断面における面積(断面積):0.070686cm2ピストンの圧力:4.274117kgf/cm2ピストンのストローク:5mm空気供給装置の排気量:0.035343cc(cm3)【0115】通常の乗用車の場合には、1.8〜2.2kgf/cm2程度の圧力を必要とするが、前記の条件では、排気量が0.035343cc、ピストン6の圧力が4.274117kgf/cm2の空気供給装置4を得ることができ、十分に対応することができる。 【0116】以上、本発明の空気供給装置、ホイールおよびタイヤユニットを、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。 【0117】また、本発明では、前記各実施形態の任意の2以上の構成(特徴)を適宜組み合わせてもよい。 【0118】なお、本発明の空気供給装置の用途(回転体)は、自動車のタイヤユニットに限定されず、この他、例えば、二輪車、自転車、航空機、遊園地の乗り物、各種のタイヤユニット(タイヤ、ホイール)に適用することができ、また、タイヤユニットにも限定されず、この他、例えば、フロート等、空気を充填する空気充填部を有し、回転可能な各種の回転体に適用することができる。 【0119】また、本発明のホイールおよびタイヤユニットは、それぞれ、自動車のホイールおよびタイヤユニットに限定されず、この他、例えば、二輪車、自転車、航空機、遊園地の乗り物等、各種のホイールおよびタイヤユニットであってもよい。 【0120】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、回転体の回転に伴って、空気充填部内に空気を自動的かつ確実に供給(注入)することができる。 【0121】これにより、空気充填部内の空気圧が減少しても、その空気圧を増大させることができ、空気充填部内の空気圧を適正値に保持することができる。 【0122】また、回転体の回転により生じる遠心力でピストンを移動させ、空気充填部内に空気を供給するので、エネルギー源(例えば、電気、燃料、高圧空気等の供給源)を用いる必要がない。 【0123】また、空気供給装置は、軽量かつ小型であり、部品点数も少なく、その構造も簡易である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002369 【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社 【住所又は居所】東京都新宿区西新宿2丁目4番1号
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| 【出願日】 |
平成14年5月27日(2002.5.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095728 【弁理士】 【氏名又は名称】上柳 雅誉 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−341320(P2003−341320A) |
| 【公開日】 |
平成15年12月3日(2003.12.3) |
| 【出願番号】 |
特願2002−152295(P2002−152295) |
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