| 【発明の名称】 |
支持体および空気入りランフラットタイヤ |
| 【発明者】 |
【氏名】中澤 一真 【住所又は居所】東京都小平市小川東町3−1−1 株式会社ブリヂストン技術センター内
【氏名】井野 文隆 【住所又は居所】東京都小平市小川東町3−1−1 株式会社ブリヂストン技術センター内
【氏名】岩崎 眞一 【住所又は居所】東京都小平市小川東町3−1−1 株式会社ブリヂストン技術センター内
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| 【要約】 |
【課題】所定の強度を確保しつつ軽量化が達成された支持体および空気入りランフラットタイヤを提供することを目的とする。
【解決手段】ランフラットタイヤは、タイヤの空気圧が低下した状態でのランフラット走行時にタイヤ内部に配設された支持部26がトレッド部を支持して走行可能とするものである。支持部26の径方向断面においてトレッド部を支持する凸部30Aが楕円形状とされているため凸部30Aに作用する荷重を分散させることが可能となり、支持部26の板厚を増加させなくてもランフラット走行時に凸部30Aの変形を防止できる。すなわち、所定の強度を確保しつつ軽量化された支持体(支持部26)を用いた空気入りランフラットタイヤを提供することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 空気入りタイヤの内部に配設され前記空気入りタイヤと共にリムに組み付けられ、ランフラット走行時に荷重を支持可能な環状の支持体であって、前記支持体の径方向断面において、径方向外側に突出形成された当接部を備える支持部と、前記支持部の径方向内側端部と一体化された弾性体であり、リム組み時に当該リムに装着される脚部と、を備え、前記支持部の当接部が径方向断面において楕円形状とされていることを特徴とする支持体。 【請求項2】 一対のビードコア間にわたってトロイド状に形成されたカーカスと、前記カーカスのタイヤ軸方向外側に配置されてタイヤサイド部を構成するサイドゴム層と、前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置されてトレッド部を構成するトレッドゴム層とを備え、リムに装着されるタイヤと、前記タイヤの内側に配設され、前記タイヤと共にリムに組み付けられる請求項1記載の支持体と、を備えることを特徴とする空気入りランフラットタイヤ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はパンクした時、その状態のまま相当の距離を走行し得るようにタイヤの内部に配設される環状の支持体と、当該支持体が内部に配設された空気入りランフラットタイヤに関する。 【0002】 【従来の技術】空気入りタイヤでランフラット走行が可能、即ち、パンクしてタイヤ内圧が0kg/cm2になっても、ある程度の距離を安心して走行が可能なタイヤ(以後、ランフラットタイヤと呼ぶ。)として、タイヤの空気室内におけるリムの部分に、金属、合成樹脂製の環状の中子(支持体)を取り付けた中子タイプが知られている。 【0003】この中子タイプでは、リムに組み込む回転中子タイプと、リムに取り付けられるタイヤ径方向断面において1つまたは複数の凸部を有する形状(凸部形状)の中子タイプが知られている。回転中子タイプは回転中子を固定するための特殊ホイールが必要とされる点で汎用性に問題がある。一方、凸部形状の中子タイプは、従来のリムに取り付けられるため汎用性が高い。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、自動車業界では、環境保護の観点や燃費の改善などを目的として車体の軽量化が図られている。中子タイプのランフラットタイヤは、従来のタイヤに対して中子分だけ重量が増加しているため、軽量化が強く望まれている。 【0005】一方、汎用性の高い凸部形状の中子タイプのランフラットタイヤにおいては、加工の容易性から断面形状が1つの凸部のみからなる一山形状の中子の研究が進められている。しかし、従来の一山形状の中子はタイヤを支持する部分が径方向断面において幅方向(回転軸方向)に直線状に延在するフラット部とされていたため、幅方向中央部において特に強度が不足してランフラット走行時に中子が変形してしまうおそれがあった。 【0006】このため、1つの凸部を有する中子タイプでは板厚を増加させて所定の強度を確保することが考えられるが、上記軽量化の目的に反してしまうという不都合があった。 【0007】本発明は、上記事実を考慮し、板厚を薄くして軽量化すると共に、所定の耐性を有する空気入りランフラットタイヤを提供することが目的である。 【0008】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の支持体は、空気入りタイヤの内部に配設され前記空気入りタイヤと共にリムに組み付けられ、ランフラット走行時に荷重を支持可能な環状の支持体であって、前記支持体の径方向断面において、径方向外側に突出形成された当接部を備える支持部と、前記支持部の径方向内側端部と一体化された弾性体であり、リム組み時に当該リムに装着される脚部と、を備え、前記支持部の当接部が径方向断面において楕円形状とされていることを特徴とする。 【0009】請求項1記載の支持体の作用について説明する。 【0010】支持体は従来の空気入りタイヤの内部(空気室内)に配設して、空気入りタイヤと共にリムに組み付けることができる。このようにして組み立てられたランフラットタイヤを自動車に装着して走行させると、空気入りタイヤの内圧低下時にタイヤ空気室内に配設された支持体がサイドゴム層に替わって荷重を支持し、ランフラット走行が可能になる。 【0011】ところで、この支持体は、径方向断面において、タイヤのトレッド部を支持する部分(当接部)と、当接部の径方向内側端部を内部に含めた弾性体、例えばゴムからなる脚部とから形成されている。このように形成された支持体の脚部をリムに組み付けている。 【0012】したがって、ランフラット走行時には支持体の当接部に荷重が作用する。ところで、ランフラット走行時に当接部に荷重が作用することによって当接部が座屈する等の変形を生ずるおそれが大きい。しかしながら、本発明に係る支持体(支持部)は、径方向断面において当接部を楕円形状に形成したため、ランフラット走行時に当接部に作用する荷重を分散させて支持することができる。すなわち、支持体の支持部は板厚を厚くしなくとも所定の強度を確保することができる。したがって、本発明は、軽量化を達成しつつ、良好なランフラット走行耐性を確保した空気入りランフラットタイヤに適用できる支持体を提供することができる。 【0013】なお、本発明において楕円形状とは、楕円の長軸に沿って楕円の一部を切り取った形状(以下、楕円弧という場合がある)のことをいう。 【0014】請求項2記載のランフラットタイヤは、一対のビードコア間にわたってトロイド状に形成されたカーカスと、前記カーカスのタイヤ軸方向外側に配置されてタイヤサイド部を構成するサイドゴム層と、前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置されてトレッド部を構成するトレッドゴム層とを備え、リムに装着されるタイヤと、前記タイヤの内側に配設され、前記タイヤと共にリムに組み付けられる請求項1記載の支持体と、を備えることを特徴とする。 【0015】請求項2記載のランフラットタイヤの作用について説明する。 【0016】空気入りタイヤの内圧低下時には、タイヤ空気室内に配設された支持体がサイドゴム層に替わってトレッド部を支持することによって、ランフラット走行が可能となる。 【0017】ところで、ランフラット走行時には、トレッド部から当接部に荷重が作用するが、当接部を径方向断面において楕円形状に形成しているため、荷重を分散して支持することができる。すなわち、板厚を増加させることなく支持部が所定の強度を確保できる。したがって、軽量化を達成しつつ、良好なランフラット走行耐性を有する空気入りランフラットタイヤを提供することができる。 【0018】 【発明の実施の形態】本発明の第1実施形態に係る空気入りランフラットタイヤについて図1〜図3を参照して説明する。 【0019】ここで、ランフラットタイヤ10とは、図1に示すように、リム12に空気入りタイヤ14と支持体16を組み付けたものをいう。リム12は、空気入りタイヤ14のサイズに対応した標準リムである。 【0020】ここで、標準リムとはJATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book2002年度版規定のリムであり、標準空気圧とはJATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book2002年度版の最大負荷能力に対応する空気圧であり、標準荷重とはJATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book2002年度版の単輪を適用した場合の最大負荷能力に相当する荷重である。 【0021】日本以外では、荷重とは下記規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)のことであり、内圧とは下記規格に記載されている単輪の最大荷重(最大負荷能力)に対応する空気圧のことであり、リムとは下記規格に記載されている適用サイズにおける標準リム(または、”Approved Rim" 、”Recommended Rim")のことである。 【0022】規格は、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格によって決められている。例えば、アメリカ合衆国では、”The Tire and Rim Association Inc.のYear Book ”であり、欧州では”The European Tire and Rim Technical OrganizationのStandards Manual”である。 【0023】空気入りタイヤ14は、図1に示すように、一対のビード部18と、両ビード部18に跨がって延びるトロイド状のカーカス20と、カーカス20のクラウン部に位置する複数(本実施形態では2枚)のベルト層22と、ベルト層22の上部に形成されたトレッド部24とを備える。 【0024】空気入りタイヤ14の内部に配設される支持体16は、図1に示す断面形状のものがリング状に形成されたものであり、支持部26と、支持部26の両端に加硫成形されたゴム製の脚部28とを備える。 【0025】脚部28は、支持体16をリム組み付け時に空気入りタイヤ14の内側でリム12に組み付けられるものであり、高さ(径方向高さ)が20mm〜40mm、好ましくは25mm〜35mmが好適である。 【0026】一方、支持部26は、1枚のプレートを成形することによって径方向断面を図2に示す形状としたものであり、径方向外側に突出され軸方向(X方向、以下、幅方向という)に延在する凸部30Aと、凸部30Aの幅方向(X方向)両端部で幅方向外側に延在するフランジ部30E、30Fとを備える。 【0027】ここで、凸部30Aは、径方向断面において楕円の一部を長軸に平行な線分で切断した(楕円弧)形状であり、前記線分が幅方向と一致する形状とされている。 【0028】また、支持部26の径方向断面において、フランジ部30E、30Fに対する凸部30Aの径方向ピーク高さ(径方向最高高さ)Hは、凸部30Aの幅方向距離(幅)Lに対して、(1/8)×L≦H≦(2/5)×Lの関係を満たすように形成することが好ましい。これは、高さHが(1/8)×Lを下回ると、Lを楕円孤とした効果(後述する荷重分散効果)が十分に発揮されないためであり、(2/5)×Lを上回ると必要以上に凸部30Aが大きくなって重量が過剰となるためである。すなわち、凸部30Aを上記範囲内の楕円形状とすることによって、空気入りタイヤ14に対する支持体16の軽量化を図りつつ、荷重分散効果を確保することができる。 【0029】また、径方向断面において、凸部30Aの幅方向端部(径方向内側端部)における幅方向に対する傾斜角度αは、30°以上80°以下の範囲であることが好ましい。 【0030】これは、傾斜角度αが30°未満であると、凸部30Aが所定の高さHを確保することが困難になるためであり、80°を越えると、ランフラット走行時に幅(横)方向荷重の作用に対して凸部30Aが弱くなるためである。 【0031】なお、支持部26の材料に特に制限はないが、軽量化のためにSUS、高張力鋼、アルミニウム、あるいは、カーボン、ケプラー、ガラス繊維のいずれか1つあるいはその組み合わせで補強された熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂等から形成するのが好ましい。 【0032】また、本実施形態では、径方向断面において径方向外側に突出し、幅方向に延在する部分を凸部30A(矢印Lの領域)、凸部30Aの径方向内側端部から幅方向外側に直線状に延びる部分をフランジ部30E、30Fとする。 【0033】このランフラットタイヤ10の作用について説明する。 【0034】ランフラットタイヤ10では、空気入りタイヤ14の内圧が低下した場合、空気入りタイヤ14のトレッド部24を支持体16の凸部30Aが支持して走行可能とする。また、この際、路面からの衝撃がトレッド部24、支持体16、リム12を介して車体に伝達されるが、支持体16のリム12と当接する部分にはゴム製の脚部28が設けられているため、路面からの衝撃が緩衝されてランフラット走行時の乗り心地が向上すると共に、路面からの衝撃によって支持体16(支持部26)のサイド部30C、30Dが変形してしまうことを回避できる。 【0035】また、ランフラット走行時に支持体16に作用する荷重はトレッド部24が実際に当接する凸部30Aに対して作用するが、凸部30Aの径方向断面形状を楕円形状としたため、凸部30Aに作用する荷重が分散されることになり、ランフラット走行時における凸部30Aの変形を防止できる。 【0036】また、凸部30Aの径方向断面形状を楕円形状とするだけで所定の強度を確保できるため、ランフラット走行時の凸部30Aの変形を防止するために支持体16(支持部26)の板厚を増加させてランフラットタイヤ10の重量を増加させることを回避できる。 (試験例)上記実施形態の作用を確認するために、以下に示す実施例に係るランフラットタイヤ(以下、単に実施例という)と比較例に係るランフラットタイヤの比較試験(以下、単に比較例という)を行った。 【0037】実施例は実施形態で説明したランフラットタイヤと同様の構成であり、比較例は図3に示す断面形状を有する支持部を備えるランフラットタイヤであり、それぞれ205/70R15サイズの空気入りタイヤに支持体を挿入したものを、上記タイヤサイズに対応する標準リム(6J)に組み付けたものである。実施例、比較例の各寸法(図2、図3参照)は以下の通りである。なお、比較列は、図3に示すように、幅方向に直線状に延在する凸部30Aに対して、凸部30Aの幅方向両端部から連続して径方向内側に延在するサイド部30C、30Dが形成されているものである。 【0038】実施例、比較例の共通寸法は、凸部30Aの幅方向長さL…110mmフランジ部30E(30F)に対する凸部30Aの径方向高さH…26mmである。 【0039】また、実施列の寸法は、径方向断面における凸部30Aの幅方向端部における傾斜角度α…60°である。 【0040】また、支持体16の支持部26は、高張力鋼で形成され、板厚が1.0mmである。 【0041】このように形成された実施例と比較例に係るランフラットタイヤを乗用車に装着して1つの車輪のみ空気圧ゼロとしてランフラット走行(1輪)した試験結果を表1に示す。 【0042】 【表1】
【0043】このように、実施例は300km連続走行しても支持体16の支持部26(凸部30A)に座屈も破壊も生じなかったが、比較例は300km以下の走行で支持体16の凸部30Aが座屈し、一部が破壊した。このように凸部30Aを楕円形状とすることによってランフラット走行耐性が向上することが確認された。 【0044】 【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に係る支持体の支持部(当接部)を径方向断面において楕円形状としたため、支持体の板厚を増加せずに所定の強度を確保することができ、かつ軽量化を達成することができる。 【0045】請求項2に係る空気入りランフラットタイヤでは、軽量化を達成しつつ、ランフラット走行時の支持体の変形を防止して長距離走行を可能とした。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005278 【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン 【住所又は居所】東京都中央区京橋1丁目10番1号
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| 【出願日】 |
平成14年5月30日(2002.5.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079049 【弁理士】 【氏名又は名称】中島 淳 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−341313(P2003−341313A) |
| 【公開日】 |
平成15年12月3日(2003.12.3) |
| 【出願番号】 |
特願2002−157823(P2002−157823) |
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