| 【発明の名称】 |
ランフラットホイールの中子構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】木村 嘉昌
【氏名】伊藤 隆彦
【氏名】海野瀬 隆司
【氏名】瀬戸 正広
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| 【要約】 |
【課題】中子式で横装填式のランフラットホイールの中子構造において、中子の軽量化、中子の嵩の減少、中子のリムへの固縛をはかること。
【解決手段】(1)各中子10が、上面13が閉じ下面が解放した薄肉の箱11と該箱の中に補強のために設けられた格子板12とをもった形状を有しているランフラットホイールの中子構造。(2)中子10を同じ形で複数のブロック15で構成し、ホイール周方向に連結した。(3)中子は高さ方向に低い位置に左右に突出する棚18を有し、複数の中子の棚に外側からベルト19またはワイヤ20を巻きつけ、その張力で中子をリムに押しつけ密着させる。(4)中子同士を中子高さ方向低い位置でヒンジ結合し、ヒンジ芯棒22の曲げ反力による張力で、中子をリムに押しつけ密着させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 中子の上下方向が該中子をホイールに装着した時のホイール半径方向に対応し、中子の上面がホイール半径方向外側に対応しており、各中子が、上面が閉じ下面が解放した薄肉の箱と該箱の中に補強のために設けられた格子板とをもった形状を有している、ランフラットホイールの中子構造。 【請求項2】 中子を同じ形で複数のブロックで構成し、ホイール周方向に連結した請求項1記載のランフラットホイールの中子構造。 【請求項3】 中子結合を屈曲柔軟な構造にし、中子のタイヤへの装填まではホイール周方向に少なくとも1箇所中子連結を開いておく、請求項2記載のランフラットホイールの中子構造。 【請求項4】 中子は高さ方向に低い位置に左右に突出する棚を有し、複数の中子の棚に外側からベルトまたはワイヤを巻きつけ、その張力で中子をリムに押しつけ密着させた請求項2記載のランフラットホイールの中子構造。 【請求項5】 ベルト、ワイヤの最終継ぎ目に輪を作り、その中に断面が長方形の棒を挟んで、回転させることでベルト長を変え、張力を調整する請求項4記載のランフラットホイールの中子構造。 【請求項6】 ベルト、ワイヤの最終継ぎ目を、張力が反転防止作用を持つリンク機構でつなぎ、中間リンクを回転させて張力を調整する請求項4記載のランフラットホイールの中子構造。 【請求項7】 ベルト、ワイヤの最終継ぎ目を、タンバックル機構でつなぎ、ウオームギアで90度変換した締め付けボルトで、張力を調整する請求項4記載のランフラットホイールの中子構造。 【請求項8】 中子同士を中子高さ方向低い位置でヒンジ結合し、ヒンジ芯棒の曲げ反力による張力で、中子をリムに押しつけ密着させた請求項2記載のランフラットホイールの中子構造。 【請求項9】 最終継ぎ目ヒンジの芯棒をU字型とし、その回転によって必要な張力を得る請求項8記載のランフラットホイールの中子構造。 【請求項10】 最終継ぎ目のヒンジ芯棒をフックで引っかけて固定し、必要な張力を得る請求項8記載のランフラットホイールの中子構造。 【請求項11】 左右の締め付け部を棒でつなぎ、棒のホイール外側のボルト頭を回転させることで、左右両側の張力を同時に調整する請求項5または請求項6または請求項7または請求項9記載のランフラットホイールの中子構造。 【請求項12】 中子の結合張力を、ホイールの外側から調整できるようにした請求項11記載のランフラットホイールの中子構造。 【請求項13】 180度反対側の継ぎ目部にバランスウエイトを設けてホイールとしてのバランスをとった請求項5または請求項6または請求項7または請求項9または請求項10記載のランフラットホイールの中子構造。 【請求項14】 中子の左右側面にフィンを設けた請求項2記載のランフラットホイールの中子構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ランフラットホイールの中子構造に関する。 【0002】 【従来の技術】〔背景〕昨今、次の二つの観点から、ランフラットタイヤの開発が盛んに行われている。 (1)スペアタイヤの省略★省エネ:車両質量が減少し燃費が向上する。製造エネルギーが省略できる。 ★省スペース:スペアタイヤ搭載スペースの有効活用が可能。 ★低コスト化:スペアタイヤ、ホイール、工具、ジャッキ等の省略が可能。 (2)乗客のセキュリティ確保★路上故障・停車による犯罪・事故に巻き込まれない。 ★VIP車、緊急車(パトカー、救急車)、身障者用車、等に必要。 ★タイヤ交換ができないドライバーの増加に対応。 【0003】現在、ランフラットタイヤには、A(中子式、図37、図38)、B(サイドウォール補強式、図39)の2種類がある。 A.中子式中子式は、中子100の装填法を工夫する必要があり、分割式リム、台座付きリム101(図37)、組み立て式中子、異型タイヤ102とリム103(図38)等、様々なタイプが考案され、試みられてはいるが、★従来タイヤ、リムとの互換性がない。 ★部品点数が多く、コストが高い。 ★偏平構造なので、タイヤ、リムの質量が大きい。 ★タイヤや中子のホイールへの脱着が困難である。 等の理由で、普及には至っていない。 【0004】B.サイドウオール補強式サイドウオール補強式は、従来タイヤ、リムとの互換性があるので、A.より受け入れられやすい。サイドウオール104の補強の仕方にノウハウがあり、いろいろなタイプが考案されている。(図39)しかし、★タイヤ偏平率が高いと、ランフラット性が成立しない。(タイヤ偏平率45%以下) ★サイドウオール補強により、車両の上下バネ性が固くなり、乗り心地、騒音がよくない。 ★サイドウオール補強により、前後ショックの吸収が悪く、車体の強度に影響する。 ★タイヤ+ホイールの質量が大きい。(偏平タイヤによる増加代が大きい) ★サイドウオールの柔軟性がないため、ホイールへの脱着が困難。 等の問題があり、やはり、普及するに至っていない。 【0005】C.横装填ホイール+中子式そこで、本出願人は、第3の方法として、「横装填式ホイール」に「切れ目のある中子」を装填する方法を考案し、提案した。(特願2001−352191号−−−図40、図41参照) その構造は、中子105に切れ目106を入れるとともに、リム107を分割構造(片側のフランジがリム本体に着脱可能として構造)として中子105をリムに横方向から装着する構造であった。この方法によって、☆従来タイヤ、ホイールと、完全に互換性がある。 ☆切れ目の効果で中子に柔軟性が生じ、タイヤ内への挿入が容易になるので、高偏平率タイヤ(偏平率50%以上)を使用可能。 ☆タイヤ、リムの質量が、従来とほぼ同等。 と、A、B両システムの問題点は、払拭できる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記Cの提案の構造にも、なお、以下の問題があった。 ★提案の構造では、中子の質量が重い。 ★中子の嵩が大きく、製造、物流のコストが高い。また、タイヤ内への挿入が難しい。 ★中子の固縛が困難。(遠心力で浮く) 等の問題が残った。(詳細後述) 【0007】上記問題点をさらに詳細に説明する。 (1)「中子の質量が重い」ことについてランフラットシステムの質量は、スペアタイヤ(タイヤ+ホイールの質量以下に抑えることが要望されている。(車両全体での質量減少につなげるため)上記で、ランフラット(Run Flat;Flat=空気の抜けた)は、タイヤメーカーが考案し、タイヤ構造の変更を伴うので、これまで「ランフラットタイヤ」と、呼ばれていた。しかし、今回の考案内容は、タイヤ構造の変更を全く伴わないので、「ランフラットシステム」または、「ランフラットホイール」と呼ぶ事にする。以下、この名称で説明を進める。C構造の提案システムの中子105(図42)を、弾性ゴムで作った所、17インチホイール用のもので13kg余あり(下記の参考1参照)、1台の車にこれが4本必要なので合計52kgと、スペアタイヤの質量以下という目標を大幅に上回った(下記の参考2参照)。 参考1;中子サイズは136×90×66=807840。これを12個使うので容積は約10L。これにリンク部等の容積を加算すると約13L。ゴムの密度はほぼ1kg/Lなので、中子質量は約13kgとなり、上記の実測値と一致する。 参考2;17インチタイヤでは、タイヤ=10kg、ホイール=11kg、位なので、スペアタイヤの質量は21kg。質量目標は、中子4本でこれ以下にすることである。 【0008】(2)「中子の嵩が大きい」ことについて中子は、パンク時に車を支えられる外径が必要なので、大変嵩張る。しがたって、一体成形で作ろうとすると、金型や成形機が大きくなり、生産コストが高い。また、荷室に効率良く積載することが難しく、物流コストが高くつく。ランフラットタイヤ中子105はタイヤ108(図42参照)の中に納める必要があるが、中子外径がタイヤ内径より大きいため、タイヤ内に挿入するには工夫が必要である。 【0009】(3)「中子の固縛が困難」についてC.構造によって中子105をタイヤ108内に納めることはできるが、リム107に挿入する際、中子内径が小さいと押し込み抵抗力が大きくなり、脱着が困難である。(図43) 押し込みやすいように中子の内径を大きめに取ると、リムと中子の間の接触圧が低下し、走行時に中子にかかる遠心力によって、中子がリム底から離れて浮上してしまう。結果、中子のリムへの拘束力が失われて、車両の旋回や制動時にタイヤ内を動き回り、打音発生の原因になる。中子の浮きを防止するためには、挿入時には中子内径を大きく取り、挿入後にリムに固縛する仕掛けが必要である。しかし、タイヤに中子を挿入後には、タイヤとリムの間隔が狭く、また、その隙間はホイールの軸方向外側109だけにしかないので、固縛装置には工夫が必要である。(図44) 本発明は、C構造の上記問題点への対応に関するものである。 【0010】 【課題を解決するための手段】(1)中子の軽量化(請求項1に対応する構成) 中子を軽量化するには、密度の小さい材料を使って、不必要な部分を削り取る必要がある。前述の中子は、突起部1個当たり、約0.8L(L:リットル)の容積がある。このままだと密度1の材料で作るとすれば約0.8kg、全体では突起部だけで10kgとなり、重すぎる。そこで、材料を強化樹脂(例えばグラスファイバー混入樹脂;密度1.5〜1.7)とし、突起部を中空形状にして容積を下げることで、軽量化を図った。ランフラットシステムは、パンクした状態で200kmの距離の走行に耐えることが目標とされている。パンクすると中子は車両質量をフルに支えねばならない。タイヤ1回転で約2m走るので、200km走行すると、車両質量の重さ(W)を、100万回反復して受けることになる。更に旋回や制動による前後左右の負荷(上下負荷の70%=0.7Wを見込む)を、上下負荷の1%(10000回)受けると考えて、FEM解析によって強度を満たす形状を考えた。(図5) 結果、上下、前後、左右の荷重に耐え、かつ射出成形で製造しやすい形状として、図1〜図4のような中子形状を得た。中子10は、上面13が閉じ、下面14が開いた、箱型形状で、箱11の内側には格子状の補強板12を入れる。なお、中子上下方向は、中子をホイールに装着した状態でホイール半径方向に対応し、中子上面がホイール半径方向外側、中子下面がホイール半径方向内側に対応する。上面を閉じるのは、主として前後力、左右力に耐えるためである。格子は、全体の補強の為に設けている。格子の形状は、十字型だけでなく、強度の必要に応じて、図4に示すようないろいろな形が考えられる。この構造で、中子本体(箱11の部分)及び格子12を構成する板を2〜4mmの板厚で作ると、密度1.6g/ccの材料を使って、1突起部(1ブロック)の質量は約0.3kgに収まり(17インチ用ホイールの場合)、目標の全体質量を達成できる。 【0011】(2)中子の嵩の減少と結合方法(請求項2に対応する構成) 中子を全部一体で作ると、17センチタイヤ用で、直径560mm、幅130mm、厚み66mm位となり、大きな構造物になる。このままでは成形のための金型が大きくなり、成形機械も大型になって、構造コストが高くなる。また、運搬時に、嵩が大きくて効率が悪い。本出願人が上記C構造で提案した中子は、「挿入性」「気柱共鳴防止」「パンク時警報音発生」のため、平坦な形でなく、6〜15個の突起を設けた形になっている。そこで、上記の問題点解決のために、各突起を一つのブロック15として造り、それを鎖状に連結して中子10を構成することにした(図6〜図8)。ブロック連結構造にすることで、個々の成型品が小さくなり、製造コストと物流費を下げることができる。中子をブロック状にした場合、その結合作業は、タイヤをリムに嵌め込む前に行っておかないと、作業スペースの関係から難しい。したがって次のような手順となる。 ■必要な数(図6、図7の例では12個)の中子を結合する。両端は結合せず開けておく。(請求項3に対応する構成) ■中子をタイヤ内に挿入し、挿入後、開けてあった両端を結合する。 ■固縛装置を取り付ける。 ■中子10をタイヤごと、リムに挿入する。 ■固縛装置でリムを固縛する。(請求項4に対応する構成) 連結した中子は、両端を結合していないため、中子外径がタイヤ内径より大きくても、タイヤへの挿入が容易にできる。中子の結合を容易にするため、中子は図8、図9に示すような割ピン方式で結合する。結合部には、中子をリムに固縛した後はあまり力がかからないので、連結強度は割ピン16で十分である。割ピンの直径は、結合用ブラケットの穴径より十分小さくしておき、結合部分17の柔軟な動きを可能にして中子のタイヤへの挿入を容易にする。(請求項3に対応する構成) また、中子結合部17は中子のほぼ中央の高さに設けて、連結後の中子の屈曲性を良くする。(請求項3に対応する構成) 【0012】上記のような中子の結合、及び、挿入方法を採ることによって、従来の中子式の場合より大きな偏平率のタイヤ(50%〜80%)への中子の設定、装填が可能になる。結果、ランフラットシステムの軽量化が可能になり、また、乗り心地、騒音問題が改善できる。タイヤ交換等の際の、中子取り外しは、上の逆の順序で実施する。すなわち、■固縛をゆるめる。 ■リムから、タイヤごと、外す。 ■中子の結合を1カ所外す。 ■中子をタイヤから引き出す。 【0013】(3)中子の固縛方法(請求項4、請求項8に対応する構成) 問題点の(3)項で述べたように、中子はリムへの装着を容易にするため内径を大きくしてあり、挿入しただけではリムに密着していない。したがってそのまま走行すると、あちこち動き回って、破損したり、異音を発生する等の懸念がある。中子には走行による遠心力がかかる。たとえば、0.3kgの中子ブロックを、重心の高さ(回転中心からの距離)が248mmの位置に取り付けたとすると、180kg/h=50m/sで走行した場合の遠心力は、タイヤ1回転の走行距離を2mとして考えて、F=mrω2 =0.3×0.248×(50/2×2π)2 =1834N(183kg重:自重の610倍) とかなり大きな力である。中子は、遠心力があっても浮き上がらない強さで、リムの固縛する必要がある。中子の固縛を高い位置で行うと、中子自体に、遠心力に対抗するための大きな固縛力負荷がかかり、強度的に苦しくなる。結果、強度向上のための補強で、質量が増す。したがって、中子の固縛は、できるだけ低い位置(リムに近い位置)で実施することが望ましい。 【0014】〔固縛方法〕 ■ベルトまたはワイヤの張力で押さえる。(請求項4に対応する構成) 中子のリムと接する位置に、中子押さえ用の棚18を設け、棚18の上を環状のベルト19(図10、図11)またはワイヤ20(図12)で巻いて固縛する。そしてベルト張力を調整して、必要な固縛力で押さえ込む。ベルト19、ワイヤ20は、必要な張力に耐えられれば、どのような材料でも良い。 ■ヒンジ芯棒のバネ力で押さえる。(請求項8に対応する構成) 図13、図14に示すように、中子を低い位置でヒンジ構造21で結合し、ヒンジ芯棒22の曲げ反力で張力を出して固縛力を得る。連結した中子の端部が開いた状態でタイヤ内に入れ、リムに組み込んでから、開いている端部を相互に引っ張り寄せて結合する。結果、全てのヒンジに曲げ力がかかり、曲げの弾性変形の反力が張力となる。 【0015】〔固縛張力の調整法〕 ■ワイヤ、ベルトの場合(請求項5、6、7に対応する構成) A.結び目方式(請求項5に対応する構成) ベルトの結合部に、図15に示す結び目機構(輪)23を作り、この輪23に長方形断面をもつロッド24を挿入し、ロッド24の回転(図15の(イ)の状態から図15の(ロ)の状態にロッド24を90°回転)で結び目長さを変えて、ベルト張力を調整する。(請求項5に対応する構成) 長方形断面ロッド24は、図16に示すように、中子左右のベルトにまたがっている(ロッド24がホイール軸方向に延びている)ので、張力調整はホイールの外側の間隙から実施できる。(請求項11、請求項12に対応する構成) 締め付け時には、ベルト張力自体によって調整ロッドの回り止め力が出るが、図17のような回り止め機構25を付加すれば、より確実になる。ロッドの片側端は、ボルト頭構造26とし、Tレンチ等での締め込みを可能とする。ロッドの反対側端には、図16、図15の(ロ)に示したような突起27を付け、締め付け時のロッド抜け防止を図る。結び目方式は後述の実施例1に現れている。 【0016】B.反転防止リンク方式(請求項6に対応する構成) ベルト接合部に、図18のようなリンク機構28を入れ、中間のリンク29を回転させて締め付ける。リンク機構28は、左右のリンク30、31を中間リンク29で連結し、中間リンク29を略180°回転させることにより、リンク機構28の長さを、図18の(ロ)と(ニ)との間で変化させる機構からなる。このリンク機構28は後述の実施例2に現れる。中間のリンク29は、結び目方式の場合と同様、左右をロッド(図16のロッド24)で連結しておき、ホイール外側から締め込み可能なようにしてもよい。(請求項11、請求項12に対応する構成)また、外側と内側を別々に締め込んでもよい。図18の(ハ)のように、この機構28では中立位置を越える位置まで締め込むと、ベルト張力によって締め込みがゆるまない方向のモーメントが働き、ゆるむことは無い。(反転防止機構) 取り外す際には、中間リンクを逆回転させればよい。 【0017】C.タンバックル方式(請求項7に対応する構成) 図19に示すように、ベルト接合部を左ネジ、右ネジを切った、一つのタンバックル32で結合し、タンバックル32の外周部のネジに螺合するウオームギア機構33でタンバックル32を回転させて締め付ける。ウオームギアのロッド34(図16のロッド24)で中子左右のウオームギア機構を連結しておき、ホイール軸方向外側から締め込んで必要な張力を得る。(請求項11、請求項12に対応する構成) ウオームギア33なのでゆるむ心配は少ないが、念のためダブルナットを使ってゆるみを防止してもよい。 【0018】■ヒンジ芯棒バネ式の場合(請求項9、10に対応する構成) A.U字型ヒンジ方式(請求項9に対応する構成) 図20のように、最終締結部のヒンジ芯棒22をU字型とし、図20(ロ)のように連結後に180°回転させて必要な張力を得る。ヒンジポイントの高さを工夫して、図21のように引っ張り力でゆるみ防止モーメントが得られるようにする。 【0019】B.フック方式(請求項10に対応する構成) 図22に示すように、最終締結部をフック35にしたもの。相手方中子を引き寄せて張力を得、その状態でフック35をヒンジ棒22に引っかけて固定する。この構造は後述の実施例3に現れる。フック35を外す際は、一度余分に張力をかけてフック部に余裕を持たせてから取り外す。 【0020】上記の■、■のいずれの方法も、張力調整機構の180度反対側にバランスウエイトを取り付けて使用する。張力調整機構を設けたことによって生じるインバランスを補償してランフラット中子装着ホイールの回転バランスをとるためである。(請求項13に対応する構成) 【0021】〔その他の中子要件〕 ◇フィン(請求項14に対応する構成) 前述の既提案の、C構造の横装填ホイールと中子構造では、中子は、タイヤの気柱に仕切を入れ、気柱共鳴周波数を変えることによって気柱共鳴音を防止する働きを持つ。(図23) 図23(イ)では1389Hzの気柱共鳴が効果的に低減され、図23(ロ)では690Hzの気柱共鳴が効果的に低減された。この気柱を仕切る役割を効果的に果たすためには、実験によると空気通路(タイヤ空気室断面積)の70%以上を遮断する必要がある。一方、中子の断面積は、中子の軽量化や必要強度、タイヤへの装填性、固縛機構の成立等の必要から、タイヤ空気室断面積の70%以上にすることは困難である。そこで、中子に図24、図25のようなフィン36を付け、空気通路37遮断の役割は果たすが、質量は増やさず、装填や固縛にも邪魔にならないようにした。また、この方法によって中子の形がコンパクトになるため、強度的にも成立しやすくなる。 【0022】 【発明の実施の形態】実施例1:ベルト式固縛法(結び目による張力調整) 図26〜図29に示すように、中子10の複数のブロック15(各ブロックは上面が閉じた箱型の内部に格子状補強板を設けた構成をもつ)を割りピン16で屈曲可能に連結して構成する。中子10に形成した左右の棚18をベルト19により外側から押さえて中子10を浮き上がらないようにリム38に密着させる。ベルト19の結び目に輪23を設けてそこに長方形断面のロッド24を挿入し、ロッド24を90°回転させることによりベルト19に張力をかける。中子左右にロッド24を延ばして左右のベルト19をホイール外側から同時に締める。中子10の左右側面にはフィン36が形成されていて、気柱共鳴を防止することができるようにタイヤ内空気通路37をホイール周方向に複数セクションに区画している。 【0023】実施例2:ベルト式固縛法(反転防止リンクによる張力調整) 図30〜図32に示すように、中子10の複数のブロック15(各ブロックは上面が閉じた箱型の内部に格子状補強板を設けた構成をもつ)を割りピン16で屈曲可能に連結して構成する。中子10に形成した左右の棚18をベルト19により外側から押さえて中子10を浮き上がらないようにリム38に密着させる。ベルト19の連結部にリンク機構28を設け、中間リンク29を180°回転させて図31の状態から図30の状態にして、ベルト19に張力をかける。回転締め付けは、まず、奥の方のリンクについて実施し、ついで手前の方のリンクを締め付ければよい。中子左右にロッド24を延ばして左右のベルト19をホイール外側から同時に締めてもよい。フィン36(図示略)を設けてタイヤ内空気通路37の気柱共鳴を防止してもよい。 【0024】実施例3:ヒンジ式固縛法(フックによる張力調整) 図33〜図36に示すように、中子10の複数のブロック15(各ブロックは上面が閉じた箱型の内部に格子状補強板を設けた構成をもつ)を、ヒンジ構造21で屈曲可能に連結して構成する。ベルト39を巻付け、引っ張って隣接するブロック15同士を近接させ、ヒンジ芯棒22にフック35を掛けて、ヒンジ芯棒22の弾性曲げ反力で、中子連結構造体に張力を生じさせて中子連結構造体を固縛し、中子10を浮き上がらないようにリム38に密着させる。この場合、ヒンジ芯棒22は両端部でひとつの中子ブロック15に支持され、中央部に隣の中子ブロック15のフック35がかかるので、両端支持棒の中央部でフック35からの荷重がかかって弾性的に曲がり、その反力で中子連結体に張力が発生する。また、中子10の左右側面にはフィン36が形成されていて、気柱共鳴を防止することができるようにタイヤ内空気通路37をホイール周方向に複数セクションに区画している。 【0025】 【発明の効果】請求項1のランフラットホイールの中子構造によれば、中子形状を、上面が閉じた薄肉箱形とし、箱の中に補強のための格子板を入れたので、荷重要件を満たしつつ軽量化をはかることができる。請求項2のランフラットホイールの中子構造によれば、中子を同じ形で複数(6〜15個)のブロックで構成し、鎖状につないで使うので、中子の嵩を小さくでき、その結果、製造、物流コストを下げることができる。請求項3のランフラットホイールの中子構造によれば、中子結合を柔軟な構造にし、中子のタイヤへの装填まではホイール周方向に少なくとも1箇所中子連結を開いておく構造としたので、タイヤへの装填を容易にできる。請求項4のランフラットホイールの中子構造によれば、中子の低い位置でベルトまたはワイヤを巻きつけ、その張力で中子をリムに押しつけ密着させる構造としたので、中子がリムから離れて動かないようにできる。請求項5のランフラットホイールの中子構造によれば、ベルト、ワイヤの最終継ぎ目に輪(結び目)を作り、その中に断面長方形の棒を挟んで、回転させることでベルト長を変え、張力を調整する構造としたので、棒を90°回転させるという単純な操作でベルト、ワイヤに所定の張力をかけることができる。請求項6のランフラットホイールの中子構造によれば、最終継ぎ目を、張力が反転防止作用を持つリンク機構でつなぎ、中間リンクを回転させて張力を調整する構造としてので、中間リンクを180°回転させるという単純な操作でベルト、ワイヤに所定の張力をかけることができる。請求項7のランフラットホイールの中子構造によれば、最終継ぎ目を、タンバックル機構でつなぎ、ウオームギアで90度変換した締め付けボルトで、張力を調整する構造としたので、ウオームギアを回転させるという単純な操作でベルト、ワイヤに所定の張力をかけることができる。請求項8のランフラットホイールの中子構造によれば、中子がリムから離れて動かないように、中子同士を低い位置でヒンジ結合し、ヒンジ芯棒の曲げ反力による張力で、中子をリムに押しつけ密着させる構造としたので、ヒンジ芯棒により張力発生とブロック連結を同時に達成できる。請求項9のランフラットホイールの中子構造によれば、最終継ぎ目ヒンジの芯棒をU字型とし、その回転によって必要な張力を得る構造としたので、U字型ヒンジ芯棒を180°回転させるという単純な操作で中子連結体に所定の張力をかけることができる。請求項10のランフラットホイールの中子構造によれば、最終継ぎ目のヒンジ芯棒をフックで引っかけて固定し、必要な張力を得る構造としたので、ヒンジ芯棒をフックで引っかけるという単純な操作で中子連結体に所定の張力をかけることができる。請求項11のランフラットホイールの中子構造によれば、左右の締め付け部を棒でつなぎ、棒の外側のボルト頭を回転させることで、左右両側の張力を同時に調整する構造としたので、中子左右両側の張力を同時に調整できる。請求項12のランフラットホイールの中子構造によれば、中子の結合張力を、ホイールの外側から調整できる。請求項13のランフラットホイールの中子構造によれば、180度反対側の継ぎ目部にバランスウエイトを設けたので、張力調整機構を設けたにかかわらず、ホイールとしての回転バランスをとることができる。請求項14のランフラットホイールの中子構造によれば、中子に空気壁の機能を持つフィンを取り付けたので、気柱共鳴音を減らしつつ、中子をコンパクトに構成することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000110251 【氏名又は名称】トピー工業株式会社 【識別番号】500272347 【氏名又は名称】ディックプラスチック株式会社
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| 【出願日】 |
平成14年5月28日(2002.5.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083091 【弁理士】 【氏名又は名称】田渕 経雄
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| 【公開番号】 |
特開2003−341311(P2003−341311A) |
| 【公開日】 |
平成15年12月3日(2003.12.3) |
| 【出願番号】 |
特願2002−154354(P2002−154354) |
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