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【発明の名称】 重荷重用空気入りラジアルタイヤ
【発明者】 【氏名】丸山 博功
【住所又は居所】神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株式会社平塚製造所内

【要約】 【課題】ベルト層エッジ廻りのゴム材料の疲労劣化を改善した重荷重用空気入りラジアルタイヤを提供する。

【解決手段】タイヤ子午線断面のタイヤ中心線CLからカーカス最大幅位置Pa までの距離a、タイヤ回転軸に平行にカーカス最大幅位置Paを通る直線DLからカーカス最大外径位置Pb までの距離b、カーカス最大外径位置Pb からカーカス最大幅位置Pa までのカーカスラインを、前記距離aを3等分する2本の分割線I,IIで3分割したときの各領域の曲率半径R1 ,R2 ,R3 を、それぞれ b/a=0.45〜0.75、 R1 =(4.0〜7.0)bR2 =(0.5〜0.7)a、 R3 =(1.0〜1.6)R2の関係に設定した重荷重用空気入りラジアルタイヤである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 正規リムに装着し、正規内圧の15%を充填したときのタイヤ子午線断面において、該タイヤ子午線断面のタイヤ中心線CLからカーカス最大幅位置Pa までの距離をa、タイヤ回転軸に平行にカーカス最大幅位置Paを通る直線DLからカーカス最大外径位置Pb までの距離をb、カーカス最大外径位置Pb からカーカス最大幅位置Pa までのカーカスラインに対して、前記タイヤ中心線CLに平行に前記距離aを3等分するように引いた2本の分割線I,IIが交差する交点をP1 ,P2 、前記タイヤ中心線CL上に中心O1 をもつカーカス最大外径位置Pb から交点P1 までのカーカスラインの曲率半径をR1 、前記直線DL上に中心O2 をもつ交点P2 からカーカス最大幅位置Pbまでのカーカスラインの曲率半径をR2 、前記交点P1 ,P2 間のカーカスラインの曲率半径をR3 とするとき、前記距離a,bの比b/aと前記曲率半径R1 ,R2 ,R3とを、それぞれb/a=0.45〜0.75R1 =(4.0〜7.0)bR2 =(0.5〜0.7)aR3 =(1.0〜1.6)R2に設定した重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
【請求項2】 ベルト層がスチールコードからなり、かつカーカスがスチールコード又は有機繊維コードからなる請求項1に記載の重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は重荷重用空気入りラジアルタイヤに関し、さらに詳しくは、ベルト層エッジ廻りのゴム材料の疲労劣化を改善するようにした重荷重用空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】トラック、バス等に使用される重荷重用空気入りラジアルタイヤは、大きな荷重が負荷した状態で走行するため、乗用車用タイヤに比べてトレッド部におけるゴム材料の疲労劣化が大きい。特に、ベルト層エッジ廻りのゴム材料の疲労劣化が顕著に現れる。
【0003】本発明者は、上記のようなトレッド部におけるゴム材料の疲労劣化の原因について詳細を検討した結果、その疲労劣化がタイヤ子午線断面におけるカーカスライン形状に影響されることが大きく、そのカーカスラインの形状如何によりトレッド部のゴム材料に歪みが偏在して劣化が大きくなることを知見した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、カーカスラインの形状を特定することによりベルト層エッジ廻りのゴム材料の疲労劣化を改善し、耐久性を向上するようにした重荷重用空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤは、正規リムに装着し、正規内圧の15%を充填したときのタイヤ子午線断面において、該タイヤ子午線断面のタイヤ中心線CLからカーカス最大幅位置Pa までの距離をa、タイヤ回転軸に平行にカーカス最大幅位置Paを通る直線DLからカーカス最大外径位置Pb までの距離をb、カーカス最大外径位置Pb からカーカス最大幅位置Pa までのカーカスラインに対して、前記タイヤ中心線CLに平行に前記距離aを3等分するように引いた2本の分割線I,IIが交差する交点をP1 ,P2 、前記タイヤ中心線CL上に中心O1 をもつカーカス最大外径位置Pb から交点P1 までのカーカスラインの曲率半径をR1 、前記直線DL上に中心O2 をもつ交点P2 からカーカス最大幅位置Pbまでのカーカスラインの曲率半径をR2 、前記交点P1 ,P2 間のカーカスラインの曲率半径をR3 とするとき、前記距離a,bの比b/aと前記曲率半径R1 ,R2 ,R3 とを、それぞれb/a=0.45〜0.75R1 =(4.0〜7.0)bR2 =(0.5〜0.7)aR3 =(1.0〜1.6)R2に設定したことを特徴とするものである。
【0006】従来の重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいては、上記カーカスラインの曲率半径R1 は距離bの8倍前後、曲率半径R2 は距離aの2倍前後、また曲率半径R3 は曲率半径R2 よりも小さく設定しているのが一般的であった。しかし、本発明は、上記のように曲率半径R1 を距離bの7倍よりも小さく、また曲率半径R2 を距離aの0.7倍よりも小さくし、かつ曲率半径R3 を曲率半径R2 の1倍以上に設定することによって、トレッドゴムにおける応力を分散させてベルト層エッジ廻りのゴム材料の疲労劣化を改善し、耐久性を向上することを可能にする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明を具体的に説明する。
【0008】図1は本発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤの実施形態について、正規リムに装着し、正規内圧の15%を充填したときのタイヤ子午線半断面の要部を例示したものである。ここで正規リム、正規内圧とは、「JATMA YEARBOOK 2001」に規定されたリム及び内圧をいう。
【0009】図1に示すタイヤにおいて、1はトレッド部、2はサイドウォール部であり、サイドウォール部から更に延長するビード部は省略されている。タイヤの内側にはカーカス3が設けられ、そのカーカス3のトレッド部1に対応する外周に沿ってベルト層4が設けられている。カーカス3はスチールコード又は有機繊維コードをタイヤ周方向に対し略90°の方向に配列するようになっている。また、ベルト層4は複数のスチールコード層から構成され、各層のスチールコードはタイヤ周方向に対して15°〜60°に傾斜し、かつ層間で互いに交差している。
【0010】カーカス3により形成されるカーカスラインにおいて、Pa はカーカス最大幅位置であり、Pb はカーカス最大外径位置である。また、aはタイヤ中心線CLからカーカス最大幅位置Pa までの距離であり、bはタイヤ回転軸に平行にカーカス最大幅位置Paを通る直線DLからカーカス最大外径位置Pb までの距離である。
【0011】本発明において、上記カーカスラインは、カーカス最大外径位置Pb からカーカス最大幅位置Pa までを、三つの曲率半径R1 ,R2 ,R3 の円弧によりセンター部領域、ショルダー部領域、サイド部領域をそれぞれ形成している。
【0012】すなわち、上記距離aを3等分するようにタイヤ中心線CLに平行に引かれた2本の分割線I,IIが、カーカス最大外径位置Pb からカーカス最大幅位置Paまでのカーカスラインに交差する交点をP1 ,P2 として、それぞれカーカス最大外径位置Pb から交点P1 までをセンター部領域、交点P1 からP2 までをショルダー部領域、交点P2 からカーカス最大幅位置Pa までをサイド部領域として区分している。そして、カーカス最大外径位置Pb から交点P1 までのセンター部領域は、タイヤ中心線CL上に中心O1 をもつ曲率半径R1 の円弧により形成し、交点P2 からカーカス最大幅位置Pbまでのサイド部領域は、直線DL上に中心O2 をもつ曲率半径R2 の円弧により形成し、また交点P1 ,P2 間のショルダー部領域は曲率半径R3 の円弧により形成している。
【0013】そして、さらに上記距離a,bの比b/aと上記曲率半径R1 ,R2 ,R3 とを、それぞれ次のように設定しているのである。
【0014】
b/a=0.45〜0.75R1 =(4.0〜7.0)bR2 =(0.5〜0.7)aR3 =(1.0〜1.6)R2このように距離比b/aと曲率半径R1 ,R2 ,R3 とを、それぞれ上記の設定にすることにより、トレッドゴムにおける応力を分散させてベルト層エッジ廻りのゴム材料の疲労劣化を抑制し、従来の重荷重用空気入りラジアルタイヤにタイヤに比べて、そのトレッド部における耐久性を向上するのである。
【0015】上記距離比b/aが、0.45よりも小さいと、カーカスラインは形状的に成り立たなくなり、また0.75よりも大きいと、ベルト層エッジ廻りのゴム材料の疲労劣化抑制を従来タイヤより向上することは難しくなる。
【0016】また、曲率半径R1 については、4.0bよりも小さいと、カーカスラインが形状的に成り立たなくなり、また7.0bよりも大きいと、ベルト層エッジ廻りのゴム材料の疲労劣化の抑制が難しくなる。曲率半径R2 については、0.5aよりも小さいと、カーカスラインが形状的に成り立たなくなり、また0.7aよりも大きいと、ベルト層エッジ廻りのゴム材料の疲労劣化の抑制が難しくなる。さらに曲率半径R3 については、曲率半径R2 よりも小さいとベルト層エッジ廻りのゴム材料の疲労劣化の抑制が難しくなり、また1.6R2 よりも大きいと、カーカスラインが形状的に成り立たなくなる。
【0017】
【実施例】タイヤサイズを11R22.5で共通にし、正規リムに装着し正規内圧の15%を充填したときのタイヤ子午線断面における距離比b/aと曲率半径R1 ,R2 ,R3 とを、それぞれ表1に記載するように異ならせた8種類の重荷重用空気入りラジアルタイヤ(従来例、実施例1〜3、比較例1〜4)を製作した。
【0018】これら8種類の重荷重用空気入りラジアルタイヤについて、下記の試験条件によりタイヤが破損するまで走行させたときの走行距離を測定することにより耐久性を評価し、その結果を表1に示した。なお、試験結果は、従来例タイヤの走行距離を100とするときの指数で示した。指数が大きいほど耐久性に優れていることを意味する。
【0019】〔試験条件〕
ドラム径:1700mm空気圧:正規空気圧荷重:規定荷重の140%走行速度:120km/h雰囲気温度:38℃【0020】
【表1】

【0021】
【発明の効果】上述したように、本発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤによれば、カーカスライン形状を特定したことにより、従来タイヤに比べてベルト層エッジ廻りのゴム材料の疲労劣化を改善し、耐久性を向上することができる。
【出願人】 【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
【住所又は居所】東京都港区新橋5丁目36番11号
【出願日】 平成14年5月16日(2002.5.16)
【代理人】 【識別番号】100066865
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信一 (外2名)
【公開番号】 特開2003−326913(P2003−326913A)
【公開日】 平成15年11月19日(2003.11.19)
【出願番号】 特願2002−141648(P2002−141648)