| 【発明の名称】 |
航空機用バイアスタイヤ |
| 【発明者】 |
【氏名】国分 光輝 【住所又は居所】神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株式会社平塚製造所内
【氏名】山本 敏幸 【住所又は居所】神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株式会社平塚製造所内
【氏名】寺田 英紀 【住所又は居所】神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株式会社平塚製造所内
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| 【要約】 |
【課題】ピールオフ故障の発生を抑制し、耐久性を向上させた航空機用バイアスタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド部に有機繊維コードを有する2枚以上のトレッド補強布2を、タイヤ周方向に対し20〜45°のコード角度となるように、前記有機繊維コードが層間で互いに交差するように配置し、前記トレッド補強布2の隣接する前記有機繊維コード間の距離が、コード径の2.0〜3.0倍である航空機用バイアスタイヤ。以上のように隣接する有機繊維コード間の距離が大きくなるように構成することによって、トレッドとトレッド補強布間の接着力(耐剥離力)が増大するために、ピールオフ故障が効果的に抑制され、航空機用バイアスタイヤの耐久性を向上させることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 トレッド部に有機繊維コードを有する2枚以上のトレッド補強布を、タイヤ周方向に対し20〜45°のコード角度となるように、前記有機繊維コードが層間で互いに交差するように配置し、前記トレッド補強布の隣接する前記有機繊維コード間の距離が、コード径の2.0〜3.0倍である航空機用バイアスタイヤ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、航空機用バイアスタイヤに関し、さらに詳しくは、ピールオフ故障の発生を抑制し、耐久性を向上させた航空機用バイアスタイヤに関する。 【0002】 【従来の技術】最近の空港では、航空機の制動距離を短くするため、滑走路上に進行方向と直角方向に多数の溝を備えた溝付き滑走路が多くなっている。溝付き滑走路に航空機が着陸する際に、タイヤ表面は滑走路の溝にかみ込まれ、タイヤトレッド表面に外傷を起こし易く、その後の離陸高速走行中の遠心力によって、外傷部分を起点としてトレッドが剥がれ部分的に飛散する故障(ピールオフ故障)を起こすことが多くなった。 【0003】特に高性能航空機用バイアスタイヤの場合、図1にその子午方向半断面図を示すように、トレッド1の内側には2枚以上のトレッド補強布2が配置されており、ピールオフ故障は図2の故障した状態の拡大断面図(進行方向は図の右方)に示すように、トレッド1とトレッド補強布2間に発生していた。そこで、トレッド補強布2の有機繊維コード4とゴムとの接着力を上げることによってタイヤの耐久性を向上させようと試みられてはいたが、その効果は十分とは言えなかった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題は、ピールオフ故障の発生を抑制し、耐久性を向上させた航空機用バイアスタイヤを提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、トレッド部に有機繊維コードを有する2枚以上のトレッド補強布を、タイヤ周方向に対し20〜45°のコード角度となるように、前記有機繊維コードが層間で互いに交差するように配置し、前記トレッド補強布の隣接する前記有機繊維コード間の距離が、コード径の2.0〜3.0倍である航空機用バイアスタイヤが提供される。 【0006】以上のように隣接する有機繊維コード間の距離が大きくなるように構成することによって、トレッドとトレッド補強布間の接着力(耐剥離力)が増大するために、ピールオフ故障が効果的に抑制され、航空機用バイアスタイヤの耐久性を向上させることができる。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の航空機用バイアスタイヤの一例を示し、子午線方向半断面図である。トレッド補強布2は、トレッド部に設けられた有機繊維コード4(以下、単に「コード」とも言う)をゴムで被覆した補強層で、カーカス3の外側でトレッド1の内側に2枚以上配置されている。有機繊維コード4はタイヤ周方向に対し20〜45°のコード角度となるように設定され、トレッド補強布2の層間で互いに交差するように配置されている。このコード角度が20〜45°でないと、トレッド補強布2の補強効果がなくなりタイヤの耐久性が悪化してしまう。 【0008】図2にその故障した状態を説明する拡大断面図を示すように、ピールオフ故障のような強い力で瞬間的に剥がされる場合のトレッド1の剥離現象は、外傷部5を起点として、トレッド補強布2のコード4とその上面のゴム間2aの界面剥離現象と、隣接するコード4間のゴム部分2bの引き裂きが同時に起こる。従って、ピールオフ故障を防ぐためには、外傷部5が着陸時に掛かる外力(トルク)によってトレッド1が剥がれず、トレッド1がタイヤ走行中の遠心力で飛散しないようにトレッド補強布2とトレッド1間の接着力(耐剥離力)を強化することが肝要である。すなわち、(トレッド接着力)=(ゴムとコード表面間2aの接着力)+(隣接コード間ゴム部分2bの引き裂き力) という関係にあるが、本発明では、従来着目されていなかった隣接コード間ゴム部分2bの引き裂き力を向上させるために、トレッド補強布2の隣接する有機繊維コード4間の距離Lをコード径の2.0〜3.0倍とするに至った。このように、隣接する有機繊維コード4間の距離Lを従来よりも大きくすることで、隣接コード間ゴム部分2bの引き裂き力が向上し、ピールオフ故障を有効に防止するので、タイヤの耐久性を大幅に向上させることができる。例えば、トレッド補強布2のコード4の打ち込み本数を減らすことによって、隣接する有機繊維コード4間の距離Lを大きくすればよい。この値が2.0倍未満では、本発明の効果が発現せず、3.0倍を超えると、トレッド補強布2の補強効果が発現されずにタイヤの耐久性が低下してしまう。なお、図2では、便宜的に示したコード4間の距離Lは、コード長手方向に対して垂直方向におけるコード4間の距離である。 【0009】 【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものではない。 【0010】図1のような2枚のトレッド補強布2を有するタイヤサイズ49×17 30PRの航空機用バイアスタイヤを作製した。トレッド補強布2には、ナイロン66コードを使用し、タイヤ周方向に対するコード角度を35°に設定し、コード4のエンド数、コード径、隣接コード間の距離L、(コード間距離/コード径)の各値は表1に示す通りである。得られた各タイヤについて、以下の各試験に供した。 【0011】耐久試験メスを用いてタイヤのクラウンセンター部に、長さ80mm(リブ幅の約80%)、深さ17mm(トレッド補強布層に到達)の大きさでタイヤ幅方向に外傷を入れ、空気圧1.34MPaに設定し、速度290km/hで回転するドラム試験機に荷重213.6kNで着陸させる着陸試験を5回繰り返し行った。この試験を行ったタイヤについて、荷重213.6kNの条件でドラム試験機上にタイヤを接地させ、その後速度335km/hまで上昇させた後にタイヤを離陸させる離陸試験を15回繰り返し行った。このタイヤについて、ピールオフ故障発生状況と外傷部分の剥れ状況を観察した。 【0012】高速離陸試験メスを用いてタイヤのクラウンセンター部に、長さ80mm(リブ幅の約80%)、深さ17mm(トレッド補強布層に到達)の大きさでタイヤ幅方向に外傷を入れ、空気圧1.34MPaに設定し、速度362km/h、荷重213.6kNの条件でドラム試験機上でタイヤを回転させた状態から、タイヤを離陸させる離陸試験を50回繰り返し行った。このタイヤについて、トレッドの故障発生の有無を観察した。 【0013】接着試験(N/25mm)タイヤのトレッドとトレッド補強布の部分について、JIS K6256剥離試験のたんざく状試験片(25mm幅)を切り出し、JIS K6256に準拠して剥離試験を行い、トレッドとトレッド補強布間の接着力を測定した。 【0014】 【表1】
【0015】上記表1に示すように、トレッド補強布の隣接する前記有機繊維コード間の距離を、コード径の2.0〜3.0倍に設定した実施例のタイヤは、トレッドとトレッド補強布間の接着力が向上し、ピールオフ故障の発生が有効に抑制されるという優れた結果が得られた。 【0016】 【発明の効果】本発明に従って、航空機用バイアスタイヤについて、トレッド部に有機繊維コードを有する2枚以上のトレッド補強布を、タイヤ周方向に対し20〜45°のコード角度となるように、前記有機繊維コードが層間で互いに交差するように配置し、前記トレッド補強布の隣接する前記有機繊維コード間の距離を、コード径の2.0〜3.0倍と設定することによって、ピールオフ故障の発生を抑制し、耐久性を向上させた航空機用バイアスタイヤを得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006714 【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社 【住所又は居所】東京都港区新橋5丁目36番11号
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| 【出願日】 |
平成14年2月18日(2002.2.18) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−237310(P2003−237310A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月27日(2003.8.27) |
| 【出願番号】 |
特願2002−39969(P2002−39969) |
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