| 【発明の名称】 |
ニューマチック型ソリッドタイヤ |
| 【発明者】 |
【氏名】富永 達雄 【住所又は居所】東京都小平市小川東町3−1−1 株式会社ブリヂストン技術センター内
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| 【要約】 |
【課題】耐リム滑り性とリム組み作業性の双方に優れたニューマチック型ソリッドタイヤ、特にフォークリフトなどの産業車両用に用いられるソリッドタイヤを提供する。
【解決手段】ホイールの適用リムに組み付けられてタイヤ車輪として使用されるニューマチック型ソリッドタイヤにおいて、前記適用リムに対する前記タイヤの、幅方向締め代率を、径方向締め代率の1.5〜2.5倍の範囲とすることを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ホイールの適用リムに組み付けられてタイヤ車輪として使用されるニューマチック型ソリッドタイヤにおいて、前記適用リムに対する前記タイヤの、幅方向締め代率を、径方向締め代率に対して1.5〜2.5倍の範囲とすることを特徴とするニューマチック型ソリッドタイヤ。 【請求項2】 前記幅方向締め代率は5〜15%であり、前記径方向締め代率は3〜6%である請求項1記載のニューマチック型ソリッドタイヤ。 【請求項3】 前記幅方向締め代と前記径方向締め代との積で表されるタイヤの締め代面積は、リム幅とリム径の積で表されるリム見掛け断面積の0.2〜0.5%の範囲である請求項3記載のニューマチック型ソリッドタイヤ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、耐リム滑り性とリム組み作業性の双方に優れたニューマチック型ソリッドタイヤ、特にフォークリフトなどの産業車両用に用いられるソリッドタイヤに関するものである。 【0002】 【従来の技術】ソリッドタイヤ、特にニューマチック型ソリッドタイヤは、フォークリフトなどの産業車両に用いられている。 【0003】ニューマチック型のソリッドタイヤは、ホイールのリムとの緊密嵌合を満足させるため、耐リム滑り性に優れていることが必要である。耐リム滑り性を向上させるための手段としては、リムのビードシートからフランジにわたって接触するタイヤのゴム部分に対し、剛体のリムから作用する圧縮力(拘束力)を大きくすることによって、前記ゴム部分をリムに密着嵌合させること、例えば、リムに対するタイヤの締め代面積(この締め代面積は、前記適用リムに対する幅方向締め代と径方向締め代の積で表されることが多い。)を大きく設定することが有用である。 【0004】しかしながら、前記締め代面積を単純に大きくするだけだと、リム組み作業性が低下する場合があり、よって、前記締め代面積を増加させることによって耐リム滑り性を向上させる手段は、リム組み作業性を確保する観点から、自ずと限界があった。 【0005】このため、発明者は、耐リム滑り性とリム組み作業性の双方を向上させるため鋭意検討を行った結果、良好なリム組み作業性が得られる前記締め代面積を選択してこれを一定とし、リムに対するタイヤの幅方向締め代率と径方向締め代率の比を変化させて耐リム滑り性を評価した結果、これらの比が適正範囲にある場合に、耐リム滑り性が格段に向上することを見出した。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、耐リム滑り性とリム組み作業性の双方に優れたニューマチック型ソリッドタイヤ、特にフォークリフトなどの産業車両用に用いられるソリッドタイヤを提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、この発明は、ホイールの適用リムに組み付けられてタイヤ車輪として使用されるニューマチック型ソリッドタイヤにおいて、前記適用リムに対する前記タイヤの、幅方向締め代率を、径方向締め代率の1.5〜2.5倍の範囲とすることを特徴とするニューマチック型ソリッドタイヤである。尚、ここでいう「ニューマチック型ソリッドタイヤ」とは、JATMA YEAR BOOK(2001)の「“F”章 産業車両用タイヤ」で規定するニューマチック形クッションタイヤを意味し、また、「適用リム」は、JATMA YEAR BOOK(2001)の「“F”章 産業車両用タイヤ」で規定する適用リムを意味する。 【0008】また、前記幅方向締め代率は5〜15%であり、前記径方向締め代率は3〜6%であることが好ましい。尚、前記幅方向の締め代率と前記径方向締め代率は、下記に示す式により算出する(図1及び図2参照)。 【0009】記前記幅方向の締め代率(%)=(リム径−タイヤベース内径)/リム径×100前記径方向締め代率(%)=(タイヤベース幅−リム幅)/リム幅×100【0010】ここで、「リム径」及び「リム幅」とは、JATMA YEAR BOOK (2001)で規定する標準リムのリム径DR及びリム幅WRを意味し(図2参照)、また、「タイヤベース内径」とは、タイヤ幅方向断面で見て、ベース部4のヒール部5の曲線(曲率半径:R)とベース部4の内周面6の直線との交点7間をタイヤ径方向に測定した距離DTを意味し、また、「タイヤベース幅」は、ベース部4のヒール部5からタイヤ径方向外方に直線状に延びるベース部4の径方向外面位置8間をタイヤ幅方向に測定した距離WTを意味する(図1(a),(b)参照)。 【0011】さらにまた、前記幅方向締め代と前記径方向締め代との積で表されるタイヤの締め代面積は、リム幅とリム径の積で表されるリム見掛け断面積の0.2〜0.5%の範囲であることがより好適である。 【0012】 【発明の実施の形態】次に、この発明の実施の形態を図面を参照しながら以下で説明する。図1は、この発明に従うニューマチック型ソリッドタイヤ、図2は、図1のタイヤの適用リム、そして、図3は、図1のタイヤを図2の適用リムに組み付けたタイヤ車輪の幅方向断面をそれぞれ示したものである。 【0013】図1に示すソリッドタイヤ1は、ホイールの適用リム2に組み付けられてタイヤ車輪3として使用されるニューマチック型ソリッドタイヤである。 【0014】そして、この発明の構成上の主な特徴は、前記適用リムに対する前記タイヤの、幅方向締め代率を、径方向締め代率の1.5〜2.5倍の範囲とすることにあり、この構成を採用することによって、耐リム滑り性とリム組み作業性の双方を高い次元で満足させることができる。 【0015】従来のニューマチック型ソリッドタイヤでは、通常、適用リムに対する前記タイヤの、径方向締め代率と幅方向締め代率は、それぞれ別個に適正範囲を定めており、その径方向締め代率に対する幅方向締め代率の比を算出したとき、その比は、ほとんどの場合で3倍以上であった。 【0016】しかしながら、発明者が耐リム滑り性とリム組み作業性の双方を高いレベルで満足させるための検討を行ったところ、以下の知見を得た。 【0017】すなわち、前記径方向締め代率を大きく設定しすぎると、リム組み時にリムのビードシートと接触するタイヤの径方向内側部分が、タイヤ径方向への拡張を余儀なくされ、ベース部のゴムは実質的に径方向外側に押し出される結果、実際には前記径方向締め代率は却って小さくなることがわかった。 【0018】また、前記幅方向締め代率を大きく設定しすぎると、リム組み時にリムのフランジと接触するタイヤの側方部分が、タイヤ幅方向へ大きく圧縮され、タイヤがその径方向外側に押し出され、ベース部のゴムは実質的に径方向外側に押し出される結果、実際には前記幅方向締め代率は却って小さくなることもわかった。 【0019】そして、発明者は、前記幅方向締め代率と前記径方向締め代率の双方の関係においてこれらの締め代率を適正化することが、耐リム滑り性とリム組み作業性の双方を高いレベルで満足させるには必要であると考え、これらの比で適正範囲を定めることが有用であると考えた。 【0020】そのため、発明者は、耐リム滑り性とリム組み作業性の双方を向上させるため鋭意検討を行った結果、良好なリム組み作業性が得られる前記締め代量を選択してこれを一定とし、リムに対するタイヤの幅方向締め代率と径方向締め代率の比を変化させて耐リム滑り性を評価した結果、これらの比が上記適正範囲にある場合に、耐リム滑り性が格段に向上することを見出し、この発明を完成するに至ったのである。 【0021】図4は、前記締め代量を、良好なリム組み作業性が得られる値165mm2(一定)とし、リムに対するタイヤの径方向締め代率に対する幅方向締め代率の比を横軸として、この比を変化させたときの耐リム滑り性を評価したときの結果の一例を示したものである。 【0022】図4の結果から、前記比が1.5〜2.5倍の範囲であるときに耐リム滑り性が格段に優れていることがわかる。特に、前記比が2.0であるとき、耐リム滑り性は最も優れていた。 【0023】以上のことから、この発明では、前記適用リムに対する前記タイヤの、幅方向締め代率を、径方向締め代率の1.5〜2.5倍の範囲とすることとし、この構成を採用することによって、耐リム滑り性とリム組み作業性の双方を高いレベルで満足させることができる。 【0024】また、前記幅方向締め代率は5〜15%であり、前記径方向締め代率は3〜6%であることが好ましい。前記幅方向締め代率が5%未満だと、耐リム滑り性の確保が困難になるおそれがあるからであり、15%を超えると、リム組み性が低下するおそれがあるからであり、一方、前記径方向締め代率が3%未満だと、耐リム滑り性の確保が困難になるおそれがあるからであり、6%を超えると、リム組み性が低下するおそれがあるからである。 【0025】さらにまた、前記幅方向締め代と前記径方向締め代との積で表されるタイヤの締め代面積は、リム幅WRとリム径DRの積で表されるリム見掛け断面積の0.2〜0.5%の範囲であることが好ましい。前記締め代面積が前記リム見掛け断面積の0.2%未満だと、耐リム滑り性を確保しにくくなるからであり、0.5%を超えると、リム組み性が大幅に悪化するからである。 【0026】上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。 【0027】 【実施例】次に、この発明に従うニューマチック型ソリッドタイヤを試作し、性能評価を行ったので以下で説明する。 【0028】・実施例1実施例1のニューマチック型ソリッドタイヤは、タイヤサイズが7.00−12である産業車両用タイヤであり、前記幅方向締め代が10.7mmであり、前記径方向締め代が15.7mmであり、前記幅方向締め代率が8.4%、前記径方向締め代率が5.0%であり、これらの比は1.7であった。また、タイヤの締め代面積は165mm2、リム見掛け断面積が3809.6mm2、これらの面積比が0.43%であった。 【0029】・実施例2実施例2のニューマチック型ソリッドタイヤは、タイヤサイズが7.00−12である産業車両用タイヤであり、前記幅方向締め代が12.8mmであり、前記径方向締め代が12.9mmであり、前記幅方向締め代率が10.1%、前記径方向締め代率が4.2%であり、これらの比は2.4であった。また、タイヤの締め代面積は165mm2、リム見掛け断面積が3809.6mm2、これらの面積比が0.43%であった。 【0030】・従来例従来例のニューマチック型ソリッドタイヤは、タイヤサイズが7.00−12である産業車両用タイヤであり、前記幅方向締め代が14.9mmであり、前記径方向締め代が11.1mmであり、前記幅方向締め代率が11.7%、前記径方向締め代率が3.6%であり、これらの比は3.3であった。また、タイヤの締め代面積は165mm2、リム見掛け断面積が3809.6mm2、これらの面積比が0.43%であった。 【0031】(試験方法)上記各供試タイヤを標準リム(12×5.00S)に装着してタイヤ車輪とし、耐リム滑り性を評価する試験を行った。 【0032】耐リム滑り性は、タイヤを20km/hの速度で回転ドラム上を走行させ、表1に示すステップ1からステップ11までを行った後に、リムとタイヤのずれ量を測定し、このずれ量から評価した。尚、表1に示す「50%荷重」とは、JATMA YEARBOOK (2001)で規定する最大負荷能力の50%に対応する荷重を意味する。 【0033】表2にその評価結果を示す。尚、表2中の数値は、従来例を100とした指数比で示してあり、数値が大きいほど耐リム滑り性が優れていることを意味する。 【0034】 【表1】
【0035】 【表2】
【0036】表2に示す評価結果から、実施例1及び2はいずれも、従来例に比べて、耐リム滑り性が優れている。また、各供試タイヤを標準リムに組み付けるときのリム組み作業性についても併せて調べたが、いずれのタイヤともリム組み作業性が良好であった。 【0037】 【発明の効果】この発明によって、耐リム滑り性とリム組み作業性の双方に優れたニューマチック型ソリッドタイヤ、特にフォークリフトなどの産業車両用に用いられるソリッドタイヤの提供が可能になった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005278 【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン 【住所又は居所】東京都中央区京橋1丁目10番1号
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| 【出願日】 |
平成14年2月20日(2002.2.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072051 【弁理士】 【氏名又は名称】杉村 興作
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| 【公開番号】 |
特開2003−237307(P2003−237307A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月27日(2003.8.27) |
| 【出願番号】 |
特願2002−42748(P2002−42748) |
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