| 【発明の名称】 |
空気入りタイヤ及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】松永 仁夫 【住所又は居所】東京都小平市小川東町3−1−1 株式会社ブリヂストン技術センター内
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| 【要約】 |
【課題】トレッドゴムとサイドゴムとの界面における剥離を防止し、サイドゴムとサイドウォールゴムとの界面における剥離も防止できる空気入りタイヤ及びその製造方法を得る。
【解決手段】サイドゴム28とサイドウォールゴム32との界面をタイヤ側面部側ではなく、タイヤ外周部側(低歪部)に現われるようにすることにより、サイドゴム28とサイドウォールゴム32との界面に作用する曲げ変形を小さくすることができ、上記界面における剥離(クラック)を防止することができる。加えて、サイドゴム28とサイドウォールゴム32との物性又は配合が同一又は類似しているため、サイドゴム28とサイドウォールゴム32との界面における剥離(クラック)を極力防止することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右1対のビードコアと、前記ビードコアにトロイド状に跨るカーカスと、を有する空気入りタイヤであって、トレッド部を構成し、前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置されたトレッドゴムと、ショルダー部の一部を構成し、前記トレッドゴムのタイヤ幅方向外側部分に付着するサイドゴムと、ショルダー部の一部及びサイドウォール部を構成し、前記サイドゴムの物性又は配合と同一又は類似の物性又は配合を有し、前記カーカスのタイヤ幅方向外側に配置され、かつタイヤ径方向外側部分が前記サイドゴムのタイヤ幅方向外側部分に付着するサイドウォールゴムと、を有することを特徴とする空気入りタイヤ。 【請求項2】 前記トレッドゴムと前記サイドゴムとは、未加硫の状態で押出機により一体となって押し出されたものであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。 【請求項3】 請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法であって、拡径可能な回転ドラム上にカーカスを巻回し、前記カーカス上にビード部構成部材を付着させてケースを成型するケース成型工程と、前記ケースを構成する前記カーカスのタイヤ径方向外側に、未加硫の前記トレッドゴムのタイヤ幅方向外側部分に未加硫の前記サイドゴムを付着させたものを付着させ、未加硫の前記サイドウォールゴムを前記カーカスのタイヤ幅方向外側にあるサイド部に付着させるとともに、前記サイドウォールゴムのタイヤ径方向外側部分を前記サイドゴムのタイヤ幅方向外側部分に付着させてタイヤ輪郭を成型するタイヤ輪郭成型工程と、を有することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。 【請求項4】 請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法であって、拡径可能な回転ドラム上にカーカスを巻回し、前記カーカス上にビード部構成部材を付着させるとともに、前記カーカス及び前記ビード部構成部材上に付着させる前記サイドウォールゴムのタイヤ径方向外側部分が位置する前記カーカスの部分に付着防止シートを貼り、前記付着防止シート上にタイヤ径方向外側部分が位置するように未加硫の前記サイドウォールゴムを前記カーカス及び前記ビード部構成部材上に付着させてケースを成型するケース成型工程と、前記サイドウォールゴムのタイヤ径方向外側部分を外側に捲り上げ、前記カーカスのタイヤ径方向外側に、未加硫の前記トレッドゴムのタイヤ幅方向外側部分に未加硫の前記サイドゴムを付着させたものを付着させ、前記サイドウォールゴムのタイヤ径方向外側部分を前記サイドゴムのタイヤ幅方向外側部分に付着させてタイヤ輪郭を成型するタイヤ輪郭成型工程と、を有することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。 【請求項5】 前記トレッドゴムと前記サイドゴムとは、未加硫の状態で押出機により一体となって押し出されることを特徴とする請求項3又は4に記載の空気入りタイヤの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、トレッドゴムとサイドウォールゴムとで挟まれたサイドゴムを備えた空気入りタイヤ及びその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の空気入りタイヤとして、例えば、図4(B)に示すような構造のものがある。 【0003】かかる空気入りタイヤ70では、カーカス(図示省略)のサイド側にはサイドウォールゴム76が圧着されており、タイヤ幅方向切断断面視にてそのタイヤ径方向外側部分がタイヤ幅方向内側に折れ曲がっている。 【0004】一方、カーカスのタイヤ径方向外側に位置するトレッド側には、ベルト(図示省略)を介してトレッドゴム72が圧着されている。このトレッドゴム72のタイヤ幅方向外側部分は、サイドウォールゴム74のタイヤ径方向外側部分(折曲り部分)のタイヤ径方向外側に位置している。 【0005】すなわち、トレッドゴム72のタイヤ幅方向外側部分は、サイドウォールゴム74のタイヤ径方向外側部分(折曲り部分)の上に載っている。 【0006】さらに、トレッドゴム72のタイヤ幅方向外側部分のさらにタイヤ幅方向外側には、サイドゴム74が圧着されている。このサイドゴム74の物性又は配合は、サイドウォールゴム76の物性又は配合と同じか類似している。 【0007】上記空気入りタイヤ70の製造方法は、先ず1st成型において、回転ドラム(図示省略)上に未加硫のインナーライナーゴム(図示省略)が貼り付けられ、そのインナーライナーゴムの上からカーカスが圧着される。 【0008】その後、ビードコアを包含したビードフィラーが貼り付けられ、カーカスのドラム幅方向両端部がタイヤ径方向外側に折り曲げられて、ビード部が成型される。 【0009】次に、カーカスのサイド部側に未加硫のサイドウォールゴム76が圧着される。 【0010】次の2nd成型において、回転ドラムを拡径し、カーカスをトロイド状に変形させる。その後、カーカスのタイヤ径方向外側からベルトが圧着され、さらにベルト及びカーカスの上に未加硫のトレッドゴム72及び未加硫のサイドゴム74が一体となったものが圧着される。 【0011】なお、トレッドゴム72とサイドゴム74とは、従来から周知のデュアルチューバー(図示省略)により一体となって押し出されたものが用いられる。 【0012】以上の方法により、上記空気入りタイヤ70が製造される。 【0013】上記製造方法では、サイドウォールゴム76を圧着した後に、タイヤ径方向外側からトレッドゴム72及びサイドゴム74を圧着するため、製造工程が比較的容易となり、製造効率が向上し、製造コストも低下するといった大きなメリットがある。このため、上記製造方法が上記空気入りタイヤ70の製造方法の主流となっている。 【0014】また、一般にトレッドゴム72とサイドゴム74との物性又は配合が大きく異なっているが、両者がデュアルチューバーにより一体となったものを用いているため、トレッドゴム72とサイドゴム74との界面耐久性が向上し、トレッドゴム72とサイドゴム74との界面において両者の物性又は配合の違いによる剥離(クラック)が生じ難いというメリットがある。 【0015】ところが、サイドゴム74とサイドウォールゴム76の界面がタイヤ側面部側に現われ、このタイヤ側面部では車両の走行時において曲げ変形が比較的大きく高歪部となるため、サイドゴム74とサイドウォールゴム76との界面で剥離(クラック)が発生する問題がある。 【0016】かかる問題は、サイドゴム74とサイドウォールゴム76とが同じ又は類似の物性又は配合のゴムで構成されていても、依然として解決されない。 【0017】 【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上記事実を考慮し、トレッドゴムとサイドゴムとの界面における剥離(クラック)を防止すると共に、サイドゴムとサイドウォールゴムとの界面における剥離(クラック)も防止することができる空気入りタイヤ及びその製造方法を提供することを課題とする。 【0018】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の空気入りタイヤでは、左右1対のビードコアと、前記ビードコアにトロイド状に跨るカーカスと、を有する空気入りタイヤであって、トレッド部を構成し、前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置されたトレッドゴムと、ショルダー部の一部を構成し、前記トレッドゴムのタイヤ幅方向外側部分に付着するサイドゴムと、ショルダー部の一部及びサイドウォール部を構成し、前記サイドゴムの物性又は配合と同一又は類似の物性又は配合を有し、前記カーカスのタイヤ幅方向外側に配置され、かつタイヤ径方向外側部分が前記サイドゴムのタイヤ幅方向外側部分に付着するサイドウォールゴムと、を有することを特徴とする次に、請求項1に記載の空気入りタイヤの作用効果について説明する。 【0019】本発明の空気入りタイヤでは、カーカスのタイヤ径方向外側に配置されたトレッドゴムによりトレッド部が構成される。また、トレッドゴムのタイヤ幅方向外側部分に付着するサイドゴムによりショルダー部の一部が構成される。さらに、サイドゴムの物性又は配合と同一又は類似の物性又は配合を有し、カーカスのタイヤ幅方向外側に配置され、かつタイヤ径方向外側部分がサイドゴムのタイヤ幅方向外側部分に付着するサイドウォールゴムにより、ショルダー部の一部及びサイドウォール部が構成される。 【0020】本発明の空気入りタイヤによれば、サイドゴムとサイドウォールゴムとの界面はタイヤ外周部側に現われ、タイヤ側面部側に現われない。 【0021】ここで、車両の走行時において、タイヤ側面部は、タイヤ外周部と比較して、曲げ変形が大きくなる。すなわち、タイヤ側面部は高歪部となる。 【0022】そこで、本発明の空気入りタイヤのように、サイドゴムとサイドウォールゴムとの界面をタイヤ側面部側ではなく、タイヤ外周部側(低歪部)に現われるようにすることにより、サイドゴムとサイドウォールゴムとの界面に作用する曲げ変形を小さくすることができ、上記界面における剥離(クラック)を防止することができる。すなわち、サイドゴムとサイドウォールゴムとの界面を低歪部であるタイヤ外周部に位置させることにより、上記界面における剥離(クラック)を防止することができる。 【0023】加えて、サイドゴムとサイドウォールゴムとの物性又は配合が同一又は類似しているため、サイドゴムとサイドウォールゴムとの界面における剥離(クラック)を極力防止することができる。 【0024】なお、本明細書において「物性が同一」とは、ショア硬度が同一であることを意味する。 【0025】また、「物性が類似」とは、ショア硬度の差が5度以上であることを意味する。 【0026】なお、「配合が同一」とは、SBR(スチレンブタジエンゴム)/NR(天然ゴム)/BR(ポリブタジエンゴム)の配合比率が同一であることを意味する。 【0027】また、「配合が類似」とは、NR(天然ゴム)の配合比率の差が25PHR以内であることを意味する。 【0028】請求項2に記載の空気入りタイヤでは、前記トレッドゴムと前記サイドゴムとは、未加硫の状態で押出機により一体となって押し出されたものであることを特徴とする。 【0029】次に、請求項2に記載の空気入りタイヤの作用効果について説明する。 【0030】一般に、トレッドゴムとサイドゴムとは、ゴムの物性又は配合が大きく異なるため、トレッドゴムとサイドゴムとの界面において剥離が生じ易くなる。 【0031】そこで、トレッドゴムとサイドゴムとは、未加硫の状態で押出機により一体となって押し出されたものを用いているため、別々に押し出されたものを後の工程で相互に圧着(付着)させる場合と比較して、トレッドゴムとサイドゴムとの界面耐久性が大幅に向上し、界面における剥離(クラック)を極力防止することができる。 【0032】請求項3に記載の空気入りタイヤの製造方法では、請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法であって、拡径可能な回転ドラム上にカーカスを巻回し、前記カーカス上にビード部構成部材を付着させてケースを成型するケース成型工程と、前記ケースを構成する前記カーカスのタイヤ径方向外側に、未加硫の前記トレッドゴムのタイヤ幅方向外側部分に未加硫の前記サイドゴムを付着させたものを付着させ、未加硫の前記サイドウォールゴムを前記カーカスのタイヤ幅方向外側にあるサイド部に付着させるとともに、前記サイドウォールゴムのタイヤ径方向外側部分を前記サイドゴムのタイヤ幅方向外側部分に付着させてタイヤ輪郭を成型するタイヤ輪郭成型工程と、を有することを特徴とする。 【0033】次に、請求項3に記載の空気入りタイヤの製造方法の作用効果について説明する。 【0034】ケース成型工程において、拡径可能な回転ドラム上にカーカスが巻回され、カーカス上にビード部構成部材を付着させてケースが成型される。なお、この段階では、カーカスにサイドウォールゴムは付着されておらず、ケースはサイドウォールゴムを含んでいない。 【0035】タイヤ輪郭成型工程において、ケースを構成するカーカスのタイヤ径方向外側に、未加硫のトレッドゴムのタイヤ幅方向外側部分に未加硫のサイドゴムを付着させたものを付着させる。 【0036】ここで、トレッドゴムのタイヤ幅方向外側部分へのサイドゴムの付着は、押出機によりトレッドゴム及びサイドゴム一体として押し出すことにより付着させても良いし、押出機による押出し後、それぞれの接合面を熱刃により切断して、それぞれの接合面を溶融させて接合することにより付着させても良い。 【0037】さらに、未加硫のサイドウォールゴムをカーカスのタイヤ幅方向外側にあるサイド部に付着させるとともに、サイドウォールゴムのタイヤ径方向外側部分をサイドゴムのタイヤ幅方向外側部分に付着させる。 【0038】なお、サイドゴムとサイドウォールゴムの付着は、例えばセメントゴムなどで付着させることが好ましい。 【0039】その他、空気入りタイヤの製造方法として必要な工程は、従来周知の工程と同様である。 【0040】以上のタイヤ輪郭成型工程により、タイヤの輪郭が成型され、生タイヤが製造される。 【0041】この生タイヤを加硫工程において加硫型により加硫することにより、請求項1に記載の空気入りタイヤが製造される。 【0042】本発明の空気入りタイヤの製造方法によれば、サイドゴムとサイドウォールゴムとの界面における剥離(クラック)を極力防止することができる空気入りタイヤを製造することができる。 【0043】請求項4に記載の空気入りタイヤの製造方法では、請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法であって、拡径可能な回転ドラム上にカーカスを巻回し、前記カーカス上にビード部構成部材を付着させるとともに、前記カーカス及び前記ビード部構成部材上に付着させる前記サイドウォールゴムのタイヤ径方向外側部分が位置する前記カーカスの部分に付着防止シートを貼り、前記付着防止シート上にタイヤ径方向外側部分が位置するように未加硫の前記サイドウォールゴムを前記カーカス及び前記ビード部構成部材上に付着させてケースを成型するケース成型工程と、前記サイドウォールゴムのタイヤ径方向外側部分を外側に捲り上げ、前記カーカスのタイヤ径方向外側に、未加硫の前記トレッドゴムのタイヤ幅方向外側部分に未加硫の前記サイドゴムを付着させたものを付着させ、前記サイドウォールゴムのタイヤ径方向外側部分を前記サイドゴムのタイヤ幅方向外側部分に付着させてタイヤ輪郭を成型するタイヤ輪郭成型工程と、を有することを特徴とする。 【0044】次に、請求項4に記載の空気入りタイヤの製造方法の作用効果について説明する。 【0045】ケース成型工程において、拡径可能な回転ドラム上にカーカスが巻回される。 【0046】カーカス上にビード部構成部材を付着させるとともに、カーカス及びビード部構成部材上に付着させるサイドウォールゴムのタイヤ径方向外側部分が位置するカーカスの部分に付着防止シートが貼られ、この付着防止シート上にタイヤ径方向外側部分が位置するように未加硫のサイドウォールゴムがカーカス及びビード部構成部材上に付着される。 【0047】ここで、サイドウォールゴムのタイヤ径方向外側部分は、付着防止シート上に配置されているため、カーカスには付着してない。 【0048】以上のケース成型工程により、タイヤケースが成型される。 【0049】次に、タイヤ輪郭成型工程において、付着防止シートが回転ドラム上でタイヤケースから剥がされるとともに、サイドウォールゴムのタイヤ径方向外側部分が外側に捲り上げられる。 【0050】また、カーカスのタイヤ径方向外側に、未加硫のトレッドゴムのタイヤ幅方向外側部分に未加硫のサイドゴムを付着させたものが付着される。 【0051】ここで、トレッドゴムのタイヤ幅方向外側部分へのサイドゴムの付着は、押出機によりトレッドゴム及びサイドゴム一体として押し出すことにより付着させても良いし、押出機による押出し後、それぞれの接合面を熱刃により切断して、それぞれの接合面を溶融させて接合することにより付着させても良い。 【0052】トレッドゴム及びサイドゴムのカーカスへの付着後、サイドウォールゴムのタイヤ径方向外側部分がサイドゴムのタイヤ幅方向外側部分に付着される。 【0053】なお、サイドゴムとサイドウォールゴムの付着は、例えばセメントゴムなどで付着させることが好ましい。 【0054】以上のタイヤ輪郭成型工程により、タイヤの輪郭が成型され、生タイヤが製造される。 【0055】この生タイヤを加硫工程において加硫型により加硫することにより、請求項1に記載の空気入りタイヤが製造される。 【0056】本発明の空気入りタイヤの製造方法によれば、サイドゴムとサイドウォールゴムとの界面における剥離(クラック)を極力防止することができる空気入りタイヤを製造することができる。 【0057】請求項5に記載の空気入りタイヤの製造方法では、前記トレッドゴムと前記サイドゴムとは、未加硫の状態で押出機により一体となって押し出されることを特徴とする。 【0058】次に、請求項5に記載の空気入りタイヤの製造方法の作用効果について説明する。 【0059】トレッドゴムとサイドゴムとは、未加硫の状態で押出機により一体となって押し出されることが好ましい。 【0060】未加硫の状態で押出機により一体となって押し出すことにより、別々に押し出されたものを後の工程で相互に付着させる場合と比較して、トレッドゴムとサイドゴムとの界面耐久性が向上し、界面における剥離(クラック)を極力防止することができる。 【0061】 【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤについて説明する。 【0062】図1に示すように、空気入りタイヤ10では、インナーライナーゴム12を備えている。 【0063】このインナーライナーゴム12の外側には、左右1対のビードコア14が配置されている。このビードコア14は複数本のビードワイヤーで構成されており、ビードフィラー16に包含されている。 【0064】このビードコア14及びビードフィラー16には、カーカス18がトロイド状に跨っている。このカーカス18のタイヤ径方向端部は、ビードコア14及びビードフィラー16を包み込むように略タイヤ径方向外側(図1中矢印A方向側)に向かって折り曲げられている。これにより、ビード部20が構成されている。 【0065】カーカス18のタイヤ径方向外側には、ベルト(図示省略)が配置されている。 【0066】ベルトのタイヤ径方向外側には、トレッドゴム22(図1中の斜線部分)が付着されている。このトレッドゴム22のショア硬度は68度であり、SBR/NR/BR(PHR)の配合比率は100/0/0である。 【0067】このトレッドゴム22によりトレッド部24が構成されている。また、トレッド部24の表面には、タイヤ周方向に延びる複数のタイヤ周方向溝26が形成されている。 【0068】トレッドゴム22のタイヤ幅方向外側部分には、サイドゴム28が付着されている。このサイドゴム28のショア硬度は55度であり、SBR/NR/BR(PHR)の配合比率は0/50/50である。このサイドゴム28によりショルダー部30の一部が構成されている。 【0069】カーカス18のタイヤ幅方向外側であるサイド部には、サイドウォールゴム32が圧着されている。このサイドウォールゴム32のショア硬度は55度であり、SBR/NR/BR(PHR)の配合比率は0/50/50である。このサイドウォールゴム32のタイヤ径方向外側部分がサイドゴム28のタイヤ幅方向外側部分に付着している。 【0070】このサイドウォールゴム32により、サイドウォール部34及びショルダー部30の一部が構成されている。 【0071】なお、本実施形態では、サイドゴム28とサイドウォールゴム32とでは物性又は配合が同一であるが、必ずしも同一である必要は無く類似していれば良い。 【0072】次に、空気入りタイヤ10の第1の製造方法について説明する。 【0073】先ず、ケース成型工程において、図2(A)に示すように、比較的小さな拡径部がある回転ドラム36上に未加硫のインナーライナーゴム12が巻回される。 【0074】次に、このインナーライナーゴム12上にカーカス(プライ)18が巻回される。 【0075】なお、カーカス18にはセメントゴムが付着され、このセメントゴムの粘着力により、インナーライナーゴム12上に付着される。 【0076】このカーカス18上にビードコア14(ビード部構成部材)を包含したビードフィラー16(ビード部構成部材)を配置し、カーカス18の端部を折り曲げ、ビード部20が成型される。 【0077】以上のケース成型工程により、ケースが成型される。 【0078】次に、タイヤ輪郭成型工程において、図2(B)に示すように、回転ドラム36を内部のプラダー(図示しない)により拡径し、カーカス18がトロイド状に湾曲させられる。そして、ケースを構成するカーカス18のタイヤ径方向外側に、ベルト(図示省略)が配置される。 【0079】次に、ベルトのタイヤ径方向外側に、未加硫のトレッドゴム22のタイヤ幅方向外側部分に未加硫のサイドゴム28を付着させたものを付着してトレッド部24及びショルダー部30の一部が成型される。 【0080】なお、トレッドゴム22及びサイドゴム28にはセメントゴムが付着され、このセメントゴムの粘着力により、ベルト及びカーカス18上に付着される。 【0081】ここで、トレッドゴム22のタイヤ幅方向外側部分へのサイドゴム28の付着は、押出機(図示省略)によりトレッドゴム22及びサイドゴム28一体として押し出すことにより行われる。 【0082】この押出機として、従来から周知のデュアルチューバー(DT)が用いられ、別々に供給されたトレッドゴム22及びサイドゴム28が口金部(図示省略)によりトレッドゴム22の両側にサイドゴム28が付着され、両者一体となって押し出される。 【0083】なお、別の押出機(図示省略)による押出し後、トレッドゴム22及びサイドゴム28の接合面を熱刃により切断して、それぞれの接合面を溶融させて接合することにより付着させても良い。 【0084】次に、図2(C)に示すように、未加硫のサイドウォールゴム32がカーカス18のタイヤ幅方向外側にあるサイド部に付着されるとともに、サイドウォールゴム32のタイヤ径方向外側部分がサイドゴム28のタイヤ幅方向外側部分に付着されてショルダー部30の一部及びサイドウォール部34が成型される。 【0085】なお、サイドウォールゴム32とサイドゴム28及びカーカス18との付着は、例えばセメントゴムなどで付着される。 【0086】以上のタイヤ輪郭成型工程により、空気入りタイヤ10の輪郭が成型され、生タイヤが製造される。 【0087】この生タイヤを加硫工程において加硫型により加硫することにより、本発明のの空気入りタイヤ10が製造される。 【0088】次に、空気入りタイヤ10の第2の製造方法について説明する。 【0089】先ず、ケース成型工程において、図3(A)に示すように、比較的小さな拡径部がある回転ドラム36上に未加硫のインナーライナーゴム12が巻回される。 【0090】次に、インナーライナーゴム12上にカーカス18が巻回される。カーカス18にはセメントゴムが付着され、このセメントゴムの粘着力により、インナーライナーゴム12上に付着される。 【0091】このカーカス18上にビードコア14(ビード部構成部材)を包含したビードフィラー16(ビード部構成部材)を配置し、カーカス18の端部を折り曲げ、ビード部20が成型される。 【0092】その後、カーカス18上のサイドウォールゴム32のタイヤ径方向外側部分が位置する部分に、付着防止シート40(例えば、ポリシート)が貼られる。 【0093】そして、前記付着防止シート40上にタイヤ径方向外側部分が位置するように未加硫のサイドウォールゴム32がカーカス18上に付着されてショルダー部30の一部及びサイドウォール部34が成型される。 【0094】なお、サイドウォールゴム32にはセメントゴムが付着され、このセメントゴムの粘着力により、カーカス18上に付着される。 【0095】ここで、サイドウォールゴム32のタイヤ径方向外側部分は、付着防止シート40上に位置しているため、カーカス18には付着してない。 【0096】以上のケース成型工程により、ケースが成型される。 【0097】次に、タイヤ輪郭成型工程において、図3(B)に示すように、回転ドラム36を内部のプラダー(図示省略)により拡径し、カーカス18がトロイド状に湾曲される。 【0098】そして、回転ドラム36上から付着防止シート40を剥がすとともに、このときサイドウォールゴム32のタイヤ径方向外側部分が外側(図3(B)中矢印B方向)に捲り上げられる。 【0099】次に、カーカス18のタイヤ径方向外側に、ベルト(図示省略)が付着される。 【0100】次に、図3(C)に示すように、ベルトのタイヤ径方向外側に、未加硫のトレッドゴム22のタイヤ幅方向外側部分に未加硫のサイドゴム28を付着させたものが付着されて、トレッド部24及びショルダー部30の一部が成型される。 【0101】なお、トレッドゴム22及びサイドゴム28にはセメントゴムが付着され、このセメントゴムの粘着力により、ベルト及びカーカス18上に付着される。 【0102】ここで、トレッドゴム22のタイヤ幅方向外側部分へのサイドゴム28の付着は、押出機(図示省略)によりトレッドゴム22及びサイドゴム28一体として押し出すことにより行われる。 【0103】この押出機として、従来から周知のデュアルチューバー(DT)が用いられ、別々に供給されたトレッドゴム22及びサイドゴム28が口金部(図示省略)によりトレッドゴム22の両側にサイドゴム28が付着され、両者一体となって押し出される。 【0104】なお、別の押出機(図示省略)による押出し後、トレッドゴム22及びサイドゴム28の接合面を熱刃により切断して、それぞれの接合面を溶融させて接合することにより付着させても良い。 【0105】次に、図3(D)に示すように、トレッドゴム22及びサイドゴム28のカーカス18への付着後、サイドウォールゴム32のタイヤ径方向外側部分がサイドゴム28のタイヤ幅方向外側部分に付着される。 【0106】なお、サイドゴム28とサイドウォールゴム32の付着は、例えばセメントゴムなどで付着させることが好ましい。 【0107】以上のタイヤ輪郭形成工程により、タイヤの輪郭が成型され、生タイヤが製造される。 【0108】この生タイヤを加硫工程において加硫型により加硫することにより、本発明の空気入りタイヤ10が製造される。 【0109】次に、空気入りタイヤ10の作用及び効果について説明する。 【0110】本発明の空気入りタイヤ10では、サイドゴム28とサイドウォールゴム32との界面はタイヤ外周部側に現われ、タイヤ側面部側に現われない。 【0111】ここで、車両の走行時において、タイヤ側面部は、タイヤ外周部と比較して、曲げ変形が大きくなる。すなわち、タイヤ側面部は高歪部となる。 【0112】そこで、本発明の空気入りタイヤ10のように、サイドゴム28とサイドウォールゴム32との界面をタイヤ側面部側ではなく、タイヤ外周部側(低歪部)に現われるようにすることにより、サイドゴム28とサイドウォールゴム32との界面に作用する曲げ変形を小さくすることができ、上記界面における剥離(クラック)を防止することができる。 【0113】すなわち、サイドゴム28とサイドウォールゴム32との界面を低歪部であるタイヤ外周部に位置させることにより、上記界面における剥離(クラック)を防止することができる。 【0114】加えて、サイドゴム28とサイドウォールゴム32との物性又は配合が同一又は類似しているため、サイドゴム28とサイドウォールゴム32との界面における剥離(クラック)を極力防止することができる。 【0115】さらに、トレッドゴム22とサイドゴム28とは、未加硫の状態で押出機により一体となって押し出されたものを用いているため、別々に押し出されたものを後の工程で圧着(付着)させる場合と比較して、トレッドゴム22とサイドゴム28との界面耐久性が大幅に向上し、界面における剥離(クラック)を極力防止することができる。 【0116】以上のように、本発明の空気入りタイヤ10では、トレッドゴム22とサイドゴム28との界面における剥離(クラック)を防止すると共に、サイドゴム28とサイドウォールゴム32との界面(クラック)における剥離も防止することができる。 (試験例)次に、本発明の空気入りタイヤなどを用いて、クラック発生状況を調べる耐久テストを行った。 【0117】試験に用いたタイヤのタイヤサイズをPCR225/45R17とし、このタイヤをリム幅8Jのリムに組み付け、内圧を200KPaに設定した。 【0118】かかるリム組み付けタイヤを国産中型セダン車に装着し、2名乗車相当の下、一般道30%、高速路50%、悪路20%の割合で設定された路面条件の路面を走行後、作業者の目視によりクラックの発生状況を確認した。 【0119】ここで、試験対象となった従来技術1とは、図4(A)に示すように、トレッドゴム52にサイドゴムが付着されておらず、トレッドゴム52のタイヤ幅方向外側部分に直接サイドウォールゴム54が付着している空気入りタイヤ50である。 【0120】このため、従来技術1のトレッドの構造は、シングルトレッドであり、トレッドゴム52をカーカス(図示省略)のタイヤ径方向外側に付着させてから、サイドウォールゴム54をカーカスのサイド部に付着させている。 【0121】また、下記表2に示すように、トレッドゴム52のショア硬度は68度であり、その配合比率はSBR/NR/BR(PHR)が100/00/00である。 【0122】サイドウォールゴム54のショア硬度は55度であり、その配合比率はSBR/NR/BR(PHR)が0/50/50である。 【0123】従来技術2とは、先の従来技術(図4(B)参照)で説明したとおり、トレッドゴム72のタイヤ幅方向外側部分にサイドゴム74が付着されており、サイドウォールゴム76のタイヤ径方向外側部分がトレッドゴム72及びサイドゴム74の下側(タイヤ径方向内側)に位置している空気入りタイヤ70である。 【0124】このため、従来技術2のトレッドの構造は、トレッドゴム72とサイドゴム74とが一体となって成型されたデュアルトレッドであり、サイドウォールゴム76をカーカスのサイド部に付着させてから、トレッドゴム72とサイドゴム74とが一体となったものをカーカスのタイヤ径方向外側に付着させている。 【0125】また、下記表2に示すように、トレッドゴム72のショア硬度は68度であり、その配合比率はSBR/NR/BR(PHR)が100/00/00である。 【0126】サイドウォールゴム76及びサイドゴム74のショア硬度は55度であり、その配合比率はSBR/NR/BR(PHR)が0/50/50である。 【0127】本発明とは、図1及び図4(C)に示すように、トレッドゴム22のタイヤ幅方向外側部分にサイドゴム28が付着されており、サイドウォールゴム32のタイヤ径方向外側部分がサイドゴム28のタイヤ幅方向外側に付着している空気入りタイヤ10である。 【0128】このため、本発明のトレッドの構造は、トレッドゴム22とサイドゴム28とが一体となって成型されたデュアルトレッドであり、トレッドゴム22とサイドゴム28とが一体となったものをカーカスのタイヤ径方向外側に付着させてから、サイドウォールゴム32をカーカスのサイド部に付着させている。 【0129】また、下記表2に示すように、トレッドゴム22のショア硬度は68度であり、その配合比率はSBR/NR/BR(PHR)が100/00/00である。 【0130】サイドウォールゴム32及びサイドゴム28のショア硬度は55度であり、その配合比率はSBR/NR/BR(PHR)が0/50/50である。 【0131】 【表1】
【0132】 【表2】
試験結果については、上記表1に示すように、従来技術1では、摩耗率75%でトレッドゴム52とサイドウォールゴム54との界面にクラックが発生した。 【0133】従来技術2では、摩耗率75%でサイドゴム74とサイドウォールゴム76との界面にクラックが発生した。 【0134】本発明では、摩耗率100%においてもクラックが発生しなかった。 【0135】以上のように、本発明の空気入りタイヤでは、摩耗率100%においても界面剥離(クラック)が発生しないことを判明できた。 【0136】 【発明の効果】本発明の空気入りタイヤ及びその製造方法によれば、トレッドゴムとサイドゴムとの界面における剥離を防止すると共に、サイドゴムとサイドウォールゴムとの界面における剥離も防止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005278 【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン 【住所又は居所】東京都中央区京橋1丁目10番1号
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| 【出願日】 |
平成14年1月21日(2002.1.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079049 【弁理士】 【氏名又は名称】中島 淳 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−211913(P2003−211913A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月30日(2003.7.30) |
| 【出願番号】 |
特願2002−11444(P2002−11444) |
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