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【発明の名称】 車両、特にオートバイのためのタイヤ
【発明者】 【氏名】リューディガー・シュルテ

【要約】 【課題】車両、特にオートバイのためのタイヤであって、このタイヤが、加硫された弾性ゴムから成る構造を有しており、この構造内に、0°のコード巻体が組み込まれており、その際、このコード巻体のために使用されたコード3が、少なくとも1つのゴムコーティングでもって囲繞された、螺旋形に巻かれた線材から成る連接体から成り、且つ、少なくとも近似的に直線状の力−伸び特性を備える領域を有している。本発明課題は、上記タイヤを、このタイヤの走行特性に関して改良することである。

【解決手段】コード3は、完成された、空気充填されていないタイヤの状態において、並びに使用圧力まで空気充填されたタイヤの状態において、近似的に直線状の領域内において留まっていること、および、この近似的に直線状の領域内における傾斜が、10N当たり、0.05と0.2%との間にあることによって解決する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両、特にオートバイのためのタイヤであって、このタイヤが、加硫された弾性ゴムから成る構造を有しており、この構造内に、0°のコード巻体が組み込まれており、その際、このコード巻体のために使用されたコード(3)が、少なくとも1つのゴムコーティングでもって囲繞された、螺旋形に巻かれた線材から成る連接体から成り、且つ、少なくとも近似的に直線状の力−伸び特性を備える領域を有している様式の上記タイヤにおいて、コード(3)が、完成された、空気充填されていないタイヤの状態において、並びに使用圧力まで空気充填されたタイヤの状態において、近似的に直線状の領域内において留まっていること、および、この近似的に直線状の領域内における傾斜が、10N当たり、0.05と0.2%との間にあるように構成されていることを特徴とするタイヤ。
【請求項2】 近似的に直線状の領域内における傾斜は、10N当たり、0.07と0.15%との間にあるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ。
【請求項3】 コード(3)は、完成された、空気充填されていない状態において、0.5%以下の伸びを有しているように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ。
【請求項4】 完成された、空気充填されていない状態におけるコード(3)の伸びは、0.1と0.3%との間にあるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載のタイヤ。
【請求項5】 コード(3)は、使用圧力まで空気充填された状態において、0.5と、1.4%との間の伸びを有しているように構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のタイヤ。
【請求項6】 コード(3)の伸びは、このタイヤの使用圧力まで空気充填された状態において、1.3%未満の値であるように構成されていることを特徴とする請求項5に記載のタイヤ。
【請求項7】 コード(3)の伸びは、このタイヤの使用圧力まで空気充填された状態において、1.2%未満の値であるように構成されていることを特徴とする請求項6に記載のタイヤ。
【請求項8】 コード(3)は、使用圧力まで空気充填された状態において、0.8%よりもより大きな伸びを有しているように構成されていることを特徴とする請求項5から7のいずれか一つに記載のタイヤ。
【請求項9】 コード(3)は、使用圧力まで空気充填された状態において、0.9%よりもより大きな伸びを有しているように構成されていることを特徴とする請求項8に記載のタイヤ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両、特にオートバイのためのタイヤに関し、このタイヤは、加硫された弾性ゴムから成る構造を有しており、この構造内に、0°のコード巻体(0°-Kordwicklung)が組み込まれており、その際、このコード巻体のために使用されたコードが、少なくとも1つのゴムコーティングでもって囲繞された、螺旋形に巻かれた線材から成る連接体から成り、且つ、少なくとも近似的に直線状の力−伸び特性を備える領域を有している。
【0002】
【従来の技術】二輪車、特に高速走行するオートバイのためのタイヤは、曲線走行のために必要な傾斜状態において十分な接触面を路床に対して有するため、および車両を同様に傾斜状態において安定的に車道上で保持するために、走行方向に対して横方向に凸状に湾曲されたトレッドを備えている。この様式のタイヤの製造は、一般的に、円筒形のカーカスを形成することによって行われ、このカーカスが、一つまたは多数のゴムをコーティングされた織物層から成り、且つ、このカーカス上に、コード巻体が載置されている。この互いに並列して配設されたコード巻体の巻体は、円周方向に、互いに平行に延在している。このコード巻体の巻回の多数に基づいて、実際的に、角度0°の走行方向に対する巻体の整向が生じ、そのために、0°のコード巻体という言い方がされている。螺旋形の巻体に基づいて、この巻体が、走行方向に対して0°から僅かに差異がある角度を有しており、この角度は、しかしながら常に5°よりもより小さく、一般的に2°よりも小さい。
【0003】タイヤのベルトを形成するコード巻体に引き続いて、トレッドバンドが、載置され、且つカーカスのベルトと共に接着され、その際、凸状のトレッド層の構成のもとで予成形が行われる。最終的な成形は、トレッドの溝成形をも含めて、加硫炉内において行われ、この加硫炉が求心的な外側型枠を有しており、この外側型枠に対して、この形成されたタイヤ構造物が、半径方向内側から、過熱蒸気でもって加熱された隆起部(Balges)を用いて加圧される。
【0004】ヨーロッパ特許第0 461 646号明細書は、冒頭に記載した様式のタイヤ、およびこのタイヤの製造を記載している。一般的な製造ステップおよび0°タイヤの構造が言及されている範囲内で、本発明によるタイヤのためにも、このヨーロッパ特許明細書が引き合いに出される。この明細書により、コードが使用され、このコードは、著しく異なる傾斜を有する2つの直線状の切片、および湾曲された移行領域から形成されている、力−伸び特性を有している。このタイヤの製造の進行中に、このコードは、加硫において、しかも約1.5%だけ予伸長させられ、従って、このコード巻体は、このタイヤの製造の後、しかしながら、使用圧力までのこのタイヤの空気充填の前、既に、力−伸び特性の湾曲された領域(膝状部)内において存在している。このことによって、このタイヤが、既に製造の間、このタイヤの最終的な形状内へとほぼ完全に増大し、且つ空気充填の際に、実際的にもはや増大しないことは達せられる。何故ならば、このコード巻体は、力−伸び特性の大きな傾斜のために、実際的にもはや伸長しないからである。
【0005】この公知の様式のタイヤは、市場において少し前から、オートバイ用タイヤとして存在する。このタイヤの走行特性が、ハンドリング並びに揺動(カーブ内においておよび直線上においての)に関連して、まだ改良が必要であるように思われることが判明した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の根底をなす課題は、冒頭に記載した様式のタイヤを、このタイヤの走行特性に関して改良することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するために、本発明により、冒頭に記載した様式のタイヤは、コードが、完成された、空気充填されていないタイヤの状態において、並びに使用圧力まで空気充填されたタイヤの状態において、近似的に直線状の領域内において留まっていること、および、この近似的に直線状の領域内における傾斜が、10N当たり、0.05と0.2%との間に、有利には、0.07と0.15%との間にあることを特徴としている。
【0008】本発明によるタイヤは、コード巻体の、および従って総じてタイヤの伸長を、同様に使用圧力まで空気充填された状態において、しかも、空気充填されていない状態におけるような同じ方法で許容することのコンセプトに基づいており、従って一方では、このタイヤが、空気充填によって使用圧力まで、このタイヤの作動のために設けられた目標形状内へと増大し、および他方では、このタイヤが、良好な弾性を保持し、且つ従って、第1のばねシステムとして、車両と道路との間の接触において作用する。このことは、このコードの力−伸び特性の傾斜が、相対的に僅かであることによって保証されている。
【0009】予想外に、本発明のタイヤによる走行特性は、公知のタイヤに比べて、明確に有利に判定され、このことは、ハンドリング、即ち曲線走行のための傾斜状態を占めることに、および補正された揺動に、直線走行および曲線走行において関係する。「振動」に関連して、本発明によるタイヤは、公知のタイヤと同等である。
【0010】本発明によるタイヤは、基本的に比較的に僅かの予伸長で十分である。完成された、しかしながら空気充填されていない状態において、本発明によるタイヤのコードは、例えば、0.5%以下の伸びを有し、有利には、伸びが0.1と0.3%との間にある。
【0011】使用圧力まで空気充填された状態において、コードの伸びは、有利には、0.5と、1.4%、特に1.3%またはしかもその上1.2%未満、との間にある。有利な実施形態において、この伸びは、0.8または0.9%よりもより大きな状態(即ち、伸び>0.8%、または伸び>0.9%)にある。この使用圧力まで空気充填された状態におけるコードの伸びは、従って、明確に、ヨーロッパ特許第0 461 646号明細書から公知のタイヤにおけるよりも、より低い状態にあり、この公知のタイヤの場合、伸びは、空気充填されていない状態において、既に典型的に、1.5%の値である。
【0012】次に、図に示された実施例に基づいて、本発明を詳しく説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】図1において図示されたオートバイ用タイヤの構造は、内側から外側へ、気密性を保証する内側芯1および少なくとも1つのコードプライ2を有するカーカス1、2、コード巻体3によって形成されたベルト、およびトレッド溝5を有する外側のトレッド層4を備えている。このトレッド層4は、凸状にアーチ形にされており、且つ端点6に至るまで延在しており、これら端点において、このタイヤは、このタイヤの最大幅を有している。このトレッド4の凸状のアーチ形部から離れてサイドウォール7が接続しており、これらサイドウォールは、それぞれに、ビード8内に入り込み、このビード内において、ビードコア9は、伸長性のない鋼線材から形成されている。この内側芯1のコードプライ2は、半径方向内側から半径方向外側へと、ビードコア9の周囲を折り返されている。これによって形成された内側空間は、弾性ゴムから成るコア充填材10によって充填されている。
【0014】公知の方法で、このビード8は、ホイールリム(図示せず)上で、タイヤを確実に固定するための役目を果たす。
【0015】コード巻体3は、均等に、一方の側面から他方の側面へと、それぞれに、円周方向で、タイヤの周囲に延在して載置されており、従って、0°の巻体が形成され、この巻体内において、コード巻体3の巻回が、螺旋形の巻き取りによる小さな角度は別として、走行方向において互いに平行に整向されている。
【0016】図2は、ゴムコーティングを有するおよびこのゴムコーティングの無い、本発明により使用されたコードに関する特性曲線を示している。ゴムコーティングの無いコードに関する図2において細く描かれた曲線が、まだ軽度の湾曲部を有しているのに対して、ゴムをコーティングされ且つ加硫されたコードに関する力−伸び特性(太く示された線)は、ほぼ直線的である。ここで、「ほぼ直線的」として特性曲線が理解され、この特性曲線の傾斜は、基本的に一定であり、即ち、100%よりもより大きくないだけ変化する。ゴムをコーティングされたコードに関する特性曲線の傾斜は、10N(ニュートン)使用された力において、0.07と0.13%との間の伸びの値である。
【0017】図3は、図2から成るゴムをコーティングされたコードに関する特性曲線と、ヨーロッパ特許第0 461 646号明細書による、市場において存在する公知のタイヤのコードに関して引き合いに出されている特性曲線との間の比較を示している。
【0018】ゴムがコーティングされていない公知のタイヤのコードに関して引き合いに出されている特性曲線は、10N当たり0.6%と10N当たり0.02%との間で部分的に変化する傾斜を有しており、即ち、10倍よりもより大きいだけ異なっている傾斜を有している。
【0019】本発明によるタイヤは、有利には、コードが、使用圧力までの充填無しに、0.2%だけの、有利には、0.1と0.3%との間の伸びを有しているように完成されている。使用圧力まで充填された状態において、この伸びは、コードの予負荷により、約1.0%の値であり、且つ有利には、0.9と1.2%との間にある。それぞれの場合において、この伸びは、同様に使用圧力まで充填されたタイヤの状態においても、1.4%を上回らない。
【0020】ヨーロッパ特許第0 461 646号明細書によるコードが、「高伸長」コード3×4×0.2であるのに対して、本発明によるタイヤのために、「高衝撃」コード3×5×0.2(製造メーカー ベカルト社(Bekaert))が使用される。一方ではヨーロッパ特許第0 461 646号明細書による、他方では本発明による、その他の点では基本的に同一に構成されたこれらタイヤは、専門のテストドライバーにより走行試験された。この場合、次の評価結果が得られた:【0021】
【表1】

枠01【0022】本発明により、形成されたタイヤは、従って、走行特性において、特に重要なパラメーター、即ちハンドリングおよび揺動に関連して、著しい利点を与える。
【0023】本発明によるタイヤの構造および特性が、二輪車に関して説明されてきたにも係わらず、本発明は、同様に、多輪車両、特に自動車のためのタイヤのために、走行路上での改良されたスムーズな動き、およびブリップ性の利点を有して使用可能である。
【出願人】 【識別番号】390040431
【氏名又は名称】コンテイネンタル・アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】CONTINENTAL AKTIENGESELLSCHAFT
【出願日】 平成15年1月22日(2003.1.22)
【代理人】 【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史 (外3名)
【公開番号】 特開2003−211912(P2003−211912A)
【公開日】 平成15年7月30日(2003.7.30)
【出願番号】 特願2003−13403(P2003−13403)