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【発明の名称】 空気入りタイヤ
【発明者】 【氏名】新村 恭司
【住所又は居所】兵庫県神戸市中央区脇浜町3丁目6番9号 住友ゴム工業株式会社内

【氏名】岸本 義和
【住所又は居所】兵庫県神戸市中央区脇浜町3丁目6番9号 住友ゴム工業株式会社内

【要約】 【課題】タイヤ強度を損ねることなく乗り心地を向上しうる空気入りタイヤを提供する。

【解決手段】カーカスと、このカーカスの外側に配されたベルト層とを具えた空気入りタイヤである。ベルト層はタイヤ半径方向の最内側から順次配された第1、第2及び第3のベルトプライを少なくとも含む。タイヤ半径方向で隣り合うベルトプライは、ベルトコードが互いに交差する向きに配される。第1、第2及び第3のベルトプライにおいて、ベルトコードの傾斜角度θ1、θ2、θ3、タイヤ軸方向の巾BW1、BW2、BW3、トレッド接地幅TW、第1のベルトプライと前記第2のベルトプライとの間のベルトコード間距離d12と、前記第2のベルトプライと前記第3のベルトプライとの間のベルトコード間距離d23とを一定範囲に規制する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内部に配されたベルト層とを具えた空気入りタイヤであって、前記ベルト層は、前記カーカスに隣接して配されたタイヤ半径方向の最内側の第1のベルトプライと、その外側に配された第2のベルトプライと、この第2のベルトプライの外側に配された第3のベルトプライとを少なくとも含むとともに、タイヤ半径方向で隣接する前記各ベルトプライは、ベルトコードが互いに交差する向きに配されるとともに、前記第1、第2及び3のベルトプライのタイヤ赤道に対するベルトコードの傾斜角度θ1、θ2及びθ3、該第1、第2及び3のベルトプライのそれぞれのタイヤ軸方向の巾BW1、BW2及びBW3、トレッド接地幅TW、前記第1のベルトプライと前記第2のベルトプライとの間のベルトコード間距離d12、及び前記第2のベルトプライと前記第3のベルトプライとの間のベルトコード間距離23が下式を満足することを特徴とする空気入りタイヤ。
15゜<θ1<21゜15゜<θ2<21゜47゜<θ3<53゜0.80<BW2/TW<0.95BW1>BW2>BW30.15mm<d12<0.40mm0.35mm<d23<0.85mm【請求項2】前記ベルト層は、前記第3のベルトプライの外側に配される第4のベルトプライを含むとともに、該第4のベルトプライのタイヤ赤道に対するベルトコードの傾斜角度θ4、該第4のベルトプライのタイヤ軸方向の巾BW4、及び該第4のベルトプライと前記第3のベルトプライとの間のベルトコード間距離d34が下式を満足することを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
15゜<θ4<21゜BW3>BW40.15mm<d34<0.40mm【請求項3】下式を満足することを特徴とする請求項2記載の空気入りタイヤ。
d12<d23d34<d23
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤ強度を損ねることなく乗り心地を向上しうる空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、小型トラック用タイヤや重荷重用タイヤにあっては、図6に示すように、ラジアル構造のカーカスaと、このカーカスaのタイヤ半径方向外側に順次配された例えば第1ないし第4のベルトプライb1、b2、b3及びb4からなるベルト層bとを有した構造が一般に採用されている。また図7には、前記ベルト層bの展開図を示しており、前記第1ないし第4のベルトプライには、一般にスチールからなるベルトコードcをタイヤ赤道Cに対して、概ね次のような角度で配列している。
47゜<θ1<70゜15゜<θ2<21゜15゜<θ3<21゜15゜<θ4<21゜【0003】また従来では、タイヤ半径方向内側から2枚のベルトプライ、即ち第1のベルトプライb1と第2のベルトプライb2とは、ベルトコードcが互いに同じ向きに傾けられており、他方、第3のベルトプライb3のベルトコードcは、第2のベルトプライb2のベルトコードとは交差する向きに傾く。さらに第4のベルトプライb4のベルトコードcは、第3のベルトプライb3のベルトコードcと同じ向きに傾けられている。
【0004】さらにこの種の従来のタイヤでは、第1ないし第4のベルトプライの巾BW1、BW2、BW3及びBW4は、概ね次のような関係を満たしている。
BW2>BW3>BW1>BW4【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に、この種の3枚以上のベルトプライからなるベルト層を具えたタイヤでは、路面の突起を包み込んでその衝撃を緩和するエンベロープ効果に劣り、乗り心地が悪いという問題がある。エンベロープ効果を高めるためには、ベルトコードに線径の小さなスチールコードを用いることが効果的であるが、このような改善策ではタイヤの強度が低下するという問題がある。
【0006】本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、ベルト層を構成するベルトプライの巾、ベルトコード角度、さらにはベルトプライ間のコード間距離などを一定範囲に限定することを基本として、乗り心地を向上しつつタイヤ強度の低下を防止しうる空気入りタイヤ、とりわけ重荷重用の空気入りタイヤを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部のビードコアに至るカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内部に配されたベルト層とを具えた空気入りタイヤであって、前記ベルト層は、前記カーカスに隣接して配されたタイヤ半径方向の最内側の第1のベルトプライと、その外側に配された第2のベルトプライと、この第2のベルトプライの外側に配された第3のベルトプライとを少なくとも含むとともに、タイヤ半径方向で隣接する前記各ベルトプライは、ベルトコードが互いに交差する向きに配されるとともに、前記第1、第2及び3のベルトプライのタイヤ赤道に対するベルトコードの傾斜角度θ1、θ2及びθ3、該第1、第2及び3のベルトプライのそれぞれのタイヤ軸方向の巾BW1、BW2及びBW3、トレッド接地巾TW、前記第1のベルトプライと前記第2のベルトプライとの間のベルトコード間距離d12、及び前記第2のベルトプライと前記第3のベルトプライとの間のベルトコード間距離23が下式を満足することを特徴としている。
15゜<θ1<21゜15゜<θ2<21゜47゜<θ3<53゜0.80<BW2/TW<0.95BW1>BW2>BW30.15mm<d12<0.40mm0.35mm<d23<0.85mm【0008】ここで、「トレッド接地巾」とはタイヤを正規リムにリム組しかつ正規内圧を充填するととともに正規荷重を付加して平面に接地させたときのトレッド接地端間のタイヤ軸方向の距離とする。また「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"とする。また、「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS ATVARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とするが、タイヤが乗用車用である場合には180KPaとする。さらに「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY"とする。
【0009】また請求項2記載の発明は、前記ベルト層は、前記第3のベルトプライの外側に配される第4のベルトプライを含むとともに、該第4のベルトプライのタイヤ赤道に対するベルトコードの傾斜角度θ4、該第4のベルトプライのタイヤ軸方向の巾BW4、及び該第4のベルトプライと前記第3のベルトプライとの間のベルトコード間距離d34が下式を満足することを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤである。
15゜<θ4<21゜BW3>BW40.15mm<d34<0.40mm【0010】また請求項3記載の発明は、下式を満足することを特徴とする請求項2記載の空気入りタイヤである。d12<d23d34<d23【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。図1は、本発明の実施形態としてトラック、バスなどに使用されるチューブレスタイプの重荷重用の空気入りタイヤの断面図、図2はそのトレッド部の拡大断面図、図3はそのベルト層を展開した展開略図を示している。
【0012】図において、空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)1は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5の回りでタイヤ軸方向内側から外側へ折り返されたカーカスプライ6Aからなるカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内方に配されたベルト層7とを具えている。
【0013】前記カーカスプライ6Aは、カーカスコードをタイヤ赤道Cに対して例えば75〜90°の角度範囲で配列したラジアル構造をなしている。カーカスコードとしては、好ましくは、スチールコードであるが、必要に応じてナイロン、レーヨン、ポリエステル、芳香族ポリアミド等の有機繊維コードをも使用できる。本例のカーカス6は、スチールコードをタイヤ赤道Cに対して略90°の角度で傾けた1枚ののカーカスプライ6Aにより構成されている。なおカーカス6の内面には、タイヤ内腔面をなすインナーライナゴムが設けられタイヤ内腔を気密に保持する。
【0014】前記ベルト層7は、本例では前記カーカス6に隣接して配されたタイヤ半径方向の最内側の第1のベルトプライ7Aと、その外側に配された第2のベルトプライ7Bと、この第2のベルトプライ7Bの外側に配された第3のベルトプライ7Cと、この第3のベルトプライ7Cの外側に配された第4のベルトプライ7Dとの4枚で構成されたものを例示している。各ベルトプライ7Aないし7Dには、図4にその断面を拡大して示すように、本例ではいずれも同一線径のスチールコードからなるベルトコード10が採用されるとともに、該ベルトコード10をトッピングゴム11で被覆したシート状のプライからなる。
【0015】また図3に示すように、第1のベルトプライ7Aと第3のベルトプライ7Cとは、ベルトコード10が本例では左上がりに傾き、第2のベルトプライ7Bと第4のベルトプライ7Dとは、ベルトコード10が本例では右上がりで傾斜している。これにより、タイヤ半径方向で隣接する各ベルトプライ7Aないし7Dは、ベルトコードが互いに交差する向きに順次重ね合わされて配されている。
【0016】図7に示した従来のベルト層bのベルトコードは、図においてタイヤ半径方向内側から右上がり、右上がり、左上がり、左上がりで傾斜している。このように、同方向に傾くベルトプライが重ねられたベルト層では、柔軟に局部的な変形をなし得ず突起吸収効果が得られ難い。しかもハンドルを切っていないにも拘わらずタイヤに横力(ラテラルフォース)が発生するいわゆるプライステアが生じ操縦安定性を悪化させ易い。
【0017】これに対して、本発明のタイヤ1では、ベルト層7が、前述の如くタイヤ半径方向で隣接する4枚の各ベルトプライ7Aないし7Dを、ベルトコード10が互いに交差する向きに重ね合わせている。このようなベルト層7は、路面上の突起を乗り越える際に、各ベルトコード10が突起を包み込むようにしてパンタグラフ状に柔軟に変形することができ、ひいては高周波振動の吸収効果を高め、乗り心地を向上することができる。また、ベルトコード10の交差部分を多数、本例では3カ所設けることによって、突起吸収緩和能力を確保しつつベルト層7の全体の強度(プランジャー強度)を高めることができる。しかもこのようなベルト層7は、上述のようなプライステアを減じハンドル取られを防ぐなど操縦安定性をも改善することができる。
【0018】また本発明のタイヤ1は、第1、第2、3及び第4のベルトプライ7A、7B、7C及び7Dのタイヤ赤道Cに対するベルトコード10の傾斜角度θ1、θ2、θ3及びθ4と、第1、第2、第3及び第4のベルトプライ7A、7B、7C及び7Dのそれぞれのタイヤ軸方向の巾BW1、BW2、BW3及びBW4とが下式を満足する。なお、前記角度θ1ないし4は、タイヤ赤道Cの位置で測定するものとし、符号TWはトレッド接地幅である。またベルトプライの巾は、正規リムに装着して正規内圧を充填した無負荷状態のものとする。
15゜<θ1<21゜15゜<θ2<21゜47゜<θ3<53゜15゜<θ4<21゜0.80<BW2/TW<0.95BW1>BW2>BW3>BW4【0019】本発明のタイヤ1は、前記カーカス6に隣接して配されたタイヤ半径方向最内側の第1のベルトプライ7Aのベルトコード10が、図7に示した従来のもに比して著しく小さい角度θ1で傾けて配列され、しかも最も広い巾BW1で形成される。発明者らの種々の実験の結果、カーカス6を直に締め付ける第1のベルトプライ7Aのコード角度θ1とプライの巾BW1とをこのように限定すると、ベルト層7によるトレッド補強効果を高め、タイヤ強度を向上させる。同様に第2のベルトプライ7Bと、第4のベルトプライ7Dとにおいても、ベルトコード10の角度θ2、θ4を15゜よりも大かつ21゜よりも小に限定すると、タガ効果をさらに高めトレッド部2の膨張を抑制することができる。
【0020】またベルト層7は、第3のベルトプライ7Bのベルトコード10が、第1、第2及び第4のベルトプライ7A、7B及び7Dのベルトコード10に比してより大きな角度θ2、具体的には47゜よりも大かつ53゜よりも小に設定される。このような角度の大きいベルトコード10を具える第3のベルトプライ7Cは、タイヤ強度を損ねることなしにベルト層7への突起包み込み能力を高めるのに役立つ。即ち、該第3のベルトプライ7Bの前記角度θ2が47゜以下の場合、突起包み込み能力が低下し易く、逆に53゜以上になると、ベルト層7の剛性を低下させ易く耐久性の悪化を招き易くなる。
【0021】またベルト層7は、タイヤ半径方向の最内側の第1のベルトプライ7Aの巾BW1が最も大で形成され、その外側に配されるベルトプライについては、巾を順次減少させている。このようなベルト層7は、例えば図5(A)、(B)に示すように、タイヤを更生する際に好適となる。この種のタイヤは、トレッドゴムGが摩耗した際には更生して再利用することが行われている。更生に際しては、ベルト層7のタイヤ半径方向外側のトレッドゴムGを切除し、新たなトレッドゴムを貼り付けする。
【0022】このとき、本実施形態のタイヤ1では、図5(A)のように、各ベルトプライの外端部7Ae、7Be、7Ce及び7Deをいずれも目視によって確認することができる。この各外端部では、比較的ルースなどの損傷が生じていることが多いが、本実施形態では、更生が可能であるか否かの判断が目視にて容易に行える。これに対して、図5(B)に示すように、従来のタイヤではタイヤ半径方向最内側のベルトプライb1の外端部b1eが、その外側のベルトプライb2によって覆われてしまうため、前記ベルトプライb1の外端部b1eの状態を確認できない。従って、X線やCTスキャンなどを用いて前記外端部b1eを検査しないと十分な検討ができず、更生作業を複雑化する。また測定器を用いた検査も目視に比べると十分ではなく、更生後にタイヤが早期に破壊してしまうといった事態を招くおそれもある。
【0023】またベルト層7は、第2のベルトプライ7Bのタイヤ軸方向の巾BW2が、トレッド接地巾TWの0.80倍よりも大かつ0.95倍よりも小に設定される。前記第2のベルトプライ7Bの巾BW2が、トレッド接地巾TWの0.80倍以下であると、第1のベルトプライ7Aの両端部での歪が大きくなり、そのベルトコードとトッピングゴムとの界面で剥離が生じ易いという傾向があり、逆に0.95倍以上になると、ベルト層7の巾が大となり、トレッドゴムとサイドウォールゴムとの接着部fが小となり、トレッドゴムが剥離し易くなるため好ましくない。
【0024】また第1のベルトプライ7Aは、この第2のベルトプライよりも巾広で形成される。第1、第2のベルトプライ7A、7Bの巾の差(BW1−BW2)は、例えば5〜15mm、より好ましくは8〜10mmとするのが望ましい。この差(BW1−BW2)が15mmよりも大になると、第1のベルトプライ7Aの外端部7Aeがバットレス面などに近接して損傷を招きやすくなり、逆に5mm未満になると、第1のベルトプライ7Aと第2のベルトプライ7Bとの外端部7Ae、7Beが近接してその部分に歪が集中しやすくなるため好ましくない。また同様の観点より、第2のベルトプライ7Bと第3のベルトプライ7Cとの巾の差(BW2−BW3)は、例えば2〜10mm、より好ましくは5〜8mmとするのが望ましい。なお第4のベルトプライ7Dは、その巾BW4が比較的小巾で形成される。これは、乗り心地の悪化を防止するためである。好適には、前記巾BW4を例えばトレッド接地巾TWの0.3〜0.5倍、より好ましくは0.35〜0.40倍とするのが望ましい。
【0025】また図4に示すように、第1のベルトプライ7Aと第2のベルトプライ7Bとの間のタイヤ半径方向のベルトコード間距離d12、第2のベルトプライ7Bと第3のベルトプライ7Cとの間のベルトコード間距離d23、及び第3のベルトプライ7Cと第4のベルトプライ7Dとの間のベルトコード間距離d34が下式を満たすように設定される。なお該コード間距離は、タイヤ赤道Cを中心とするトレッド接地巾TWの50%の領域で満たすものとする。
0.15mm<d12<0.40mm0.35mm<d23<0.85mm0.15mm<d34<0.40mm【0026】前記ベルトコード間距離d12及びd34が、0.15mm以下の場合、ベルトコード10、10間のゴム厚さが小となるため、ベルトプライ間に生じるせん断力を効果的に緩和しえない。従って、プライ間ルースが生じやすくなる。逆に0.40mm以上になると、コード間のゴム厚さが大となり、タイヤ強度の低下を招きやすくなる他、操縦安定性が悪化するなど好ましくない。このような観点より、特に好ましくは、コード間距離d12及びd34を、0.2mm以上かつ0.3mm以下とするのが望ましい。
【0027】また第2のベルトプライ7Bと第3のベルトプライ7Cとの間のベルトコード間距離d23は、0.35mmよりも大かつ0.85mmよりも小で定められるが、より好適には前記コード間距離d12及びd34よりも大に設定する。本実施形態では、第2のベルトプライ7Bと、第3のベルトプライ7Cとの間には、小厚さのインスレーションゴム13を介在させることによって、コード間距離d23を大きく設定したものを示す。ただし、これに限定されることなく、例えばトッピングゴム11の厚さを違えること等により調節することもできる。
【0028】第2のベルトプライ7Bと第3のベルトプライ7Cとのベルトコードの角度差(θ3−θ2)は、第1のベルトプライ7Aと第2のベルトプライ7Bとのベルトコードの角度差(θ2−θ1)よりも大となるため、該プライ7B、7C間に歪が集中し易い。そこで、本実施形態のように、ベルトコード間距離d23を大とすることによって、前記歪を効果的に緩和しうる。
【0029】また本実施形態のタイヤでは、第1、第2、第3及び第4のベルトプライ7A〜7Dのエンズ(プライ巾5cm当たりのベルトコード10の打ち込み本数)e1、e2、e3及びe4は、例えば15〜30(本/5cm)、より好ましくは20〜30(本/5cm)に設定することが望ましい。該エンズが15(本/5cm)未満になると、タイヤ強度の低下が生じやすく、逆に30(本/5cm)を超えると乗り心地が悪化するためである。特に好ましくは、第3のベルトプライ7Cのエンズe3を最も小さく設定する。これにより、軽量化と突起包み込み性能とをバランス良く向上しうる。
【0030】
【実施例】タイヤサイズが11R22.5の重荷重用ラジアルタイヤを表1の仕様に基づき試作し、乗り心地、タイヤ強度及び操縦安定性についてテストを行った。テスト方法は次の通りである。
【0031】<乗り心地・操縦安定性>供試タイヤをリム(7.50×22.5)にリム組みし、内圧800kPaを充填するとともに、2−Dトラックの全輪に装着してドライバーの官能による評点で評価を行った。標準的レベルを6点とし、やや向上したものを6.5点、明らかな向上が見られるものは7点とした。
【0032】<タイヤ強度>試供タイヤをリム(8.25×22.5)にリム組みし、内圧700kPaを充填した条件の下で、JIS D4230に準じたプランジャー破壊試験を行った(プランジャー径38mm、押し込み速度50.0m/s )。その時の破壊エネルギーを、従来例を100とした指数で比較した。数値が大きいほど良好である。テストの結果を表1に示す。
【0033】
【表1】


【0034】テストの結果、実施例のタイヤは、従来例に比べてタイヤ強度を低下させることなく乗り心地を向上していることが確認できる。また従来例から、タイヤ半径方向に重なる各ベルトプライにおいて、ベルトコードを互いに交差する向きに改善した比較例1では、やや乗り心地と耐久性とが向上しているがいまだ十分ではない。また最も幅広のベルトプライを第3のベルトプライに用いた比較例2では、タイヤ強度の低下がさら低下していることが分かる。
【0035】
【発明の効果】上述したように、本発明では、ベルト層を構成するベルトプライの巾、ベルトコード角度、さらにはベルトプライ間のコード間距離などを一定範囲に限定することにより、タイヤ強度を低下させることなく乗り心地を向上しうる空気入りタイヤを提供しうる。
【出願人】 【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
【住所又は居所】兵庫県神戸市中央区脇浜町3丁目6番9号
【出願日】 平成14年1月24日(2002.1.24)
【代理人】 【識別番号】100082968
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 正 (外1名)
【公開番号】 特開2003−211911(P2003−211911A)
【公開日】 平成15年7月30日(2003.7.30)
【出願番号】 特願2002−15993(P2002−15993)