| 【発明の名称】 |
空気入りタイヤ |
| 【発明者】 |
【氏名】中村 英二 【住所又は居所】東京都小平市小川東町3−1−1 株式会社ブリヂストン技術センター内
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| 【要約】 |
【課題】ジョイント割れを起こさず、かつ耐低温脆化性にも優れたインナーライナー層を備える空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】液状インナーライナー組成物を、直接生タイヤ成形用剛性コア表面に塗布して形成したインナーライナー層を備える空気入りタイヤである。該液状インナーライナー組成物は、好ましくは、空気透過抵抗性の高い熱可塑性樹脂を溶媒に分散又は溶かしたもの、又はゴム成分100重量部中ハロゲン化ブチルゴム25〜100重量部とジエン系ゴム0〜20重量部とを含有するゴム組成物を有機溶媒に溶かしたものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液状インナーライナー組成物を、直接生タイヤ成形用剛性コア表面に塗布して形成したインナーライナー層を備える空気入りタイヤ。 【請求項2】 前記液状インナーライナー組成物が、空気透過抵抗性の高い熱可塑性樹脂を溶媒に分散又は溶かしたものからなることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。 【請求項3】 前記液状インナーライナー組成物が、ゴム成分100重量部中ハロゲン化ブチルゴム25〜100重量部とジエン系ゴム0〜20重量部とを含有するゴム組成物を有機溶媒に溶かしたものからなることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。 【請求項4】 前記熱可塑性樹脂が、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、及びポリビニルアルコールからなる群から選択した少なくとも一種であることを特徴とする請求項2記載の空気入りタイヤ。 【請求項5】 前記生タイヤ成形用剛性コアが、製品タイヤの内面形状とほぼ対応する外面形状を有することを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の空気入りタイヤ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、液状インナーライナー組成物の塗布により形成したインナーライナー層を備える空気入りタイヤに関する。 【0002】 【従来の技術】従来のタイヤは、成形ドラム上にインナーライナー、カーカス、ベルト、トレッド等の部材を積層して生タイヤを成形し、これをモールド内に装入し、ブラダーを用いたシェービングによって拡張変形させてモールド成形面に押圧しつつ加熱することにより加硫して製品としていた。 【0003】これに対し、最近ドラム成形の代わりに剛性コアを用いて生タイヤを成形し、該生タイヤを剛性コアと共にモールド内に入れて加硫する空気入りタイヤの製造方法が提案されている。この方法の場合、インナーライナーは、リボン状ゴム部材を剛性コアの表面に直接巻回して形成される。従って、この方法では、隣接するリボン同士の間に必ずジョイント部があるので、製品タイヤでは通常条件での走行時にジョイント部でのジョイント割れが生じるという問題があり、かつ、タイヤ内で不均一であり、部位によって透過性が異なっていた。また、こうして形成されたインナーライナーは低温時にジョイント部から脆くなり易いため、耐低温脆化性の良好な材料を使用しなければならず、インナーライナー組成物の配合の自由度が著しく狭い範囲内に限られていた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、ジョイント割れを起こさず、かつ耐低温脆化性にも優れ、タイヤ内での均一なゲージをもつインナーライナー層を備える空気入りタイヤを提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、本発明は、(1) 液状インナーライナー組成物を、直接生タイヤ成形用剛性コア表面に塗布して形成したインナーライナー層を備える空気入りタイヤである。 (2) 前記液状インナーライナー組成物が、空気透過抵抗性の高い熱可塑性樹脂を溶媒に分散又は溶かしたものからなることを特徴とする前記(1)記載の空気入りタイヤである。 (3) 前記液状インナーライナー組成物が、ゴム成分100重量部中ハロゲン化ブチルゴム25〜100重量部とジエン系ゴム0〜20重量部とを含有するゴム組成物を有機溶媒に溶かしたものからなることを特徴とする前記(1)記載の空気入りタイヤである。 【0006】(4) 前記熱可塑性樹脂が、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、及びポリビニルアルコールからなる群から選択した少なくとも一種であることを特徴とする前記(2)記載の空気入りタイヤである。 (5) 前記生タイヤ成形用剛性コアが、製品タイヤの内面形状とほぼ対応する外面形状を有することを特徴とする前記(1)から(4)の何れかに記載の空気入りタイヤである。 【0007】 【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明では、液状インナーライナー組成物を、直接生タイヤ成形用剛性コア表面に塗布してインナーライナー層を形成する。直接生タイヤ成形用剛性コア表面に塗布する都合上、インナーライナー組成物は液状である必要がある。塗布された液状インナーライナー組成物からは溶媒が気化し、インナーライナー層が形成される。こうして形成されるインナーライナー層には、剛性コア上にリボン状ゴム部材を巻回する方法とは異なりジョイント部がないので、該インナーライナー層を備える空気入りタイヤは、通常走行によりジョイント割れを起こすことがない。なお、本発明の空気入りタイヤにおいて、タイヤ内に充填する気体としては、空気、又は窒素等の不活性なガスが挙げられる。 【0008】また、剛性コア上にリボン状ゴム部材を巻回する方法では、インナーライナーのゲージの厚い部分と薄い部分とのムラが生じるが、本発明では、液状インナーライナー組成物を均一に塗布することにより、均一なゲージのインナーライナー層を実現もできる。 【0009】本発明で使用する液状インナーライナー組成物は、空気透過抵抗性の高い熱可塑性樹脂を溶媒に分散又は溶解させたものからなることが好ましい。ここで空気透過抵抗性の高い熱可塑性樹脂としては、ポリアミド系樹脂及びそれらのN-アルコキシアルキル化物、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)等を挙げることができ、これらは1種単独でも2種以上の組合せでもよい。 【0010】本発明では、上記熱可塑性樹脂を有機溶媒又は水に溶解又は分散させ、溶液又は水系エマルジョンとする。ここで使用する有機溶媒としては、ゴム揮、ヘキサン系溶媒、芳香族溶媒、炭化水素系溶媒等が挙げられる。溶媒の使用量は剛性コアに直接塗布可能な粘度になるように適宜選択される。 【0011】また、本発明で使用する液状インナーライナー組成物としては、タイヤ業界で通常使用するインナーライナー組成物、即ちゴム成分100重量部中ハロゲン化ブチルゴム25〜100重量部とジエン系ゴム0〜20重量部とを含有するゴム組成物を、有機溶媒に溶かしたものもまた好ましい。ここでジエン系ゴムとしては天然ゴム(NR)等が、ハロゲン化ブチルゴムとしては塩素化ブチルゴム(CIIR)、臭素化ブチルゴム(BIIR)が挙げられる。上記のゴム組成物にはゴム成分の他、カーボンブラック、炭酸カルシウム、クレー、樹脂等を適宜配合することが可能である。これらゴム組成物の濃度に関しては、有機溶媒に溶かした場合に、剛性コアに直接塗布可能な粘度であればよい。ここで使用する有機溶媒としては、ゴム揮(石油系溶剤)等が挙げられる。なお、上記のゴム組成物を有機溶媒に溶かした液状インナーライナー組成物は、セメント状を呈する。 【0012】本発明で使用する生タイヤ成形用剛性コアは、製品タイヤの内面形状とほぼ対応する外面形状を有する。本発明では、前述の液状インナーライナー組成物を該剛性コアの外表面上に直接塗布して均一なインナーライナー層を形成する。 【0013】本発明では、上記の通り、従来のインナーライナー組成物を有機溶媒に溶かし液状にしたものの他、空気透過抵抗性の高い熱可塑性樹脂を溶媒に分散又は溶解させた種々の液状インナーライナー組成物を使用することができるので、空気透過抵抗性が高くかつ低温でも脆くなり難いブチルゴム等に限定されていた従来の配合系に比べて、配合の自由度が大きく増す。また、塗布のため、ゲージを大幅に薄くできる。 【0014】 【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によりその範囲を限定されるものではない。 【0015】比較例1表1の配合からなるリボン状インナーラーナー部材を成形し、剛性コア上に巻回してインナーライナー層を形成し、このインナーライナー層を備えるタイヤを製造した。このタイヤに対し、インナーライナーのゲージのMAX-MIN(mm)測定、限界最小ゲージ(mm)測定、ジョイント割れの有無、低温時のドラム割れの有無、及び3ヶ月放置後のエア保持率(%)を測定した。結果を表2に示す。 【0016】実施例1〜4表1の配合からなる液状インナーラーナー組成物を調製し、剛性コア上に直接塗布して、インナーライナー層を形成した。次に、このインナーライナー層を備える空気入りタイヤを製造し、比較例1と同じ試験を行った。結果を表2に示す。なお、比較例1及び実施例1〜4のタイヤは、205/65R15のタイヤサイズを有する。 【0017】 【表1】
【0018】 【表2】
【0019】比較例1の空気入りタイヤに比べ、実施例1〜4の空気入りタイヤは、インナーライナーのゲージが均一であり、限界最小ゲージが小さいためインナーライナーのゲージ厚を薄くすることができる。また、ジョイントレスであるため通常走行後もジョイント割れがなかった。更に、低温走行後のドラム割れがなく耐低温脆化性に優れ、その上エア保持性も高いことが分かった。エア保持性については、空気透過抵抗性の高い熱可塑性樹脂を溶媒に分散又は溶かしたものからなるインナーライナー層を備えるタイヤ(実施例2〜3)が、特に優れていることが分かった。 【0020】 【発明の効果】本発明によれば、液状インナーライナー組成物を生タイヤ成形用剛性コアに直接塗布・成形・加硫することによって、ジョイント部のない均一なゲージのインナーライナー層を備える空気入りタイヤが得られ、エア保持性の向上、ジョイント割れの防止、耐低温脆化性の向上を実現した空気入りタイヤを提供可能となる。また、本発明によれば、均一で薄いゲージのインナーライナー層の形成が可能なためタイヤの軽量化も実現できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005278 【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン 【住所又は居所】東京都中央区京橋1丁目10番1号
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| 【出願日】 |
平成14年1月24日(2002.1.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072051 【弁理士】 【氏名又は名称】杉村 興作
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| 【公開番号】 |
特開2003−211910(P2003−211910A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月30日(2003.7.30) |
| 【出願番号】 |
特願2002−15730(P2002−15730) |
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