| 【発明の名称】 |
タイヤ用滑止具 |
| 【発明者】 |
【氏名】大音 学
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| 【要約】 |
【課題】タイヤ外周に巻回可能な帯状をした非金属製の滑止具本体と、この滑止具本体の幅方向内側に沿接保持される非伸縮性の内側緊締索と、滑止具本体をタイヤ外周へ巻回させたときにこの滑止具本体の幅方向外側をタイヤ中心側へ向けて引き寄せるべく設けられる外側緊締装置とを有したタイヤ用滑止具では、滑止具本体に対し、その幅方向内側の長手方向複数箇所に内側緊締索を掛止するための内側掛止部が設けられ、またその幅方向外側の長手方向複数箇所に外側緊締装置を掛止するための外側掛止部が設けられている。このうち、内側掛止部が張力の不均衡を原因として破損や切断しやすいということがあった。
【解決手段】滑止具本体2において、内側掛止部10の断面積を、外側掛止部13の断面積よりも大きくした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 タイヤ外周に巻回可能な帯状をした非金属製の滑止具本体(2)と、この滑止具本体(2)の幅方向内側に沿接保持される非伸縮性の内側緊締索(3)と、滑止具本体(2)をタイヤ外周へ巻回させたときにこの滑止具本体(2)の幅方向外側をタイヤ中心側へ向けて引き寄せるべく設けられる外側緊締装置(4)とを有し、上記滑止具本体(2)には、その幅方向内側の長手方向複数箇所に内側緊締索(3)を掛止する内側掛止部(10)が設けられていると共に、その幅方向外側の長手方向複数箇所に外側緊締装置(4)を掛止する外側掛止部(13)が設けられているタイヤ用滑止具において、上記滑止具本体(2)の内側掛止部(10)の断面積が外側掛止部(13)の断面積よりも大きく形成されていることを特徴とするタイヤ用滑止具。 【請求項2】 前記内側掛止部(10)の断面積は、外側掛止部(13)の断面積の1.2倍以上1.5倍以内とされていることを特徴とする請求項1記載のタイヤ用滑止具。 【請求項3】 タイヤ外周に巻回可能な帯状をした非金属製の滑止具本体(2)と、この滑止具本体(2)の幅方向内側に沿接保持される非伸縮性の内側緊締索(3)と、滑止具本体(2)をタイヤ外周へ巻回させたときにこの滑止具本体(2)の幅方向外側をタイヤ中心側へ向けて引き寄せるべく設けられる外側緊締装置(4)とを有し、上記滑止具本体(2)は編み目構造又はラダー構造とされていると共に、タイヤ外周への巻回時に当該滑止具本体(2)自体を輪状に連結するうえで継ぎ目となる部分に対してタイヤのトレッド面を幅方向へ横断する向きの端部補強帯(50〜53)が設けられているタイヤ用滑止具において、上記滑止具本体(2)の端部補強帯(50〜53)に直接に繋がる編み目又はラダーの構成要素部(55〜58)における断面積が、上記端部補強帯(50〜53)とは直接の連携関係にない編み目又はラダーの構成要素部(61,62)の断面積よりも大きく形成されていることを特徴とするタイヤ用滑止具。 【請求項4】 前記端部補強帯(50〜53)に直接に繋がる編み目又はラダーの構成要素部(55〜58)における断面積は、上記端部補強帯(50〜53)とは直接の連携関係にない編み目又はラダーの構成要素部(61,62)における断面積の1.1倍以上1.6倍以内とされていることを特徴とする請求項3記載のタイヤ用滑止具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自動車が氷雪路面上などでスリップするのを防止するために用いるタイヤ用滑止具に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近時、タイヤ用滑止具としては、タイヤ外周に巻回可能な帯状をした非金属製の滑止具本体を具備し、この滑止具本体の幅方向内側に内側緊締索が沿接保持され、また滑止具本体をタイヤ外周へ巻回させたときにはこの滑止具本体の幅方向外側に対してこれをタイヤ中心側へ向けて引き寄せるためのゴムリング等の外側緊締装置を付設させるものが各種、提案されるところとなっている。滑止具本体は、芯材コードを編み目構造やラダー構造に沿った配置にさせてこれにゴム被覆し、加硫させたものとなっているのが普通である。 【0003】この滑止具本体には、その幅方向内側の長手方向複数箇所に対し、上記の内側緊締索を掛止するために内側掛止部が設けられ、また幅方向外側の長手方向複数箇所に対し、上記の外側緊締装置を掛止するために外側掛止部が設けられている。また滑止具本体の長手方向両端部など、この滑止具本体をタイヤ外周へ巻回したときに、これ自体を輪状に連結するうえで継ぎ目となる部分には、端部補強帯が設けられている。内側掛止部や外側掛止部は、滑止具本体の幅方向両端寄りに位置する編み目状又はラダー状の開口部をやや大きめにして、その輪郭を成しているリブ部分で形成するものとなっている。勿論、このリブ部の内部には芯材コードが埋設されている。 【0004】また端部補強帯は、タイヤのトレッド面を幅方向へ横断する向きに設けられている。なお、この滑止具本体には、例えばタイヤ周方向に沿って並設される複数のネット構成片を有した分割式のもの等がある(例えば特開平7−266816号公報など参照)。そして、このような分割式では、上記した端部補強帯は滑止具本体の長手方向両端部だけでなく、全ての分割部分にも設けられていることになる。 【0005】この種のタイヤ用滑止具をタイヤへ装着するには、内側緊締索をタイヤの幅方向内側へ向けるようにしつつ上記した分割式であればネット構成片相互間に形成された開口部をタイヤの接地部に嵌め入れ、この滑止具本体をタイヤまわりに巻回させ、内側緊締索と滑止具本体とを輪状に連結したうえで(その他諸々の詳細は省略)、滑止具本体の幅方向外側に外側緊締装置を取り付けて、この外側緊締装置により、滑止具本体全体をタイヤまわりへ強く被着させるようにする。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上記したように内側緊締索は非伸縮性である。これに対し、外側緊締装置に使用されるゴムリングなどには伸縮性がある。そのため、このタイヤ用滑止具をタイヤへ装着して走行した場合、滑止具本体に作用する強い遠心力によって外側掛止部よりも内側掛止部の方に対して強い張力が作用することになる。そのため、内側掛止部は頻繁に、そして強くタイヤのショルダー部や路面に対してこすりつけられるということがあり、これに伴って摩耗が著しくなり、その結果、内部の芯コードが内側掛止部の外面側に露呈乃至突出するということがあった。 【0007】この状態のまま走行を続ければ、芯コードが内側掛止部と内側緊締索とを連結している取付具に当接して、遂には、芯コードだけでなく内側掛止部としての切断に至ることは必定である。すなわち、このことがタイヤ用滑止具としての耐久性(寿命)を長期化するうえでネックとなっていた。一方、滑止具本体に設けられた端部補強帯は、編み目又はラダーの構成要素部(リブ状部分)に比べて幅広化等されることによって補強されているが、走行時の遠心力によってこの端部補強帯が路面に叩きつけられるような状態が続くと、この端部補強帯に直接に繋がる編み目又はラダーの構成要素部が繰り返して折り曲げ状の負荷を受けることになる。 【0008】そのため、これに伴って端部補強帯に直接に繋がる編み目又はラダーの構成要素部でも摩耗が著しくなり、その結果、内部の芯コードが外面側に露呈乃至突出するということがあった。従って上記と同様に、この状態のまま走行を続ければ芯コードが路面に当接して、遂には、芯コードだけでなく滑止具本体としての部分的切断に至ることは必定である。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、内側掛止部や、端部補強帯に直接に繋がる編み目又はラダーの構成要素部について、それらの破損や切断を防止して耐久性(寿命)の長期化を図ることができるようにしたタイヤ用滑止具を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。即ち、本発明に係るタイヤ用滑止具は、タイヤ外周に巻回可能な帯状をした非金属製の滑止具本体と、この滑止具本体の幅方向内側に沿接保持される非伸縮性の内側緊締索と、滑止具本体をタイヤ外周へ巻回させたときにこの滑止具本体の幅方向外側をタイヤ中心側へ向けて引き寄せるべく設けられる外側緊締装置とを有したものである。 【0010】また滑止具本体には、その幅方向内側の長手方向複数箇所に内側緊締索を掛止する内側掛止部が設けられていると共に、その幅方向外側の長手方向複数箇所に外側緊締装置を掛止する外側掛止部が設けられたものである。そして、滑止具本体において、内側掛止部の断面積が、外側掛止部の断面積よりも大きく形成されている。このように内側掛止部が外側掛止部を基準としてそれより太く形成されていることに伴い、この内側掛止部は張力に対する耐力が高くなり、また摩耗に対しての耐久性も高くなる。これらのことから、この内側掛止部において内部の芯コードが露呈乃至突出することが防止される。 【0011】従って、この芯コードが、内側掛止部と内側緊締索とを連結している取付具に当接することもなくなるから、その結果、芯コードも、また内側掛止部自体も破損や切断が生じにくくなり、これを原因としてのタイヤ用滑止具の耐久性(寿命)限界を長期化させることができるものである。内側掛止部の断面積は、外側掛止部の断面積の1.2倍以上1.5倍以内とするのが好ましい。すなわち、1.2倍より小さい場合は、この内側掛止部に張力が加わったときにその内部での芯コードの動きを抑制する作用が小さくなり、その結果、芯コードが内側掛止部の外面側に露呈乃至突出するのを防止する作用を期待するほど得られなくなる。 【0012】また1.5倍を超える場合は、この内側掛止部において剛性が過度に高くなり、その結果、このタイヤ用滑止具をタイヤへ装着するに際して、滑止具本体をタイヤ外周へ巻回させる作業が困難になるおそれがある。なお、内側掛止部は、外側掛止部よりも断面形状を幅広化したり、或いは高背化したりするによって断面積の増大を図ることができる。一方、本発明に係るタイヤ用滑止具として、滑止具本体が編み目構造又はラダー構造とされていると共に、タイヤ外周への巻回時に当該滑止具本体自体を輪状に連結するうえで継ぎ目となる部分に対してタイヤのトレッド面を幅方向へ横断する向きの端部補強帯が設けられているものにあっては、上記滑止具本体の端部補強帯に直接に繋がる編み目又はラダーの構成要素部における断面積が、上記端部補強帯とは直接の連携関係にない編み目又はラダーの構成要素部の断面積よりも大きく形成されているものとすることができる。 【0013】このように端部補強帯に直接に繋がる編み目又はラダーの構成要素部が、端部補強帯とは直接の連携関係にない編み目又はラダーの構成要素部を基準としてそれより太く形成されていることに伴い、この前者は摩耗に対しての耐久性が高くなることから、この部分において内部の芯コードが露呈乃至突出することが防止される。従って、この芯コードも、また端部補強帯に直接に繋がる編み目又はラダーの構成要素部も、破損や切断が生じにくくなり、これを原因としてのタイヤ用滑止具の耐久性(寿命)限界を長期化させることができるものである。 【0014】端部補強帯に直接に繋がる編み目又はラダーの構成要素部における断面積は、端部補強帯とは直接の連携関係にない編み目又はラダーの構成要素部の断面積の1.1倍以上1.6倍以内とするのが好ましい。すなわち、1.1倍より小さい場合は、端部補強帯に直接に繋がる編み目又はラダーの構成要素部の内部での芯コードの動きを抑制する作用が小さくなり、その結果、芯コードが外面側に露呈乃至突出するのを防止する作用を期待するほど得られなくなる。 【0015】また1.6倍を超える場合は、端部補強帯に直接に繋がる編み目又はラダーの構成要素部において剛性が過度に高くなり、その結果、滑止具本体がタイヤ外周部にフィットし難くなるため、走行振動や騒音に繋がるおそれがある。 【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。図1乃至図6は、本発明に係るタイヤ用滑止具1の第1実施形態を示している。図2に示すように、この第1実施形態のタイヤ用滑止具1は、タイヤ外周に巻回可能な帯状をした滑止具本体2と、この滑止具本体2の幅方向内側に沿接保持される非伸縮性の内側緊締索3と、滑止具本体2をタイヤ外周へ巻回させたときにこの滑止具本体2の幅方向外側をタイヤ中心側へ向けて引き寄せるべく設けられる外側緊締装置4とを有している。 【0017】なお、本第1実施形態で例示したタイヤ用滑止具1は、滑止具本体2が分割式とされたものである。すなわち、この滑止具本体2は、タイヤの周方向に沿って並設される2枚のネット構成片2A,2Bを有したものとなっており、これら両ネット構成片2A,2Bは上記内側緊締索3を介して互いに連結され、またこれら両ネット構成片2A,2Bの相互間に開口部6が形成されたものとなっている。この開口部6は、タイヤの接地部を逃げれるようにその前後方向長さと略同等の開口長さに形成されている。 【0018】滑止具本体2において、両ネット構成片2A,2Bは、いずれもそれらの全長にわたって編み目構造やラダー構造(図例は編み目構造)に形成されたもので、図3に示すように、その編み目部分(又はラダー部分)の形状に沿って全領域に芯材コード7が配置され、この芯コード7の外表面が合成ゴムや生ゴム、又はシリコン等の軟質系樹脂材より成る非金属材8によって被覆形成されている。この芯コード7には、例えばポリエステル糸やナイロン糸、スチールコード、ワイヤコード、カーボン製線材等の可撓性のある紐状材が使用されている。 【0019】滑止具本体2の幅方向内側には、その長手方向に沿って互いに所定間隔をおいた複数箇所に、内側緊締索3を掛止するための内側掛止部10が設けられている。これら内側掛止部10は、滑止具本体2の幅方向内側端寄りに位置する編み目をやや大きめにして、その輪郭を成しているリブ部分で形成したものである。そして、この内側掛止部10には、金属製又は樹脂製の取付具11が取り付けられるようになっており、この取付具11を介して上記内側緊締索3が沿接保持されている。 【0020】またこの滑止具本体2の幅方向外側には、その長手方向に沿って互いに所定間隔をおいた複数箇所に、外側緊締装置4を掛止するための外側掛止部13が設けられている。これら外側掛止部13についても上記内側掛止部10と同様に、滑止具本体2の幅方向外側端寄りに位置する編み目をやや大きめにして、その輪郭を成しているリブ部分で形成したものである。この外側掛止部13には、金属製又は樹脂製の取付具14が取り付けられるようになっている。この取付具14を介して上記外側緊締装置4が取り付けられる。 【0021】図1に示すように、上記した内側掛止部10は、その断面積が、外側掛止部13の断面積(比較しやすいようにこの外側掛止部13を図1中に二点鎖線で示した)よりも大きくなるように形成されている。この断面積の増大化は、内側掛止部10の断面形状についてその幅寸法Dを、外側掛止部13の幅寸法dよりも幅広化させることによって実現してある。このように内側掛止部10が外側掛止部13を基準としてそれより太く形成されていることに伴い、この内側掛止部13は張力に対して耐力が高くなり、また摩耗に対しての耐久性も高くなる。これらのことから、この内側掛止部10において内部の芯コード7が露呈乃至突出することが防止される。 【0022】従って、この芯コード7が、内側掛止部10と内側緊締索3とを連結している取付具11に当接することもなくなるから、その結果、芯コード7も、また内側掛止部10自体も破損や切断が生じにくくなり、これを原因としてのタイヤ用滑止具1の耐久性(寿命)限界を長期化させることができるものである。内側掛止部10の断面積を、外側掛止部13の断面積より大きくする程度としては、1.2倍以上1.5倍以内とするのが好ましい。すなわち、内側掛止部10の断面積が外側掛止部13の断面積の1.2倍より小さいと、この内側掛止部10に張力が加わったときにその内部での芯コード7の動きを抑制する作用が小さくなり、その結果、芯コード7が内側掛止部10の外面側に露呈乃至突出するのを防止する作用を期待するほど得られなくなる。 【0023】また、内側掛止部10の断面積が外側掛止部13の断面積の1.5倍を超えると、この内側掛止部10において剛性が過度に高くなり、その結果、このタイヤ用滑止具1をタイヤへ装着するに際して、滑止具本体2をタイヤ外周へ巻回させる作業が困難になるおそれがある。一方、上記した内側緊締索3は非伸長ロープ等で形成され、その両端部には互いの接合・離脱を可能とするフック15とフック掛け部16とが設けられている。 【0024】また外側緊締装置4は、ゴムリングを使用することも可能であるが、図1では、輪状にした非伸縮ロープ20の両端側をバックル部材21へ挿通させて、このバックル部材21から非伸縮ロープ20の各端部20a,20bをそれぞれ引き出させ、そのうえで、これら非伸縮ロープ20の各端部20a,20b間を伸縮バンド22で接続させたものを使用する場合を示している。バックル部材21は、非伸縮ロープ20をそれらの各端部20a,20bの引き出し方向へは移動自在とするが逆向きには移動させない構造となった公知のものである。 【0025】また、滑止具本体2が分割式とされている関係上、両ネット構成片2A,2B間の開口6を連結させるために、両腕様に一対のフック杆25を両側方へ延び出させた状態で有する締め付けリンク26を使用するものとしている。次に、図5及び図6に基づいて、上記構成のタイヤ用滑止具1をタイヤ30へ装着する作業を簡単に説明する。まず、図5に示すように、タイヤ用滑止具1をタイヤ30の幅方向内側(車両下側)に通し、タイヤ30の接地部に滑止具本体2の開口部6を対応させたうえで、内側緊締索3の両端を持ち上げて、タイヤ30の上部側でフック15とフック掛け部16(図2参照)とを接続する。 【0026】そして、タイヤ30の接地部両側を挟ませるようにして開口部6の内向き端を手前側へ引き出し、また滑止具本体2の長手方向両端部をタイヤ30の真上部へ載せて、これで滑止具本体2をタイヤ30のまわりへ巻回状態とさせる。次に、開口部6の両内向き端に締め付けリンク26の両フック杆25を引っ掛けておく。また図6に示すように、タイヤ30の上部側において、外側緊締装置4におけるバックル部材21によって装置本体2の長手方向両端部を連結させた後、滑止具本体2の外側掛止部13に取り付けられた取付具14へ外側緊締装置4の非伸縮ロープ20及び伸縮バンド22を掛け渡してゆく。 【0027】そして、締め付けリンク26の中央部に設けられた工具係合孔33(図2参照)へ適宜回動工具(図示略)を係合させて、この締め付けリンク26を半回動させる。これにより締め付けリンク26の両フック杆25が折り畳まれるようになって開口部6の口開き状態が閉じられる。従って、これらによりバックル部材21の両側で非伸縮ロープ20が手繰り寄せられるので、伸縮バンド21に収縮力が発生し、結果として滑止具本体2がその輪形として縮径されることになる。これにより、タイヤ30に対するタイヤ用滑止具1の装着は完了する。 【0028】ここで、上記のようにタイヤ滑止め装置1をタイヤ30へ装着した状態で、車両を走行させ、このとき発生する遠心力によって滑止具本体2の内側掛止部10に対して外側掛止部13よりも強い張力が作用した場合でも、この内側掛止部10はその断面積が外側掛止部13の断面積よりも大きく形成されていることに伴って補強された状態にあるため、この内側掛止部10において芯コード7が露呈乃至突出するということは防止される。これらのことは、タイヤ30がたとえ高速空転を起こしたようなときでも、同じ作用効果が得られる。 【0029】ところで、本発明では、滑止具本体2の内側掛止部10においてその断面積を外側掛止部13の断面積より大きくさせる手段として、図4に示すように、内側掛止部10の断面形状についてその高さ寸法Hを、外側掛止部13の高さ寸法hよりも高背化させることによって実現化することも可能である。また図示は省略するが、図1に示した幅広化と図4に示した高背化との複合によって実現させることも可能である。更には内側掛止部10の断面形状と外側掛止部13の断面形状とを全く異なるものとさせる(一方を角形で一方を丸形とさせるなど)ことによって実現させてもよい。 【0030】図7乃至図10は、本発明に係るタイヤ用滑止具1の第2実施形態を示している。図7に示すように、この第2実施形態のタイヤ用滑止具1も、その基本構成は上記第1実施形態と略同様であり、タイヤ外周に巻回可能な帯状をした滑止具本体2と、この滑止具本体2の幅方向内側に沿接保持される非伸縮性の内側緊締索3と、滑止具本体2をタイヤ外周へ巻回させたときにこの滑止具本体2の幅方向外側をタイヤ中心側へ向けて引き寄せるべく設けられる外側緊締装置4とを有している。 【0031】そしてまた、例示した滑止具本体2は分割式とされたものであって、タイヤの周方向に沿って並設される2枚のネット構成片2A,2Bを有し、これら両ネット構成片2A,2Bが内側緊締索3を介して互いに連結され、またこれら両ネット構成片2A,2Bの相互間に開口部6が形成されている。この開口部6は、タイヤの接地部を逃げれるようにその前後方向長さと略同等の開口長さに形成されている。なお、外側緊締装置4が非伸縮ロープ20、バックル部材21及び伸縮バンド22を有するものである点や、両ネット構成片2A,2B間の開口6を連結させるために締め付けリンク26を使用する点などは、第1実施形態の場合と略同様である。 【0032】この第2実施形態のタイヤ用滑止具1では、滑止具本体2において、両ネット構成片2A,2Bはいずれもそれらの全長にわたって編み目構造やラダー構造(図例は編み目構造)に形成されている点、及び、滑止具本体2の長手方向両端部などに端部補強帯50〜53が設けられていることが前提とされる。この端部補強帯50〜53は、滑止具本体2をタイヤ外周へ巻回したときに、この滑止具本体2自体を輪状に連結するうえで継ぎ目となる部分に相当する。これら端部補強帯50〜53は、タイヤのトレッド面を幅方向へ横断する向きに設けられている。 【0033】上記したように、滑止具本体2が分割式であるので、この端部補強帯50〜53は、滑止具本体2の長手方向両端部だけでなく、各ネット構成片2A,2Bにおける開口部6へ向けた開口縁側に設けられたもの(51,52)をも含んでいる。滑止具本体2を構成する編み目の構成要素部(リブ状部分)のうち、端部補強帯50〜53に対して直接に繋がるもの(即ち、端部補強帯50に対する構成要素部55、端部補強帯51に対する構成要素部56、端部補強帯52に対する構成要素部57、端部補強帯53に対する構成要素部58)は、それら断面積が、上記端部補強帯50〜53とは直接の連携関係にない構成要素部の断面積よりも大きく形成されている。 【0034】図8は、端部補強帯50に対して直接に繋がる構成要素部55と、この端部補強帯50とは直接の連携関係にない構成要素部61との太さの違いを拡大して示したものである。また図9は、端部補強帯51に対して直接に繋がる構成要素部56と、この端部補強帯51とは直接の連携関係にない構成要素部62との太さの違いを拡大して示したものである。なお、図10は、構成要素部55と構成要素部61(二点鎖線)との断面形状の違いを対比的に示したものである。 【0035】この図10から明らかなように、構成要素部55〜58における断面積の増大化は、その幅寸法Eを、基準とすべき構成要素部61や62等の幅寸法eよりも幅広化させることによって実現してある。このように端部補強帯50〜53に直接に繋がる編み目の構成要素部55〜58が、端部補強帯50〜53とは直接の連携関係にない編み目の構成要素部61や62等を基準としてそれより太く形成されていることに伴い、この前者は摩耗に対しての耐久性が高くなる。 【0036】そのため、これらの部分において内部の芯コードが露呈乃至突出することが防止される。従って、この芯コードも、また端部補強帯50〜53に直接に繋がる編み目の構成要素部55〜58も、破損や切断が生じにくくなり、これを原因としてのタイヤ用滑止具1の耐久性(寿命)限界を長期化させることができるものである。端部補強帯50〜53に直接に繋がる編み目の構成要素部55〜58の断面積を、端部補強帯50〜53とは直接の連携関係にない編み目の構成要素部61や62等の断面積より大きくする程度としては、1.1倍以上1.6倍以内とするのが好ましい。 【0037】すなわち、1.1倍より小さい場合は、端部補強帯50〜53に直接に繋がる編み目の構成要素部55〜58の内部での芯コードの動きを抑制する作用が小さくなり、その結果、芯コードが外面側に露呈乃至突出するのを防止する作用を期待するほど得られなくなる。また1.6倍を超える場合は、端部補強帯50〜53に直接に繋がる編み目の構成要素部55〜58において剛性が過度に高くなり、その結果、滑止具本体2がタイヤ外周部にフィットし難くなるため、走行振動や騒音に繋がるおそれがある。 【0038】この第2実施形態のタイヤ用滑止具1をタイヤへ装着する手順は第1実施形態の場合と略同様であり、ここでの詳説は省略する。本発明は、上記各実施形態で説明したものに限定されるものではなく、実施の形態に応じて更に適宜変更可能であって、例えば滑止具本体2は一体帯状のもの(分割式でないもの)でもよいし、2分割より多い分割方式としてもよい。 【0039】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明に係るタイヤ用滑止具では、滑止具本体において内側掛止部の断面積を外側掛止部の断面積よりも大きくしたので、内側掛止部は張力に対する耐力が高くなりまた摩耗も抑制され、芯コードの露呈乃至突出を防止できるので、芯コードも、また内側掛止部自体も破損や切断が生じにくくなる。従ってそれだけタイヤ用滑止具としての耐久性(寿命)を長期化させることができる。 【0040】また本発明に係るタイヤ用滑止具では、滑止具本体において端部補強帯に直接に繋がる編み目又はラダーの構成要素部の断面積を、端部補強帯とは直接の連携関係にない編み目又はラダーの構成要素部の断面積よりも大きくしたので、その前者は摩耗が抑制され、芯コードの露呈乃至突出を防止できるので、芯コードも、また滑止具本体自体も破損や切断が生じにくくなる。従ってそれだけタイヤ用滑止具としての耐久性(寿命)を長期化させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000103518 【氏名又は名称】オーツタイヤ株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年12月18日(2001.12.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100061745 【弁理士】 【氏名又は名称】安田 敏雄
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| 【公開番号】 |
特開2003−182330(P2003−182330A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月3日(2003.7.3) |
| 【出願番号】 |
特願2001−385133(P2001−385133) |
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