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【発明の名称】 タイヤ空気圧検知システム、タイヤ及びタイヤ空気圧検知装置
【発明者】 【氏名】中島 芳夫
【住所又は居所】大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内

【氏名】清水 修
【住所又は居所】大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内

【要約】 【課題】車体に装着されたタイヤの空気圧を、走行中又は停車中に関わらず高精度で検知する。

【解決手段】車体11に装着されたタイヤ12にICチップ13を取り付けると共に、車体11にはタイヤ空気圧検知装置14を設ける。タイヤ空気圧検知装置14は、送信機16及び送信アンテナ16aでICチップ13へ向けて電磁波を送り出し、ICチップ13からの応答電磁波を受信アンテナ17a及び受信機17で受け入れる。受け入れた応答電磁波の強度はCPU15で検知判断し、空気圧低下か否かを決定する。空気圧低下の場合は、警告灯18のランプ18a〜18dのうち、空気圧低下のタイヤ12と対応するものを点灯し、運転者等に警告する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車体に装着されたタイヤの空気圧の状態を検知するタイヤ空気圧検知システムにおいて、タイヤに取り付けてあり、外部からの入力に対して応答を返す反応体と、車体に取り付けてあり、前記反応体への出力を行い前記反応体からの応答を検出する検出手段と、前記検出手段に接続されており、前記反応体と検出手段との間の距離の変動に伴う前記応答の強度を検知する検知手段とを備えることを特徴とするタイヤ空気圧検知システム。
【請求項2】 前記反応体は、前記応答として応答電磁波を返す手段を備え、前記検出手段は、前記反応体への出力として電磁波を送り出す送信部と、前記応答電磁波を受け入れる受信部とを備える請求項1に記載のタイヤ空気圧検知システム。
【請求項3】 前記反応体は、タイヤの幅方向に間隔を隔てて複数取り付けてあり、各反応体は夫々相異する識別情報を含む前記応答電磁波を返す手段を備え、前記検知手段は、前記識別情報により各反応体毎に区別して応答電磁波の強度を検知する手段を備える請求項2に記載のタイヤ空気圧検知システム。
【請求項4】 前記反応体は、タイヤの周方向に間隔を隔てて複数取り付けてあり、各反応体は夫々相異する識別情報を含む前記応答電磁波を返す手段を備え、前記検知手段は、前記識別情報により各反応体毎に区別して応答電磁波の強度を検知する手段を備える請求項2又は請求項3に記載のタイヤ空気圧検知システム。
【請求項5】 反応体が取り付けてあるタイヤにおいて、前記反応体は、外部から電磁波を受けた場合に、応答電磁波を出力する手段を備えることを特徴とするタイヤ。
【請求項6】 前記反応体は、タイヤの幅方向に間隔を隔てて複数取り付けてあり、各反応体は夫々相異する識別情報を含む前記応答電磁波を出力することを特徴とする請求項5に記載のタイヤ。
【請求項7】 前記反応体は、タイヤの周方向に間隔を隔てて複数取り付けてあり、各反応体は夫々相異する識別情報を含む前記応答電磁波を出力することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のタイヤ。
【請求項8】 タイヤの空気圧の状態を検知するタイヤ空気圧検知装置において、電磁波を送り出す送信部と、前記電磁波に対する応答電磁波を受け入れる受信部と、前記応答電磁波の強度の検知をする検知手段とを備えるタイヤ空気圧検知装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車体に装着されたタイヤの空気圧の状態を検知するものであり、特に、全てのタイヤの空気圧が同時に低下した場合でも検知可能とするタイヤ空気圧検知システム、タイヤ及びタイヤ空気圧検知装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近時、タイヤの空気圧状態を検知するシステムには種々のものが存在している。これらシステムは、タイヤを嵌め込むホイール又はタイヤ自体に空気圧状態を検出するセンサを取り付け、このセンサで検出した信号を車両側に設けた処理装置へ有線又は無線で送信することにより、車両側でタイヤの空気圧状態を把握できるようにしているものが多い。
【0003】図8は、従来のシステム例の一つとして特公平5−55322号に係る車両の減圧タイヤの検出法における減圧警報装置1の概略図を示している。減圧警報装置1は、各タイヤ2A、2B、2C、2Dの角速度を検出する検出器3A、3B、3C、3Dを設けると共に、これら検出器3A、3B、3C、3Dを中央演算装置4に接続している。中央演算装置4は、各検出器3A、3B、3C、3Dからの検出信号を基に空気圧低下を判断し、異常がある場合は中央演算装置4に接続された警告ランプ5A、5B、5C、5Dのうちの異常のタイヤに該当するものを点灯するように制御している。
【0004】中央演算装置4による空気圧低下の判断は、空気圧低下によるタイヤ径縮小に伴う回転時の角速度の変化に基づいており、中央演算装置4は、回転中の各タイヤ2A、2B、2C、2Dの角速度を各検出信号により相対比較し、角速度が他より早いタイヤを空気圧低下と判断し、警告ランプの点灯により空気圧低下を運転者等に伝達するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のシステムは、各タイヤに対する検出信号を相対比較するため1本のみのタイヤに空気圧低下が生じた場合には対応できるが、複数本のタイヤの空気圧が同時に低下した場合に、異常を検知できない問題がある。例えば、車両を長期間放置していた場合等は、4本のタイヤの空気圧が均等に低下することが多いため、各タイヤに対する検出信号も同等に変化し、相対比較では各タイヤの相異が生じず空気圧低下を把握できない問題がある。
【0006】また、車体に装着されたタイヤのうちで空気圧が過多のものが存在する場合、空気圧過多のタイヤは、正常な空気圧のタイヤに比べてタイヤ径が増大するので、角速度に関する検出信号も他のタイヤと相異する。この場合、正常な空気圧のタイヤのタイヤ径は、空気圧過多のタイヤに比べて小さいため、従来のシステムのような相対比較では、正常な空気圧のタイヤを、空気圧低下と誤判断するおそれもある。
【0007】さらに、タイヤの角速度からタイヤの空気圧変化を検知する従来のシステムでは、車両が走行中、即ち、タイヤが回転している状態でなければ検知できない問題がある。よって、空気圧が低下したタイヤに気付くことなく車両の走行を開始する危険性を排除できない問題がある。
【0008】本発明は、斯かる問題に鑑みてなされたものであり、他のタイヤとの比較ではなく各タイヤの空気圧を個別に判断することにより、確実にタイヤの空気圧状態を検知するタイヤ空気圧検知システム、タイヤ及びタイヤ空気圧検知装置を提供することを目的とする。また、車体に装着された全てのタイヤの空気圧が同時に低下した場合等でも、空気圧の適否を判断できるタイヤ空気圧検知システム、タイヤ及びタイヤ空気圧検知装置を提供することを目的とする。さらに、車両が走行中又は停車中であるにも関わらず、どのような状態でもタイヤの空気圧状態を検知できるタイヤ空気圧検知システム及びタイヤを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1発明に係るタイヤ空気圧検知システムは、車体に装着されたタイヤの空気圧の状態を検知するタイヤ空気圧検知システムにおいて、タイヤに取り付けてあり、外部からの入力に対して応答を返す反応体と、車体に取り付けてあり、前記反応体への出力を行い前記反応体からの応答を検出する検出手段と、前記検出手段に接続されており、前記反応体と検出手段との間の距離の変動に伴う前記応答の強度を検知する検知手段とを備えることを特徴とする。
【0010】第1発明にあっては、各タイヤの相対比較ではなく、反応体と検出手段との間の距離の変動からタイヤの空気圧の状態をタイヤ毎に判断しているので、他のタイヤの状態に関係なくタイヤの空気圧の適否を判断できる。また、本発明では、タイヤの回転に伴う角速度をタイヤの空気圧状態の検知に利用していないので、車両の状態に関係なく空気圧の検知を行うことができる。
【0011】また、前記タイヤ空気圧検知システムには、前記検知に応じてタイヤの空気圧警告を出力する警告手段を前記検知手段に接続して設けることが好ましい。このように警告手段を設ければ、車両の運転者等は警告手段によりタイヤの空気圧の状態を把握でき、空気圧が低下した場合、空気圧低下に伴う不具合発生を未然に防止して適切な処置を行うことができる。
【0012】さらに、前記反応体を、車体に装着された全てのタイヤに取り付ける一方、前記検出手段は、車体に装着された全てのタイヤに対応して取り付けてあることが好適である。このようにすることで、車両の各タイヤの空気圧状態を、車体に装着された全タイヤの空気圧が均等に低下した場合でも検知できる。なお、本発明のシステムは、4本のタイヤを有する車両に限定されるものではなく、2本のタイヤを装着する自動二輪から4本以上のタイヤを装着するトラック、特殊自動車等まで種々の車両に適用できる。
【0013】第2発明に係るタイヤ空気圧検知システムは、前記反応体が、前記応答として応答電磁波を返す手段を備え、前記検出手段は、前記反応体への出力として電磁波を送り出す送信部と、前記応答電磁波を受け入れる受信部とを備えることを特徴とする。第2発明にあっては、タイヤ空気圧検知システムが、電磁波に反応して応答電磁波を返すタイプの反応体を適用しているので、検出手段に電磁波を送り出す送信部と、応答電磁波を受け入れる受信部を設けることで、非接触式の無線で確実に応答電磁波を受け入れることができ、回転するタイヤに対しても本システムを容易に適用できる。
【0014】また、この応答電磁波の強度からタイヤの空気圧の状態を確実に検知できる。即ち、応答電磁波の強度は、出力された箇所から受信される箇所までの距離の2乗に反比例する特性が知られており、この特性を利用することでタイヤの空気圧変化を検知できる。よって、タイヤの空気圧が低下すると少なくとも接地箇所付近のタイヤ径は、空気圧が正常な場合に比べて縮小するため、この縮小に伴う応答電磁波の出力箇所から受信箇所までの距離の変動による応答電磁波の強度変化を判断することにより、他のタイヤと比較することなしにタイヤ毎の空気圧状態を検知できる。
【0015】なお、タイヤは回転するので、タイヤへ取り付けられる反応体への電磁波の送受や電源の供給が非常に困難になることから、反応体には電源を供給しなくても電磁波を受けた場合に、応答電磁波を返す非接触式のICチップを用いることが好適である。さらに、このようなICチップには最近、0.4ミリメートル角の非常に小型のタイプも提供されているため、上記のような小型ICチップを用いれば、トレッド部の内部への埋設、内面側への貼り付け等、状況に応じて種々の取付形態を適用できる。
【0016】前記送信部及び前記受信部は、車体に装着されたタイヤの頂部からタイヤの接地箇所へ向けて車体に取り付けることが好適である。このような取付形態にすることで、タイヤの空気圧が低下した際に、最もタイヤ径の縮小する割合が大きくなるタイヤの接地箇所付近で、反応体への電磁波の送り出し及び反応体からの応答電磁波の受入を行うことができるので一段と高精度に検知を行うことができる。
【0017】また、前記タイヤ空気圧検知システムには、前記検知手段が、タイヤの規定空気圧に応じて前記応答電磁波の強度に対する閾値を設定する手段と、前記応答電磁波の強度と前記閾値との比較をする手段と、前記比較により前記応答電磁波の強度が前記閾値以上である場合に、タイヤの空気圧低下を決定する手段とを備えることが好ましい。
【0018】上述したように前記検知手段が応答電磁波の強度に対する閾値を設定するようにすれば、この閾値を基準にしてタイヤの空気圧の低下を確実に検知できる。例えば、タイヤのトレッド部に反応体を取り付ける一方、タイヤの頂部に検出手段の送信部及び受信部に取り付けた場合、受信部が検出する応答電磁波の強度は、反応体がタイヤの接地箇所に位置する時が最弱となる。この後は、タイヤの回転に伴い応答電磁波の強度が増加し、反応体がタイヤの頂部に位置する際、応答電磁波の強度は最強となった後、更なるタイヤの回転に伴い徐々に低下して接地箇所で最弱となり、以降、タイヤが回転する限り上記サイクルを繰り返す。
【0019】よって、タイヤが規定空気圧状態で、閾値を応答電磁波の強度が最弱となる値より少し上に設定しておくと、応答電磁波の強度は、反応体が接地箇所の近傍に位置する場合に、閾値より低いレベルとなる。これをタイヤが連続して回転する状態で判断すると、応答電磁波の強度がタイヤの回転に伴い、閾値を上回る場合と閾値を下回る場合とが交互に生じる。一方、タイヤの空気圧が低下した場合は、タイヤ径の短縮により応答電磁波の強度が増加し、応答電磁波の強度が最弱となる箇所でも、閾値を上回るようになり、タイヤが回転しても応答電磁波は常に閾値を上回ることになる。その結果、空気圧が正常な場合と異常な場合の閾値に対する差が明確となり、確実に空気圧の変化を検出することができる。
【0020】また、前記検知手段が、前記応答電磁波の受入の有無を検出する手段と、前記応答電磁波の受入が有る場合、タイヤの空気圧低下を決定する手段とを備えるようにしてもよい。タイヤに取り付ける反応体の応答電磁波の出力強度が小さく、反応体から受信部までの距離が長くなれば応答電磁波の強度がゼロ、即ち、応答電磁波自体の受入ができない場合等は、前記のような閾値の設定により空気圧の状態を検知することは不適なので、応答電磁波の受入の有無で空気圧状態の検知が可能となる。
【0021】例えば、タイヤのトレッド部に取り付けた反応体がタイヤの接地箇所に位置する場合に、タイヤが規定空気圧状態で反応体からの応答電磁波の受入ができない限界距離となる箇所に検知手段の受信部を取り付ける。このような位置関係にすることでタイヤが規定空気圧であれば、タイヤの回転により反応体が接地箇所に位置する状態で、受信部へ応答電磁波が届かなくなり、タイヤの1回転中1回、応答電磁波の受入が無くなる。一方、空気圧が低下すればタイヤ径の縮小により反応体が接地箇所でも応答電磁波が受信部へ届き、応答電磁波の受入が無くなる時が解消される。
【0022】よって、検知手段はタイヤが1回転しても常に応答電磁波の受入が有れば、タイヤの空気圧低下であると決定でき、検知手段の処理も、閾値を設ける場合に比べて低減できる。
【0023】第3発明に係るタイヤ空気圧検知システムは、前記反応体が、タイヤの幅方向に間隔を隔てて複数取り付けてあり、各反応体は夫々相異する識別情報を含む前記応答電磁波を返す手段を備え、前記検知手段は、前記識別情報により各反応体毎に区別して応答電磁波の強度を検知する手段を備えることを特徴とする。
【0024】第3発明にあっては、複数の反応体がタイヤの幅方向に取り付けられるため、反応体毎に応答電磁波の強度を比較することで、一段とタイヤの空気圧変化の検知精度を向上できる。即ち、タイヤは空気圧が低下した場合、幅方向における側部付近と中央付近では、タイヤ径が縮小する割合が異なり、中央付近の方がタイヤ径の縮小割合が大きい。よって、反応体を幅方向の側部付近、中央付近と夫々異なる箇所に取り付けることで、相互に検知の度合いを補正して、より正確なタイヤの空気圧の状態を検知できる。
【0025】このように複数の反応体を用いる場合は、応答電磁波に各反応体を区別する識別情報を含ませることで、複数の応答電磁波がいずれの反応体から出力されたか検知手段で区別できる。また、反応体をタイヤの内部に埋設状態で取り付ければ、反応体をタイヤのトレッド部に取り付けることができ、タイヤ消耗等に対しても反応体が露出することなく長期にわたりタイヤの空気圧の検知が可能となる。
【0026】第4発明に係るタイヤ空気圧検知システムは、前記反応体が、タイヤの周方向に間隔を隔てて複数取り付けてあり、各反応体は夫々相異する識別情報を含む前記応答電磁波を返す手段を備え、前記検知手段は、前記識別情報により各反応体毎に区別して応答電磁波の強度を検知する手段を備えることを特徴とする。第4発明にあっては、複数の反応体を周方向に取り付けるので、個々の反応体毎に応答電磁波を検出し、その検出結果を平均化することにより、誤差等が均等化され、車両が走行中等の種々の場合でも、一段と信頼性の高い検知を行うことができる。
【0027】さらに、上記のように複数の反応体を取り付けることで、車両が停止中でもタイヤの空気圧変化を高精度で検知できる。例えば、検知手段の送信部及び受信部をタイヤの頂部から接地箇所へ向けて取り付けた場合、接地箇所付近からの応答電磁波の強度が最弱になるので、上記のような閾値の設定又は応答電磁波の受入の有無で、空気圧の状態を検知できる。
【0028】第5発明に係るタイヤは、反応体が取り付けてあるタイヤにおいて、前記反応体は、外部から電磁波を受けた場合に、応答電磁波を出力する手段を備えることを特徴とする。第5発明にあっては、タイヤが電磁波を受けて応答電磁波を出力する反応体を有するので、電磁波の出力手段や応答電磁波の受入手段を備える車両に前記タイヤを装着すれば、車両側でタイヤの空気圧状態を検知できるシステムを構成することができる。
【0029】第6発明に係るタイヤは、前記反応体が、タイヤの幅方向に間隔を隔てて複数取り付けてあり、各反応体は夫々相異する識別情報を含む前記応答電磁波を出力することを特徴とする。第6発明にあっては、タイヤが複数の反応体を幅方向に取り付けているため、空気圧の変化に対して一段と精度の高い検知ができる。
【0030】第7発明に係るタイヤは、前記反応体が、タイヤの周方向に間隔を隔てて複数取り付けてあり、各反応体は夫々相異する識別情報を含む前記応答電磁波を出力することを特徴とする。第7発明にあっては、複数の反応体をタイヤの周方向に埋設しているため、車両が走行状態、停止状態等に関わらず安定した空気圧の検知ができる。
【0031】第8発明に係るタイヤ空気圧検知装置は、タイヤの空気圧の状態を検知するタイヤ空気圧検知装置において、電磁波を送り出す送信部と、前記電磁波に対する応答電磁波を受け入れる受信部と、前記応答電磁波の強度の検知をする検知手段とを備えることを特徴とする。第8発明にあっては、送信部、受信部及び検知手段を備えるタイヤ空気圧検知装置を車体に取り付けると共に、電磁波に応じて応答電磁波を出力する反応体を取り付けたタイヤを車体に装着するだけで、装着したタイヤの空気圧を上記タイヤ空気圧検知装置で検知することができる。
【0032】また、前記タイヤ空気圧検知装置は、前記検知に応じてタイヤの空気圧警告を出力する警告手段を更に備えるようにしてもよい。このように、警告手段を備えれば、検知手段によりタイヤの空気圧が異常と検知された結果を警告という形態で出力できるので、車両の運転者等にタイヤの空気圧が異常である旨を確実に伝達できる。
【0033】さらに、前記タイヤ空気圧検知装置は、前記検知手段が、タイヤの規定空気圧に応じて前記応答電磁波の強度に対する閾値の設定をする手段と、前記応答電磁波の強度と前記閾値との比較をする手段と、前記応答電磁波の強度が前記閾値以上である場合に、タイヤの空気圧低下を決定する手段とを備えることが好ましい。前記のように検知手段が一定の閾値を設定すると、応答電磁波に対する比較が明確となり、また、前記閾値はタイヤの規定空気圧に対応して設定するので、空気圧の正常又は異常に対する判断の精度も向上し、警告に対する信頼性も高めることができる。
【0034】さらに、また、前記タイヤ空気圧検知装置は、前記検知手段が、前記応答電磁波の受入の有無を検出する手段と、前記応答電磁波の受入が有る場合に、タイヤの空気圧低下を決定する手段とを備えることが好適である。応答電磁波の受入の有無で検知手段が空気圧低下を決定すれば、確実に空気圧状態を判断でき、判断に係る処理負担も軽減でき迅速な処理を実現できる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るタイヤ空気圧検知システム10の全体構成図である。タイヤ空気圧検知システム10は、車体11に装着されたタイヤ12に反応体としてICチップ13をタイヤ12の外周に埋設状態で取り付ける一方、車体11にはタイヤ12の空気圧状態を検知するタイヤ空気圧検知装置14を取り付けている。
【0036】タイヤ空気圧検知装置14は、ICチップ13への出力を行いICチップ13からの応答を検出する検出手段14aと、前記応答の強度からタイヤ12の空気圧の状態を検知する検知手段としてCPU15と、CPU15に接続されて空気圧低下と判断された場合に空気圧警告を出力する警告手段として警告灯18とを備えている。
【0037】検出手段14aは、ICチップ13への出力として電磁波を送り出す送信部である送信機16及び送信アンテナ16aを有し、ICチップ13からの応答である応答電磁波を受け入れる受信部として受信機17及び受信アンテナ17aを有している。送信アンテナ16a及び受信アンテナ17aは、タイヤ12が車体11に装着された状態で、タイヤ12の頂部よりタイヤ12の接地箇所12aへ向けた状態で取り付けられている。なお、検出手段14aは、車体11に装着されるタイヤ毎に対応して、車体11全体で計4個取り付けられている。
【0038】CPU15は受信機17と接続されて、受信機17で受け入れられた応答電磁波の強度変化からタイヤ12の空気圧が低下しているか否かを判断している。なお、CPU15には、図1で図示されていない残りの3個の受信機17とも接続されて、車両11に装着される全てのタイヤの空気圧の低下を判断できるようにしている。
【0039】また、CPU15は車両11のインストルメントパネル等に取り付けられる警告灯18と接続されており、警告灯18に設けられた4本のタイヤ12に対応する4個のランプ18a〜18dの点灯を空気圧の低下に応じて制御している。即ち、右前のタイヤ12の空気圧が異常であれば、空気圧警告の出力としてランプ18aを点灯し、以下同様に、左前のタイヤ12の空気圧が異常であればランプ18bを、右後のタイヤ12の空気圧が異常であればランプ18cを、左後のタイヤ12の空気圧が異常であればランプ18dを夫々点灯するようにしている。なお、警告灯18に設けるランプ数は最小限1個でもよく、ランプ1個の場合は、いずれかのタイヤの空気圧が異常であればランプを点灯するように制御する。
【0040】一方、タイヤ12に取り付けたICチップ13は非接触タイプであり給電の必要がなく、外部からの入力として電磁波を受けた場合、応答として応答電磁波を返すものである。本実施形態ではタイヤ12に埋設するため、ICチップ13には2.45GHzの高周波アナログ回路と128ビットのROM(Read Only Memory)を0.4ミリメートル角の寸法に集積したものを適用している。なお、ICチップ13も、車体11に装着される全てのタイヤ12に取り付けられている。
【0041】ICチップ13から出力される応答電磁波の強度は、ICチップ13と受信アンテナ17aとの距離の2乗に反比例している。具体的には、図2(a)に示すように、計算を簡略化するためタイヤ12を円として規定すると共に、受信アンテナ17a及びICチップ13も点として円周上に夫々位置すると規定した場合、受信アンテナ17aとICチップ13がタイヤ12の中心12bで形成する中心角をθとすることで、受信アンテナ17aとICチップ13との間の距離Lの2乗は、以下の式で示される。
【0042】
2=R2×(2−2cosθ)・・・(1)
(但し、Rはタイヤ12の半径)
【0043】よって、応答電磁波の強度は、距離Lの2乗に反比例することから、図2(b)のようなグラフで示すことができる。なお、横軸は中心角θ、縦軸を応答電磁波の強度を意味する。
【0044】図2(b)において、実線のグラフ19aはタイヤ12が規定空気圧の場合でICチップ13がタイヤ頂部に位置する状態から、タイヤ12が1回転した場合の応答電磁波の強度変化を示している。即ち、タイヤ12の回転に伴いICチップ13が接地箇所に位置する際(中心角θ=π)、ICチップ13と受信アンテナ17aとの間の距離Lが最長となることから、応答電磁波の強度は距離Lの2乗に反比例して最小になっている。
【0045】一方、波線のグラフ19bはタイヤ12の空気圧が低下した場合でのタイヤ12が前記と同様に1回転した際の応答電磁波の強度変化を示している。この場合、空気圧の低下に伴いタイヤ12のサイドウォール部が幅方向に広がって撓むことによりタイヤ12のタイヤ径(半径R)が縮むので、ICチップ13が接地箇所に位置する際(中心角θ=π)でも、ICチップ13と受信アンテナ17aとの間の距離Lは、規定空気圧の場合に比べて短くなる。
【0046】よって、応答電磁波の強度の最小値も、短くなった距離Lの2乗に反比例して、規定空気圧の場合に比べて増大するので、ICチップ13が接地箇所付近に位置する場合に応答電磁波の強度を比べることで、CPU15はタイヤ12の空気圧が正常であるか否かを判断できる。
【0047】上記空気圧の判断は、本実施形態では、CPU15により一定の閾値を設けて、応答電磁波の強度の最小値が前記閾値以上となるか否かで行っている。即ち、図2(b)に示すように、グラフ19aの最小値19cとグラフ19bの最小値19dとの間の中間値となる一定の閾値20をCPU15で設定している。
【0048】このような閾値20を設定することで、タイヤ12が規定空気圧の場合、タイヤ12の1回転中、応答電磁波の強度は閾値20を下回る期間が生じるが、タイヤ12の空気圧が低下している場合は1回転中、応答電磁波の強度は常に閾値20以上となる。よって、CPU15は、1回転中の応答電磁波の強度が閾値20以上となるか否かを比較判断し、1回転中に連続して応答電磁波の強度が閾値20以上であれば空気圧低下と決定している。この決定に基づき、CPU15は警告灯18の対応するランプ18a〜18dのいずれかを点灯している。なお、警告灯18に設けられているランプ数が1個の場合は、単一のランプを点灯するようにしている。
【0049】また、実際の走行ではタイヤ12が連続して回転するが、この場合の応答電磁波の強度は、図3に示すように、タイヤの空気圧に応じて図2(b)のグラフ19a、19bが連続したサイクルで表れ、CPU15は車体11が走行中、上記比較判断を連続して行うことで、タイヤ12の空気圧変化を終始検知している。なお、CPU15はタイヤ12が1回転したか否かの判断は、CPU15へタイヤ12の車軸に取り付けられているパルス発信器等を接続して、検知されるパルス信号数を基に判断することが可能であり、適用される車体11にABS(アンチロックブレーキシステム)が装備されている場合は、ABS用のパルス発信器等を利用してもよい。
【0050】上記説明は1本のタイヤ12で説明したが、CPU15は車体11の他のタイヤ12に対しても、上記同様の処理を同時並行して行っている。よって、タイヤ12の空気圧は、従来のように各タイヤ同士の相対比較ではなく、個別で行っているため複数のタイヤ12に空気圧の低下が同時に生じても、確実に検知することができる。なお、いずれか1本のタイヤ12の空気圧が低下しても検知できるのは言うまでもない。
【0051】さらに、第1実施形態のタイヤ空気圧検知システム10は、上記以外にも種々の形態が可能であり、4本以上のタイヤ12を装着するトラック等の車体11にも各タイヤ毎に検出手段14aを設けると共に全タイヤにICチップ13を取り付けることで上記と同様に、空気圧の低下を検知することができる。また、4本より少ないタイヤ12を装着する二輪車等にも同様に適用することができる。さらに、空気圧の低下を運転者等に伝達する手段としては、警告灯18以外には、警告音、又は、車載モニタ等で視覚的にタイヤの空気圧低下を警告表示するようにしてもよい。
【0052】その上、CPU15による空気圧低下の検知は、図2(b)のように閾値20を設ける以外に、ICチップ13からの応答電磁波の受入自体の有無で判断するようにしてもよい。具体的には、ICチップ13と受信アンテナ17aとの間の距離を、タイヤ12が規定空気圧である場合に接地箇所12aに位置するICチップ13からの応答電磁波の受入が可能な限界距離より少しだけ長くなるように、受信アンテナ17aを車体11に取り付ける。
【0053】上記のようにすることで、タイヤ12が規定空気圧の場合、接地箇所12aに位置するICチップ13から出力された応答電磁波の強度は受信アンテナ17aでゼロ、即ち、応答電磁波自体の受入が無くなる。一方、タイヤ12の空気圧が低下した場合、タイヤ径が縮小されることから、ICチップ13が接地箇所12aに位置しても応答電磁波の受信アンテナ17aでの受入は有ることになる。よって、CPU15はタイヤ12が1回転する間、応答電磁波の受入が無くなる時があれば規定空気圧と判断し、1回転中に応答電磁波の受入が常に有る場合を空気圧低下と判断できる。このように閾値20を設定せずに空気圧の検知を行うのは、ICチップ13の応答電磁波の出力強度が弱く、閾値20を設定するのが困難な場合等に好適である。
【0054】一方、タイヤ12は、一般に車体11へ懸架装置を介在させて装着されるので、この懸架装置によりタイヤ12が上下動し、ICチップ13と受信アンテナ17aとの距離が変動してタイヤ12の空気圧の検知を妨げることも想定される。このような場合は、図4に示すように、タイヤ12と共に上下動する懸架装置のサスペンションアームSにタイヤ12の上方へ延出するブラケットBを設け、このブラケットBに受信アンテナ17aを取り付けることで、タイヤ12の上下動に受信アンテナ17aを追従させている。このような取り付けによりタイヤ12が上下動しても、ICチップ13と受信アンテナ17aは設定した位置関係が維持され、タイヤ12の空気圧変化を正確に検知することができる。
【0055】図5は、本発明の第2実施形態に係るタイヤ空気圧検知システム20におけるタイヤ22への反応体の取り付け状態を示している。第2実施形態においても反応体には第1実施形態と同様のICチップを使用しているが、第2実施形態では複数のICチップ23A〜23Fを、タイヤ22の幅方向に間隔を隔てて埋設した状態で取り付けている。これらICチップ23A〜23Fは、電磁波を受けた際に応答する応答電磁波に自己を識別する識別情報を含ませており、タイヤ22の頂部上方に取り付けた受信アンテナ27aで受け入れた識別情報により、CPU25は受け入れた応答電磁波がいずれのICチップ23A〜23Fから発せられたかを区別できるようにしている。
【0056】なお、上述した箇所以外は、第1実施形態に係るタイヤ空気圧検知システム10と同様の構成にしており、送信機から送信アンテナを介して電磁波を送り出すと共に、受信アンテナ27a及び受信機27を通じて受け入れた応答電磁波の強度をCPU25が比較判断して空気圧低下を決定し、警告灯の所要のランプを点灯するように制御している。また、CPU25による各ICチップ毎の処理も第1実施形態と基本的に同様である。
【0057】上記のように計6個のICチップ23A〜23Fを取り付けることで、一段と正確なタイヤ22の空気圧の検知を行うことができる。即ち、タイヤ22が空気圧の低下により撓んだ場合、タイヤ22の幅方向における側部付近の方が中央部分に比べて撓む割合が小さくなるため、ICチップ23A(又は23F)と受信アンテナ27aとの距離が縮む割合も、ICチップ23C(又は23D)と受信アンテナ27aとの距離が縮む割合より小さくなる。
【0058】よって、CPU25は、第1実施形態の図3と同様に各ICチップ23A〜23Fからの応答電磁波を検知しているが、側部付近に位置するICチップ23A(又は23F)、中央付近に位置するICチップ23C(又は23D)、その中間に位置するICチップ23B(又は23E)では、閾値の数値を夫々相異させて設定している。
【0059】即ち、中央付近のICチップ23C(又は23D)は、空気圧の正常時と低下時の差が大きいので、閾値の数値も最も高く設定し、ICチップ23B(又は23E)に対しては閾値を上記設定された値より少し低く設定し、側部付近のICチップ23A(又は23F)に対しては閾値を最も低く設定している。このように閾値を適切に設定することで、タイヤ22の1回転中、ICチップ23A〜23Fからの全ての応答電磁波の強度が、タイヤ22の回転に伴い各閾値を下回る期間があれば、タイヤ22は規定空気圧と判断できる。
【0060】一方、ICチップ23A〜23Fの全ての応答電磁波の強度が、常に閾値以上であれば、タイヤ22の空気圧が低下していると判断できる。また、各ICチップ23A〜23Fのうち、幅方向のいずれか一方側は、応答電磁波の強度が閾値を下回っているが、他方側は閾値を上回っている場合等は、タイヤ22の幅方向の一方側のみに荷重がかかりタイヤ径が縮小したと判断でき、CPU25はタイヤの空気圧が低下していないと判断する。このような状態は、カーブ等を走行中に生じることが多く、空気圧自体は規定値なので複数のICチップ23A〜23Fをタイヤ22に取り付けることで空気圧検知の誤認を防止して、信頼性の高いシステムを構築できる。
【0061】なお、ICチップ23A〜23Fの個数は、6個に限定されるものではなく、タイヤ22の装着対象の車両の種類や、タイヤ22自体の寸法等に応じて、適宜増減することが可能である。また、閾値を設定して受け入れた応答電磁波の強度を比較判断する代わりに、応答電磁波の受入の有無で空気圧の適否を判断できるのも第1実施形態と同様である。
【0062】図6は、本発明の第3実施形態に係るタイヤ空気圧検知システム30におけるタイヤ32への反応体の取り付け状態を示している。第3実施形態においても反応体には第1実施形態と同様のICチップを使用しているが、第3実施形態では複数のICチップ33A〜33Hを、タイヤ32の周方向に等間隔で埋設している。各ICチップ33A〜33Hは、第2実施形態と同様、応答電磁波に自己を識別する識別情報を含ませて、タイヤ32の頂部上方に取り付けた受信アンテナ37a及び受信機37を通じてCPU35が、いずれのICチップ33A〜33Hから出力された応答電磁波かを区別可能にしている。
【0063】なお、上述した箇所以外は、第1実施形態に係るタイヤ空気圧検知システム10と同様の構成にしており、送信機36から送信アンテナ36aを介して電磁波を送り出すと共に、受信アンテナ37a及び受信機37により受け入れられた応答電磁波の強度をCPU35が比較判断することで空気圧の低下を決定し、警告灯の点灯を制御している。また、CPU35による各ICチップ毎の処理も第1実施形態と同様である。
【0064】上記のように計8個のICチップ33A〜33Hを取り付けることで、車両31が停車中でも空気圧変化を確実に検知することができる。即ち、送信アンテナ36aから電磁波を全てのICチップ33A〜33Hへ向かって出力することで、ICチップ33A〜33Hは応答電磁波を返すが、タイヤ32の接地箇所32a付近に位置するICチップ33Eからの応答電磁波の強度だけが、タイヤ32が規定空気圧であれば、CPU35で設定した閾値を超えられない。
【0065】よって、CPU35は、全てのICチップ33A〜33Hからの応答電磁波の強度と閾値とを比較判断し、閾値を越えない強度の応答電磁波がある場合は、タイヤ32の空気圧は規定値であると判断している。一方、CPU35の比較判断により全てのICチップ33A〜33Hからの応答電磁波の強度が閾値以上である場合は、タイヤ32の空気圧は低下と決定されて、CPU35は警告の処理を行っている。なお、第3実施形態でも応答電磁波の受入の有無で空気圧の状態を検知できるのは第2実施形態と同様である。
【0066】また、第3実施形態のタイヤ空気圧検知システム30は、タイヤ32が回転している場合の空気圧の検知の精度を更に向上させることもできる。この場合、送信アンテナ36aはタイヤ32の接地箇所32a付近に向かって電磁波を出力し、CPU35には車速センサやパルス発信器等からタイヤ32が1回転したか否かを判断可能にしている。また、CPU35は、内部カウンタを備えると共にタイヤ32に取り付けられたICチップ33A〜33Hの個数を設定記憶できるようにしている(本実施形態では8個)。
【0067】回転するタイヤ32の空気圧検知に対するCPU35の一連の処理は、図7に示すフローチャートのようになり、このフローチャートに従って周方向の複数のICチップ33A〜33Hに対する処理を説明する。なお、上記フローチャートでは、CPU35が閾値を設けて空気圧変化を比較判断するのではなく、応答電磁波の受入の有無で空気圧変化を判断する場合で説明している。また、タイヤ32は、接地箇所32aに1番目のICチップ33Aが位置する状態から回転していくものとする。
【0068】先ず、第1実施形態等と同様に送信アンテナ36aから電磁波を継続して出力する(S1)。次に、CPU35は、受信アンテナ37aを介して1番目のICチップ33Aから応答電磁波の受入の有無を識別情報から判断する(S2)。この場合、タイヤ32の空気圧が規定値であれば、応答電磁波の受入は無しとなり、一方、タイヤ32の空気圧が低下していれば、応答電磁波の受入は有りとなる。応答電磁波の受入は有りの場合、CPU35は、内部カウンタをカウントアップして「1」をカウントする(S3)。なお、応答電磁波の受入が無い場合は、上記カウントは行わない。
【0069】以降、2番目のICチップ33Bから8番目のICチップ33Hまで、上記と同様の応答電磁波の受入の有無の判断(S2)と応答電磁波の受入が有った場合のカウント(S3)を順次行う(S4〜S17)。この後、CPU35は、検知を開始してからタイヤ32が一回転したか否かを判断する(S18)。タイヤ32が一回転していれば、CPU35は内部カウンタでカウントした数が設定記憶されたICチップ数以上となっているか比較する(S19)。
【0070】上記比較により、内部カウンタでカウント数がICチップ数の「8」以上の場合、タイヤ32の空気圧は低下していると判断され、CPU35は警告の出力を行う(S20)。一方、カウント数がICチップ数の「8」より小さい場合、タイヤ32の空気圧は正常であると判断され、タイヤ32の1回転目の処理を終了する。なお、上記タイヤ32が一回転したか否かの判断で(S18)、タイヤ32が一回転していないと判断された場合も、比較不能としてタイヤ32の1回転目の処理を終了している。
【0071】1回転目の処理が終了した場合、以降、1番目のICチップ33Aから応答電磁波の受入の有無を判断する段階(S2)から終了までの段階を、タイヤの回転毎に順次繰り返し、タイヤの空気圧の検知を行っている。なお、上記フローチャートの処理でも、閾値を設定して空気圧の適否を判断することができ、この場合は、各ICチップからの応答電磁波の受入の有無を判断する各段階(S2等)で、応答電磁波の強度が閾値以上か否かで判断する。
【0072】このように、第3実施形態ではタイヤ1回転を基準に8個のICチップ33A〜33H毎に応答電磁波の強度を判断しているので、誤差等に左右されることなく非常に高精度な空気圧の検知を可能にしている。
【0073】例えば、車両が走行中の場合、路面等の凹凸による衝撃を受けてタイヤ32自体が瞬時撓むことがあり、このような時は、タイヤ32が規定空気圧でも応答電磁波の受入が有りとなる可能性があり、1回のみの判断ではCPU35が空気圧低下と誤判断するおそれがある。しかし、第3実施形態のタイヤ空気圧検知システム30では、タイヤ1回転当たり8回、応答電磁波の受入の有無を判断し、これらの判断を総合して空気圧低下か否かを決定するので、上記のような瞬時のタイヤ32の撓み等に影響を受けることなく、空気圧の状態を検知できる。
【0074】なお、ICチップ数は、8個に限定されるものではなく、タイヤ32の寸法等に応じて適宜増減してもよく、より精度の高い検知を実現するためには、ICチップ数を増加することが好ましい。さらに、あらゆる面から高精度の検知を実現するためには、第2実施形態のICチップの取り付け方も組み合わせて、タイヤの幅方向に間隔を隔ててICチップを取り付けると共にタイヤの周方向に間隔を隔ててICチップを取り付けるようにしてもよい。また、上述した以外のCPU35の処理等は第1実施形態の場合と同様である。
【0075】
【発明の効果】以上に詳述した如く、第1発明にあっては、反応体であるICチップと検出手段の受信アンテナとの間の距離の変動からタイヤの空気圧の変化を個別に判断しているので確実にタイヤの空気圧の状態を検知でき、複数のタイヤの空気圧が同時に低下した場合でも空気圧の状態を検知できる。
【0076】第2発明にあっては、電磁波を受けた場合に応答電磁波を返すタイプのICチップ等の反応体を適用するので、応答電磁波の強度から周囲の環境等に影響されることなく、確実にタイヤの空気圧の状態を検知することができる。
【0077】第3発明にあっては、複数のICチップをタイヤの幅方向に取り付けるため、タイヤの空気圧の変化に対する検知精度を向上できる。第4発明にあっては、複数のICチップをタイヤの周方向に取り付けるので、車両が停車中の場合であっても、空気圧の状態を検知できる。
【0078】第5発明にあっては、タイヤに電磁波に対する応答電磁波を返すICチップを取り付けているので、タイヤ空気圧検知装置を具備した車両に装着すれば、タイヤの空気圧の低下を検知させることができる。第6発明にあっては、タイヤに複数のICチップを幅方向に取り付けるので、空気圧の変化に対して精度の高い検知に対応できる。第7発明にあっては、タイヤに複数のICチップを周方向に取り付けるので、車両が停車中、走行中に関係なく、安定して空気圧を検知できる。
【0079】第8発明にあっては、車体への装備用のタイヤ空気圧検知装置が電磁波を送り出す送信部、応答電磁波を受け入れる受信部及び検知手段等を備えているので、ICチップを取り付けたタイヤを車体に装着するだけで、タイヤの空気圧の低下を容易に検知できる。
【出願人】 【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜四丁目5番33号
【出願日】 平成13年12月14日(2001.12.14)
【代理人】 【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
【公開番号】 特開2003−182323(P2003−182323A)
【公開日】 平成15年7月3日(2003.7.3)
【出願番号】 特願2001−382322(P2001−382322)