| 【発明の名称】 |
空気入りタイヤ |
| 【発明者】 |
【氏名】桑山 勲 【住所又は居所】東京都小平市小川東町3−1−1 株式会社ブリヂストン技術センター内
|
| 【要約】 |
【課題】ブロック剛性を確保しつつ、適正なブロックの倒れ込み量を得ることで、氷上トラクション性能及び雪上トラクション性能をともに向上させる。
【解決手段】四辺形に形成されたブロック20の頂面となるブロック踏面20Cに、直線形状の細溝であるサイプ24が、複数本設けられる。サイプ24相互間及び、ブロック20の端部とサイプ24との間に、小ブロック26がそれぞれ形成され、これらサイプ24によりブロック20が分割された形になる。サイプ24が延びる方向に沿って形成される小ブロック26の一方の壁部26Aが、この壁部26Aの深さ方向の中程で曲がり、小ブロック26の深さ方向の途中の部分に段部28を有した構造となる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 環状に形成されるトレッドの路面と接する踏面部に、溝部で区画されたブロックを有する空気入りタイヤにおいて、ブロックに少なくとも1つサイプを設けることで、サイプ相互間及びブロックの端部とサイプとの間に、小ブロックを形成し、サイプの延びる方向に対して交差する方向に沿った小ブロックの表面側の厚さが、根元側の厚さに比較して薄くしたことを特徴とする空気入りタイヤ。 【請求項2】 サイプが延びる方向に沿って形成される小ブロックの壁部が、この壁部の深さ方向の中程で曲がり、小ブロックの深さ方向の途中に段部を有することで、小ブロックの表面側の厚みが薄くしていることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。 【請求項3】 前記段部が、小ブロックの一方の壁部に配置されることを特徴とする請求項2に記載の空気入りタイヤ。 【請求項4】 前記段部が、小ブロックの踏み込み側に配置されることを特徴とする請求項3に記載の空気入りタイヤ。 【請求項5】 前記段部が、小ブロックの蹴り出し側に配置されることを特徴とする請求項3に記載の空気入りタイヤ。 【請求項6】 トレッドの中央に並んで配置されたブロックの列であるセンタブロック列において、踏み込み側に前記段部が配置されることを特徴とする請求項4に記載の空気入りタイヤ。 【請求項7】 トレッドの端部寄りに並んで配置されたブロックの列であるショルダブロック列において、蹴り出し側に前記段部が配置されることを特徴とする請求項5に記載の空気人りタイヤ。 【請求項8】 前記段部が、階段状、テーパ状若しくは円弧状の何れかの形状とされることを特徴とする請求項2〜7の何れかに記載の空気入りタイヤ。 【請求項9】 前記段部が、ブロックの深さ方向の中程に複数配置されたことを特徴とする請求項2〜8の何れかに記載の空気入りタイヤ。 【請求項10】 ブロックの表面からの前記段部の最深部高さが、ブロック全体の高さの10%から50%の寸法とされることを特徴とする請求項2〜9の何れかに記載の空気入りタイヤ。 【請求項11】 サイプ相互間及びブロックの端部とサイプとの間の前記小ブロックの表面側の厚さが、根元側の厚さの70〜95%とされることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の空気入りタイヤ。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、凍結路もしくは雪道を走行する自動車に供する空気入りタイヤに係り、特に氷雪上における性能を向上させた空気入りタイヤに関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、例えば寒冷地で走行する乗用車に用いられる冬用の空気入りタイヤであっても、アイスバーンの様に凍った路面において、発進時に急加速した場合、タイヤがグリップしきれずにスリップし易く、加速性能が悪いという難点があった。そして、路面と接するタイヤのトレッドに、ブロック列が配列されたブロックタイプのトレッドパターンを有するものが知られているが、上記の様な凍結路における発進時の加速性能(以下、氷上トラクション性能という)を改良するために、ブロック列を構成する各ブロックにサイプを付加することもなされてきた。 【0003】しかし、サイプを付加した場合、サイプのエッヂ部が路面を引っ掻くことにより生じるトラクション効果(以下、エッヂ効果という)によって、氷上トラクション性能は向上するものの、路面の摩擦係数が氷上に比べて高い雪上では、サイプの付加によりブロック剛性が低下することになる。つまり、このサイプを付加した結果として、雪上においては、ブロックの倒れ込み変形量が大きくなり過ぎ、雪路における発進時の加速性能(以下、雪上トラクション性能という)が低下するという難点があった。 【0004】一方、サイプ深さを浅くしてブロック剛性を確保することが考えられるが、この場合には、ブロックの倒れ込み変形量が小さくなり過ぎるので、サイプのエッヂが路面を引っ掻かずにエッヂ効果が充分に発生しなくなると共に、摩耗時にすぐにサイプが無くなってしまう、という欠点があった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】以上のように、単にサイプを付加するのみで、雪上トラクション性能を保持したまま氷上トラクション性能を向上させることには、限界があり、また、サイプ深さを浅くしても十分な効果が得られなかった。本発明は上記事実を考慮し、ブロック剛性を確保しつつ、適正なブロックの倒れ込み量を得ることで、氷上トラクション性能及び雪上トラクション性能をともに向上させ得る空気入りタイヤを提供することが目的である。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1による空気入りタイヤは、環状に形成されるトレッドの路面と接する踏面部に、溝部で区画されたブロックを有する空気入りタイヤにおいて、ブロックに少なくとも1つサイプを設けることで、サイプ相互間及びブロックの端部とサイプとの間に、小ブロックを形成し、サイプの延びる方向に対して交差する方向に沿った小ブロックの表面側の厚さが、根元側の厚さに比較して薄くしたことを特徴とする。 【0007】請求項1に係る空気入りタイヤの作用を以下に説明する。本請求項に係る空気入りタイヤは、環状に形成されるトレッドの路面と接する踏面部に、溝部で区画されたブロックが設けられ、このブロックに少なくとも1つサイプを設けることで、サイプ相互間及びブロックの端部とサイプとの間に、小ブロックが形成される。さらに、このサイプの延びる方向に対して交差する方向に沿った小ブロックの表面側の厚さが、根元側の厚さに比較して薄くされている。 【0008】これは、小ブロックの表面側の厚さが、小ブロックの根元側の厚さに比較して薄くされることで、ブロックの表面側の剛性のみを低下させ、剪断変形時において、ブロックの根元付近を変形させず、小ブロックの表面付近を大きく変形させて表面付近を傾かせることを狙ったものである。 【0009】つまり、図6に示すように、単純にサイプ124を増やして小ブロック126を薄くすると、小ブロック126全体の剛性が低下して、図6(B)の点線で示すように小ブロック126のエッヂ部付近が過度に倒れ込んでしまうことになる。そしてこの結果として、エッヂが路面に食い込まなくなるので、駆動力であるトラクションが発生しなくなる。また、図5に示すように、単純にサイプ124を減らして小ブロック126全体を厚くすると、剛性が高まるのに伴って図5(B)の点線で示すように小ブロック126が傾きにくくなるので、小ブロック126のエッヂが路面に貫入せずエッヂ効果が得られなくなる。 【0010】これに対して、本請求項では、小ブロックの傾き変形量のアップと剛性のアップとの背反した目的を、小ブロックの根元部分の剛性を維持しつつ表面側のみ剛性を低下させるように、小ブロックの深さ方向に剛性分布を持たせることで、解決した。すなわち、このような剛性分布とすれば、根元部分を変形させずに表面側の傾きのみを大きくすることができ、小ブロックのエッヂが路面に貫入するための適正な小ブロックの傾きが得られるようになる。以上の結果、本請求項に係る空気入りタイヤによれば、ブロック剛性を確保しつつ、適正なブロックの倒れ込み量を得ることができ、氷上トラクション性能及び雪上トラクション性能をともに向上させることが可能となった。 【0011】請求項2に係る空気入りタイヤの作用を以下に説明する。本請求項では請求項1と同様の構成を有して同様に作用するが、さらに、サイプが延びる方向に沿って形成される小ブロックの壁部が、この壁部の深さ方向の中程で曲がり、小ブロックの深さ方向の途中に段部を有することで、小ブロックの表面側の厚みが薄くなっているという構成を有している。 【0012】つまり、小ブロックの深さ方向の途中に段部を設けて表面側の厚みを薄くすることで、小ブロックの表面側の厚さを、小ブロックの根元側の厚さに比較して薄くすることが可能となった。この結果、剪断変形時において、ブロックの根元付近を変形させず、小ブロックの表面付近を大きく変形させて表面付近を傾かせることが可能となり、請求項1と同様の作用効果を奏することになる。 【0013】請求項3から請求項7に係る空気入りタイヤの作用を以下に説明する。これら請求項では請求項1と同様の構成を有して同様に作用するが、さらに、請求項3では、前記段部が、小ブロックの一方の壁部に配置されるという構成を有している。また、請求項4では、特に雪上トラクション性能を向上させる為に、段部が小ブロックの踏み込み側に配置されるという構成を有し、請求項5では、特に雪上ブレーキ性能を向上させる為に、段部が小ブロックの蹴り出し側に配置されるという構成を有している。ここで、踏み込み側とは、タイヤ転動時に最初に接地する部分を言い、蹴り出し側とは、タイヤ転動時に最後に接地する部分を言う。 【0014】さらに、請求項6では、特に雪上トラクション性能を向上させる為に、トレッドの中央に並んで配置されたブロックの列であるセンタブロック列において、踏み込み側に段部が配置されるという構成を有している。また、請求項7では、特に雪上ブレーキ性能を向上させる為に、トレッドの端部寄りに並んで配置されたブロックの列であるショルダブロック列において、蹴り出し側に段部が配置されるという構成を有している。つまり、本発明では、目的に合わせて段部の位置を適宜設定することが可能となる。 【0015】請求項8及び請求項9に係る空気入りタイヤの作用を以下に説明する。これら請求項では請求項1と同様の構成を有して同様に作用するが、さらに、請求項8では、前記段部が階段状、テーパ状若しくは円弧状の何れかの形状とされるという構成を有し、請求項9では、前記段部がブロックの深さ方向の中程に複数配置されるという構成を有している。つまり、これらの請求項によれば、段部の形状及び数を適宜選択することで、目的に合わせた最適な構造が得られる。 【0016】請求項10に係る空気入りタイヤの作用を以下に説明する。本請求項では請求項1と同様の構成を有して同様に作用するが、さらに、ブロックの表面からの前記段部の最深部高さが、ブロック全体の高さの10%から50%であることが好ましい。ブロック高さの50%を超えると、ブロックの剛性が低下し、ブロックが倒れ込み易くなってしまう。逆に10%未満だとエッヂ効果を充分に発揮できなくなる。更に好ましくは20%〜40%の範囲である。 【0017】請求項11に係る空気入りタイヤの作用を以下に説明する。本請求項では請求項1と同様の構成を有して同様に作用するが、さらに、サイプ相互間及びブロックの端部とサイプとの間の前記小ブロックの表面側の厚さが、根元側の厚さの70〜95%の範囲が好適である。70%未満である場合は、ブロック幅が狭くなりすぎ、ブロックの倒れ込みが大きくなることに加え、接地面積の減少に伴う初期摩耗性の悪化が生じてしまう。逆に95%を超えるとエッヂ効果が充分発揮できない。更に好ましくは85%〜90%である。 【0018】 【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態に係る空気入りタイヤを図に基づき説明する。図1(A)は、本実施の形態となる空気入りタイヤ10のトレッドパターンの典型例を示す図である。ここで、この空気入りタイヤ10のタイヤサイズは例えば195/65R15とされる。また、この空気入りタイヤ10の内部構造については、図1(B)に示すように、両端部にビード部(図示せず)が配置されたトロイド状ラジアルカーカスであるカーカス12と、このカーカス12のクラウン部を覆うように配置されたそれぞれ剛性の高い複数枚のベルト(図示せず)と、これらベルトの外周面にトレッドゴムにより円環状に形成されて配置されたトレッド14とを、組み合わせたこの種の空気入りタイヤとしてごく一般的なものなので、以下の説明において記載を省略する。 【0019】さらに、図1に示すように、この空気入りタイヤ10の路面と接する外皮を円弧状であるクラウン形状に外表面が形成された上記のトレッド14の踏面部が構成している。このトレッド14は赤道面となる中央線CLを挟んで左右対称に形成されており、サイドウォール部18に繋がるトレッド14の両端部をショルダ部16がそれぞれ形成している。 【0020】また、この空気入りタイヤ10のトレッド14の踏面部には、それぞれトレッド14の周方向Rに延びる一対の縦辺と、それぞれトレッド14の周方向Rに対して直交する方向に延びる一対の横辺とで、四辺形に輪郭が形成されるキヤラメルパターンのブロック20が配置されている。 【0021】本実施の形態では、複数のこれらブロック20がトレッド14の一周に亘って等間隔で配置され、これらブロック20からなるブロック列がタイヤ軸方向Xに並んで5列それぞれ形成されている。そして、これらブロック20同士間には、これらブロック20を区画するリブ溝及びラグ溝である溝部22がそれぞれ形成されている。 【0022】さらに、本実施の形態に係る空気入りタイヤ10のトレッドパターンでは、トレッド14の中央に並んで配置されたブロック20の列がセンタブロック列14Aとされ、このセンタブロック列14Aを挟んでトレッド14の両端部寄りに並んで配置されたブロック20の列が両ショルダブロック列14Bとされている。 【0023】ここで図2に示すように、ブロック20を構成する縦辺の長さ寸法Dを40mmとし、同じくブロック20を構成する横辺の長さ寸法Wを30mmとし、ブロック踏面20Cの溝部22からの高さ寸法Hは12mmとしている。また、これら四辺形に形成されたブロック20の頂面となるブロック踏面20Cには、図3(A)に示す深さ寸法Fを10mmとした直線形状の細溝であるサイプ24が、複数本(本実施の形態では4本)設けられている。 【0024】この結果、サイプ24相互間及び、ブロック20の端部とサイプ24との間に、小ブロック26がそれぞれ形成され、これらサイプ24によりブロック20が分割された形で、各ブロック20内に小ブロック26が複数存在することになる。さらに、このサイプ24が延びる方向に沿って形成される小ブロック26の一方の壁部26Aが、この壁部26Aの深さ方向の中程で曲がり、小ブロック26の深さ方向の途中の部分に段部28を有した構造となっている。そして、本実施の形態では、図3(A)に示すように、サイプ24の始端から段部28までの距離である寸法F1が4mmとし、段部28からサイプ24の底部までの距離である寸法F2が6mmとした。 【0025】以上のようにサイプ24を形成する壁部26Aに段部28が設けられた結果として、本実施の形態では、サイプ24の延びる方向に対して交差する方向である直交する方向に沿った小ブロック26の表面側の厚さ寸法Bが5.4mmとし、またこの小ブロック26の根元側の厚さ寸法Aが6mmとした。つまり、小ブロック26の表面側の厚さ寸法Bが、この小ブロック26の根元側の厚さ寸法Aに比較して薄く形成されることになる。尚、図2において右側のブロック20の端部にも、サイプ24の一方の壁部26Aに設けられた段部28に対応して、段部30を有している。 【0026】次に、本実施の形態に係る空気入りタイヤ10の作用を以下に説明する。本実施の形態に係る空気入りタイヤ10は、円環状に形成されるトレッド14の路面と接する踏面部に、溝部22で区画されるブロック20を有するようなトレッドパターンを備えている。また、このブロック20に複数のサイプ24が設けられることで、サイプ24相互間及びブロック20の端部とサイプ24との間に、小ブロック26が形成されている。 【0027】そして、サイプ24が延びる方向に沿って形成される小ブロック26の壁部26Aが、この壁部26Aの深さ方向の中程で曲がることで小ブロック26の深さ方向の途中に段部28が設けられており、この段部28の存在により、サイプ24の延びる方向に対して交差する方向に沿った小ブロック26の表面側の厚さが、小ブロック26の根元側の厚さに比較して薄く形成されている。 【0028】つまり、本実施の形態では、小ブロック26の表面側の厚さを、小ブロック26の根元側の厚さに比較して薄くすることで、ブロック20の表面側の剛性のみを低下させ、剪断変形時において、図3(B)の点線で示すようにブロック20の根元付近を変形させずに、小ブロック26の表面付近を大きく変形させて表面付近を傾かせるようにしたものである。 【0029】この結果、小ブロック26の傾き変形量のアップと剛性のアップとの背反した目的が、小ブロック26の根元部分の剛性を維持しつつ表面側のみ剛性を低下させるように、小ブロック26の深さ方向に剛性分布を持たせることで、解決された。すなわち、本実施の形態の剛性分布によれば、根元部分を変形させずに表面側の傾きのみを大きくできることから、小ブロック26のエッヂが路面に貫入するための適正な小ブロック26の傾きが得られるようになる。 【0030】以上の結果、本実施の形態に係る空気入りタイヤによれば、ブロック剛性を確保しつつ、適正なブロックの倒れ込み量を得ることができ、氷上トラクション性能及び雪上トラクション性能をともに向上させることが可能となった。 【0031】そして、本実施の形態では、小ブロック26の一方の壁部26Aに段部28が配置された構造となっているが、特に雪上トラクション性能を向上させようとする場合、センタブロック列14Aのブロック20において、小ブロック26の踏み込み側に段部28を配置することが考えられる。また、特に雪上ブレーキ性能を向上させようとする場合、ショルダブロック列14Bのブロック20において、小ブロック26の蹴り出し側に段部28を配置することが考えられる。 【0032】次に、本実施の形態の変形例について説明する。図4(A)に示す本実施の形態のように段部28を形成して小ブロック26が途中からくびれた形となった構造の他に、まず、第1変形例として、図4(B)に示すように段部28をテーパ状に形成することが考えられる。さらに、第2変形例として、図4(C)に示すように段部28を円弧状に形成することが考えられる。また、第3変形例として、図4(D)に示すように段部28をブロック20の深さ方向の中程に複数(本変形例では2ヵ所)配置して階段状にすることが考えられる。つまり、これらの変形例のように、壁部を屈曲したり湾曲させたりして段部28を形成し、この段部28の形状及び数を適宜選択することで、目的に合わせた最適な構造が得られることになる。 【0033】一方、ブロック20の表面からのこれら段部28の図3(A)及び図4に示す最深部高さとなる寸法F1は、ブロック20全体の高さ寸法Hの10%から50%の寸法とすることが好ましい。更に好ましくは20%〜40%とすることである。また、図3(A)及び図4に示すサイプ24相互間及び、ブロック20の端部とサイプ24との間の小ブロック26の表面側の厚さ寸法Bを、根元側の厚さ寸法Aの70〜95%の寸法とすることが好ましく、更に好ましくは85%〜90%とすることである。 【0034】次に、本実施の形態で説明した空気入りタイヤの実施例と従来例に係るタイヤとを比較して走行試験を行った結果を、以下の表1の基づきに説明する。つまり、表1に示す比較例1は、図5に示す厚さ寸法Aと同一の厚みとなる小ブロック126を有した従来の空気入りタイヤであり、比較例2は、図6に示す厚さ寸法Bと同一の厚みとなる小ブロック126を有した従来の空気入りタイヤである。これに対して表1に示す実施例は、一実施の形態の図2及び図3に示す空気入りタイヤに対応している。 【0035】そして、これらの各タイヤを車両に装着して氷上及び雪上で発進テスト、即ち氷上トラクション性能及び雪上トラクション性能を評価する為のトラクションテストを行い、下記の表1の結果が得られた。 【0036】 【表1】
【0037】尚、トラクションテストとしては、静止状態から徐々に加速し50m走行するまでの時間(加速タイム)を測定するようにした。また、表1に示す評価結果の各欄内の値は、従来品である比較例1の加速タイムを各タイヤの試験タイムである加速タイムで割り、100をかけて指数化したものであり、指数が大であれば良好な結果となる。 【0038】上記の表1の結果として、サイプの深さ方向中程に段部を設けた本実施の形態に係る空気入りタイヤである実施例が、従来のタイヤよりも氷上トラクション性が向上していることが判明した。ここで、走行試験の際に用いられたタイヤのサイズは195/65R15であり、リムのサイズは6J−15であり、タイヤの内圧が約200KPaである。 【0039】尚、上記の実施の形態においてサイプや段部の構造は図面に示したものに限定されず、他の構造としても良い。また、上記の実施の形態で用いられるトレッドを構成するトレッドゴムとしては、発泡ゴムやその他の種類のゴム材を採用することができる。 【0040】 【発明の効果】本発明の空気入りタイヤは上記構成としたので、ブロック剛性を確保しつつ、適正なブロックの倒れ込み量を得ることで、氷上トラクション性能及び雪上トラクション性能をともに向上できるという優れた効果を有する。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000005278 【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン 【住所又は居所】東京都中央区京橋1丁目10番1号
|
| 【出願日】 |
平成13年12月21日(2001.12.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100101269 【弁理士】 【氏名又は名称】飯塚 道夫
|
| 【公開番号】 |
特開2003−182313(P2003−182313A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月3日(2003.7.3) |
| 【出願番号】 |
特願2001−388657(P2001−388657) |
|