| 【発明の名称】 |
空気入りラジアルタイヤ |
| 【発明者】 |
【氏名】湯川 直樹 【住所又は居所】兵庫県神戸市中央区脇浜町3丁目6番9号 住友ゴム工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】ロードノイズの低減効果を有効に発揮しながら、通過騒音と転がり抵抗との悪化を最小許容限度内に止める。
【解決手段】カーカス6と、ベルト層7と、このベルト層7の外側に小巾の帯状プライをベルト層の全幅に亘って螺旋巻きすることにより形成されたバンドプライ9からなるバンド層10とを具えた空気入りラジアルタイヤ1である。バンドプライ9は、タイヤ軸方向の両外側領域SHをなしかつ前記帯状プライの巻き付けピッチを該帯状プライの幅の1.0倍以下とした高密度部10aと、この高密度部10a、10a間に形成されかつ帯状プライの巻き付けピッチを該帯状プライの幅の1.2〜2.6倍とした低密度部10bとを含む。帯状プライの伸び抗力値K(単位:N・本/cm)を一定範囲に規制する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】ラジアル構造のカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内方に配されたベルト層と、このベルト層の半径方向外側に、複数本のバンドコードをトッピングゴム中に埋設した小巾の帯状プライを螺旋巻きすることにより前記ベルト層の全幅を覆うバンドプライを含むバンド層とを具えた空気入りラジアルタイヤであって、前記バンドプライは、そのタイヤ軸方向の両外側部をなしかつ前記帯状プライの巻き付けピッチが該帯状プライの幅の1.0倍以下である高密度部と、前記高密度部の間に形成されかつ前記帯状プライの巻き付けピッチが該帯状プライの幅の1.2〜2.6倍である低密度部とを含むとともに、前記帯状プライは、前記バンドコードの1本当たりの断面積をS(単位:mm2)、前記バンドコードの伸び2%時におけるモジュラスをM(単位:N/mm2 )、帯状プライの幅1cm当たりのバンドコードの配列密度をD(単位:本/cm)としたき、次式(1)で定まる伸び抗力値K(単位:N・本/cm)を130〜700としたことを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。 K=S×M×D/100 …(1) 【請求項2】前記バンドプライは、一方の高密度部から他方の高密度部まで帯状プライを連続して螺旋巻きすることにより形成されてなる請求項1記載の空気入りラジアルタイヤ。 【請求項3】前記帯状プライは、前記伸び抗力値K(単位:N・本/cm)が166〜467であることを特徴とする請求項1又は2記載の空気入りラジアルタイヤ。 【請求項4】前記バンドプライは、前記高密度部のタイヤ軸方向の幅がベルト層の幅の7〜34%であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。 【請求項5】前記帯状プライの前記幅が4〜20mmである請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。 【請求項6】前記帯状プライは、トッピングゴムの厚さが0.7〜1.5mmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。 【請求項7】前記バンドプライは、タイヤ赤道に向かって帯状プライの前記巻き付けピッチが漸増する漸増部を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、通過騒音と転がり抵抗との悪化を最低限に抑えながらロードノイズを低減しうる空気入りラジアルタイヤに関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】空気入りラジアルタイヤでは、高速耐久性を向上するために、ベルト層の外側に、バンドコードをトッピングゴムで被覆した帯状プライを螺旋状に巻回させたバンドプライからなるバンド層を設けることが行われている。そして、このようなバンド層を設けると、周波数250Hz付近のロードノイズ(車内騒音)が低減されることが判明した。とりわけ、高モジュラスのバンドコードを用いること等により、ベルト、カーカスへの拘束力をさらに高めると、ロードノイズ低減効果がより一層向上しうることが判明した。 【0003】しかしながら、バンド層による拘束力を高めていくと前記の如くロードノイズは低減されるが、意外にも車室外で聴取される通過騒音(車外騒音)が悪化することが判明した。このように、従来の空気入りラジアルタイヤでは、バンド層を用いてロードノイズの低減を図る場合、通過騒音の悪化を伴うことがあった。 【0004】発明者らはさらに鋭意研究を重ねた結果、トレッド部の中央部と両外側部とで帯状プライの巻き付けピッチを違えることにより、中央部を疎にかつ両外側部を密に螺旋巻きするとともに、後述の式にて定義される帯状プライの伸び抗力値を一定範囲に限定することを基本として、通過騒音の悪化を最低限に抑えながらロードノイズを低減しうることを見出し本発明を完成させるに至った。 【0005】以上のように、本発明は、通過騒音の悪化を最小許容限度内に止めながらロードノイズの低減効果を有効に発揮しうる空気入りラジアルタイヤを提供することを目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1の発明は、ラジアル構造のカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内方に配されたベルト層と、このベルト層の半径方向外側に、複数本のバンドコードをトッピングゴム中に埋設した小巾の帯状プライを螺旋巻きすることにより前記ベルト層の全幅を覆うバンドプライを含むバンド層とを具えた空気入りラジアルタイヤであって、前記バンドプライは、そのタイヤ軸方向の両外側部をなしかつ前記帯状プライの巻き付けピッチが該帯状プライの幅の1.0倍以下である高密度部と、前記高密度部の間に形成されかつ前記帯状プライの巻き付けピッチが該帯状プライの幅の1.2〜2.6倍である低密度部とを含むとともに、前記帯状プライは、前記バンドコードの1本当たりの断面積をS(単位:mm2 )、前記バンドコードの伸び2%時におけるモジュラスをM(単位:N/mm2 )、帯状プライの幅1cm当たりのバンドコードの配列密度をD(単位:本/cm)としたき、次式(1)で定まる伸び抗力値K(単位:N・本/cm)を130〜700としたことを特徴としている。 K=S×M×D/100 …(1) 【0007】また請求項2記載の発明は、前記バンドプライは、一方の高密度部から他方の高密度部まで帯状プライを連続して螺旋巻きすることにより形成されてなる請求項1記載の空気入りラジアルタイヤである。 【0008】また請求項3記載の発明は、前記帯状プライは、前記伸び抗力値K(単位:N・本/cm)が166〜467であることを特徴とする請求項1又は2記載の空気入りラジアルタイヤである。 【0009】また請求項4記載の発明は、前記バンドプライは、前記高密度部のタイヤ軸方向の幅がベルト層の幅の7〜34%であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤである。 【0010】また請求項5記載の発明は、前記帯状プライの前記幅が4〜20mmである請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤである。 【0011】また請求項6記載の発明は、前記帯状プライは、トッピングゴムの厚さが0.7〜1.5mmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤである。 【0012】また請求項7記載の発明は、前記バンドプライは、タイヤ赤道に向かって帯状プライの前記巻き付けピッチが漸増する漸増部を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤである。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。図1は、本実施形態として乗用車用の空気入りラジアルタイヤの子午断面図を示している。図において、空気入りラジアルタイヤ1(以下タイヤ1という)は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、トレッド部2の内方かつ前記カーカス6の半径方向外側に配されるベルト層7と、該ベルト層7の半径方向外側に配されるバンド層9とを具えている。 【0014】前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ赤道Cに対して例えば75゜〜90゜の角度で配列した1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから構成される。このカーカスプライ6Aは、前記ビードコア5、5間に跨るトロイド状の本体部6aの両端に、前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bを有するとともに、該本体部6aと折返し部6bとの間には、前記ビードコア5からタイヤ半径方向外側に先細状にのびるビードエーペックスゴム8が配置されている。このビードエーペックスゴム8は本例で硬質のゴムからなることによりビード部4の曲げ剛性を高めるのに役立つ。なおカーカスコードとして、本例ではポリエステルコードが採用されるが、これ以外にもナイロン、レーヨン、アラミドなどの有機繊維コードやタイヤのカテゴリーに応じてスチールコードなども採用される。 【0015】また前記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ赤道Cに対して例えば15〜45°の角度で配列した2枚以上、本例では2枚のベルトプライ7A、7Bを前記コードが互いに交差する向きに重ね合わせて構成される。なお半径方向内側のベルトプライ7Aの巾は、外側のベルトプライ7Bに比べて巾広に形成されることにより、この巾がベルト層7の巾Wをなす。また前記ベルトコードとしては、本例ではスチールコードを採用しているが、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、芳香族ポリアミド等の高モジュラスの有機繊維コードも必要に応じて用いることができる。 【0016】また前記バンド層9は、本例ではベルト層7の略全巾を覆う1枚のバンドプライ9により構成されている。前記バンドプライ9は、図2(A)及びその断面図である(B)に示すように、複数本(例えば3〜10本程度)のバンドコード11の引き揃え体をトッピングゴム12中に埋設したテープ状の帯状プライ13を螺旋巻きすることにより形成されている。そして、本実施形態では、1本の帯状プライ13を、ベルト層7の一方の端部7eから他方の端部7eに向かって連続して螺旋巻きすることによりバンドプライ9を形成したものを例示している。これにより、プライの継ぎ目を減じタイヤの均一性を向上しうる。 【0017】前記帯状プライ13は、そのタイヤ軸方向の幅PWが大きすぎると螺旋に巻き回すのが困難な傾向があり、逆に小さすぎてもバンドプライ9を形成するための巻回数が大となり生産性を低下させやすい。このような観点より、例えば乗用車用ラジアルタイヤの場合、帯状プライ13の幅PWは、例えば4〜20mm、より好ましくは7〜14mm、さらに好ましくは8〜12mmとするのが望ましい。なおこの幅PWは、巻き付け前の未加硫状態でのものである。 【0018】前記バンドコード11は、例えば有機繊維コードが好適に用いられるが、より優れたロードノイズ低減効果を得るためには、例えばポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、芳香族ポリアミド、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)等の高モジュラスの有機繊維コード、PEN+芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミド+PBO、その他2種以上の有機繊維フィラメントを撚り合わせた複合コード等、より具体的には2%モジュラスが10000(N/mm2 )以上、より好ましくは12000(N/mm2)以上の有機繊維コードが好ましい。本実施形態のバンドコード11には、PENコードが用いられている。 【0019】また図2(B)に示すように、帯状プライ13は、トッピングゴム12の厚さT(仮想線で示すバンドコード11の外面から帯状プライ13の外面までの厚さ)が0.7〜1.5mm、より好ましくは0.7〜1.3mmであるのが望ましい。トッピングゴム12の前記厚さTが0.7mm未満であると、バンドプライ9とベルト層6と間の接着力が低下し、この部分でルース等が生じやすくなる傾向があり、逆に1.5mmを超えると、帯状プライ13全体の厚さが大となり、後述する低密度部10bにおいて形成される帯状プライ13、13の離間部分において空気溜まりが生じやすくタイヤの成形性を悪化させる傾向がある。 【0020】また図1、図3に示すように、バンドプライ9は、そのタイヤ軸方向の両外側部SH、SHをなしかつ前記帯状プライ13の巻き付けピッチP1が該帯状プライの幅PWの1.0倍以下である高密度部10aと、この高密度部10aの間に設けられかつ帯状プライ13の巻き付けピッチP2、P3及びP4が該帯状プライの幅PWの1.2〜2.6倍である低密度部10bとを含む。なお巻き付けピッチは、帯状プライ13がタイヤ周方向で1周したときのタイヤ軸方向の移動量とする。 【0021】前記高密度部10aは、本例では帯状プライ13の巻き付けピッチP1を帯状プライ13の幅PWの1.0倍とし、実施的にタイヤ軸方向で隣り合う帯状プライ13の側縁13e同士が接するように螺旋状に巻き付けた態様を示す。このような高密度部10aは、ベルト層7の両外側部SHにおいてバンドコード11の配設密度を高める他、図4に示すように、バンドコード11のタイヤ周方向に対する角度θ1がより小さくなる。具体的には高密度部10aにおけるバンドコード11のタイヤ周方向に対する角度θ1が0.1〜0.4度程度に設定できる。これらの相乗作用により、高密度部10aは、ベルト層7の両外側部SHにおいて拘束力を高め、ロードノイズを効果的に低減しうる。 【0022】高密度部10aのタイヤ軸方向の幅BW1は特に限定はされないが、小さすぎるとベルト層7の外側部SHを高い拘束力で締め付けてロードノイズを低減させる効果が小さくなる傾向があり、逆に大きすぎると、トレッド中央部に高い拘束力を与えやすく通過騒音レベルを悪化させる傾向がある。このような観点より、種々の実験の結果、高密度部10aのタイヤ軸方向の幅BW1は、ベルト層7のタイヤ軸方向の最大幅Wの7〜34%、より好ましくは14〜27%、特に好ましくは17〜23%とすることが望ましい。 【0023】前記低密度部10bは、本実施形態では帯状プライ13の巻き付けピッチを高密度部10aのタイヤ軸方向の巻き付けピッチよりも大としており、タイヤ軸方向で隣り合う帯状プライ13、13間に、その側縁13e、13e同士が離間した離間部分14を形成する。このような低密度部10bは、バンドコード11の配設密度が小となる他、図4に示すように、バンドコード11のタイヤ周方向に対する角度θ2が高密度10aよりも大、より具体的にはタイヤ周方向に対して0.5〜2.0度以下の角度θ2程度に設定しうる。これらの相乗作用により、低密度部10bは、ベルト層7の中央部Crにおいて拘束力を弱め通過騒音が悪化するのを抑制しうる。なお本例では、前記高密度部10a、10a間の全域に幅BW2で低密度部10bを設けたものを示す。なお、通過騒音の悪化を防止するために、図8に示すように、中央部Crにバンドプライを設けないようにすることも考えられるが、この場合、転がり抵抗が大巾に悪化する傾向があるため好ましくない。 【0024】前記ベルト層7の巾W、高密度部10a、低密度部10bの各巾BW1、BW2などは、タイヤ1を正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填した無負荷の状態で測定した値である。ここで、「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"である。また、「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" であるが、タイヤが乗用車用である場合には180KPaとする。 【0025】また本実施形態では、図3に示す如く、前記低密度部10bに、タイヤ赤道C側に向かって巻き付けピッチが漸増する漸増部15を設けたものを例示している。即ち、漸増部15は、図3に示す如く、巻き付けピッチがP2<P3<P4の関係を満たす。例えば、帯状プライ13の巻き付けに際して、高密度部10aから低密度部10bへと変化させる部分においては、1回の巻回ステップにより、巻き付けピッチを変化させることもできる。このような場合、例えば高密度部10aの大きな拘束力が低密度部10bとの境界部において急激に途絶え、ロードノイズ低減効果にロスが生じやすい。これに対して、例えばバンドプライ10の低密度部10bに、タイヤ赤道Cに向かって巻き付けピッチが漸増する漸増部15を設けることにより、トレッドの中央部Crでの拘束力を下げ通過騒音の悪化を防止しつつそ外側部SH側での急激な高速力の低下を防ぎロードノイズ低減効果を最大限に発揮させることができる。 【0026】なお本実施形態では、このような漸増部15を低密度部10bに設けた態様を示すが、例えば図5に示すように、高密度部10aにも巻き付けピッチがタイヤ赤道側に向かって漸増する(P1<P2<P3<P4)漸増部15を設けることができる。また、この漸増部15における巻き付けピッチの増加率は、例えば5〜55%、より好ましくは15〜45%程度に止めることにより、拘束力の変化を徐々に行うことが望ましい。これにより、ロードノイズ低減効果と通過騒音の悪化防止効果をよりバランス良く向上させうる。 【0027】また本発明に用いる帯状プライ13は、そのバンドコード11の1本当たりの断面積をS(単位:mm2 )、該バンドコードの伸び2%時におけるモジュラス(JIS L1017に準拠して測定した値)をM(単位:N/mm2 )、帯状プライ13の巾1cm当たりのバンドコードの配列密度をD(単位:本/cm)としたき、次式(1)で定まる伸び抗力値K(単位:N・本/cm)を130〜700に限定しており、より好ましくは166〜467、さらに好ましくは213〜467、特に好ましくは247〜334とするのが望ましい。 K=S×M×D/100 …(1) 【0028】帯状プライ13の伸び抗力値Kは、帯状プライ13の単位巾当たりかつ単位長さ当たりの伸びに対する抗力の指標を示す値であって、この値Kが大きいほどベルト層7、カーカス6への拘束力を大としうる。このように本発明では、上述のようなバンドプライ10の構成と伸び抗力値Kを限定した帯状プライ13との有機的な結合により、通過騒音、転がり抵抗の著しい悪化などを生じることなしにロードノイズを効果的に低減させる。 【0029】ここで帯状プライ13の伸び抗力値Kが130(N・本/cm)よりも小の場合、ベルト層7への拘束力が小さくなってロードノイズの低減が十分に得られない。逆に伸び効力値Kが700(N・本/cm)よりも大の場合、バンドコード11の断面積、バンドコードの配列密度、又はバンドコード11の2%モジュラスが著しく大きくなり、タイヤの成形自体が困難となる他、低密度部10bでの拘束力を過度に高め過度騒音を悪化させる。 【0030】またバンドコード11の断面積Sは、乗用車用ラジアルタイヤの場合、例えば0.05(mm2 )以上、より好ましくは0.08(mm2 )以上、さらに好ましくは0.13〜0.35(mm2 )とすることが望ましい。バンドコード11の断面積Sが小さすぎると、伸び抗力値Kを高めるためにバンドコードの2%モジュラス及び/又は配列密度などを著しく大とする必要があり、逆にバンドコード11の断面積Sが大きすぎても、タイヤの成形性が低下する傾向がある。 【0031】またバンドコード11の前記配列密度Dは、例えば5〜20(本/cm)、より好ましくは6〜18(本/cm)、さらに好ましくは7〜17(本/cm)程度とすることが望ましい。バンドコード11の配列密度Dが小さすぎると、伸び抗力値Kを高めるために、バンドコードの2%モジュラス及び/又は断面積が著しく大となる傾向があるため、タイヤの製造コストが増大したり、またタイヤの耐久性が低下しやすく、逆に配列密度Dが大きすぎてもバンドコード11へのゴム付着性が低下し、ルースを招きやすくなるなどタイヤの耐久性を低下させる傾向がある。 【0032】図6(A)には、本発明の他の実施形態を示す。この形態では、バンド層9が、ベルト層7の全幅を覆うバンドプライ10Aと、このバンドプライ10Aの高密度部10aだけを覆うエッジバンドプライ10Bとからなる。これにより、高密度部10aが実質的に2層で構成される。ベルト層7の外側部SHでは、拘束力が大きいほどロードノイズ低減効果が得られるため、このようなエッジバンドプライ10Bを含ませることが効果的である。なおこの形態では、先にバンドプライ10Aを帯状プライ13の螺旋巻きによって形成し、その後に帯状プライ13をさらに螺旋巻きにて重ねることによりエッジバンドプライ10Bを形成しても良いし、また高密度部10aにおいて、帯状プライ13を同一位置にて2周巻き重ねた後、所定の巻き付けピッチでタイヤ軸方向に移動させることによっても形成できる。また図6(B)のように、低密度部10bも2層で形成することもできる。 【0033】 【実施例】タイヤサイズ195/65R15 91Hの乗用車用ラジアルタイヤを、表1の仕様に基づき試作するとともに、各試供タイヤのロードノイズ性能、通過騒音性能及び転がり抵抗性能をテストし性能を比較した。なお帯状プライのトッピングゴムの厚さTは0.9mmに統一した。また帯状プライの幅は、実施例18が4mm、実施例19が7mm、実施例20が3mm、実施例22が14mm、実施例23が6mm、実施例25が19mm、実施例26が20mm、それ以外は全て10mmとした。テスト方法は次の通りである。 【0034】(1)ロードノイズ性能各試供タイヤを、リム(15×6JJ)、内圧(200kPa)にて国産FF乗用車(排気量2000cm3 )の全輪に装着し、スムース路面を速度50km/hにて走行させ、運転席左耳許位置にて1/3オクターブバンド解析の250Hzと315Hzとの騒音レベル(dB)をそれぞれ測定し、比較例1を基準とした各チャンネルでの低減代の和で示している。数値が、マイナス表示ほど好ましい。 【0035】(2)通過騒音性能JASO/C/606に規定する実車惰行試験に準拠して、直線状のテストコース(アスファルト路面)を通過速度53km/hで50mの距離を惰行走行させるとともに、コースの中間点において走行中心線から側方に7.5m、かつ路面から1.2mの位置に設置した定置マイクロフォンにより通過騒音の最大レベルdB(A)を測定し、比較例1を基準とした騒音レベルの変化量として示している。従って、マイナス表示が比較例1からの通過騒音の低減値を示し良好である。 【0036】(3)転がり抵抗性能転がり抵抗試験機を用い、試供タイヤを、リム(15×6JJ)、内圧(230kPa)、荷重(4400N)、速度(80km/h)で走行させたときの転がり抵抗値(N)を測定し、荷重(N)で除して104 を乗じたポイント値に換算するとともに、比較例1のポイント値を基準とした変化量として示している。従って、マイナス表示は比較例1からの転がり抵抗のポイント値の低減量を示す。テストの結果などを表1に示す。 【0037】 【表1】
【0038】テストの結果、実施例のものは、通過騒音の悪化を伴うことなくロードノイズを低減していることが確認できる。また転がり抵抗についても特に問題のないレベルであることが確認できる。 【0039】次に、トッピングゴムの厚さTを種々変化させた帯状プライを用いて上記同サイズの乗用車用ラジアルタイヤを表2の仕様に基づき試作して耐久試験を行った。耐久試験は、リム(15×6JJ)、内圧(280kPa)、縦荷重(4.83KN)、速度(150km/h)の条件でドラム試験機上を走行し、ECE30により規定された荷重/速度性能テストに準拠してステップスピード方式により実施した。そして、タイヤが破壊したときの速度を測定した。なおトッピングゴムの厚さ以外は実施例4と同一の構成としている。テストの結果を表2に示す。 【0040】 【表2】
【0041】テストの結果、帯状プライのトッピングゴムの厚さが0.7〜1.5mmのものについては、非常の高い耐久性を発揮していることが確認できた。一方、トッピングゴムの厚さが0.5mmと薄いものは、ベルト層7にてルースが生じた。これはベルト層とバンド層との間の接着力の低下が原因と考えられる。また帯状プライのトッピングゴムの厚さを1.8mmと大きくしたものではトレッド部の剥離が原因であった。これは、帯状プライの厚さが大であったため、タイヤ成形時に低密度部の帯状プライ間に生じた空気溜まりが十分に排気されず、これが原因となってゴム剥離が生じたものと考えられる。 【0042】次にタイヤ軸方向で隣り合う帯状プライの隙間を変化させたタイヤ(実施例34、35)を実施例4と比較した。テスト内容は表1と同様であるが、評価は実施例4を100とする指数にて示した。数値が大きい程良好である。 【0043】 【表3】
【0044】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の空気入りラジアルタイヤは、通過騒音と転がり抵抗とを悪化させることなくロードノイズを低減することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000183233 【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社 【住所又は居所】兵庫県神戸市中央区脇浜町3丁目6番9号
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| 【出願日】 |
平成13年12月18日(2001.12.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082968 【弁理士】 【氏名又は名称】苗村 正 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−182307(P2003−182307A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月3日(2003.7.3) |
| 【出願番号】 |
特願2001−384928(P2001−384928) |
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