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【発明の名称】 タイヤ内圧警報装置および、タイヤ内圧警報装置とリムとの組立体
【発明者】 【氏名】豊福 雅宣
【住所又は居所】東京都小平市小川東町3−1−1 株式会社ブリヂストン技術センター内

【氏名】竹田 裕二
【住所又は居所】東京都小平市小川東町3−1−1 株式会社ブリヂストン技術センター内

【要約】 【課題】金属製のバルブステムを介してリムに取り付けられ、タイヤの内圧を検出して、検出した信号を、アンテナから車体側の受信機に送信するタイヤ内圧警報装置、もしくは、タイヤ内圧警報装置とリムとの組立体において、アンテナから放射される電波が、リムの電位変動により影響を受けて、その送信特性が劣化するのを防止する。

【解決手段】バルブステムの、リムの貫通穴と係合する外周の全面に、電気絶縁部材を設け、バルブステムと、リムとを完全に電気的に絶縁する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金属製リムに装着されたタイヤの内圧を検出する圧力センサと、検出した圧力に関する情報を車体側の受信機に送信するアンテナと、圧力センサおよびアンテナを収納するケーシングと、ケーシングに固定され、リムに設けた貫通穴に挿通される金属製バルブステムとを具えたタイヤ内圧警報装置において、バルブステムの、リムの貫通穴と係合する外周の全面に、電気絶縁部材を設けてなるタイヤ内圧警報装置。
【請求項2】 前記電気絶縁部材を、ゴム製グロメットで構成し、もしくは、樹脂製としてなる請求項1に記載のタイヤ内圧警報装置。
【請求項3】 金属製リムに装着されたタイヤの内圧を検出する圧力センサ、検出した圧力に関する情報を車体側の受信機に送信するアンテナ、圧力センサとアンテナとを収納するケーシング、および、ケーシングに固定され、リムに設けた貫通穴に挿通される金属製バルブステムを具えたタイヤ内圧警報装置と、リムとの組立体であって、バルブステム外周面と、リムの貫通穴の壁面との間の全面にわたって、電気絶縁部材を配設してなるタイヤ内圧警報装置とリムとの組立体。
【請求項4】 前記電気絶縁部材を、ゴム製グロメットで構成し、もしくは樹脂製としてなる請求項3に記載のタイヤ内圧警報装置とリムとの組立体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両におけるタイヤ空気圧の状態を監視して、異常を運転者に通知するためのタイヤ内圧警報装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、車両のリムに取り付けられて、タイヤの空気圧を検出し、この空気圧に関する情報を、電波により、車両側に設けた受信機に送信し、空気圧の異常を運転者に知らせるためのタイヤ内圧警報装置が知られていて、このような内圧警報装置を、図3〜図4に示す。
【0003】図3は、このタイヤ内圧警報装置90の取り付け状態を示す略線断面図である。タイヤ内圧警報装置90は、タイヤ97に内圧を注入するための金属製のバルブステム95と一体となって、リム92のウェル部側面94に取り付けられる。このタイヤ内圧警報装置90は、タイヤ97を、リム92に取り付ける際に、タイヤ97に干渉しないよう、リムのウェル部内で、ウェル部底面93の外周面に、できるだけ近づけて配置される。
【0004】図4は、従来のタイヤ内圧警報装置90内の部品配置を示す略線断面図である。このタイヤ内圧警報装置90は、電子基板81と、電子基板81に電力を供給する平板状電池82と、処理された信号を車体側の受信機に送信するアンテナ84とを具えている。電子基板81には、タイヤの内圧を検出する圧力センサ83や半導体素子がマウントされ、半導体素子と、電子基板81に設けられた回路パターンとで、検出した圧力信号を処理する信号処理回路を構成する。
【0005】アンテナ84は、電子基板81の信号回路に接続されているので、図4に示すように、電子基板81内の周辺部にパターン化されて張り巡らされ、もしくは、電子基板81の上面もしくは下面に沿った近傍に張り渡されて配設される。
【0006】また、このタイヤ内圧警報装置90は、電子基板81にほぼ平行に配置される蓋部87と、蓋部87の周縁から、電子基板81および平板状電池82を囲繞する方向に突出する縁部88とを有するケーシング85を具え、ケーシング85内には、電子基板81と平板状電池82とを配置した後、注入され固化される封止樹脂86を設け、これらの部品を固定するとともにこれらの部品の腐食を防止している。
【0007】バルブステム95は、金属製、もしくは、ゴム製グロメット97を介して、リム92に設けられた貫通穴99に挿通され、このバルムステム95と螺合するナット96を、金属ワッシャ98Aとゴムワッシャ98Bを介して、リム92のウェル部側部94に締付けることにより、リム92に固定される。そして、タイヤ内圧警報装置90において、このケーシング85と、バルブステム95とが一体的に固定されていて、ケーシング85は、バルブステム95を介してリム92に固定されることとなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような、従来のタイヤ内圧警報装置90は、以下に示すような問題点をかかえ、その根本的な解決が求められていた。
【0009】グロメット97を金属製とするタイヤ内圧警報装置90の問題点は、アンテナ84が、導体よりなるリム92と、金属製グロメット97を介して電気的に導通するバルブステム95が、極めて隣接して配設されるために、アンテナ84から、車体側に設けた受信機に放射される電波が、このリム92の電位すなわちバルブステム95の電位により大きく影響を受け、その送信安定性が劣化されるとともに、電波の伝播範囲が大きく制限される点である。すなわち、導体であるリム92の電位は、その周囲の電気的環境によって、常に変動しているため、リムと常に同電位にあるバルブステム95が、アンテナ84から放射される微弱な電波が不安定にするとともに、電波の伝播範囲を大きく制限し、問題となっていた。
【0010】また、グロメット97をゴム製とする場合には、リム92とバルブステム95とは絶縁されるため、原理的には、上記のような送信電波が劣化されるという問題を回避することができるが、実際には、外力により、ゴム製グロメット97が変形を生じ、バルブステム95とリム92のウェル部側部94の間にある空隙部91で、リム92の貫通穴99の壁面と、バルブステム95の外周面とが、接触して、リム92とバルブステム95とが電気的に導通状態になる可能性のあることが分かった。この場合、上述の通り、送信電波が劣化させるという問題を生じることとなる。
【0011】この発明は、このような問題に鑑みてなさたものであり、送信する電波の安定性を高め、伝播範囲を拡大することのできるタイヤ内圧警報装置を提供することを、その目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、この発明はなされたものであり、その要旨構成ならびに作用を以下に示す。
【0013】請求項1に記載のタイヤ内圧警報装置は、金属製リムに装着されたタイヤの内圧を検出する圧力センサと、検出した圧力に関する情報を車体側の受信機に送信するアンテナと、圧力センサおよびアンテナを収納するケーシングと、ケーシングに固定され、リムに設けた貫通穴に挿通される金属製バルブステムとを具えたタイヤ内圧警報装置において、バルブステムの、リムの貫通穴と係合する外周の全面に、電気絶縁部材を設けてなるものである。
【0014】本発明に係るこのタイヤ内圧警報装置は、金属製バルブステムの、リムの貫通穴と係合する外周の全面に、電気絶縁部材を設けているので、バルブムステムとリムとは、外力によりこれらの相対位置がずれても、確実に、電気的な絶縁状態が維持される。したがって、ケーシング内に収納されたアンテナと、ケーシングに固定されて設けられたバルブステムとが、極めて接近して配設されていても、バルブステムの電位は、リムの電位により影響されることはなく、したがって、バルブステムがアンテナから放射される電波への影響を極小化させることができ、アンテナからの電波の送信特性を高めることができる。
【0015】請求項2に記載のタイヤ内圧警報装置は、請求項1に記載するところにおいて、前記電気絶縁部材を、ゴム製グロメットで構成し、もしくは樹脂製としてなるものである。
【0016】このタイヤ内圧警報装置によれば、電気絶縁部材を、ゴム製グロメットで構成した場合、タイヤ内圧警報装置がリムと弾性部材を介して取り付けられることになるので、タイヤをリムに対して取り付け、取り外す等、このタイヤ内圧警報装置に外力が加わった時に、これにかかる衝撃を緩和して、その損傷を防止することができる。
【0017】また、電気絶縁部材を、樹脂製とした場合、これを、通常インジェクション等の方法で成型されるケーシングと一体的に成型することができるので、大幅に装置のコストを削減することができる。
【0018】請求項3に記載のタイヤ内圧警報装置とリムとの組立体は、金属製リムに装着されたタイヤの内圧を検出する圧力センサ、検出した圧力に関する情報を車体側の受信機に送信するアンテナ、圧力センサとアンテナとを収納するケーシング、および、ケーシングに固定され、リムに設けた貫通穴に挿通される金属製バルブステムを具えたタイヤ内圧警報装置と、リムとの組立体であって、バルブステム外周面と、リムの貫通穴の壁面との間の全面にわたって、電気絶縁部材を配設してなるものである。
【0019】このタイヤ内圧警報装置とリムとの組立体は、金属製バルブステム外周面と、リムの貫通穴の壁面との間の全面にわたって、電気絶縁部材を配設しているので、バルブムステムとリムとは、外力によりこれらの相対位置がずれても、確実に、電気的なに絶縁状態が維持され、アンテナとバルブステムとが接近して配設されていても、バルブステムの電位が、リムの電位により影響されることはなく、アンテナからの電波の送信特性を高めることができる。
【0020】請求項4に記載のタイヤ内圧警報装置とリムとの組立体は、請求項3に記載するところにおいて、前記電気絶縁部材を、ゴム製グロメットで構成し、もしくは樹脂製としてなるものである。
【0021】このタイヤ内圧警報装置とリムとの組立体は、前述の通り、電気絶縁部材を、ゴム製グロメットで構成した場合、外力に対する衝撃を緩和して、その損傷を防止することができ、これを、樹脂製とした場合、ケーシングと一体的に成型することにより、組立体のコストを削減することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、この発明に係るタイヤ内圧警報装置の実施形態を、図1〜図2に基づいて説明する。以下に説明するいずれの実施形態のタイヤ内圧警報装置も、図3に示した状態で、従来のタイヤ内圧警報装置90と同様にリムに取り付けられて用いられる。
【0023】図1は、第一の実施形態のタイヤ内圧警報装置10を、その取り付け姿勢において、リムの軸線を通る横断面で切断して示す部分断面図である。このタイヤ内圧警報装置10は、電子基板11と、電子基板11に電力を供給する平板状電池12と、処理された信号を車体側の受信機に送信するアンテナ14とを具えている。電子基板11には、タイヤの内圧を検出する圧力センサ13や半導体素子がマウントされ、半導体素子と、電子基板11に設けられた回路パターンとで、検出した圧力信号を処理する信号処理回路を構成する。
【0024】アンテナ14は、電子基板11の信号回路に接続され、電子基板11内の周辺部にパターン化されて張り巡らされている。
【0025】また、このタイヤ内圧警報装置10は、電子基板11に隣接して、これとほぼ平行に配置される蓋部32と、蓋部32の周縁から、電子基板11および平板状電池12を囲繞する方向に突出する縁部33とを含んで構成されたケーシング31を具え、ケーシング31内には、電子基板11と平板状電池12とを配置した後注入され固定される封止樹脂を有し、これにより、これらの部品を固定するとともにこれらの部品の腐食を防止している。
【0026】バルブステム21は、ゴム製グロメット27を介して、リムのウェル部側面22に設けられた貫通穴29に挿通され、このバルムステム21と螺合するナット26を、金属製ワッシャ28Aおよびゴム製ワッシャ28Bを介して、リムウェル部側部22に締付けることにより、リムに固定される。そして、タイヤ内圧警報装置10のケーシング31は、このバルブステム21に一体的に固定されているので、ケーシング31は、バルブステム21を介してリムに固定されている。
【0027】このタイヤ内圧警報装置10においては、そのバルブステム21の、リムのウェル部側部22の貫通穴29と係合する外周の全面に設けた、電気絶縁部材を構成するゴム製グロメット27により、バルブステム21とリムウェル部側部22とは隔離されているので、外力により、これらの間に相対変位が生じても、これらが接触する可能性はなく、これらの間の電気的な絶縁状態を保持することができる。このことにより、電気的環境によって変動するリムの電位がバルブステム21を介して、アンテナ14に影響するのを防止することができ、アンテナ14から放射される電波の送信の信頼性を高めることができる。
【0028】なお、バルブステム21と螺合するナット26もゴム製ワッシャ28Bにより、リムウェル部側部22と絶縁されるので、バルブステム21がナット26を介して、リムウェル部側部22と導通することはない。
【0029】また、タイヤ内圧警報装置10は、弾性体であるゴム製グロメット27を介して、リムに取り付けられているので、タイヤ内圧警報装置に外力が直接加わっても、この衝撃が緩衝される。
【0030】図1のゴム製グロメット27は、タイヤ内圧警報装置10の側に設けられているが、ゴム製グロメットを独立した部品として、タイヤ内圧警報装置とリムとゴム製グロメットとよりなる組立体を構成し、タイヤ内圧警報装置をリムに取り付ける際に、ゴム製グロメットを、リムとタイヤ内圧警報装置の間に介在させても、同様の効果を得ることができる。さらに、ゴム製グロメットをリム側に備えさせて置くことも同様の効果を奏することができる。
【0031】さらに、タイヤ内圧警報装置10は、これをリムのウェル部内に納まるように設けるため、その高さを抑制する必要があり、その取り付け姿勢において、アンテナ14をパターン化した電子基板11と、アンテナ14から放射される電波の接地電位となる平板状電池12とを、ともにリムのウェル部底面23にほぼ平行に、かつ、電子基板11とウェル部底面23との間に、平板状電池12を配置しているので、電波が、リムのウェル部底面23に影響されて不安定になるのを防止することができる。
【0032】図2は、本発明に係るタイヤ内圧警報装置の第二の実施形態を示す部分断面図である。このタイヤ内圧警報装置50は、前述の電気絶縁部材として、ゴム製グロメットの代わりにこれを樹脂製としたものである。ケーシング39は、バルブステム21の外周に形成され、リムの貫通穴29に挿入される貫通穴挿入部分38を具え、この部分が、バルブステム21とリムとが電気的に導通するのを防止している。このタイヤ内圧警報装置50はリムとバルブステム21との絶縁部材を、ケーシング39と一体に成型した樹脂で構成したので装置を安価にすることができる。
【0033】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、この発明によれば、バルブステムの、リムの貫通穴と係合する外周の全面に、電気絶縁部材を設けたので、タイヤ内圧警報装置、もしくは、これとリムとの組立体において、アンテナからリムを電気的に離隔させることができ、よって、アンテナから放射する電波を安定化することができる。
【出願人】 【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
【住所又は居所】東京都中央区京橋1丁目10番1号
【出願日】 平成13年11月15日(2001.11.15)
【代理人】 【識別番号】100072051
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 興作 (外1名)
【公開番号】 特開2003−146035(P2003−146035A)
【公開日】 平成15年5月21日(2003.5.21)
【出願番号】 特願2001−349605(P2001−349605)