| 【発明の名称】 |
安全空気入りタイヤ |
| 【発明者】 |
【氏名】粕谷 辰男 【住所又は居所】東京都小平市小川東町3−1−1 株式会社ブリヂストン技術センター内
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| 【要約】 |
【課題】チューブ内蔵型安全空気入りタイヤにおいて空気の注入および排気の効率を改善する。
【解決手段】チューブレスタイヤの内側に1個または2個以上のチューブ5が内蔵され、空気充填状態において該チューブ5の外径側と前記チューブレスタイヤのクラウン部内壁との間に空間部が形成されてなる安全空気入りタイヤにおいて、チューブ5の外周面に、チューブレスタイヤ内への空気の注入および排気の際における空気の流通路13が形成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 環状に形成されたトレッドと、該トレッドの両端からタイヤの半径方向内側に配設された一対のサイドウォールと、該サイドウォールのタイヤの半径方向内側端に埋設されたビードとを具備するチューブレスタイヤがリムに装着された安全空気入りタイヤであって、前記チューブレスタイヤの内側に1個または2個以上のチューブが内蔵され、空気充填状態において該チューブの外径側と前記チューブレスタイヤのクラウン部内壁との間に空間部が形成されてなる安全空気入りタイヤにおいて、前記チューブの外周面に、前記チューブレスタイヤ内への空気の注入および排気の際における該空気の流通路が形成されていることを特徴とする安全空気入りタイヤ。 【請求項2】 前記流通路が前記チューブの外周にスパイラルに形成されている請求項1記載の安全空気入りタイヤ。 【請求項3】 前記流通路が少なくとも1本の溝または隆起線により形成されている請求項1または2記載の安全空気入りタイヤ。 【請求項4】 使用リムがチューブ用バルブ孔とチューブレスタイヤ用バルブ孔との複数のバルブ孔を有する請求項1〜3のうちいずれか一項記載の安全空気入りタイヤ。 【請求項5】 使用リムが1個のチューブ用バルブ孔を有し、前記チューブレスタイヤには該チューブ用バルブ孔に設けられたバルブのサイド部から空気の注入および排気が行われる請求項1〜3のうちいずれか一項記載の安全空気入りタイヤ。 【請求項6】 前記バルブ孔が気密性を有するバルブ取付構造を有する請求項4または5記載の安全空気入りタイヤ。 【請求項7】 空気充填状態において、前記チューブの半径方向断面高さhと、前記チューブレスタイヤの半径方向断面高さHとの関係が次式、1/3<h/H<4/5で表される関係を満足する請求項1〜6のうちいずれか一項記載の安全空気入りタイヤ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、パンクしても継続走行が可能な安全空気入りタイヤに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、タイヤがパンクしてもそのまま継続して一定の距離を走行できるようにした安全タイヤまたはランフラットタイヤは種々研究、開発されており、例えば、補強チューブ、多重室チューブ、充填チューブ、折り畳みチューブ等、チューブ自体に工夫したランフラットタイヤや、シーラント剤塗布タイヤ、充填タイヤ、中子内蔵型タイヤ等が知られている。また、近年、特開平6−336103号公報では、タイヤの内側にベルト補強層を設けたチューブを内蔵した安全タイヤが報告されており、また特開平7−276931号公報では、外部タイヤの内部にこれよりも若干小さい内部タイヤを入れた二重構造の安全タイヤが報告されている。 【0003】しかし、従来の安全タイヤは、製造方法、補助部材の材質等が特殊で作りにくく、かつ装着取扱いに難点がある場合が多かった。例えば、チューブ改良型安全タイヤで、多重室式のものは現実的にチューブ製法が非常に難しく、非現実的であった。また、シーラント剤塗布タイヤや充填タイヤではシーラント剤の注入方法や材質の開発が難しく、中子内蔵型タイヤではその装着に難点があった。さらに、スポンジ充填、弾性体充填等のムースタイプの安全タイヤも製法が難しく、また形状制御安定化も困難であった。 【0004】さらにまた、前記特開平6−336103号公報や特開平7−276931号公報記載の安全タイヤは、ベルト層を有する内部チューブを使用したりタイヤを二重構造とすることからその分タイヤが重くなり、低燃費性能に問題があった。 【0005】かかる従来の安全タイヤの問題を解消すべく、本出願人は先に、チューブレスタイヤがリムに装着された安全空気入りタイヤにおける該チューブレスタイヤの内側に1個または2個以上のチューブが内蔵され、空気充填状態において該チューブの外径側と前記チューブレスタイヤのクラウン部内壁との間に空間部が形成されてなる安全空気入りタイヤ(以下、単に「チューブ内蔵型安全タイヤ」と称する)を提案し(特開2001−10314号)、これにより、構造、製法および材質的に経済的で、低燃費性能を損なうことがなく、しかも優れた安全機能を有する安全空気入りタイヤを実現した。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本出願人が提案した上記チューブ内蔵型安全タイヤにより、従来の安全タイヤの上記問題は解消されるに至ったが、このチューブ内蔵型安全タイヤにおいては、バルブの穴をチューブがその内圧により塞ぎ、チューブレスタイヤの内圧コントロールが、必ずしも容易ではないという問題があった。 【0007】即ち、かかるチューブ内蔵型安全タイヤにおいては、チューブがチューブレスタイヤの内壁との間の空間を保ちながら内圧バランスでチューブが固定される構造をとっており、チューブレスタイヤ内壁とチューブとの間の空間の内圧コントロールは、バルブ2個の場合にはチューブレスタイヤ用バルブで、またバルブ1個の場合にはバルブのサイド部で空気の注入および排気を行うことにより実施されるが、いずれもチューブ側の内圧により該チューブがリム底またはタイヤビード部に押し付けられ、チューブレスタイヤ側への空気通路を塞ぐ形になり、空気の注入および排気の効率が低下するという問題があった。 【0008】そこで本発明の目的は、かかる問題点を解消し、チューブ内蔵型安全タイヤにおいて空気の注入および排気の効率を改善することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために、本発明の安全空気入りタイヤは下記に示す通りである。 【0010】(1)環状に形成されたトレッドと、該トレッドの両端からタイヤの半径方向内側に配設された一対のサイドウォールと、該サイドウォールのタイヤの半径方向内側端に埋設されたビードとを具備するチューブレスタイヤがリムに装着された安全空気入りタイヤであって、前記チューブレスタイヤの内側に1個または2個以上のチューブが内蔵され、空気充填状態において該チューブの外径側と前記チューブレスタイヤのクラウン部内壁との間に空間部が形成されてなる安全空気入りタイヤにおいて、前記チューブの外周面に、前記チューブレスタイヤ内への空気の注入および排気の際における該空気の流通路が形成されていることを特徴とする安全空気入りタイヤである。このような構成とすることで、パンクにより内圧バランスがくずれることによりチューブが拡張し、タイヤ形状を維持することが可能になるとともに、チューブレスタイヤに対する空気の注入および排気の効率が改善される。 【0011】(2)前記安全空気入りタイヤにおいて、前記流通路が前記チューブの外周にスパイラルに形成されている安全空気入りタイヤである。かかるスパイラル構造により、チューブレスタイヤに対する空気の注入および排気の効率を良好に高めることができる。 【0012】(3)前記安全空気入りタイヤにおいて、前記流通路が少なくとも1本の溝または隆起線により形成されている安全空気入りタイヤである。かかる流通路により、チューブレスタイヤに対する空気の注入および排気の効率を良好に高めることができる。 【0013】(4)前記安全空気入りタイヤにおいて、使用リムがチューブ用バルブ孔とチューブレスタイヤ用バルブ孔との複数のバルブ孔を有する安全空気入りタイヤである。チューブ内とチューブレスタイヤ内との空気充填を別々のバルブを介して行うことにより双方の内圧を適宜調整することができる。 【0014】(5)前記安全空気入りタイヤにおいて、使用リムが1個のチューブ用バルブ孔を有し、前記チューブレスタイヤには該チューブ用バルブ孔に設けられたバルブのサイド部から空気の注入および排気が行われる安全空気入りタイヤである。チューブ内とチューブレスタイヤ内との空気充填を1個のバルブを介して行うことにより、チューブ内とチューブレスタイヤ内との内圧を同時に適宜調整することができる。 【0015】(6)前記安全空気入りタイヤにおいて、前記バルブ孔が気密性を有するバルブ取付構造を有する安全空気入りタイヤである。これにより、空気漏れを十分に防止することができる。 【0016】(7)前記安全空気入りタイヤにおいて、空気充填状態において、前記チューブの半径方向断面高さhと、前記チューブレスタイヤの半径方向断面高さHとの関係が次式、1/3<h/H<4/5で表される関係を満足する安全空気入りタイヤである。これにより、前記空間部が適切な容積にて保持されることになる。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る安全空気入りタイヤの概略を示す断面図である。チューブレスタイヤ1は、環状に形成されたトレッド2と、トレッド2の両端からタイヤの半径方向内側に埋設された一対のサイドウォール3と、サイドウォール3のタイヤの半径方向内側端に形成されたビード部4とを具備し、ビード部4がリム6に装着され、その内側にチューブ5が内蔵されている。 【0018】チューブ5の外径側とチューブレスタイヤ1のクラウン部の内壁との間には、空気充填状態において大きな空間部Sが形成されている。また、チューブ5の左右両側部は、チューブレスタイヤ1のビード部4の内面に密着するようにしてある。空気充填時、チューブ5の内圧P2は、空間部Sの内圧P1と実質的に等内圧または近い内圧(±300kPa以内)に維持される。 【0019】本発明の安全空気入りタイヤは、釘踏み等によりタイヤ内の空気が抜ける外的要因で空間部Sの内圧P1が低下すると、チューブ5の内圧P2とチューブレスタイヤ1内の圧力P1のバランスが崩れ、チューブ5の内圧が大きくなる結果、図2に示すように、チューブ5がチューブレスタイヤ1の内面にフィットすべく拡張し、最終的にタイヤ形状を保つことができる。 【0020】本発明においては、チューブ5の外周面に空気流通路が形成されている。この空気流通路は、チューブレスタイヤに対する空気の注入および排気において、その効率を高める機能を有する。即ち、かかる流通路は、チューブレスタイヤの内圧空気の注排気時における通り道としての役割を果たす。 【0021】流通路は、図3に示すように、少なくとも1本の隆起線11により形成しても、あるいは図4に示すように、少なくとも1本の溝12により形成してもよい。隆起線を形成する場合には、例えば、図5の(イ)〜(ヘ)に示すように、適宜間隔で複数並列に設け、またその断面形状を半円形または方形等とすることができる。溝を形成する場合にも同様に、例えば、図6の(イ)〜(ヘ)に示すように、適宜間隔で複数並列に設け、またその断面形状を半円形または方形等とすることができる。隆起線または溝の寸法、個数および形状は、タイヤの種類による注排気の程度に応じ適宜選定することができ、特に限定されるべきものではない。 【0022】また、かかる流通路は、図3および図4に示すように、チューブ5の外周にスパイラルに形成することが空気の注排気の効率を高める上で好ましい。このスパイラルのピッチも、タイヤの種類による注排気の程度に応じ適宜選定すればよい。さらに、スパイラルに形成した流通路と周方向に形成した流通路とを組み合わせ、図7に示すようにチューブ5の縦横に流通路13を形成せしめてもよい。 【0023】図1に示す好適例においては、チューブ5内およびチューブレスタイヤ1内への空気の充填は、夫々チューブ用バルブ7とチューブレスタイヤ用バルブ8を介して別々に行われる。この場合、チューブ5に上述の流通路を形成せしめることにより、チューブ5側の内圧によりチューブ5がリム底に押し付けられてもチューブレスタイヤ1への空気通路が塞がれてしまうことがなく、空気の注排気の効率を良好に維持することができる。 【0024】バルブ7、8は、従来より知られているチューブレスタイヤおよびチューブに対して用いられているものを適宜適用することができる。あるいは、使用リムが1個のチューブ用バルブ孔を有し、チューブレスタイヤ1にはこのチューブ用バルブ孔に設けられたバルブのサイド部から空気の注排気が行われるようにしてもよく(図示せず)、これにより、チューブ内とチューブレスタイヤ内との内圧を同時に適宜調整することができる。 【0025】チューブ用バルブ7は、本来のチューブ内の内圧保持機能の他にリムのバルブ孔からの空気洩れを防ぐため、気密性を有するバルブ取り付け構造、例えば図示するようなグロメット加工9等によるシールパッキンを有することが好ましい。 【0026】なお、本発明において、チューブレスタイヤ1の種類は特に限定されず、ラジアルタイヤであってもバイアスタイヤであってもよい。また、本発明においては、一般的なチューブレスタイヤと既知のチューブとの組合せであり、その材質および製法は特に制限されるべきものではない。 【0027】本発明においては、空気充填状態において、チューブ5の半径方向断面高さhと、チューブレスタイヤ1の半径方向断面高さHとが次式、1/3<h/H<4/5で表される関係を満足することが好ましい。これにより、釘踏み等に対して許容空間が確保され、かつパンク時にはチューブがチューブレスタイヤの内面にフィットするまで拡張してタイヤ形状を良好に確保することが可能となる。 【0028】また、本発明においては、チューブレスタイヤ1のリム6への装着を容易に行えるようにするために、リム6にドロップ部を設けてもよい。さらに、チューブレスタイヤ1の内側に複数個の独立したチューブを内蔵してもよく、この場合は、夫々のチューブの外周面に空気の流通路を形成する。 【0029】 【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明する。 実施例図1に示すタイプの安全空気入りタイヤ(サイズ:TBR 315/80R22.5、内圧:800〜900kPa、空気充填時のHとhとの比:160:100、チューブ用バルブ:グロメット付)を試作した。このチューブ外周面には、図4に示すタイプの溝による2本並列型流通路を形成せしめた。 【0030】比較例また、比較のため、チューブ外周面に流通路を設けなかった以外は実施例と同様にして安全空気入りタイヤを試作した。 【0031】実施例および比較例のタイヤとも、釘によりパンクさせた後、実地走行をさせたところ、タイヤ形状を損なうことなく、良好な走行が確保された。 【0032】次に、実施例および比較例のタイヤについて減圧時間を測定したところ、タイヤ内圧900kPaから400kPaに減圧するのに実施例では約10分であったのに対し、比較例では約30分であった。また、実施例では完全に減圧が可能であったのに対し、比較例では途中でチューブによりバルブが塞がれ、完全には減圧できなかった。 【0033】 【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の安全空気入りタイヤにおいては、簡素に構成され、製法および材質的に経済的である。また、重量増加を殆ど招くことがないことから、転がり抵抗が小さくて低燃費性能を損なうことがなく、しかも安全タイヤとして優れた機能を有する。さらに、チューブの外周面に設けた空気の流通路により該チューブによるバルブの閉塞が防止されるため、空気の注入および排気の効率が良好に維持される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005278 【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン 【住所又は居所】東京都中央区京橋1丁目10番1号
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| 【出願日】 |
平成13年11月9日(2001.11.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096714 【弁理士】 【氏名又は名称】本多 一郎
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| 【公開番号】 |
特開2003−146031(P2003−146031A) |
| 【公開日】 |
平成15年5月21日(2003.5.21) |
| 【出願番号】 |
特願2001−344573(P2001−344573) |
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