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【発明の名称】 ビードコア中間体並びに該ビードコア中間体の製造方法および装置
【発明者】 【氏名】小川 裕一郎
【住所又は居所】東京都小平市小川東町3−1−1 株式会社ブリヂストン技術センター内

【要約】 【課題】ビードコア33の接着不良、エア入り等を抑制することでタイヤ品質を向上させる。

【解決手段】1本のビードコード22を渦巻き状に巻き重ねることで構成したビードコア中間体21の、巻き重ね開始位置から巻き重ね終了位置に至る少なくとも一部(ここでは全部)を、半径方向直線Lに対して軸方向外側に変位させることにより、該ビードコア中間体21の断面形状を空気入りタイヤ25内での最終断面形状とほぼ同一形状としたので、タイヤ構成部材と共に貼付け後、加硫終了までの間にビードコア中間体21が変形することは殆どなくなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】1本のビードコードを半径方向外側に向かって渦巻き状に巻き重ねることにより構成され、軸方向に複数個重ね合わされることで空気入りタイヤのビードコアとなるビードコア中間体であって、巻き重ね開始位置から巻き重ね終了位置に至るビードコードの少なくとも一部を半径方向直線に対して軸方向に変位させることにより、該ビードコア中間体の断面形状を空気入りタイヤ内での最終断面形状とほぼ同一形状となるようにしたことを特徴とするビードコア中間体。
【請求項2】前記空気入りタイヤは、外表面が空気入りタイヤの内表面と同一形状である剛体コアの外側にタイヤ構成部材および前記ビードコア中間体を貼付けて未加硫タイヤとした後、該未加硫タイヤを加硫することで成形した請求項1記載のビードコア中間体。
【請求項3】前記断面形状を半径方向外側に向かうに従い空気入りタイヤの軸方向外側に変位している截頭円錐形とした請求項1記載のビードコア中間体。
【請求項4】一対の成形体を互いに接近させて組み合わせ、これら成形体間に幅がビードコード1本分と実質上等しく、かつ、その断面形状が空気入りタイヤ内でのビードコードの最終断面形状とほぼ同一形状となるよう、少なくとも一部が半径方向直線に対して軸方向に変位した環状溝を形成する工程と、前記組み合わされた成形体を一体回転させながら環状溝内に1本のビードコードを供給することにより、該ビードコードを環状溝内において半径方向外側に向かって渦巻き状に巻き重ねビードコア中間体を成形する工程と、前記成形体を互いに離隔させた後、ビードコア中間体をこれら成形体から取り出す工程とを備えたことを特徴とするビードコア中間体の製造方法。
【請求項5】一対の成形体と、これら成形体を互いに接近させて組み合わせることにより、これら成形体間に、幅がビードコード1本分と実質上等しく、かつ、その断面形状が空気入りタイヤ内でのビードコードの最終断面形状とほぼ同一形状となるよう、少なくとも一部が半径方向直線に対して軸方向に変位した環状溝を形成させる接離手段と、前記組み合わされた成形体を一体回転させる回転手段と、回転している成形体の環状溝内に1本のビードコードを供給することにより、該ビードコードを環状溝内において半径方向外側に向かって渦巻き状に巻き重ねビードコア中間体を成形する供給手段とを備え、ビードコア中間体の成形後、前記成形体を接離手段により互いに離隔させて、該ビードコア中間体をこれら成形体から取り出すようにしたことを特徴とするビードコア中間体の製造装置。
【請求項6】前記一対の成形体を同一回転軸に一体回転できるよう支持させるとともに、少なくともいずれか一方の成形体を該回転軸に軸方向に移動可能に支持させ、かつ、各成形体を周方向に離れて配置された複数の成形セグメントから構成するとともに、各成形体を構成する成形セグメントを同期して半径方向に移動させることにより成形体を拡縮させる拡縮手段をさらに設けた請求項5記載のビードコア中間体の製造装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、1本のビードコードを渦巻き状に巻き重ねることで構成されたビードコア中間体並びに該ビードコア中間体の製造方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、空気入りタイヤの製造作業の高能率化、簡素化を図るとともに、その性能を向上させるため、例えば、特開平11−115420号公報に記載されているような方法が提案されている。
【0003】このものは、まず、外表面が空気入りタイヤの内表面と同一形状である剛体コアの外側に帯状の未加硫ゴムを螺旋状、渦巻き状に貼付けてインナーライナーを成形した後、該インナーライナーのビード部外側に内側ビードコアを貼付け、その後、ゴムコーティングされたカーカスコードをインナーライナーの外側に両ビード部で折返しながら子午線方向に貼付けるとともに、このような貼付けを周方向にずらしながら多数回行うことでカーカス層を成形する。
【0004】次に、該カーカス層のビード部外側に外側ビードコアを貼付けた後、カーカス層のトレッド部外側に、少数本のベルトコードをゴムコーティングしたリボン状体を螺旋状に多数回巻き付けてベルト層を成形した後、これらベルト層、カーカス層、外側ビード層の外側に帯状の未加硫ゴムを螺旋状、渦巻き状に貼付けてトップトレッド、サイドトレッドを成形することで未加硫タイヤを製造し、その後、該未加硫タイヤを加硫することで空気入りタイヤとするものである。
【0005】ここで、ビードコアを構成する前述の内側、外側ビードコアは、予め外段取りでビードコア製造装置により製造された後、前述した位置まで搬送されて貼付けられるが、このような内側、外側ビードコアの製造は、例えば、図18に示すように、まず、ビードコア製造装置の一対の成形体11、12を互いに接近させて組み合わせ、これら成形体11、12間に、幅Wがビードコード13の1本分の直径と実質上等しく、かつ、半径方向に延びるとともに、断面形状が矩形である環状溝14を形成する。
【0006】その後、前記組み合わされた成形体11、12を一体回転させながら前記環状溝14内に1本のビードコード13を供給することにより、該ビードコード13を環状溝14内において正確に半径方向外側に向かって渦巻き状に巻き重ね、半径方向直線に沿って延びる平坦な中抜き円板状のビードコア中間体15を製造し、次に、前記成形体11、12を互いに離隔させた後、該ビードコア中間体15をこれら成形体11、12から取り出すとともに、ビード部まで搬送して1個を、あるいは複数個を軸方向に重ね合わせながら貼付けるようにしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述のようにして製造されたビードコア中間体15の断面形状は製品タイヤのビードコア断面形状(最終断面形状)と異なっているため、該ビードコア中間体15は貼付け時点から加硫終了時点までの間にゴムの流動等によって最終断面形状まで変形することとなり、これにより、ビードコアの接着不良、ビードコア周囲にエア入り等が発生し、タイヤ品質が低下することがあるという問題点がある。
【0008】この発明は、接着不良、エア入り等を抑制することでタイヤ品質を向上させることができるビードコア中間体並びに該ビードコア中間体の製造方法および装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的は、第1に、1本のビードコードを半径方向外側に向かって渦巻き状に巻き重ねることにより構成され、軸方向に複数個重ね合わされることで空気入りタイヤのビードコアとなるビードコア中間体であって、巻き重ね開始位置から巻き重ね終了位置に至るビードコードの少なくとも一部を半径方向直線に対して軸方向に変位させることにより、該ビードコア中間体の断面形状を空気入りタイヤ内での最終断面形状とほぼ同一形状となるようにしたビードコア中間体により、【0010】第2に、一対の成形体を互いに接近させて組み合わせ、これら成形体間に幅がビードコード1本分と実質上等しく、かつ、その断面形状が空気入りタイヤ内でのビードコードの最終断面形状とほぼ同一形状となるよう、少なくとも一部が半径方向直線に対して軸方向に変位した環状溝を形成する工程と、前記組み合わされた成形体を一体回転させながら環状溝内に1本のビードコードを供給することにより、該ビードコードを環状溝内において半径方向外側に向かって渦巻き状に巻き重ねビードコア中間体を成形する工程と、前記成形体を互いに離隔させた後、ビードコア中間体をこれら成形体から取り出す工程とを備えたビードコア中間体の製造方法により、【0011】第3に、一対の成形体と、これら成形体を互いに接近させて組み合わせることにより、これら成形体間に、幅がビードコード1本分と実質上等しく、かつ、その断面形状が空気入りタイヤ内でのビードコードの最終断面形状とほぼ同一形状となるよう、少なくとも一部が半径方向直線に対して軸方向に変位した環状溝を形成させる接離手段と、前記組み合わされた成形体を一体回転させる回転手段と、回転している成形体の環状溝内に1本のビードコードを供給することにより、該ビードコードを環状溝内において半径方向外側に向かって渦巻き状に巻き重ねビードコア中間体を成形する供給手段とを備え、ビードコア中間体の成形後、前記成形体を接離手段により互いに離隔させて、該ビードコア中間体をこれら成形体から取り出すようにしたビードコア中間体の製造装置により達成することができる。
【0012】請求項1に係る発明においては、ビードコアを構成するビードコア中間体を、1本のビードコードを半径方向外側に向かって渦巻き状に巻き重ねることで構成するとともに、巻き重ね開始位置から巻き重ね終了位置に至るビードコアの少なくとも一部を半径方向直線に対して軸方向に変位させることにより、ビードコア中間体の断面形状を空気入りタイヤ内での最終断面形状とほぼ同一形状となるようにしたので、カーカス層のビード部外側に貼付けた以降、加硫終了までの間にビードコア中間体が変形することは殆どなく、この結果、ビードコアの接着不良、ビードコア周囲のエア入り等が抑制され、タイヤ品質が向上する。そして、このようなビードコア中間体は請求項4に係る製造方法および請求項5に係る製造装置により、容易に、かつ、高能率、高精度で製造することができる。
【0013】そして、前述したビードコア中間体は、請求項2に記載のような空気入りタイヤの製造に好適である。また、請求項3に記載のように構成すれば、前述の接着不良、エア入りを強力に抑制することができる。さらに、請求項6に記載のように構成すれば、構造簡単で小型化するために成形体を同一回転軸に支持させたとき、成形済ビードコア中間体の取出し作業が容易となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。図1において、21は1本のビードコード22、例えば断面円形のスチールワイヤを半径方向内側から半径方向外側に向かって渦巻き状に巻き重ねることにより構成されたビードコア中間体であり、これにより、このビードコア中間体21は1行だけのビードコード22から構成されている。
【0015】このビードコア中間体21は巻き重ね開始位置(半径方向内端に位置するビードコード22の始端)から巻き重ね終了位置(半径方向外端に位置するビードコード22の終端)に至るビードコード22の少なくとも一部、ここでは全てのビードコード22を、半径方向直線Lに対して軸方向に(図1においては、半径方向外側に向かうに従いタイヤ軸方向外側に徐々に大きく)変位させている。そして、このようなビードコード22の軸方向変位により、ビードコア中間体21の断面形状は、該ビードコア中間体21が装着される空気入りタイヤ(製品タイヤ)内での最終断面形状とほぼ同一形状に成形される。
【0016】図2、3は前述したビードコア中間体21を用いて空気入りタイヤ25を成形する工程の一例を説明する図面である。同図において、26は全体としてドーナツ状を呈する金属製の剛体コアであり、この剛体コア26の外表面は加硫済みの空気入りタイヤ25(製品タイヤ)の内表面と同一形状を呈している。そして、前述のビードコア中間体21はこのような剛体コア26を用いての空気入りタイヤ25の製造に好適である。
【0017】28は前記剛体コア26の外側に成形された未加硫タイヤであり、この未加硫タイヤ28は、例えば、以下の工程により未加硫のタイヤ構成部材および前記ビードコア中間体21を剛体コア26の外側に次々と貼付けることで成形されている。即ち、まず、剛体コア26の外側に未加硫ゴムリボンを渦巻き状、螺旋状に多数回巻き付けてタイヤ構成部材の一部であるインナーライナー29を成形した後、ビード部Bにおけるインナーライナー29の外側に前記ビードコア中間体21を貼付けて内側ビードコア30とする。
【0018】次に、前記インナーライナー29の外側に未加硫ゴムでコーティングされたカーカスコードを両ビード部Bで折返しながら子午線方向に巻き付けるとともに、このような巻付けを周方向にずらしながら多数回行ってタイヤ構成部材の一部であるカーカス層31を成形する。その後、ビード部Bにおけるカーカス層31の外側に前述したビードコア中間体21、ここでは巻き数の異なる2個のビードコア中間体21を軸方向に密着させながら貼付けて外側ビードコア32とする。
【0019】これにより、ビード部Bにおけるカーカス層31はこれら内側ビードコア30および外側ビードコア32により両側から挟持されて係留される。このようにビード部Bにおけるカーカス層31を間に挟持しながら軸方向に複数個、ここでは3個だけ重ね合わされたビードコア中間体21(内側、外側ビードコア30、32)は全体として、ビードコア33を構成する。
【0020】次に、トレッド部Tにおけるカーカス層31の半径方向外側に、少数本の平行なベルトコードを未加硫ゴムでコーティングしたリボン状体を螺旋状に多数回巻き付け、あるいは、赤道面に対し傾斜させながら周方向にずらして多数回貼付けることにより、タイヤ構成部材の一部であるベルト層35を成形する。
【0021】その後、サイドウォール部Sにおけるカーカス層31の軸方向外側に未加硫のゴムリボンを渦巻き状に多数回巻き付けてタイヤ構成部材の一部であるサイドトレッド36を、また、トレッド部Tにおけるカーカス層31の半径方向外側に未加硫のゴムリボンを螺旋状に多数回巻き付けてタイヤ構成部材の一部であるトップトレッド37を成形し、未加硫タイヤ28とする。その後、未加硫タイヤ28および剛体コア26を加硫装置まで搬送した後、該加硫装置によって未加硫タイヤ28を加硫し空気入りタイヤ25とする。
【0022】ここで、加硫済の空気入りタイヤ25(製品タイヤ)のビード部Bにおけるカーカス層31は、図3に示すように半径方向外側に向かうに従い軸方向外側に傾斜しているため、該カーカス層31に密着しているビードコア33、即ち、空気入りタイヤ25内での内側、外側ビードコア30、32全体の最終断面形状も該カーカス層31と同様に傾斜することになる。
【0023】しかしながら、前述のようにこれら内側、外側ビードコア30、32となるビードコア中間体21を前記最終断面形状とほぼ同一形状に成形した後、タイヤ構成部材と共に剛体コア26の外側に貼付けて未加硫タイヤ28を成形するようにしたので、カーカス層31のビード部Bの外側に貼付けた以降、加硫終了までの間にビードコア中間体21(内側、外側ビードコア30、32)が変形することは殆どなく、この結果、ビードコア33の接着不良、ビードコア33周囲のエア入り等が抑制され、タイヤ品質が向上する。このとき、ビードコア中間体21の断面形状を前述のように半径方向外側に向かうに従い空気入りタイヤ25の軸方向外側に変位している截頭円錐形とすれば、前述の接着不良、エア入りを強力に抑制することができる。
【0024】ここで、前述したようなビードコア中間体21は、例えば、図4、5、6に示すような製造装置38を用いることで、容易に、かつ、高能率、高精度で製造することができる。同図において、39は水平な回転軸であり、この回転軸39の一側には該回転軸39に回転駆動力を付与する図示していない駆動部が設置されている。また、この回転軸39の外側には該回転軸39と同軸の円板状をした固定プレート40が固定され、この固定プレート40には半径方向に延びるとともに、周方向に等角度離れた複数のスリット41が形成されている。
【0025】また、この固定プレート40の他側面で各スリット41の両側には該スリット41に沿って延びる対をなすガイドレール42が敷設され、各対をなすガイドレール42には扇形をした成形セグメント43が半径方向に移動可能に支持されている。この結果、これら複数の成形セグメント43は周方向に離れて配置されるとともに、固定プレート40に半径方向に移動可能に支持されることになる。そして、これら複数の成形セグメント43は全体として一方の成形体44を構成する。
【0026】前記固定プレート40より一側の回転軸39の外側にはスライダ45が軸方向に移動可能に嵌合され、このスライダ45は回転軸39に固定された軸方向に延びるキー46によって回転軸39と一体回転するよう連結されている。47は半径方向外側に向かうに従い他側に傾斜した複数の連結リンクであり、これら連結リンク47は周方向に等角度離れて配置されるとともに、その半径方向外側部が前記スリット41に挿入されている。また、これら連結リンク47の半径方向外端は対応する成形セグメント43に、その半径方向内端はスライダ45に回動可能に連結されている。
【0027】48は固定プレート40の一側に設置された固定フレームであり、この固定フレーム48には回転軸39に平行に延びる複数のシリンダ49が周方向に等角度離れて取付けられている。これらシリンダ49のピスロンロッド50の先端部と前記スライダ45とは、これらの間に介装された軸受51を介して互いに連結されており、この結果、シリンダ49が同期作動してピスロンロッド50が突出すると、スライダ45が軸方向他側に移動して連結リンク47が起立側に揺動するため、成形セグメント43はガイドレール42にガイドされながら半径方向外側に同期移動し、成形体44が拡径する。
【0028】一方、シリンダ49の同期作動によりピスロンロッド50が引っ込むと、スライダ45が軸方向一側に移動して連結リンク47が転倒側に揺動するため、成形セグメント43はガイドレール42にガイドされながら半径方向内側に同期移動し、成形体44が縮径する。
【0029】固定プレート40より他側の回転軸39の外側には可動台55が軸方向に移動可能に嵌合され、この可動台55は回転軸39に固定された軸方向に延びるキー56によって回転軸39と一体回転するよう連結されている。58は前記可動台55の一側面に敷設された対をなす複数のガイドレールであり、これらのガイドレール58は前記ガイドレール42に対向して配置され、半径方向に延びるとともに、周方向に等角度離れている。
【0030】そして、これら対をなすガイドレール58には扇形をした成形セグメント60が半径方向に移動可能に支持されている。この結果、これら複数の成形セグメント60は周方向に離れて配置されるとともに、可動台55に半径方向に移動可能に支持されることになる。そして、これら複数の成形セグメント60は全体として他方の成形体61を構成する。このようなことから一対の成形体44、61は同一回転軸39に一体回転できるよう支持されることになる。
【0031】64は各成形セグメント60に他端が固定され回転軸39に平行に延びる複数本のガイドロッドであり、これらのガイドロッド64の一側部は、成形セグメント43に摺動可能に挿入されるとともに、固定プレート40に形成され、ガイドレール42に平行に延びるスリット65に挿入されており、この結果、成形セグメント60(成形体61)は成形セグメント43(成形体44)と一対一の対応関係を保持しながら回転軸39に軸方向に移動可能に支持されることとなり、これにより、成形セグメント60(成形体61)と成形セグメント43(成形体44)とは互いに接近離隔することができる。また、これら成形セグメント60(成形体61)と成形セグメント43(成形体44)とは前記ガイドロッド64により半径方向に同期して移動することができるようになる。
【0032】67は回転軸39の先端(他端)に形成されたフランジであり、このフランジ67と前記可動台55との間には該可動台55を一側に向かって付勢する付勢手段としてのスプリング68が介装されている。そして、このスプリング68の付勢力により可動台55、成形体61がキー56にガイドされながら一側に移動すると、成形体61は成形体44に接近し、互いに組み合わされる。70は前記固定フレーム48の取付けられた複数のシリンダであり、これらシリンダ70のピストンロッド71の先端にはガイドロッド64の一端面に接触可能な押圧リング72が固定されている。
【0033】そして、これらシリンダ70の作動によりピストンロッド71が同期して突出すると、押圧リング72がガイドロッド64に当接して該ガイドロッド64、成形体61、可動台55をスプリング68に対抗して他側に移動させ、成形体61を成形体44から離隔させる。前述したガイドロッド64、スプリング68、シリンダ70、押圧リング72は全体として、成形体44、61同士を互いに接近させて組み合わせたり、あるいは、互いに離隔させる接離手段73を構成する。
【0034】また、前述した回転軸39、駆動部は全体として前記組み合わされた成形体44、61を一体回転させる回転手段74を構成し、さらに、前述したガイドレール42、58、スライダ45、連結リンク47、シリンダ49、軸受51、ガイドロッド64は全体として各成形体44、61を構成する成形セグメント43、60を同期して半径方向に移動させることにより成形体44、61を拡縮させる拡縮手段75を構成する。
【0035】このように装置全体の構造を簡単で小型化するために、一対の成形体44、61を同一の回転軸39に一体回転できるよう支持させた場合には、成形体44、61をそれぞれ周方向に離れて配置された複数の成形セグメント43、60から構成するとともに、前記拡縮手段75によってこれら成形セグメント43、60を半径方向に移動させることにより成形体44、61を拡縮させるようにすれば、成形済のビードコア中間体21の取出し作業が容易となる。
【0036】ここで、前述した各成形セグメント43の他側面はその半径方向内側部が半径方向直線に平行に延びる垂直面43aとなっているが、その半径方向外側部が半径方向外側に向かうに従い他側に傾斜した傾斜面43bとなっている。一方、各成形セグメント60の一側面もその半径方向内端部が半径方向直線に平行に延びる垂直面60aとなっているが、その半径方向外側部が半径方向外側に向かうに従い他側に、前記傾斜面43bと同一角度で傾斜した傾斜面60bとなっている。
【0037】ここで、前記垂直面43aと傾斜面43bとの境界線は垂直面60aと傾斜面60bとの境界線より若干半径方向外側に位置しているため、垂直面43aと垂直面60aとが当接することで成形体44、61同士が組み合わされたとき、これら成形体44、61間、詳しくは傾斜面43bと傾斜面60bとの間に環状溝77が形成される。
【0038】そして、前述の環状溝77はその幅Wが前述したビードコード22の1本分、即ち1本のビードコード22の直径と実質上等しい。また、前述した傾斜面43b、60bの半径方向直線Lに対する傾斜角Aは、この環状溝77の断面形状が空気入りタイヤ25内でのビードコード22の最終断面形状とほぼ同一形状となる角度に設定されており、この結果、この実施形態では、環状溝77全体が半径方向直線Lに対して傾斜し軸方向外側に変位している。
【0039】79は成形体44、61から離れて設置されたリールであり、このリール79には1本のビードコード22が多数回巻き付けられている。そして、このリール79から巻き出されたビードコード22は複数のガイドローラ80によりガイドされながら成形体44、61の環状溝77内に供給される。前述したリール79、ガイドローラ80は全体として、回転している成形体44、61の環状溝77内に1本のビードコード22を供給することにより、該ビードコード22を環状溝77内において半径方向外側に向かって渦巻き状に巻き重ねビードコア中間体21を成形する供給手段81を構成する。
【0040】次に、前述した製造装置38を用いてビードコア中間体21を製造する場合には、リール79から1本のビードコード22を巻き出してその始端部を製造装置38の近傍まで移送する。このとき、成形体61はスプリング68の付勢力により成形体44に接近して互いに組み合わされ、これらの間に環状溝77が形成されている。また、このとき、シリンダ49のピスロンロッド50が突出しているため、成形セグメント43、60、ガイドロッド64はガイドレール42、58にガイドされながら半径方向外側に移動し、成形体44、61は拡径状態に位置している。
【0041】次に、駆動部により回転軸39に駆動力を付与して固定プレート40、可動台55、成形体44、61を一体的に回転させながら、前述したビードコード22の始端部を成形体44、61間の環状溝77内に供給する。このとき、ビードコード22の始端部は、環状溝77の最深部が徐々に狭くなっているため、該環状溝77の最深部によって両側から挟持され、成形体44、61に係止される。
【0042】これにより、該ビードコード22は回転している成形体44、61によって引き取られながら環状溝77内において半径方向外側に向かって渦巻き状に巻き重ねられる。このような巻き重ね時、ビードコード22が巻き出されているリール79に所定の制動力を付与することでビードコード22内に一定の張力を発生させ、巻き重ねられたビードコード22同士を密着させる。
【0043】ここで、環状溝77は前述のようにその断面形状が空気入りタイヤ25内でのビードコード22の最終断面形状とほぼ同一形状となっているため、ビードコード22の巻き重ねにより成形されるビードコア中間体21も、その断面形状が空気入りタイヤ25内での最終断面形状とほぼ同一形状となる。そして、ビードコード22が所定回数巻き重ねられてビードコア中間体21が製造されると、回転軸39、成形体44、61の回転を停止させた後、ビードコード22を切断位置において切断し、完成したビードコア中間体21をビードコード22から切り離す。
【0044】次に、図示していない搬送手段によってビードコア中間体21を半径方向外側から把持した後、シリンダ70のピストンロッド71を突出してガイドロッド64をスプリング68に対抗して他側に押し戻す。これにより、成形体61は可動台55と共にキー56にガイドされながら他側に移動して成形体44から離隔し、ビードコア中間体21を搬送手段に受け渡す。
【0045】次に、シリンダ49のピスロンロッド50を引っ込ませ、連結リンク47の揺動により成形セグメント43、60、ガイドロッド64をガイドレール42、58に沿って一体的に半径方向内側に同期移動させる。そして、その外径がビードコア中間体21の内径より小径となるまで成形体44、61が縮径すると、前記シリンダ49の作動を停止させる。
【0046】その後、前記搬送手段によってビードコア中間体21を成形体44、61から取り出した後、剛体コア26まで搬送し、インナーライナー29およびカーカス層31のビード部B外側に貼付ける。このとき、シリンダ49のピスロンロッド50を突出させて成形体44、61を拡径させるとともに、シリンダ70のピストンロッド71を引っ込めてスプリング68の付勢力により成形体61を成形体44に接近させて組み合わせ、これら成形体44、61間に環状溝77を成形する。
【0047】図7、8はこの発明の第2実施形態を示す図である。この実施形態においては、図7に示すように、空気入りタイヤ25内でのビードコア中間体21およびこれらビードコア中間体21間のカーカス層31の最終形状が、半径方向外側部では半径方向直線と平行に延び、半径方向内側部では半径方向外側に向かうに従い軸方向外側に徐々に変位している。このような場合には、図8に示すように、成形体44、61間に形成される環状溝77の断面形状を前記ビードコア中間体21の断面形状とほぼ同一形状とし、これにより、環状溝77によって成形されるビードコア中間体21の断面形状を空気入りタイヤ25内での最終断面形状とほぼ同一形状とする。
【0048】図9、10はこの発明の第3実施形態を示す図である。この実施形態においては、図9に示すように、空気入りタイヤ25内でのビードコア中間体21およびこれらビードコア中間体21間のカーカス層31の最終形状が、半径方向外側部では半径方向外側に向かうに従い軸方向外側に徐々に変位し、一方、半径方向内側部では半径方向直線と平行に延びている。このような場合には、図10に示すように、成形体44、61間に形成される環状溝77の断面形状を前記ビードコア中間体21の断面形状とほぼ同一形状とする。
【0049】図11、12はこの発明の第4実施形態を示す図である。この実施形態においては、図11に示すように、空気入りタイヤ25内でのビードコア中間体21およびこれらビードコア中間体21間のカーカス層31の最終形状が、半径方向外端部および半径方向内端部では共に半径方向外側に向かうに従い軸方向外側に徐々に変位し、一方、半径方向中央部では半径方向直線と平行に延びている。このような場合には、図12に示すように、成形体44、61間に形成される環状溝77の断面形状を前記ビードコア中間体21の断面形状とほぼ同一形状とする。
【0050】図13、14はこの発明の第5実施形態を示す図である。この実施形態においては、図13に示すように、空気入りタイヤ25内でのビードコア中間体21およびこれらビードコア中間体21間のカーカス層31の最終形状が、半径方向外端部および半径方向内端部では共に半径方向直線と平行に延び、一方、半径方向中央部では半径方向外側に向かうに従い軸方向外側に徐々に変位している。このような場合には、図14に示すように、成形体44、61間に形成される環状溝77の断面形状を前記ビードコア中間体21の断面形状とほぼ同一形状とする。
【0051】図15はこの発明の第6実施形態を示す図である。この実施形態においては、成形体44、61間に形成される環状溝77の断面形状を、半径方向外側部では半径方向外側に向かうに従い軸方向内側に徐々に変位させ、半径方向内側部では半径方向外側に向かうに従い軸方向外側に徐々に変位させ、これにより、断面形状がくの字形をしたビードコア中間体21を成形するようにしている。
【0052】図16はこの発明の第7実施形態を示す図である。この実施形態においては、成形体44、61間に形成される環状溝77の断面形状を、半径方向外側部では半径方向外側に向かうに従い軸方向外側に徐々に変位させ、半径方向内側部では半径方向外側に向かうに従い軸方向内側に徐々に変位させ、これにより、断面形状が逆くの字形をしたビードコア中間体21を成形するようにしている。
【0053】図17はこの発明の第8実施形態を示す図である。この実施形態においては、成形体44、61間に形成される環状溝77の断面形状を、半径方向外側部では半径方向外側に向かうに従い軸方向内側に徐々に変位させ、半径方向内側部では半径方向直線に平行とし、これにより、断面形状がこの環状溝77の断面形状と同形のビードコア中間体21を成形するようにしている。
【0054】なお、前述の実施形態においては、剛体コア26により未加硫タイヤ28を製造する際、前記ビードコア中間体21を用いてビードコア33を構成するようにしたが、この発明においては、円筒状のタイヤ成形ドラムにより未加硫タイヤを製造する際、前述のようなビードコア中間体を軸方向に複数個密着させながら重ね合わせることでビードコアを成形するようにしてもよい。
【0055】また、前述の実施形態においては、同一の回転軸39に成形体44、61を一体回転できるように支持させた場合について説明したが、この発明においては、同軸である一対の回転軸に成形体をそれぞれ一体回転できるよう支持させるとともに、これら回転軸を互いに接近させて連結したとき、成形体同士を組み合わせ環状溝を形成するようにしてもよい。この場合には、回転軸を互いに離隔させるだけで、成形されたビードコア中間体を回転軸、成形体間から取り出すことができる。
【0056】さらに、前述の実施形態においては、成形体44、61のうち、成形体61のみを回転軸39に軸方向に移動可能に支持させたが、この発明においては、成形体44のみを回転軸39に軸方向に移動可能に支持させるようにしてもよく、あるいは、成形体44、61の双方を回転軸39に軸方向に移動可能に支持させるようにしてもよい。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、ビードコアにおける接着不良、エア入り等を抑制することでタイヤ品質を向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
【住所又は居所】東京都中央区京橋1丁目10番1号
【出願日】 平成13年11月13日(2001.11.13)
【代理人】 【識別番号】100080540
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 敏雄
【公開番号】 特開2003−146027(P2003−146027A)
【公開日】 平成15年5月21日(2003.5.21)
【出願番号】 特願2001−347030(P2001−347030)