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【発明の名称】 タイヤ
【発明者】 【氏名】松本 忠雄
【住所又は居所】兵庫県神戸市中央区脇浜町3丁目6番9号 住友ゴム工業株式会社内

【要約】 【課題】標章の視認性を確保しながら、クラック等の発生を防止しかつ泥はけ性を高めうる。

【解決手段】サイドウォール表面2Sに、リッジ3を並設したセレーション4からなる装飾部5を形成する。リッジ3に、標章7の輪郭に沿って形成されることにより該標章7を袋文字状に表示する途切れ部6を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】タイヤのサイドウォールの表面に、該表面から隆起する小巾のリッジを並設したセレーションからなりかつ周方向にのびる装飾部を形成するとともに、前記リッジに、標章の輪郭に沿って形成されることにより該標章を袋文字状に表示する途切れ部を設けたことを特徴とするタイヤ。
【請求項2】前記表面は、途切れ部を含めて連続して連なる面一としたことを特徴とする請求項1記載のタイヤ。
【請求項3】前記リッジは、半径方向線を中心として該半径方向線に対して±45゜の角度範囲内の方向にのびることを特徴とする請求項1又は2記載のタイヤ。
【請求項4】前記装飾部は、タイヤ軸心廻りを周回する環状をなすことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ。
【請求項5】前記途切れ部を隔てた内、外のリッジは、同一の断面形状を有しかつ同一の直線上に配列することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ。
【請求項6】前記途切れ部を隔てた内、外のリッジは、その配置密度、又は断面形状を違えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サイドウォール表面に、リッジを並設したセレーション模様の装飾部を設けたタイヤにおいて、そのリッジに、途切れ部を設けることにより該途切れ部によって標章を袋文字状に表示させたタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】タイヤのサイドウォール表面には、図7(A)に例示するように、文字、数字、図形などからなる標章aの視認性を高めるために、一般に、リッジbを並設したセレーションからなる帯状の装飾部cを、標章aの背景として形成するとともに、前記標章aを、図7(B)の如く、リッジbよりもタイヤ外方に突出する高いリブ要素a1で構成し、このリブ要素a1の表面を平滑面、或いは装飾部cとは異なるセレーション模様で形成するなど工夫が施されている。
【0003】しかしながら、サイドウォールは、走行に際して最も屈曲変形しやすい部位の一つであり、従って、前記標章aがリブ要素a1で構成された場合には、屈曲疲労によって標章aにクラック等を招くなど、見映えや耐久性の低下原因となり易い。また標章a内に、高いリブ要素a1で囲まれる袋状部dが形成されるため、泥はけ性が悪くなり汚れが落ちにくいという問題もある。さらに、タイヤの成形金型作成時、セレーション(装飾部c)形成用の切削加工に加えて、標章形成用の切削加工が必要となるなど加工効率向上の妨げともなっている。
【0004】そこで本発明は、リッジを並設してなる装飾部の前記リッジに、途切れ部を設けて該途切れ部によって標章を袋文字状に表示させることを基本として、標章の視認性を確保しながら、クラック等の発生を防止しかつ泥はけ性を高めうるとともに、金型への切削加工工程を削減しうるなど加工効率の向上を図りうるタイヤの提供を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、タイヤのサイドウォールの表面に、該表面から隆起する小巾のリッジを並設したセレーションからなりかつ周方向にのびる装飾部を形成するとともに、前記リッジに、標章の輪郭に沿って形成されることにより該標章を袋文字状に表示する途切れ部を設けたことを特徴としている。
【0006】又請求項2の発明では、前記表面は、途切れ部を含めて連続して連なる面一としたことを特徴としている。
【0007】又請求項3の発明では、前記リッジは、半径方向線を中心として該半径方向線に対して±**゜の角度範囲内の方向にのびることを特徴としている。
【0008】又請求項4の発明では、前記装飾部は、タイヤ軸心廻りを周回する環状をなすことを特徴としている。
【0009】又請求項5の発明では、前記途切れ部を隔てた内、外のリッジは、同一の断面形状を有しかつ同一の直線上に配列することを特徴としている。
【0010】又請求項6の発明では、前記途切れ部を隔てた内、外のリッジは、その配置密度、又は断面形状を違えることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。図1は、本発明のタイヤのサイドウォールの一部を示す側面図である。図1において、タイヤ1は、そのサイドウォール2の表面2Sに、リッジ3を並設したセレーション4からなる装飾部5を具えるとともに、前記リッジ3に、途切れ部6を設け、該途切れ部6により標章7を袋文字状に表示している。
【0012】前記装飾部5は、タイヤ軸心廻りを周方向にのびる帯状体であり、図4(A)〜(C)に、装飾部5の輪郭のみを略示するように、タイヤ一周に亘って連続してのびる環状であってもよく、又タイヤ一周のうちの一部分、或いは複数部分に配される円弧状であってもよい。
【0013】又前記リッジ3は、サイドウォール2の表面2Sから小高さで隆起する小巾の凸条体であり、図3にその断面形状を略示する如く、本例では、頂角αが略90°程度かつ頂部を表面2Sと略平行な面、或いは円弧面で面取りした略台形状のものを例示している。しかし、これに規制されることなく、従来的な種々の断面形状のものを適宜採用することができ、又リッジ3のリッジ高さhaも、0.2〜0.8mmの範囲が好ましく採用できる。
【0014】又前記リッジ3は、図2に拡大して示す如く、タイヤの半径方向線Rに対して一定の角度θを有して配列し、これによって隣接するリッジ3とは略平行な縦縞模様のセレーション4を形成する。このとき、前記リッジ3は一定のピッチ間隔Pで配列することが必要であり、装飾部5の半径方向内縁位置5aにおける前記ピッチ間隔Pは、1.0mm以下と従来よりも小さいことが、標章7の視認性の観点から好ましい。
【0015】又リッジ3の前記角度θとしては、±45°の範囲が好ましく、この範囲を超えると、前記リッジ3が傾斜し過ぎ、切削加工を難しいものとする他、ピッチ間隔Pが装飾部5の半径方向外縁側で過大となるなど標章7の視認性に不利となる。本例では、前記角度θを略20°としたものを例示している。
【0016】そして本実施形態では、前記リッジ3に途切れ部6を設け、この途切れ部6によって標章7を表示している。詳しくは、前記途切れ部6は、標章7の輪郭に沿って形成され、これによって前記標章7を袋文字状に表示する。
【0017】このとき、サイドウォール表面2Sは、リッジ3、3間の溝底10S及び前記途切れ部6を含めて連続して連なる面一とする、言い換えると、溝底10S及び途切れ部6は、サイドウォール表面2Sとは同一面で形成されている。
【0018】このように標章7を表示する途切れ部6がサイドウォール表面2Sと面一をなすため、屈曲疲労によって標章7にクラックが発生することがなく、見映えや耐久性の低下を防止しうる。又標章7内に従来的な袋状部d(図7(A)に示す)がないため、泥はけ性が良く汚れが落ち易いなど、タイヤの手入れを容易とする。
【0019】又この標章7は、見る角度によって前記途切れ部6が繋がって見える、即ち見る角度によって、標章7の一部或いは全部が出現したり喪失するなど、隠し文字状に見映えが変化する。従って、意外性に富み、見る者に強い印象を与える等、従来と異なる視認性を付与しうる。
【0020】又このような途切れ部6は、成形金型にリッジ形成用のリッジ溝を切削加工する際、バイトを浮かして前記リッジ溝を途切れさせることによって形成できる。即ち、特殊なカッタを用いた標章の切削工程が不要となるなど、金型への切削工程を削減しうるなど加工効率を向上しうる。
【0021】特に本例では、装飾部5の半径方向内縁から外縁まで一直線上にのびる1本のリッジ3に、前記途切れ部6を形成している。即ち、前記途切れ部6を隔てた標章7の内側、外側のリッジ3i、3oが、同一の断面形状を有しかつ同一の直線上に配される場合を例示している。かかる場合には、加工効率をさらに向上できる。
【0022】又リッジ3においては、標章7の視認性を高めるために、途切れ部6を隔てた前記内側、外側のリッジ3i、3oにおいて、その配置密度、又は断面形状を違えることができる。図5(A)、(B)には、配置密度は同じで、断面形状のみを違えた場合を例示している。
【0023】図5(A)において、リッジ3i、3oは、互いに左右対称な断面形状を有し、リッジ面3Sの勾配が相違することにより、光のコントラストに変化を付与している。又図5(B)において、リッジ3iは、リッジ3oの断面形状Aと同一の主部B1の下方に延設部B2を付設してなり、延設部B2だけリッジ高さhaが増加している。このものは、同じバイトを使用し、切削深さのみ違えることにより双方を形成しうるなど、加工効率を高く確保しうる。
【0024】又図6には、リッジ3i、3oにおいて、断面形状を同一とし、配置密度のみ違えた場合を例示しており、かかる場合には、一方の配置密度を他方の整数倍(本例では2倍)とすることが好ましく、これによって、加工効率を高く確保しうる。
【0025】以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることはなく、例えば、前記装飾部5内に、前記途切れ部6によって表示される標章7以外に、リブ要素によって表示される従来的な種々の標章を設けることもできるなど、種々の態様に変形して実施しうる。
【0026】
【発明の効果】叙上の如く本発明は、装飾部をなすリッジに途切れ部を設け、該途切れ部によって標章を袋文字状に表示させているため、標章の視認性を確保しながら、クラック等の発生を防止しかつ泥はけ性を高めうる。又金型への切削加工工程を削減しうるなど加工効率の向上を図りうる。
【0027】又標章は、隠し文字状に見映えを変化させうるなど、意外性が高く、見る者に強い印象を与えることができる。
【出願人】 【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
【住所又は居所】兵庫県神戸市中央区脇浜町3丁目6番9号
【出願日】 平成13年11月8日(2001.11.8)
【代理人】 【識別番号】100082968
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 正 (外1名)
【公開番号】 特開2003−146025(P2003−146025A)
【公開日】 平成15年5月21日(2003.5.21)
【出願番号】 特願2001−343612(P2001−343612)