| 【発明の名称】 |
カラーソリッドタイヤ |
| 【発明者】 |
【氏名】中村 陽一 【住所又は居所】東京都小平市小川東町3−1−1 株式会社ブリヂストン技術センター内
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| 【要約】 |
【課題】タイヤの使用寿命にわたって着色されたトップゴム層の色を維持することができ、かつ耐リムすべり性、燃費性能及び耐久性にも優れたカラーソリッドタイヤを提供する。
【解決手段】ベースゴム層2と中間ゴム層3とトップゴム層4とを有し、これらの所定位置でのゴム厚みがタイヤの総ゴム厚みに対して、それぞれ20〜40%、10〜60%及び20〜50%であり、中間ゴム層及びトップゴム層を構成するゴムのJIS-A硬さが、それぞれ60〜73及び55〜67であり、中間ゴム層は、老化防止剤がフェノール類又はその誘導体であって、その含有量が0〜2.0phrの範囲であり、軟化剤が石油系軟化剤であって、その含有量が、全炭素中に占める芳香族環炭素数が30%以下のオイル成分として、0〜15phrの範囲であることを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金属材料からなる回転体の外面上に緊密に密着して一体化される、短繊維コードを含む比較的硬質のゴムからなるリング状のベースゴム層と、該ベースゴム層の上面に一体的に配設され、ベースゴム層よりも軟質なゴムからなる中間ゴム層と、該中間ゴム層の上面から中間ゴム層及びベースゴム層の両側面にかけて覆うように一体的に配設され、中間ゴム層よりも軟質でありかつ黒以外で着色されたゴムからなるトップゴム層とを有するカラーソリッドタイヤにおいて、タイヤ赤道面位置で測定したベースゴム層、中間ゴム層及びトップゴム層のゴム厚みが、同位置で測定したタイヤの総ゴム厚みに対して、それぞれ20〜40%、10〜60%及び20〜50%であり、中間ゴム層及びトップゴム層を構成するゴムのJIS-A硬さが、それぞれ60〜73及び55〜67であり、中間ゴム層は、老化防止剤がフェノール類又はその誘導体であって、その含有量が0〜2.0phrの範囲であり、軟化剤が石油系軟化剤であって、その含有量が、全炭素中に占める芳香族環炭素数が30%以下のオイル成分として、0〜15phrの範囲であることを特徴とするカラーソリッドタイヤ。 【請求項2】 ベースゴム層内に、有機繊維コードを有する補強層を配設する請求項1記載のカラーソリッドタイヤ。 【請求項3】 補強層は、有機繊維コードをゴム被覆したコード補強層又は有機繊維コードの不織布である請求項2記載のカラーソリッドタイヤ。 【請求項4】 有機繊維コードは、コード1本当たりの強力が98〜392Nであるナイロン又はポリエステルコードである請求項2又は3記載のカラーソリッドタイヤ。 【請求項5】 補強層を構成する有機繊維コードの延在方向は、タイヤ赤道面に対し±10°の角度範囲内である請求項2、3又は4記載のソリッドタイヤ。 【請求項6】 補強層の配設層数は2層以上である請求項2〜5のいずれか1項記載のカラーソリッドタイヤ。 【請求項7】 中間ゴム層の側面に位置するトップゴム層のゴム厚みは3.0mm以上である請求項1〜6のいずれか1項記載のカラーソリッドタイヤ。 【請求項8】 前記回転体はホイールであり、カラーソリッドタイヤは前記ホイールの適用リムに装着して使用に供される、いわゆるニューマチック型のカラーソリッドタイヤであり、該カラーソリッドタイヤが適用リムに装着された状態で、適用リムのフランジ高さ位置に対応する前記カラーソリッドタイヤの外面位置でその法線方向に沿って測定したトップゴム層のゴム厚みは3.0mm以上である請求項1〜7のいずれか1項記載のカラーソリッドタイヤ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、黒以外で着色されたトップゴム層を有するカラーソリッドタイヤ、特に産業車両用に用いられるニューマチック型のカラーソリッドタイヤに関するものであり、より詳細には、かかるタイヤのトップゴム層がタイヤの使用寿命にわたって変色するのを防止しつつ、耐リムすべり性、燃費性能及び耐久性の向上を図る。 【0002】 【従来の技術】ソリッドタイヤ、特にリムに装着されて使用される、いわゆるニューマチック型のソリッドタイヤは、フォークリフトなどの産業車両に用いられている。 【0003】ニューマチック型のソリッドタイヤは、図2に示すように、ホイールのリムRと緊密接触するベースゴム層101と、ベースゴム層101の上面101aから側面101bにわたって覆うように一体的に配設されたトップゴム層102とで構成するのが一般的である。この場合、ベースゴム層101は、耐リムすべり性を確保すべく、短繊維コードを含む比較的硬質のゴムで構成することが好ましく、また、トップゴム層102は、振動乗り心地の確保の点から、比較的軟質のゴムで構成することが好ましい。 【0004】しかしながら、上記構成のソリッドタイヤ103は、ベースゴム層101とトップゴム層102間の剛性段差が大きく、これらの界面でセパレーション故障を生じやすく、耐久性が劣るという問題点がある。 【0005】このようなセパレーション故障を防止する手段としては、例えば、図3に示すように、トップゴム層をタイヤ径方向の内側部分と外側部分とに2分し、外側部分を上記ゴムからなるトップゴム層102とし、内側部分を、トップゴム層102とベースゴム層101の間のゴム硬さを有するゴムからなる中間ゴム層104として構成することが有用である。 【0006】ところで、トップゴム層102は、そのゴム中に通常はカーボンを含有しているため、通常は黒色を呈しているのが一般的であるが、このトップゴム層を有するタイヤは、摩耗によって路面を黒く汚しやすく、これは、見栄えの点で好ましくない。従って、路面が黒く汚れることを嫌うような場所、例えば、食品工場内で使用する場合には、トップゴム層102を、黒色以外に着色したゴムで構成した、いわゆるカラーソリッドタイヤを用いることがある。 【0007】上記3種類のゴム層で構成されるカラーソリッドタイヤ(図3)は、上記2種類のゴム層で構成されるカラーソリッドタイヤ(図2)に比べて、高価でありかつ軟質である着色されたトップゴム層102の使用割合が少ないため、コスト性と燃費性能に優れている。 【0008】しかしながら、上記3種類のゴム層で構成されるカラーソリッドタイヤ(図3)は、中間ゴム層104がタイヤのサイド部に対応する高さ範囲に存在するため、中間ゴム層104を構成するゴムとして、通常配合のゴムを用いた場合には、その中に含有する老化防止剤やオイルの成分が、時間の経過とともに、中間ゴム層104からトップゴム層102へ染み出す結果、トップゴム層、とりわけ、トップゴム層102のゴム部分102aで構成されるタイヤのサイド部が汚染されて変色する傾向があり、このタイヤサイド部を構成するトップゴム層のゴム部分102aの変色は、見栄えの点で好ましくなかった。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、ベースゴム層、中間ゴム層及びトップゴム層の3層のゴム層のゴム厚みとゴム硬さの適正化を図るとともに、中間ゴム層を構成するゴム中に含有する老化防止剤と石油系軟化剤の適正化を図ることにより、タイヤの使用寿命にわたって着色されたトップゴム層の色を維持することができ、かつ耐リムすべり性、燃費性能及び耐久性にも優れたカラーソリッドタイヤ、特に産業車両用に用いられるニューマチック型のカラーソリッドタイヤを提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、この発明は、金属材料からなる回転体の外面上に緊密に密着して一体化される、短繊維コードを含む比較的硬質のゴムからなるリング状のベースゴム層と、該ベースゴム層の上面に一体的に配設され、ベースゴム層よりも軟質なゴムからなる中間ゴム層と、該中間ゴム層の上面から中間ゴム層及びベースゴム層の両側面にかけて覆うように一体的に配設され、中間ゴム層よりも軟質でありかつ黒以外で着色されたゴムからなるトップゴム層とを有するカラーソリッドタイヤにおいて、タイヤ赤道面位置で測定したベースゴム層、中間ゴム層及びトップゴム層のゴム厚みが、同位置で測定したタイヤの総ゴム厚みに対して、それぞれ20〜40%、10〜60%及び20〜50%であり、中間ゴム層及びトップゴム層を構成するゴムのJIS-A硬さが、それぞれ60〜73及び55〜67であり、中間ゴム層は、老化防止剤がフェノール類又はその誘導体であって、その含有量が0〜2.0phr(parts per hundred part of rubber)の範囲であり、軟化剤が石油系軟化剤であって、その含有量が、全炭素中に占める芳香族環炭素数が30%以下のオイル成分として、0〜15phrの範囲であることを特徴とするカラーソリッドタイヤである。 【0011】尚、ここでいう「ソリッドタイヤ」とは、JATMA YEAR BOOK(2001)の「“F”章 産業車両用タイヤ」で規定するソリッドタイヤであるプレスオン式のソリッドタイヤとニューマチック形クッションタイヤの双方を意味し、「カラーソリッドタイヤ」とは、外皮ゴム(トップゴム層)を白色や緑色のような黒色以外の色で着色したゴムで構成したソリッドタイヤを意味する。また、ゴムの着色方法としては、例えば白色充填剤と呼ばれる補強剤(酸化チタンやシリカ等)と顔料とを用いる方法が挙げられる。さらに、「JIS-A硬さ」は、JIS K 6253-1993に従う、デュロメータ硬さ試験・タイプA試験機を用いて、試験温度:25℃にて測定した。 【0012】また、ベースゴム層内に、有機繊維コードを有する補強層を配設することが好ましく、この補強層は、有機繊維コードをゴム被覆したコード補強層又は有機繊維コードの不織布であることがより好ましい。 【0013】さらに、補強層を構成する有機繊維コードは、コード1本当たりの強力が98〜392Nであるナイロン又はポリエステルコードであることが好ましく、補強層を構成する有機繊維コードの延在方向は、タイヤ赤道面に対し±10°の角度範囲内であることがより好適である。 【0014】さらにまた、補強層の配設層数は2層以上であることが好ましい。 【0015】また、中間ゴム層の側面に位置するトップゴム層のゴム厚みは3.0mm以上であることが好ましい。 【0016】加えて、前記回転体はホイールであり、カラーソリッドタイヤは前記ホイールの適用リムに装着して使用に供される、いわゆるニューマチック型のカラーソリッドタイヤであり、該カラーソリッドタイヤが適用リムに装着された状態で、適用リムのフランジ高さ位置に対応する前記カラーソリッドタイヤの外面位置でその法線方向に沿って測定したトップゴム層のゴム厚みは3.0mm以上であることがより好適である。 【0017】尚、ここでいう「ニューマチック型のソリッドタイヤ」及び「適用リム」は、JATMA YEAR BOOK(2001)の「“F”章 産業車両用タイヤ」で規定するニューマチック形クッションタイヤ及び適用リムを意味する。 【0018】 【発明の実施の形態】次に、この発明の実施の形態を図面を参照しながら以下で説明する。図1は、この発明に従うニューマチック型のカラーソリッドタイヤの幅方向半断面であり、その適用リムに装着する途中の状態で示してある。 【0019】図1に示すカラーソリッドタイヤ1は、ベースゴム層2、中間ゴム層3及びトップゴム層4によって主に構成されている。 【0020】ベースゴム層2は、スチールやアルミニウムなどの金属材料からなる回転体であるホイール5のリムRの外面上に緊密に密着して一体化されるタイヤ1のゴム部分であり、リムRとタイヤの一体化のため、リムRに対する締め代を付与すべく、リム径よりも幾分小さな内径でリング形状に形成され、また、ベースゴム層2を構成するゴムは、短繊維コードを含み、比較的硬質である。 【0021】中間ゴム層3は、ベースゴム層2の上面2a上に一体的に配設され、ベースゴム層2よりも軟質なゴムからなっている。 【0022】トップゴム層4は、中間ゴム層3の上面3aから中間ゴム層3及びベースゴム層2の両側面3b,2bにかけて覆うように一体的に配設され、中間ゴム層3よりも軟質でありかつ黒以外で着色されたゴムからなっている。尚、図1では、トップゴム層4が、さらに接地面を有するゴム部分4aと、中間ゴム層3の上面3aとの接触面を有するゴム部分4bとの2種類にゴムで構成されている場合が示してあるが、1種類のゴムのみで構成しても、また、3層以上のゴムで構成してもよく、このトップゴム層4の構成は、必要に応じて適宜選択することができる。 【0023】そして、この発明の構成上の主な特徴は、ベースゴム層2、中間ゴム層3及びトップゴム層4の3層のゴム層のゴム厚みとゴム硬さの適正化を図るとともに、中間ゴム層3を構成するゴム中に含有する老化防止剤と軟化剤の適正化を図ることにあり、より具体的には、タイヤ赤道面位置Eで測定したベースゴム層2、中間ゴム層3及びトップゴム層4のそれぞれのゴム厚みHB、HM及びHTが、同位置Eで測定したタイヤの総ゴム厚みHに対して、それぞれ20〜40%、10〜60%及び20〜50%であり、中間ゴム層3及びトップゴム層4を構成するゴムのJIS-A硬さが、それぞれ60〜73及び55〜67であり、中間ゴム層は、老化防止剤がフェノール類又はその誘導体であって、その含有量が0〜2.0phrの範囲であり、軟化剤が石油系軟化剤であって、その含有量が、全炭素中に占める芳香族環炭素数が30%以下のオイル成分として、0〜15phrの範囲であることにあり、この構成を採用することによって、タイヤの使用寿命にわたってトップゴム層の変色を防止しつつ、耐リムすべり性、燃費性能及び耐久性を向上させることができる。 【0024】すなわち、この発明では、ベースゴム層2、中間ゴム層3及びトップゴム層4のそれぞれのゴム厚みHB、HM及びHTとゴム硬さを、上記適正範囲に設定することによって、各ゴム層2、3、4間の剛性段差を少なくして、特にベースゴム層2と中間ゴム層3との界面でのセパレーション故障を抑制し、また、中間ゴム層3の配設によって、高価で軟質なトップゴム層4の使用割合を少なくすることができ、これは、コスト性やタイヤの燃費性能の点で有利となる。 【0025】また、この発明では、タイヤ使用寿命にわたってトップゴム層の変色を防止するため、中間ゴム層3を構成するゴム中に含有する老化防止剤と石油系軟化剤の種類及び配合量を限定する必要がある。 【0026】中間ゴム層3を有するソリッドタイヤ(図3)は、通常、中間ゴム層3を構成するゴム中に、疲労性確保と製造(ゴム練り)作業性確保の点から、老化防止剤と軟化剤を含有させる必要があるが、老化防止剤としては、アルデヒド、ケトン、アミン反応生成物、イミダゾール類、フェノール類又はその誘導体のいずれかを使用するのが一般的であり、また、軟化剤としては、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系などの石油系軟化剤を使用するのが一般的である。 【0027】しかしながら、発明者が中間ゴム層3の配合成分について検討を行ったところ、トップゴム層を、中間ゴム層の上面から中間ゴム層及びベースゴム層の両側面にかけて覆うように一体的に配設したソリッドタイヤの場合には、中間ゴム層が外気と直接触れることがないため、中間ゴム層を構成するゴム中に老化防止剤を含有させなくても、空気中の酸素、オゾン、紫外線等に対する耐劣化性を確保でき、また、石油系軟化剤を含有させなくても、製造(ゴム練り)作業性をさほど悪化させないことを見出し、この知見から、中間ゴム層を構成するゴムとして、老化防止剤と石油系軟化剤を含有しない新種のゴムを用いれば、タイヤ使用寿命にわたってトップゴム層の変色を防止できることを見出した。 【0028】また、中間ゴム層を構成するゴムとして、老化防止剤と石油系軟化剤を含有する通常のゴムを用いる場合について、中間ゴム層を構成するゴム中に含有する老化防止剤の検討を行ったところ、老化防止剤として、アルデヒド、ケトン、アミン反応生成物、イミダゾール類を用いた場合には、タイヤを使用するにつれて、中間ゴム層からの老化防止剤の成分がトップゴム層へ染み出して、特に、タイヤのサイド部外面を構成するトップゴム層が変色する傾向があったが、老化防止剤として、色が薄いフェノール類又はその誘導体を用い、その含有量を、2.0phr以下に制限すれば、タイヤのサイド部外面を構成するトップゴム層の変色が顕著に抑制されることが判明した。 【0029】また、中間ゴム層を構成するゴム中に含有する軟化剤についてもトップゴム層の変色との関係で検討を行った結果、軟化剤として、パラフィン系やナフテン系などの石油系軟化剤以外を用いた場合には、時間の経過とともに、中間ゴム層からの軟化剤の成分がトップゴム層へ染み出して、特に、タイヤのサイド部外面を構成するトップゴム層が変色する傾向があったが、軟化剤として石油系軟化剤を用い、その含有量を、芳香族環炭素数が全炭素中の30%以下のオイル成分として15phr以下の範囲に制限した場合には、軟化剤の経時変色が小さく染み出す量も少なくなる結果、タイヤのサイド部外面を構成するトップゴム層の変色が顕著に抑制されることが判明した。 【0030】従って、この発明では、タイヤ赤道面位置で測定したベースゴム層、中間ゴム層及びトップゴム層のゴム厚みを、同位置で測定したタイヤの総ゴム厚みに対して、それぞれ20〜40%、10〜60%及び20〜50%とし、中間ゴム層及びトップゴム層を構成するゴムのJIS-A硬さを、それぞれ60〜73及び55〜67とし、中間ゴム層は、老化防止剤がフェノール類又はその誘導体であって、その含有量が0〜2.0phrの範囲であり、軟化剤が石油系軟化剤であって、その含有量が、全炭素中に占める芳香族環炭素数が30%以下のオイル成分として、0〜15phrの範囲であることによって、タイヤの使用寿命にわたってトップゴム層の色を維持することができ、しかも、耐リムすべり性、燃費性能及び耐久性にも優れたカラーソリッドタイヤの開発に成功したのである。 【0031】尚、ベースゴム層を構成するゴムにも、中間ゴム層と同様、老化防止剤や軟化剤を含有するため、タイヤの使用とともに、タイヤサイド部を構成するトップゴム層への染み出しも考慮する必要があるが、ベースゴム層からタイヤサイド部に老化防止剤等の成分が染み出したとしても、タイヤサイド部の下側部分であり、リムフランジで大半が隠れる等の理由から、トップゴム層の変色はあまり目立たないため、この発明では、ベースゴム層については老化防止剤や軟化剤の種類及び含有量の限定はしていないが、必要に応じて、中間ゴム層と同様な種類及び含有量の老化防止剤や軟化剤を用いることができる。 【0032】また、その他の実施形態としては、図1に示すように、ベースゴム層内に、有機繊維コードを有する補強層を配設すれば、耐すべり性を向上させるとともに、ベースゴム層から老化防止剤等の成分がタイヤサイド部を構成するトップゴム層に染み出して変色する領域を狭くすることができ、この場合、ベースゴム層から老化防止剤や軟化剤の成分が染み出したとしても、リムフランジ部分近くの表層が汚染されるだけなので、タイヤの表面外観を損ねることはない。 【0033】加えて、補強層は、有機繊維コードをゴム被覆したコード補強層又は有機繊維コードの不織布であることが好ましく、有機繊維コードとしては、コード1本当たりの強力が98〜392Nであるナイロン又はポリエステルコードであることがより好適である。 【0034】さらに、補強層を構成する有機繊維コードの延在方向は、タイヤ赤道面に対し±10°の角度範囲内であることが、リムとの嵌合性(締め付け力アップ)が向上し、耐リム滑り性が向上する点で好ましい。 【0035】さらにまた、耐リム滑り性を重視する場合には、補強層の配設層数を2層以上とすることが好ましい。 【0036】加えて、中間ゴム層の側面に位置するトップゴム層のゴム厚みを3.0mm以上とすることが、中間ゴム層の側面の色(黒色)が、その側面に位置するトップゴム層から透けて見えて、トップゴム層の色が他の部分の色と異なって見えるのを防止する点で好ましく、特に、中間ゴム層を構成するゴムに老化防止剤を含有させない場合には、ゴムが外気と触れて劣化するのを防止することができる。 【0037】尚、図1に示すようなニューマチック型のカラーソリッドタイヤの場合には、カラーソリッドタイヤが適用リムに装着された状態で、適用リムのフランジ高さ位置に対応する前記カラーソリッドタイヤの外面位置でその法線方向に沿って測定したトップゴム層のゴム厚みtは3.0mm以上であることが、ベースゴム層からの汚染を防ぐ点で好ましい。 【0038】上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。 【0039】 【実施例】次に、この発明に従うカラーソリッドタイヤを試作し、性能評価を行ったので以下で説明する。 【0040】・実施例1実施例1のカラーソリッドタイヤは、ベースゴム層内に補強層を配設しないこと以外は図1と同様のタイヤ幅方向半断面を有し、タイヤサイズが7.00−12であり、外面ゴムが白色である産業車両用ソリッドタイヤであり、ベースゴム層、中間ゴム層及びトップゴム層のゴム厚みが、同位置で測定したタイヤの総ゴム厚みに対して、それぞれ35%、35%及び30%であり、中間ゴム層及びトップゴム層を構成するゴムのJIS-A硬さが、それぞれ67及び60であり、前記老化防止剤を、フェノール類又はその誘導体として1.0phr含有させ、前記石油系軟化剤を、芳香族環炭素数が全炭素中の30%以下のオイル成分として8phr含有させた。 【0041】・実施例2実施例2のカラーソリッドタイヤは、ベースゴム層及び中間ゴム層のゴム厚みを前記総ゴム厚みに対してそれぞれ25%及び45%とし、ベースゴム層内に4枚のコード補強層(コード:6N(6ナイロン)コード、コード構造:1890d/2、コードの延在方向:タイヤ赤道面に対し0°の方向)を配設したことを除いては実施例1のカラーソリッドタイヤとほぼ同様の構成を有する。 【0042】・従来例1従来例1のカラーソリッドタイヤは、図2に示すタイヤ幅方向半断面を有し、中間ゴム層を配設せず、トップゴム層のゴム厚みを65%としたことを除いては実施例1のカラーソリッドタイヤとほぼ同様の構成を有する。 【0043】・従来例2従来例2のカラーソリッドタイヤは、図3に示すタイヤ幅方向半断面を有し、中間ゴム層を構成するゴム中に含有する老化防止剤及び石油系軟化剤として、アルデヒド誘導体及び芳香族系を用いたことを除いては実施例1のカラーソリッドタイヤとほぼ同様の構成を有する。 【0044】(試験方法)上記各供試タイヤをリム(12×5.00S)に装着し、耐久性、燃費性能、耐変色性及び耐リムすべり性を評価するための試験を行った。 【0045】耐久性は、回転ドラム上で、JATMA YEAR BOOK (2001)に規定するフォークリフトに使用する場合の最大負荷能力(最高速度15km/h)作用下で、15km/hの速度で走行させ、タイヤに故障が生じるまでの走行時間を測定し、この測定値から評価した。 【0046】燃費性能は、耐久性の試験条件と同様な条件で回転ドラム上で走行させて転がり抵抗を測定し、この測定値から評価した。 【0047】耐変色性は、2tのフォークリフトの操舵輪に装着し、6ヶ月稼動時点での変色度を測定し、この測定値から評価した。尚、1日当たりの稼動時間はトータル時間として約20時間とし、積載物を紙ロール(約150kg)とし、フォークリフトの移動速度は20km/h以下とし、変色度は、JIS Z 8715で規定する「白色度−表示方法((黒)0〜100(白))」に準じて行った。 【0048】耐リムすべり性は、2tのフォークリフトの操舵輪に装着し、6ヶ月稼動時点でのリムすべり量を測定し、この測定値から評価した。尚、リムすべり量は、同一半径上にあるタイヤとリムの位置にマーキングし、それぞれのマーキング位置が存在する半径間でずれたときの角度として測定した。 【0049】表1にこれらの評価結果を示す。尚、表1中の数値は、実施例2を100とした指数比で示してあり、いずれの性能とも、数値が大きいほど性能が優れていることを意味する。 【0050】 【表1】
【0051】表1に示す評価結果から、実施例1及び2はいずれも、耐変色性及び耐リムすべり性が従来例1と同等以上でありながら、耐久性及び燃費性能が従来例1に比べて格段に優れている。 【0052】 【発明の効果】この発明によって、タイヤの使用寿命にわたって着色されたトップゴム層の色を維持することができ、かつ耐リムすべり性、燃費性能及び耐久性にも優れたカラーソリッドタイヤ、特に産業車両用に用いられるニューマチック型のカラーソリッドタイヤの提供が可能になった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005278 【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン 【住所又は居所】東京都中央区京橋1丁目10番1号
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| 【出願日】 |
平成13年11月9日(2001.11.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072051 【弁理士】 【氏名又は名称】杉村 興作 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−146008(P2003−146008A) |
| 【公開日】 |
平成15年5月21日(2003.5.21) |
| 【出願番号】 |
特願2001−344089(P2001−344089) |
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