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【発明の名称】 サスペンション内蔵ホイール
【発明者】 【氏名】三島 勝
【住所又は居所】東京都港区浜松町二丁目4番1号 世界貿易センタービル カヤバ工業株式会社内

【要約】 【課題】車両における乗り心地を悪化せず、また、騒音を発生させない。

【解決手段】車軸aを連結させるハブ1とタイヤを介装させるリム2が複数本の油圧緩衝器3で連結されてなるサスペンション内蔵ホイールにおいて、ハブ1の外周に連設のブラケット1aの先端とこのブラケット1aの先端が対向するリム2の内周との間に衝撃吸収用のクッション部材4が配在されてなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ほぼ筒状に形成されて車軸を連結させるハブと、このハブの外周側に位置決められてタイヤを介装させるリムと、基端あるいは先端がハブの外周に連設のブラケットに連結されると共に基端あるいは先端がリムの内周に連設のブラケットに連結されながら外力の作用時に伸縮すると共に減衰力を発生する複数本の油圧緩衝器とを有してなるサスペンション内蔵ホイールにおいて、ハブの外周に連設のブラケットの先端とこのブラケットの先端が対向するリムの内周との間に衝撃吸収用のクッション部材が配在されてなることを特徴とするサスペンション内蔵ホイール【請求項2】 クッション部材がハブの外周に連設のブラケットにおける先端に保持されながらリムの内周面に対向してなる請求項1に記載のサスペンション内蔵ホイール【請求項3】 クッション部材がハブの外周に連設のブラケットにおける先端が対向するリムの内周面に展設されてなる請求項1に記載のサスペンション内蔵ホイール
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、サスペンション内蔵ホイールの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】旧来、車両におけるサスペンションにあっては、バネ要素を含みながら振動エネルギーを吸収する油圧緩衝器が筒型あるいはロータリー型の何れかに形成されていながら車軸と車体床との間に配在されるとしていた。
【0003】しかし、近年では、油圧緩衝器がタイヤを介装させるホイールに内蔵されるとするサスペンション内蔵ホイールが提案されるに至っている。
【0004】このとき、このサスペンション内蔵ホイールは、本案図となる図2に示すように、ほぼ筒状に形成されて図中に一点鎖線で示す車軸Aを連結させるハブ1と、このハブ1の外周側に位置決められてタイヤ(図示せず)を介装させるリム2とを有してなる。
【0005】ちなみに、ハブ1は、図示しないが、旧来のホイールにおいてディスクと称されている部位に相当するが、このディスクが旧来のホイールではリム2と一体とされているのに対して、このサスペンション内蔵ホイールでは、基本的には、リム2と分離されている。
【0006】また、リム2は、タイヤを介装させる態様において、既存のホイールにおける場合と同様の構成に形成されている。
【0007】一方、このサスペンション内蔵ホイールにあっては、図2中に一点鎖線で示すように、外力の作用時に伸縮して減衰力を発生する複数本の油圧緩衝器3を有してなるとし、この油圧緩衝器3は、図1に示すように、基端がハブ1の外周に連設のブラケット1aに連結され、先端がリム2の内周に連設のブラケット2a連結されるとしている。
【0008】ちなみに、油圧緩衝器3は、サスペンション内蔵ホイールの図2中で右側となる表側と反対側たる図1に示す裏側でその配置位置たる位相がずれてなるとしている。
【0009】それゆえ、このサスペンション内蔵ホイールにあっては、図示しないが、たとえば、筒型に形成された油圧緩衝器を車軸と車体床との間に配在する場合に比較して、車体床を全体的に低くすると共に車内スペースを広くし得ることになり、たとえば、車椅子ごと車体床上に乗り込めるようにしている車両への利用に最適となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記したサスペンション内蔵ホイールにあっては、基本的な構成において不具合がある訳ではないが、具体的な構成の如何によっては、車両における好ましい走行状態を得られなくすると指摘される可能性がある。
【0011】すなわち、上記した構成からなるサスペンション内蔵ホイールにあって、元々分離されているハブ1とリム2は、油圧緩衝器3で連結されているのみであるから、利用状態下では、ハブ1の軸芯とリム2の軸芯とが一致せず、いわゆる偏芯することになる。
【0012】のみならず、利用状態下では、ハブ1がリム2に対して下降する状態になり、この状態は、車両における車体荷重の大小によって変動する。
【0013】それゆえ、大きい車体荷重の下で車両がバウンドするような場合には、ハブ1とリム2間の距離が小さくなり、特に、ハブ1に連設されているブラケット1aの突出長さが言わば大き過ぎる場合には、両者間に瞬間的であろうが接触の事態が招来される。
【0014】そして、このとき、ハブ1とリム2の間における直接当り、すなわち、金属当りに起因して衝撃が発生されて車両における乗り心地が悪化される上に、騒音が発生することになる。
【0015】この発明は、上記した事情を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、車両における車体荷重が瞬間的に大きくなることでハブとリムの間で瞬間的な接触の事態が招来されても、車両における乗り心地を悪化されずして、また、騒音が発生されずして、その汎用性の向上を期待するのに最適となるサスペンション内蔵ホイールを提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するために、この発明によるサスペンション内蔵ホイールの構成を、基本的には、ほぼ筒状に形成されて車軸を連結させるハブと、このハブの外周側に位置決められてタイヤを介装させるリムと、基端あるいは先端がハブの外周に連設のブラケットに連結されると共に基端あるいは先端がリムの内周に連設のブラケットに連結されながら外力の作用時に伸縮すると共に減衰力を発生する複数本の油圧緩衝器とを有してなるサスペンション内蔵ホイールにおいて、ハブの外周に連設のブラケットの先端とこのブラケットの先端が対向するリムの内周との間に衝撃吸収用のクッション部材が配在されてなるとする。
【0017】それゆえ、ハブとリムの間には、衝撃吸収用のクッション部材が配在されるから、車体荷重の大きい車両がバウンドなどしたときにも、ハブとリムの直接当りたる金属当りを阻止できることになり、このとき、金属当りに起因する衝撃による乗り心地の悪化および騒音発生を未然に阻止し得ることになる。
【0018】そして、上記した構成において、より具体的には、クッション部材がハブの外周に連設のブラケットにおける先端に保持されながらリムの内周面に対向してなるとし、あるいは、クッション部材がハブの外周に連設のブラケットにおける先端が対向するリムの内周面に展設されてなるとする。
【0019】それゆえ、最も金属当りが招来され易い位置にクッション部材が配在されると共に、クッション部材がハブの外周に連設のブラケットにおける先端に保持される場合には、必要最小限度のクッション部材量で済むことになり、クッション部材がリムの内周面に展設される場合には、クッション部材の耐久性を保障し得ることになる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明によるサスペンション内蔵ホイールにあっても、ほぼ筒状に形成されて車軸A(図2参照)に連結されるハブ1と、このハブ1の外周側に位置決められてタイヤ(図示せず)を介装させるリム2とを有してなる。
【0021】また、このサスペンション内蔵ホイールにあっては、外力の作用時に伸縮して減衰力を発生する複数本の油圧緩衝器3を有してなり、この油圧緩衝器3は、基端がハブ1の外周に連設のブラケット1aに連結されると共に、先端がリム2の内周に連設のブラケット2aに連結されてなるとしている。
【0022】ちなみに、油圧緩衝器3がハブ1およびリム2に連結されるにあって、先端および基端が上記したところと逆に、あるいは、各油圧緩衝器3が同じ向きに連結されるとしても良いことはもちろんである。
【0023】また、この油圧緩衝器3の構成については、伸縮作動時に所定の減衰力を発生する限りには、自由に設定されて良いが、その配在状況を勘案すると、多くの場合に、単筒構造に構成されるであろう。
【0024】一方、このサスペンション内蔵ホイールにあっては、上記のハブ1の外周に連設のブラケット1aの先端とこのブラケット1aの先端が対向するリム2の内周との間に衝撃吸収用のクッション部材4が配在されてなるとしている。
【0025】そして、このクッション部材4は、図示するところでは、ハブ1の外周に連設のブラケット1aにおける先端に保持されながらリム2の内周面に対向するとしている。
【0026】このとき、このクッション部材4は、適宜肉厚の弾性に富むゴム材からなり、したがって、このクッション部材4がリム2の内周面に当接するときには、ハブ1とリム2の直接当り、すなわち、金属当りを阻止できることになる。
【0027】その結果、ハブ1とリム2が直接当りすることで招来されるであろう衝撃が吸収されて車両における乗り心地が悪化されなくなり、また、直接当りたる金属当りに起因する騒音発生が抑制されることになる。
【0028】以上からすれば、このクッション部材4については、これがゴム材からなることに代えて、同等の弾性を有する合成樹脂材で形成されるとしても良い。
【0029】そして、このクッション部材4がゴム材からなる場合には、ブラケット1aの先端に焼付けで連設されて保持されることが多いであろうが、ゴム材で形成する場合を含めて合成樹脂材で形成される場合には、たとえば、接着材の利用で所定位置に保持されるなど任意の方策が採用されて良い。
【0030】また、このクッション部材4の配在状態についてだが、図示するところに代えて、図3に示すように、クッション部材4がリム2の内周面に、すなわち、ハブ1の外周に連設のブラケット1aにおける先端が対向するリム2の内周面に展設されてなるとしても良い。
【0031】そして、クッション部材4が、図1に示すように、ハブ1の外周に連設のブラケット1aにおける先端に保持される場合には、必要最小限度のクッション部材量で済む点で有利となり、クッション部材4が、図3に示すように、リム2の内周面に展設される場合には、クッション部材4の耐久性を保障し得ることになる点で有利となる。
【0032】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明にあっては、ハブとリムの間にクッション部材が配在されることから、ハブとリムが直接当りすることで招来されるであろう衝撃が吸収されて車両における乗り心地が悪化されなくなり、また、金属当りに起因する騒音発生が抑制されることになる。
【0033】そして、請求項2の発明にあっては、クッション部材がハブの外周に連設のブラケットにおける先端に保持されることから、必要最小限度のクッション部材量で済む点で有利となり、また、請求項3の発明にあっては、クッション部材がリムの内周面に展設されることから、ブラケットの先端に保持させる場合に比較して、クッション部材の配設が容易になる点で有利となる。
【0034】その結果、この発明によれば、車両における車体荷重が瞬間的に大きくなることでハブとリムの間で瞬間的な接触の事態が招来されても、車両における乗り心地を悪化されずして、また、騒音が発生されずして、その汎用性の向上を期待するのに最適となる。
【出願人】 【識別番号】000000929
【氏名又は名称】カヤバ工業株式会社
【住所又は居所】東京都港区浜松町2丁目4番1号 世界貿易センタービル
【出願日】 平成14年5月16日(2002.5.16)
【代理人】 【識別番号】100067367
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 泉
【公開番号】 特開2003−326902(P2003−326902A)
【公開日】 平成15年11月19日(2003.11.19)
【出願番号】 特願2002−141218(P2002−141218)