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【発明の名称】 キャスタ用サスペンション機構
【発明者】 【氏名】山口 高司
【住所又は居所】千葉県千葉市若葉区中田町2186−1 株式会社オーエックスエンジニアリング内

【要約】 【課題】底付きを好適に防止し、さらにゴムブロック自体を交換することなくサスペンション強度を調整することが可能なキャスタ用サスペンション機構を提供する。

【解決手段】キャスタホイール(6)と、当該ホイール(6)を回動可能に支持するアーム(5)と、当該アーム(5)を回動可能に保持するブラケット(4)と、前記ブラケット(4)内にキャスタの進行方向において圧縮されるように保持された弾性体(12)と、キャスタホイール(6)にかかる荷重に応じて当該弾性体(12)をキャスタの進行方向に押圧する押圧部材(14)と、前記ブラケット(4)を車体側に連結する連結手段(3)と、を具えるように構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 キャスタホイールと、当該ホイールを回転可能に支持するアームと、当該アームを回動可能に保持するブラケットと、前記ブラケット内にキャスタの進行方向において圧縮されるように保持された弾性体と、キャスタホイールにかかる荷重に応じて当該弾性体をキャスタの進行方向に押圧する押圧部材と、前記ブラケットを車体側に連結する連結手段とを具えることを特徴とするキャスタ用サスペンション機構。
【請求項2】 請求項1に記載のサスペンション機構において、前記弾性体が前記進行方向に開口した収納ケース内に収納されており、前記進行方向に直交する方向において当該ケースの内側面と前記弾性体の外周面との間にスペースが形成されていることを特徴とするキャスタ用サスペンション機構。
【請求項3】 請求項2に記載のサスペンション機構において、前記弾性体の外周面が、前記進行方向においてテーパ形状を成していることを特徴とするキャスタ用サスペンション機構。
【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載のサスペンション機構において、前記弾性体が前記キャスタの進行方向に延在するピンの外周に筒状をなして設けられており、当該ピンが前記アームに固定的に連結され、前記押圧部材にその相対位置を調整可能に連結されていることを特徴とするキャスタ用サスペンション機構。
【請求項5】 請求項2ないし4のいずれかに記載のサスペンション機構において、前記収納ケースが進行方向において前後2カ所で開口しており、これらの開口の一方に前記ピンのアーム固定側端部を摺動可能に保持すると共に、他方の開口内に前記押圧部材を摺動可能に保持していることを特徴とするキャスタ用サスペンション機構。
【請求項6】 請求項2ないし5のいずれかに記載のサスペンション機構において、前記ピンが前記押圧部材内に挿通螺合して当該押圧部材に連結されており、この螺合状態を規制するストッパ機構を具えることを特徴とするキャスタ用サスペンション機構。
【請求項7】 請求項6に記載のサスペンション機構において、前記押圧部材の前記ピンを挿通する挿通孔が前記押圧部材を貫通しており、前記ストッパ機構が、当該貫通孔内部に設けられた段差と、前記ピンに前記進行方向に直交する方向に設けられた第2の貫通孔と、当該第2の貫通孔内に設けた第2の弾性体と、当該第2の弾性体の両側に設けられ前記貫通孔から一部が突出して前記段差に係合するボールとで構成されていることを特徴とするキャスタ用サスペンション機構。
【請求項8】 請求項7に記載のサスペンション機構において、前記押圧部材に設けた貫通孔内壁の前記段差部分に、前記ボールに係合し、前記押圧部材の軸方向に延在する溝部を設けたことを特徴とするキャスタ用サスペンション機構。
【請求項9】 請求項8に記載のサスペンション機構において、前記溝部を前記押圧部材に設けた貫通孔内壁に、周方向において偶数箇所、均等に設けたことを特徴とするキャスタ用サスペンション機構。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はキャスタ用サスペンションに関し、特に、車椅子に取り付けるキャスタ用サスペンション及び該サスペンションを備えるキャスタに関する。
【0002】
【従来の技術】車椅子やベビーカーなどのキャスタには、衝撃を吸収するためにサスペンション機構が設けられている。このようなサスペンション機構の例として、例えば特開2001−158204に開示されたものがある。図5は、この従来のキャスタのサスペンション機構を示す側面図である。図5に示すように、キャスタ50は、車体側に連結されたL字型のブラケット51と、当該ブラケット51に回動可能に連結されるアーム52と、当該アームに保持されたホイール53を具え、ブラケット51とアーム52の間にゴムブロック54を設けて、キャスタホイールに加わる衝撃をこのゴムブロック54で吸収するようにしている。
【0003】ブラケット51とアーム52には、ゴムブロック54取り付け用の座57、57が形成されており、ゴムブロック54はキャスタホイール53に加わる衝撃に応じて、上下方向に圧縮される。なお、ブラケット51にはアーム52の回動を規制するボルト58が設けられており、圧縮されたゴムブロック54の弾性復元力によりアーム52をボルト58に当接した状態に保持している。
【0004】圧縮ゴムブロック54は、その断面積が部分的に削減された初期圧縮部59を有しており、これにより圧縮ゴムブロック54に加わる荷重が大きくなるのに伴って、圧縮ゴムブロック54のバネ荷重の増加率が次第に大きくなるという非線形特性を有している。以上のようなキャスタ50は、キャスタ50に荷重が加わるとアーム52が軸55を中心に回動してゴムブロック54が弾性変形し、この圧縮ゴムブロック54の弾性復元力により、アームの揺動が減衰されてキャスタ50が路面の凹凸から受ける振動や衝撃を吸収する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のキャスタは、キャスタホイールにかかる衝撃を、ブラケット51とアーム52間に上下方向に配置したゴムブロック54で吸収するように構成している。このため、ブラケット51とアーム52の相対的な位置関係が限定されてしまい、アーム52で支持するホイール53の径の許容範囲が狭いという欠点がある。キャスタホイールの径は、車椅子の使用目的、使用者の障害の度合い、好みなどによって、最適値が様々であるため、ホイールを交換して調整する必要があるが、従来のキャスタでは、ホイールを交換するにはキャスタ全体を交換する必要があった。
【0006】また、従来のキャスタでは、ゴムブロック54自体が外部に露出した状態で保持されている。このため、急激な衝撃がキャスタ50に加わると、ゴムブロック54が極端に横に拡がって圧縮変形し、その圧縮変形を規制する手段がないため、ブラケット51とアーム52、あるいはブラケット51とホイール53が衝突する、いわゆる底付きを起こしてしまう。これは、サスペンションを柔らかくするためにゴムブロック54に柔らかい素材を用いた場合に、特に問題になる。
【0007】また、キャスタのサスペンション強度も、使用者の使用目的、障害の度合い、あるいは好みに応じてを調整可能であることが好ましいが、従来のキャスタでは、位置が固定された座(57、57)にゴムブロック54が取り付けられているため、サスペンション強度を調整するためには、ゴムブロック自体を弾性度の高いもの、あるいは低いものに交換する必要がある。さらに、この交換は、キャスタを取り外して行わなければならず、使用者が容易に行うことができない。
【0008】本発明は上記課題を解決すべくなされたものであって、ホイール径の変更に際しての制限を広げ、底付きを好適に防止、さらに、ゴムブロック自体を交換することなくサスペンション強度を調整することが可能なキャスタ用サスペンション機構を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、本発明のキャスタ用サスペンション機構は、キャスタホイールと、当該ホイールを回転可能に支持するアームと、当該アームを回動可能に保持するブラケットと、前記ブラケット内にキャスタの進行方向において圧縮されるように保持された弾性体と、キャスタホイールにかかる荷重に応じて当該弾性体をキャスタの進行方向に押圧する押圧部材と、前記ブラケットを車体側に連結する連結手段とを具えることを特徴とする。
【0010】このように、本発明のサスペンション機構では、ブラケット内に弾性体がキャスタの進行方向において圧縮されるように保持されており、キャスタホイールにかかる荷重に応じて弾性体をキャスタの進行方向に押圧するようにしているため、キャスタホイールとブラケットとの間のスペースが制限されず、従って、キャスターホイールの径を自在に変更することができる。
【0011】また本発明のサスペンション機構は、前記弾性体が前記進行方向に開口した収納ケース内に収納されており、前記進行方向に直交する方向において当該ケースの内側面と前記弾性体の外周面との間にスペースが形成されていることを特徴とする。
【0012】また、弾性体を収納ケースに収納することによって、大きな荷重がキャスタに加わった場合でも、弾性体の変形がケースによって制限されるため、いわゆる底付き現象を起こすことがない。なお、ケースと弾性体との間にスペースを設けているため、弾性体がこのスペース内で変形可能であり、その機能を確保することができる。
【0013】また本発明のサスペンション機構は、前記弾性体の外周面が、前記進行方向においてテーパ形状を成していることを特徴とする。
【0014】このように、弾性体の外周面をテーパ形状とすることによって、サスペンション特性をプログレッシブなものにすることができる。すなわち、弾性体に加わる荷重が大きくなるほど、弾性体のバネ荷重の増加率が次第に大きくなってゆき、キャスタに加わる衝撃や振動を緩やかに吸収し、底付き現象を一層好適に防止することができる。
【0015】また本発明のサスペンション機構は、前記弾性体が前記キャスタの進行方向に延在するピンの外周に筒状をなして設けられており、当該ピンが前記アームに固定的に連結され、前記押圧部材にその相対位置を調整可能に連結されていることを特徴とする。
【0016】このように構成することによって、アームの動きに応じて弾性体がピンを介して進行方向に移動し、押圧部材がピンに沿って移動して弾性体を押圧することになる。また、押圧部材とピンの相対位置を調整することによって、弾性体の圧縮の度合い、すなわち、サスペンションの強度を変更することができる。
【0017】また本発明のサスペンション機構は、前記収納ケースが進行方向において前後2カ所で開口しており、これらの開口の一方に前記ピンのアーム固定側端部を摺動可能に保持すると共に、他方の開口内に前記押圧部材を摺動可能に保持していることを特徴とする。
【0018】このように、弾性体をケース内に収納して保持することによって、強い衝撃が加わったような場合に弾性体の変形が規制され、底付き現象を防ぐことができる。
【0019】また本発明のサスペンション機構において、前記ピンが前記押圧部材内に挿通螺合して当該押圧部材に連結されており、この螺合状態を規制するストッパ機構を具えることを特徴とする。
【0020】ピンは、押圧部材内に挿通螺合させ、この螺合位置を調整することによって、ピンと押圧部材との相対位置を変化させうる。この調整によって、ケース内における弾性体の圧縮度が変化するため、サスペンションの強度を調整することができる。なお、この螺合状態を規制するストッパ機構を設けて、ピンと押圧部材の係合を保持することが好ましい。
【0021】また本発明のサスペンション機構は、前記押圧部材の前記ピンを挿通する挿通孔が前記押圧部材を貫通しており、前記ストッパ機構が、当該貫通孔内部に設けられた段差と、前記ピンに前記進行方向に直交する方向に設けられた第2の貫通孔と、当該第2の貫通孔内に設けた第2の弾性体と、当該第2の弾性体の両側に設けられ前記貫通孔から一部が突出して前記段差に係合するボールとで構成されていることを特徴とする。
【0022】このように構成することによって、第2の弾性体の両側に設けたボールが当該弾性体によって、押圧部材の段差部分に対して常に押圧されるため、押圧部材がピンから抜け落ちることを防止することができる。
【0023】また本発明のサスペンション機構は、前記押圧部材に設けた貫通孔内壁の前記段差部分に、前記ボールに係合し、前記押圧部材の軸方向に延在する溝部を設けたことを特徴とする。
【0024】このように、押圧部材に設けた貫通孔内壁の段差部分に、ボールに係合する溝部を設けることによって、前記押圧部材を確実に保持することが可能になると共に、押圧部材とピンとの相対位置を断続的に調整することが可能である。
【0025】また本発明のサスペンション機構は、前記溝部を前記押圧部材に設けた貫通孔内壁に、周方向において偶数箇所、均等に設けたことを特徴とする。
【0026】ボールに係合する溝部を周方向に偶数箇所、均等に設けることによって、押圧部材とピンとの相対位置をより精密に、かつ断続的に調整することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を添付の図面を参照して説明する。図1は、本発明にかかるサスペンション機構を備えるキャスタの側面図である。図2(a)は図1に示すキャスタの正面図、図2(b)はその背面図である(なお、図2では便宜上ホイール部分を省略している)。また図3は、図2(a)のX−X線における断面図である。なお、本実施形態では、キャスタを車椅子に取り付けた場合について説明する。
【0028】図1に示すように、本発明のサスペンション機構を備えるキャスタ1は、キャスタ1を車椅子のフレーム(図示せず)に連結するキャスタ取付部材2と、当該キャスタ取付部材2に回転可能に支持されるキャスタ軸3と、このキャスタ軸3に連結されたブラケット4と、このブラケット4に回動可能に支持された2本のアーム5、5と、アーム5、5に回転可能に支持されたホイール6とを具えている。
【0029】キャスタ軸3は、キャスタ1の向きを自在に変えるべくキャスタ取付部材2に回転可能に支持されている。ブラケット4は、L字形状をしており(図3参照)、その上面にナット7を介してキャスタ軸3が連結されており、下端部にてピン8を介してアーム5を回動可能に支持している。
【0030】アーム5は、ピン8の上部において更に、ホイール6の軸方向に延在するピン9に連結されている。ブラケット4には、ピン9の移動を確保するための孔9aが設けられており、従って、アーム5はピン8を回動軸として図1に矢印Aで示す方向に回動することができる。
【0031】ピン9は、図3に示すように、中央に軸方向に直交する方向に貫通孔9aが設けられており、この孔9a内に後述する摺動ピン10の一端が螺合している。なお、摺動ピン10はこの一端においてピン9の端面から挿入される芋ネジ(図示せず)を介してピン9に固定されている。
【0032】ブラケット4は、内部に一方が開口した円筒状のケース13を保持しており、このケース13とブラケット4とを貫通する孔11内に摺動ピン10が挿通されている。摺動ピン10の外周には筒状の弾性体12が保持されており、この弾性体12は、ケース13内に収納されている。また、摺動ピン10の他端には、弾性体12を押圧する調整ナット14が係合している。なお、弾性体12は、キャスタ軸3のほぼ真下に位置している。また、ケース13の開口は、摺動ピン10に螺合した調整ナット14がケース13内に進入できる大きさを有する。
【0033】弾性体12は外周面がテーパ形状をなしており、調整ナット14が押圧する側の断面が、ケース13に当接する側の断面よりも小さい。このように構成することにより、弾性体12のバネ荷重の増加率がナット14の押圧側からケース13の当接側に向けて増えてゆき、弾性体12に加わる荷重量とバネ荷重とがプログレッシブな特性を示すことになる。従って、弾性体12に加わる荷重が小さい場合は、弾性体の調整ナット14の押圧側でこれを吸収し、弾性体12に加わる荷重が大きくなるにつれてケース12の当接側でも荷重が吸収されるようになり、キャスタにかかる衝撃を緩やかに吸収することができる。
【0034】ケース13は、弾性体12の最大径に合わせた内径を有しており、弾性体12の断面積が小さくなる部分において空間15を有する。調整ナット14が弾性体12を押圧すると弾性体12がこの空間15内で圧縮変形していくが、弾性体12の外周面がケース13の内壁面に当接した段階でこの変形が規制される。このため、柔らかな弾性体を用いた場合でも、弾性体12の変形が所定量に規制され、ピン9がブラケット4に衝突する底付き現象を防止することができる。
【0035】なお、弾性体12は必ずしもテーパ形状にする必要はなく、直円筒形であってもよい。この場合、弾性体12の外周面とケース13の内壁面間にいくらかの余裕をつくって空間を設けることより、好適に底付きを防止することができる。また弾性体12の形状は角柱形、あるいは角錐形であってもよい。なお、弾性体12の素材は、反発性の低いウレタンや各種のゴムを用いることが好ましい。反発性が高いと加えられる荷重に対して即時に反発して、摺動ピン10とブラケット4が衝突する底付きを起こしてしまうためである。なお、キャスタ1に加わる荷重と緩衝特性に応じて、ゴムの素材は適宜変更することができる。
【0036】調整ナット14は、上述したように摺動ピン10の端部に螺合しており、キャスタホイールにかかる荷重を受けて、弾性体12を押圧している。図3には、弾性体12にかかる荷重がゼロの状態が示されており、弾性体12の端面に調整ナット14の端面が当接している。調整ナット14を回転させてその位置をケース13の内側に移動させると、初期状態において弾性体12に荷重が加わり、弾性体12が圧縮されるため、サスペンション強度が高くなる。このように、本発明のキャスタ1では、調整ナット14を回転させることによって、弾性体12自体を交換することなくサスペンション強度を調整することができる。
【0037】なお、荷重がゼロになったときに、調整ナット14がゆるんだり、はずれたりしないようにストッパ機構が設けられている。図3に示すように、摺動ピン10の調整ナット14と螺合する部分に、ピン10の軸方向に直交する方向に貫通孔16が設けられており、この貫通孔16にスプリング17を収納して、その両端にボール18、18を嵌め込んでいる。貫通孔16はスプリング17及びボール18の直径とほぼ同じ径を有しており、スプリング17がボール18、18を摺動ピン10の外周面から若干突出させた状態で調整ナット14の内壁に向けて押圧している【0038】一方、調整ナット14の内側壁には、弾性体12にかかる荷重をゼロの状態にした時に、ボール18、18が突出する位置に、段差19を設けている。調整ナット14は、この段差19の内側、すなわちナット14の内径が小さくなっている部分20にて摺動ピン10と螺合しており、段差19が摺動ピン10のボール18に係合しているため、調整ナット14はボール18、18の位置から外側には回転させることができない。このようにして、調整ナット14の脱落が防止されており、また、調整ナット14を回転させてサスペンション強度を調整する場合でも、調整操作を誤ってキャスタ1を壊す危険がない。
【0039】なお、図4に示すように、調整ナット14の内側壁の段差19から外側(図3における左側)には均等に6ヶ所の溝21を設けて、摺動ピン10に嵌め込んだボール18をこの溝21に嵌合させるようにする。このように溝21を設けることによって、調整ナット14を段階的に回転させてサスペンション強度を段階的に調整することが可能となる。なお、溝21は複数本を均等に割り付けて設けてあればよく、6カ所に限らず2カ所、4カ所あるいは8カ所以上であってもよい。
【0040】本発明のキャスタ1は以上のように構成されており、キャスタ1に荷重がかかると、ホイール6の上下動に連動してアーム5がピン8を回動軸として回動し、これに伴ってピン9が孔9a内を進行方向に移動する。このピン9の移動に伴って、摺動ピン10が進行方向に引っ張られ、このピン10の他端に固定されている調整ナット14が弾性体12を押圧して圧縮変形させる。この時の弾性体12の弾性復元力によってアーム5の回動が抑制され、キャスタ1が路面から受ける衝撃や振動を吸収する。
【0041】上述したとおり、本発明のキャスタは、アームに直接弾性体を取り付けていないため、サスペンション機構自体をコンパクトにすることができる。また、ホイール径の制限がなくなり、いろいろなサイズのホイールを使用目的に応じて取り付けることができる。
【0042】また本発明のサスペンション構造を有するキャスタは、車椅子以外にも、ベビーカーや台車、その他病人を搬送するためのストレッチャーなどにも利用することができる。
【0043】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明のサスペンションを有するキャスタによれば、第1に弾性体を圧縮する方向をキャスタの進行方向としたので、サスペンション機構の上下方向におけるサイズを小さくすることができ、したがって、ホイール径変更の際の制限が解消される。第2に、弾性体を収納するケースを設けたことにより、弾性体の圧縮変形量が規制され、底付き現象を好適に防止することができる。第3に、弾性体の外形をテーパ形状にすることによって、バネ荷重にプログレッシブな特性を与え、路面の凹凸からくる振動や衝撃を緩やかに吸収できるようにした。
【0044】第4に、弾性体の圧縮度を調整する機構を備えているので、弾性体を交換することなく利用者自身で弾性体の圧縮度を変更してサスペンション強度を調整することができる。第5に、調整ナットをネジから脱落させないようにストッパ機構を設けているため、利用者自信が調整操作を誤ることがない。第6に、調整ナットの内表面にボールと嵌合する溝を設けて、サスペンション強度を段階的に調整することができるようにした。
【出願人】 【識別番号】593175936
【氏名又は名称】株式会社オーエックスエンジニアリング
【住所又は居所】千葉県千葉市若葉区中田町2186ー1
【出願日】 平成13年12月17日(2001.12.17)
【代理人】 【識別番号】100096024
【弁理士】
【氏名又は名称】柏原 三枝子
【公開番号】 特開2003−182304(P2003−182304A)
【公開日】 平成15年7月3日(2003.7.3)
【出願番号】 特願2001−383033(P2001−383033)