トップ :: B 処理操作 運輸 :: B44 装飾技術




【発明の名称】 生け花式額
【発明者】 【氏名】仲程 悦子

【要約】 【課題】絵画を表示するのに用いる額を兼用して、生花などの植物を生けると共に、離れた前後2つの表示面を利用して立体的な表現を演出可能とする。

【解決手段】少なくとも正面枠1と中枠2との間に1枚目のパネル6を挟持し、その一部のみを残して近景などを表現する。前記の中枠2に水皿5を保持可能とし、生花などを生ける。そして、前記の中枠2の背部に2枚目のパネル3を保持可能とし、このパネル3に背景を表現する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも正面枠と中枠とを有しており、該正面枠と中枠との間に1枚目のパネルを挟持できるようになっていること、前記の中枠に水皿を保持可能になっていること、前記の中枠の背部に2枚目のパネルを保持可能になっていること、を特徴とする植物を生けることのできる額。
【請求項2】 前記2枚目のパネルは、中枠に裏板を着脱可能になっていて、該裏板の正面に絵図または写真を貼れるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の植物を生けることのできる額。
【請求項3】 前記の中枠の背部の2枚目のパネルに絵図または写真を表示し、前記の中枠に支持した水皿を用いて植物を生けてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の植物を生けることのできる額。
【請求項4】 前記の正面枠と中枠との間に挟持した1枚目のパネルは、前記の2枚目のパネルの絵図または写真が見えるように、ある領域が部分的に除去されていることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の植物を生けることのできる額。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絵画を表示するのに用いる額を兼用して、生花などの植物を生けると共に、離れた前後2つの表示面を利用して立体的な表現を可能とした植物を生けることのできる額に関する。
【0002】
【従来の技術】通常の額は、絵図や写真などを裏板に重ねて、額縁の裏側から装着する構造になっている。したがって、絵図や写真などのような平面的な表現しかできず、表現手法が単純である。レリーフ状に表現したとしても、多少起伏を形成することによって立体感を出す程度であって、平面的な表現の延長線に過ぎない。
【0003】一方、生け花の世界では、長持ちさせるための水を入れる容器に草花や葉、枝などの植物を生ける手法が採られているが、生け花の技法の範囲に止まっており、生け花を超越した表現技法は見当たらない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これに対し、実開昭58−195570号公報などに掲載されているように、花器付きの額縁や水入れの付いた額縁も提案されているが、典型的な単一の額縁に花器や水入れを併設しただけであって、特別の表現効果を演出できるといった利点は見当たらない。
【0005】本発明の技術的課題は、このような問題に着目し、生け花の技法と額を用いた絵画や写真などの展示技法を併用可能とすることによって、限られて領域でありながら、より立体的でしかも自由で伸び伸びとした自然な雰囲気を醸成し演出可能とすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の技術的課題は次のような手段によって解決される。請求項1は、少なくとも正面枠と中枠とを有しており、該正面枠と中枠との間に1枚目のパネルを挟持できるようになっていること、前記の中枠に水皿を保持可能になっていること、前記の中枠の背部に2枚目のパネルを保持可能になっていること、を特徴とする植物を生けることのできる額である。2枚目のパネルの中枠への保持手段は任意である。
【0007】このように、正面枠と中枠との間に1枚目のパネルを挟持できるため、1枚目のパネルには絵図によって近景を表現できるほか、一部を切除したりして、バックの2枚目のパネルの絵図や写真などが見えるようにすることで、立体感や遠近感などを強調できる。
【0008】また、前記の中枠に水皿を保持可能になっているため、生花などの生きた植物を生けることによって、生きた植物も観賞できる。加えて、生きた植物と1枚目のパネルと2枚目のパネルの絵図や写真による表現との相乗効果によって、より複雑かつ豊かな表現が可能となり、限られて空間で、従来の額や生け花による表現を超越したアートを表現できる。
【0009】請求項2は、請求項1に記載の2枚目のパネルは、中枠に裏板を着脱可能になっていて、該裏板の正面に絵図または写真を貼れるようになっている植物を生けることのできる額である。
【0010】このように、2枚目のパネルは、中枠に裏板を着脱可能になっていて、該裏板の正面に絵図または写真を貼れるようにする構成であるため、裏板を中枠から外して、裏板の正面に絵図や写真などを貼ることによって、2枚目のパネルの表現を自由自在に実現できる。その結果、2枚目のパネルによるバックの表現を自由に変更したりして、色々な雰囲気を醸成し、楽しめる。あるいは、教材として使用する場合には、バックの表現を種々変更することによって、各種の表現法を教授できる。
【0011】請求項3は、請求項1または請求項2に記載の中枠の背部の2枚目のパネルに絵図または写真を表示し、前記の中枠に支持した水皿を用いて植物を生けてなる植物を生けることのできる額である。
【0012】このように、中枠の背部の2枚目のパネルに絵図または写真を表示し、前記の中枠に支持した水皿を用いて植物を生けることによって、バックの2枚目のパネルによる絵画表現と生けた植物による表現との相乗効果によって、絵画や写真の世界と生け花の世界を越えた複雑かつ効果的な立体表現を実現できる。
【0013】請求項4は、請求項1、請求項2または請求項3に記載の正面枠と中枠との間に挟持した1枚目のパネルは、前記の2枚目のパネルの絵図または写真が見えるように、ある領域が部分的に除去されていることを特徴とする植物を生けることのできる額である。
【0014】このように、正面枠と中枠との間に挟持した1枚目のパネルは、バックの2枚目のパネルの絵図や写真が見えるように、ある領域が部分的に除去されている構成とすることにより、1枚目のパネルによる近景などの表現と、除去部分から見える2枚目のパネルによるバックの表現や中枠に支持された水皿に生けた植物との相乗効果によって、従来の額による絵図や写真の表現や生け花による表現を超越した豊かな表現芸術が実現できる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に本発明による植物を生けることのできる額が実際上どのように具体化されるか実施形態を説明する。図1は本発明による植物を生けることのできる額の全容を示す分解斜視図である。
【0016】1は正面枠、2は中枠、3は裏板である。正面枠1と中枠2との間には1枚目のパネルを挟持した状態で連結固定する。すなわち、正面枠1の背面側内周には、凹状の段差1aが形成されており、中枠2の上下の横枠の前面には、前記の段差部1aに嵌入する凸部2aを有している。そして、前記の段差1a中に1枚目のパネルを嵌め込んだ状態で、その上から凸部2aを嵌め込むことで、1枚目のパネルを挟持する。
【0017】正面枠1の上下の横枠部の背面には、ピン4を植え込んで固定してあり、中枠2の前面には、前記のピン4が嵌入するピン孔を開けてある。したがって、ピン4を中枠2のピン孔に挿入することで、正面枠1と中枠2とが連結固定される。
【0018】中枠2の左右の縦枠部の内面には、前面側から水平溝2b…を複数段に形成してある。鎖線で表示した箸箱状の細長い水皿5の両端には、底板から延長した水平の突出板5aが左右に突出しており、この突出板5aを前記の水平溝2bに前方から挿入することによって、水皿5が左右の縦枠に保持される。
【0019】中枠2の左右の縦枠の背部側には、縦溝2cを形成してある。また、下側の横枠には、前記の縦溝2cに通じる水平の溝2dを形成してある。したがって、前記の裏板3を前記の左右の縦溝2c・2c中に上から差し込むことができる。最終的には、裏板3の下端は、水平溝2d中に嵌入した状態となる。
【0020】この裏板3の前面3aには、絵図や写真を接着剤や粘着テープなどで貼って、2枚目のパネルとする。なお、裏板3の上端には、取っ手3bを固定してある。このようにして、中枠2の背部に、裏板からなる2枚目のパネル3を保持させることができる。
【0021】図2は、前記の額を用いて1枚目のパネル6と2枚目のパネル(裏板)3を装着した状態の縦断面図である。すなわち、正面枠1の段差1aの中に1枚目のパネル6を嵌め込んだ状態で、中枠2の凸部2aを嵌め込むことで、1枚目のパネル6を挟んである。そして、正面枠1のピン4を中枠2のピン孔2eに挿入することで、正面枠1と中枠2とを連結固定してある。
【0022】中枠2の水平溝2b中には、図1の矢印a1方向から、水皿5の底板5bから左右に突出した突出板5aを挿入することによって、水皿5を中枠2中に支持してある。
【0023】また、中枠2の背部側の縦溝2c中に裏板3を上から差し込むことによって、中枠2の背部に2枚目のパネル3を保持させてある。この裏板3の正面3aには、予め絵図や写真などを貼っておく。
【0024】図1のように、中枠2の背面には、額を吊り下げる紐を通す金具7を固定してあり、額を吊り下げて観賞できる。しかしながら、図2のように正面枠1と中枠2の下面を水平に揃えてあるので、テーブル面Lなどに額全体を立てて展示したり、作業したりもできる。
【0025】図3以降には、図1、図2の額の使用方法を各種例示する。図3において、(1)は1枚目のパネル6であり、(2)は額の組立て完成状態である。1枚目のパネル6には、障子をイメージした絵図を表示してある。すなわち、8は障子の格子である。このように障子を描いた1枚目のパネル6の中央を切除して、円形の窓孔9を開けてある。
【0026】したがって、(2)のように組立て完成した状態では、窓孔9から、後方の2枚目のパネル3の絵図3aが見える。この実施形態では、絵図面3aとしては、春らしい爽やかな雰囲気を醸成できるような絵図とする。あるいは、春の遠景などを描いておく。
【0027】10は梅の枝の実物であり、前記のような要領で中枠2の最下段の水平溝2bに挿入支持した水皿5中に梅枝10の下端を挿入してある。すなわち、水皿5中にオアシスと呼ばれるスポンジ状あるいは海綿状の吸水材を挿入して、水皿5中の水を吸水させておき、このオアシスに梅枝10の下端を刺し込むことによって、梅枝10が枯れるのを防いでいる。
【0028】このように、この実施形態によると、1枚目のパネル6の窓孔9から、水皿5に挿入した梅枝10の実物を観賞でき、しかも窓孔9から2枚目のパネルの絵図3aが背景として見えるので、極めて自然な立体的な雰囲気を醸成できる。特に、水皿5を利用して、生きた植物である枝10が枯れないように維持できるので、長期間にわたって、生きた植物を観賞できる。
【0029】このように、単一の額を利用することによって、生け花と同様に生きた植物を観賞できると共に、1枚目のパネル6の表示とバックの2枚目のパネルの絵図3aの表示との相乗効果によって、立体性に富んだ表現を実現でき、しかも生きた植物と絵図とを観賞できる。
【0030】図4はウェディングアートの例であり、(1)のように、2枚目のパネル3に貼った白色の紙面に、まばらに糊11を付着させておき、その上から、オーガンジーの布12を載せて皺が出るように縮めた状態で、接着しておく。
【0031】(2)のように、1枚目のパネル6にも、前記の2枚目のパネルと同様にオーガンジーの布12を載せて皺が出るように縮めた状態で接着しておく。そして、中央9をハート形に切除して、バックの2枚目のパネルが見えるようにしておく。また、この1枚目のパネル6にフック13を挿入して背面で粘着テープなどで固定しておき、(3)のようにフック13には白の手袋を掛けておく。
【0032】前記のように中枠2の水平溝2bに支持した水皿5にオアシスを入れて、バラの花14を刺しておき、ハート形の窓孔9から、実物のバラの花14が見えるようにしておく。前後のオーガンジーの布やバラの花で結婚式の雰囲気を演出でき、生花のバラは水皿に刺してあるので、生きたバラの花を長期間楽しめる。
【0033】図5は、1枚目のパネル6に複数の窓孔を開けた例である。図5(1)のように、1枚目のパネル6の裏面において、各窓孔の領域P1、P2、P3に、それぞれ紫色、緑色、茶色などをラッカーなどで着色しておく。そして、カッター15でそれぞれの領域P1、P2、P3に切り目16を入れておく。
【0034】そして、各切り目16から表側に押し開いてカールさせると、(2)のように、それぞれの領域に窓孔17が開くと共に、前記の紫色、緑色、茶色などの着色部分が表側に露出して見える。また、前記のように中枠2の最下段と中段の水平溝2bに水皿51、52を支持しておき、それぞれの内部のオアシスに、窓孔17…から生きた水仙を挿入する。
【0035】すなわち、前記の茶色の領域P3の窓孔から水仙の球根18を挿入し、最下段の水皿51に浸しておく。また、前記の緑色の領域P2の窓孔から水仙の葉19を挿入し、最下段の水皿51中のオアシスに刺しておく。前記の紫色の領域P1の窓孔から水仙の花20を挿入し、中段の水皿52中のオアシスに刺しておく。
【0036】このようにして、水仙の球根から、発芽、成長、開花までの経過を観賞でき、絵画を観る感覚で、生きた植物の生命の移ろいを感じることができる。なお、バックとなる2枚目のパネルの絵図3aは、例えば黄色を塗布しておけば、各窓孔17から、バックの黄色が見える。
【0037】図6の実施形態では、1枚目のパネル6の下側部分だけを残して、その他の領域は全部切除してある。すなわち、(1)のように、2枚目のパネルの絵図3aとしては、遠景となる連山を描いておく。(2)のように、1枚目のパネル6には、下部だけを残して石垣などの図を描いておく。
【0038】そして、(3)のように、中枠2の2段目と3段目の水平溝2bに水皿51、52を支持しておくと共に、(4)のように、菜の花21を敷きつめ、水皿51、52中のオアシスに刺して、菜の花畑をイメージ可能にする。石垣部分6の背部に隠れた水皿51、52の中のオアシスには、ツワブキの葉22を刺したり、つた23の根を刺して、石垣の部分6に這わせておく。以上の各実施形態から明らかなように、1枚目のパネル6は、どの領域を残してもよいし、また、図7の実施形態のように、網状のパネルを用いることもできる。
【0039】図7において、(1)のように、2枚目のパネルの絵図面3aには、例えば領域P1、P2、P3に、それぞれ黄色、緑色、黄色などを塗布しておく。境界部分はぼかしておくのがよい。そして、(2)のように、中枠2の中段の水平溝2bに支持した水皿5にオアシスを入れておいて、マーガレットや菊などの花24を多数刺しておく。
【0040】(3)のように、1枚目のパネル6としては、粗目の網25を用いる。そして、この網目から、水皿5中のオアシスに前記の各花24を挿入して刺す。花に加えて、ススキの葉の芯26のみを残した物を刺したり、ベアグラスを刺したりすることによって、春風に吹かれたマーガレットを演出できる。
【0041】このように、1枚目のパネル6としては、典型的なパネル状体に限らず、網体や実物の障子を小型化した物など、平坦状のものであれば全て含まれるものとする。網体は引っ掛けたり、吊り下げることもできる。
【0042】図8、図9は、1枚目のパネル6は使用せず、2枚目のパネルの絵図3aのみを用いた例である。図8(1)のように、2枚目のパネルの絵図3aは、上側に紅葉した木の葉27を描き、下側には水面に物体が落下したときの波紋28を描いておく。そして、(2)のように、中枠2の最下段の水平溝2bに支持した水皿5中のオアシスに、サンザシの実のついた枝29を刺しておく。
【0043】前記の波紋28の中央には、落下したサンザシの実30を1個固定しておく。すなわち、波紋の中央にサンザシの実30を1個接着しておく。サンザシの実30がしなびるのを嫌う場合は、(3)のように、波紋の中心のやや上側に孔31を開けて、サンザシの実30の軸32を、2枚目のパネル3の孔31から裏側に導き、2枚目のパネル3の裏面に固定しておいた蘭キャップ33に差し込んでおくと、長持ちする。なお、蘭キャップ33は、粘着テープなどで固定しておくだけで足りる。
【0044】中枠2の最下段の水平溝2bに支持した水皿5中のオアシスに、女郎花(オミナエシ)を水皿一杯に刺しておく。このような構成により、水辺の秋を演出できる。
【0045】図9は、2枚目のパネルの絵図面3aとして、地図を描くと共に、高気圧の等高線34と低気圧の等高線35を紐を接着して表現している。そして、それぞれの等高線の間の領域A・B・C…は、青色や赤色の濃淡を変えて表現してある。前線36は、ピラカンサスやナンテンの実を列状に接着することによって表現してある。
【0046】高気圧で晴天の領域には、2枚目のパネル3に孔を開けて、ニトベギクの花37の軸を挿入して、裏側に固定してある蘭キャップに挿入しておく。すなわち、ニトベギクの花37によって、太陽がサンサンと輝いている状態を表現する。一方、低気圧で雨が降っている領域には、2枚目のパネル3に孔を開けて、青のマリンフラワーやスミレの花38の軸を挿入して、裏側の蘭キャップに挿入しておき、傘マークを表現する。なお、蘭キャップには水を入れておくことは当然である。
【0047】図8、図9のように、孔を開け、裏側の蘭キャップ33などに植物を刺す場合は、裏板3を使用しないで、厚紙などを用いると、容易に孔を開けることができる。なお、ドーナツ状の合成樹脂リングを貼ると、貫通孔を強化でき、容易に破れるのを防止できる。
【0048】以上の各実施形態から明らかなように、各花や葉、木の枝などは、正面枠1の外側にはみ出した状態でも生けることもでき、伸び伸びとした自由で自然な雰囲気を演出できる。
【0049】図10は、正面枠1と中枠2との連結構造を示す他の実施形態である。(1)は側面図であり、正面枠1の下端と中枠2の下端にヒンジ手段39を固定し、ヒンジ手段39を介して連結してある。したがって、ヒンジ手段39を軸にして、正面枠1と中枠2を連結状態で開閉できる。すなわち、開いた状態で1枚目のパネル6を挿入したり、取り外して交換したりできる。そして、1枚目のパネル6を装着した状態で、閉じて、上端をロックするだけでよい。
【0050】図10(1)では、正面枠1の上部には、中枠2に向けて、先端が外側に膨出したピン40を固定してある。中枠2には、前記の膨出ピン40が入る孔41を開けてあり、この孔41の中に、開閉式のバネ42を内蔵してある。通常は閉じていて、膨出ピン40の大径部より狭くなっているため、正面枠1と中枠2を閉じて、膨出ピン40を孔41中に挿入すると、膨出ピン40の膨出部がバネ42を強引に押し開いて通過するため、バネ42が膨出部より根元側をバネ力で挟持することになる。その結果、正面枠1と中枠2とが容易に開かないようにロックできる。
【0051】このようなバネ42と膨出ピン40によるロック機構に代えて、(2)のようなフック手段を採用してもよい。すなわち、例えば正面枠1上端面には釘やビスなどの被ロック軸43を植え込んである。そして、中枠2の上端面には、フック44を釘やビス45などで回転可能に固定してある。
【0052】したがって、正面枠1と中枠2を閉じた状態で、フック44を被ロック軸43に引っ掛けておけば、正面枠1と中枠2が開くのを防止でき、ロックできる。また、フック44を回転させて被ロック軸43から外せば、正面枠1と中枠2とを開いて、1枚目のパネル6を挿入したり、取り外したりできる。
【0053】図2におけるロック手段も、図10(2)と同様な構造を示している。ただし、図10(2)においては、被ロック軸43が正面枠1の上端面に露出しているのに対し、図2においては、正面枠1の背面に水平の溝46を形成し、その中に被ロック軸43を上下方向に植え込んである。つまり、被ロック軸43が正面枠1の上端面に露出しないように、隠してある。
【0054】図1、図2のピン4は割りピンになっていて弾性を有しているので、中枠2のピン孔に挿入したときの弾力で正面枠1と中枠2とが連結固定されるが、これらのピン4に代えて、図10(1)のような膨出ピン40を採用してもよい。
【0055】2枚目のパネル3の正面に貼り付ける絵図面3aは、水皿5中の水Wで濡れるのを防ぐために、水皿5と絵図面3aとが接しないように、図2のように、間隔Gを開けてある。すなわち、中枠2に形成する水平溝2bを行き止まりとし、水平溝2bの深さdにしてある。したがって、水皿5の左右両端に突出させた突出板5aが水平溝2bの奥部に当たるため、奥部2sがストッパーとして作用し、水皿5が絵図面3aに接するのを防いでいる。なお、水皿5中には、オアシスの他に、生け花用の剣山なども入れておいてもよい。
【0056】また、水皿5は、中枠2の内部で上下にスライドできる構造とすることによって、任意の高さにセットすることもできる。セットする水皿5の個数は任意である。
【0057】
【発明の効果】請求項1のように、正面枠と中枠との間に1枚目のパネルを挟持できるため、1枚目のパネルには絵図によって近景を表現できるほか、一部を切除したりして、バックの2枚目のパネルの絵図や写真などが見えるようにすることで、立体感を醸成できる。
【0058】また、前記の中枠に水皿を保持可能になっているため、生花などの生きた植物を生けることによって、生きた植物を観賞できる。加えて、生きた植物と1枚目のパネルと2枚目のパネルの絵図や写真による表現との相乗効果によって、より複雑かつ豊かな表現が可能となり、限られて空間で、従来の額や生け花による表現を超越したアートを表現できる。
【0059】請求項2のように、2枚目のパネルは、中枠に裏板を着脱可能になっていて、該裏板の正面に絵図または写真を貼れるようにする構成であるため、裏板を中枠から外して、裏板の正面に絵図や写真などを貼ることによって、2枚目のパネルの表現を自由自在に実現できる。その結果、2枚目のバックの表現を自由に変更したりして、色々な雰囲気を醸成し、楽しめる。あるいは、教材として使用する場合には、バックの表現を種々変更することよって、各種の表現を教授できる。
【0060】請求項3のように、中枠の背部の2枚目のパネルに絵図または写真を表示し、前記の中枠に支持した水皿を用いて植物を生けることによって、バックの2枚目のパネルの表現と生けた植物による表現の相乗効果によって、絵画や写真の世界と生け花の世界の双方を演出できる。
【0061】請求項4のように、正面枠と中枠との間に挟持した1枚目のパネルは、バックの2枚目のパネルの絵図または写真が見えるように、部分的に除去されている構成とすることにより、1枚目のパネルによる近景などの表現と、除去部分から見える2枚目のパネルによるバックの表現や中枠に支持された水皿に生けた植物との相乗効果によって、従来の額による絵図や写真の表現や生け花による表現を超越した豊かな表現芸術が実現できる。
【出願人】 【識別番号】502187368
【氏名又は名称】仲程 悦子
【出願日】 平成14年5月24日(2002.5.24)
【代理人】 【識別番号】100076082
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 康文
【公開番号】 特開2003−341299(P2003−341299A)
【公開日】 平成15年12月3日(2003.12.3)
【出願番号】 特願2002−151645(P2002−151645)