| 【発明の名称】 |
転写シート |
| 【発明者】 |
【氏名】飯塚 孝志 【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】耐候性が向上する転写シートとする。
【解決手段】支持体シート1上に、転写層2として、表面保護層3、絵柄層4、接着剤層5を順次積層した転写シートについて、表面保護層が紫外線吸収剤、光安定剤及び酸化防止剤を含有し、且つ、剥離層、絵柄層及び接着剤層の各樹脂がアクリル樹脂からなる構成とする。更に絵柄層にも紫外線吸収剤、光安定剤及び酸化防止剤を含有させると良い。具体的には例えば紫外線吸収剤はフェニルベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、光安定剤はセバケート系光安定剤が良い。また、絵柄層には着色剤として無機顔料を含有させると良い。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持体シート上に、転写層として、表面保護層、絵柄層、及び接着剤層を順次積層した転写シートにおいて、上記表面保護層が、紫外線吸収剤、光安定剤、及び酸化防止剤を含有し、且つ、表面保護層、絵柄層、及び接着剤層の各樹脂がアクリル樹脂からなる、転写シート。 【請求項2】 上記絵柄層も紫外線吸収剤、光安定剤、及び酸化防止剤を含有する、請求項1記載の転写シート。 【請求項3】 上記紫外線吸収剤がフェニルベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であり、上記光安定剤がセバケート系光安定剤である、請求項1又は2記載の転写シート。 【請求項4】 上記絵柄層が着色剤として無機顔料を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の転写シート。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は転写シートに関し、更に詳しくは耐候(光)性に優れた転写シートに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、内装材、建具、家具等の各種物品の表面化粧に、転写シートが使用されている。そして、物品表面に転写された転写層について耐候(光)性が要求される場合は、転写シートとしては、転写後に転写層の最表面層となる表面保護層中に、紫外線吸収剤を添加したりする事が行われてきた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最表面層に紫外線吸収剤を添加しただけでは、十分な耐候(光)性が得られないことがあった。この為、転写層を転写させて得られる転写物品を長時間使用したときに、色が褪せたり、転写層の密着性が低下したりすることがあった。 【0004】すなわち、本発明の課題は、耐候(光)性が優れた転写シートを提供することである。 【0005】 【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決すべく、本発明の転写シートでは、支持体シート上に、転写層として、表面保護層、絵柄層、及び接着剤層を順次積層した転写シートにおいて、上記表面保護層が、紫外線吸収剤、光安定剤、及び酸化防止剤を含有し、且つ、表面保護層、絵柄層、及び接着剤層の各樹脂がアクリル樹脂からなる構成とした。 【0006】この様な構成とすることで、転写後に転写層の表側となる表面保護層に紫外線吸収剤、光安定剤及び酸化防止剤を含有させてあるので、転写後の転写層に於いて耐候(光)性が向上し優れたものとなる。 【0007】また、本発明の転写シートは、上記構成に於いて更に、上記絵柄層も紫外線吸収剤、光安定剤、及び酸化防止剤を含有する構成とした。この様な構成とすることで、転写後において表面保護層の下側となる絵柄層にも、表面保護層と同様に紫外線吸収剤、光安定剤及び酸化防止剤を含有させてあるので、より耐候性が優れたものとなる。 【0008】また、本発明の転写シートは、上記いずれかの構成に於いて更に、上記紫外線吸収剤がフェニルベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であり、上記光安定剤がセバケート系光安定剤である構成とした。この様な構成とすることで、耐候性を確実に優れたものとできる。 【0009】また、本発明の転写シートは、上記いずれかの構成に於いて更に、上記絵柄層が着色剤として無機顔料を含有する構成とした。この様な構成とすることで、絵柄層の着色が退色し難く、耐候性を更に優れたものとできる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。 【0011】〔層構成の概要〕本発明の転写シートは、図1の断面図で示す転写シートSの如く、支持体シート1上の転写層2として、表面保護層3、絵柄層4、接着剤層5を積層した構成にて、表面保護層3が紫外線吸収剤、光安定剤及び酸化防止剤を含有し、且つ表面保護層3、絵柄層4及び接着剤層5の各樹脂がアクリル樹脂からなる構成とする転写シートである。そして、この様な構成の転写シートSを用いて各種基材等の被転写体に転写層を転写すれば、転写後の転写層に優れた耐候性を付与できるというものである。 【0012】また、絵柄層にも表面保護層と同様に、紫外線吸収剤、光安定剤及び酸化防止剤を含有させれば、耐候性はより優れたものとなる。なお、紫外線吸収剤としてはフェニルベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を用い、光安定剤としてはセバケート系光安定剤を用いるのは優れた耐候性が得られる点で好ましい。また、絵柄層の着色剤として無機顔料を含有させるのも、優れた耐候性が得られる点で好ましい。 【0013】以下、各層について更に説明する。 【0014】〔支持体シート〕支持体シート1は、転写層に対する剥離性が有れば、従来公知のもので良く特に限定はない。用途に応じたものを使用すれば良い。例えば、樹脂シートは代表的な支持体シートである。該樹脂シートとしては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン3元共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、或いは、ウレタン系熱可塑性エラストマー等のエラストマー等の樹脂の単層シート又は積層体が使用される。また、支持体シートとしては、樹脂シートの他、紙、金属箔、或いはこれらの積層体等も使用できる。例えば、上質紙にポリプロピレンを積層した構成の支持体シート等である。なお、支持体シートの厚みは、通常は20〜200μm程度である。 【0015】なお、支持体シートには必要に応じ、転写層側に転写層との剥離性を調整する為に、支持体シートの構成要素として離型層を設けても良い。この離型層は支持体シートを剥離時に、支持体シートの一部として転写層から剥離除去される。離型層としては、例えば、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ワックス等の単体又はこれらを含む混合物が用いられる。例えば前記した上質紙にポリプロピレンを離型層として積層した支持体シートである。 【0016】また、支持体シートとしては、転写層に接する側の面に凹凸模様を設ければ、転写後の転写層表面に凹凸模様を賦形したり、表面艶を調整したりすることもできる。凹凸模様は、例えば、砂目、梨地、ヘアライン、万線状溝、花崗岩の劈開面の凹凸模様、木目導管溝、木目年輪模様、布目の表面テクスチュア、皮絞、文字、幾何学模様等である。なお、凹凸模様の形成は、支持体シートとする樹脂シートに対して、熱プレスによるエンボス加工、サンドブラスト加工、ヘアライン加工をしたり、或いは支持体シートに、離型性の有る樹脂をバインダーとするインキ(2液硬化ウレタン、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、紫外線又は電子線で架橋する多官能アクリレート又はメタクリレートのモノマー又はプレポリマー等からなる)を用いて所望の凹凸模様に、シルクスクリーン印刷等で盛り上げ印刷して賦形層を設け、賦形層を構成要素として有する支持体シートとする方法等がある。なお、賦形層は上記離型層の機能を有する。 【0017】〔表面保護層〕表面保護層3は、転写層2のうち支持体シート1に接する層として設けられ、また、転写後は転写層の最表面層となって転写層を保護する層である。従って、表面保護層は、支持体シートに対する転写時の剥離力の適正化や、絵柄層に対する耐性を最表面層として担う層でもある。そして、本発明による転写シートでは、この表面保護層中に紫外線吸収剤、光安定剤及び酸化防止剤を含有させる。また、この表面保護層の樹脂としては、基本的には、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂等でも良いが、好ましくは耐候性の点でアクリル樹脂を用いる。 【0018】上記紫外線吸収剤としては、例えば、次の(1)〜(5)の様な有機化合物からなる紫外線吸収剤を使用できる。 【0019】(1)ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン−5−スルホン酸。 【0020】(2)ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ペンチル−5’−イソブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−イソブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−イソブチル−5’−プロピルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]。 【0021】(3)アクリレート系紫外線吸収剤;エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート。 【0022】(4)サリシレート系紫外線吸収剤;フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート。 【0023】(5)オキザニリド系紫外線吸収剤;2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシドビスアニリド、2−エトキシン−5−t−ブチル−2’−エチルオキザリックアシドビスアニリド。 【0024】これらの紫外線吸収剤のなかでも、上記(2)のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として列記の様な、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ペンチル−5’−イソブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−イソブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−イソブチル−5’−プロピルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等のフェニルベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、良好なる耐候性が得られる化合物である。 【0025】また、紫外線吸収剤としては、なるべく、短波長(280〜370nm)から長波長(370〜400nm)まで紫外線を吸収するものを選んで使用するのが好ましい。その場合、2種以上の数種類の紫外線吸収剤を併用しても良い。 【0026】また、上記光安定剤としては、ヒンダードアミン系の光安定剤を使用することができる。ヒンダードアミン系の光安定剤としては、例えば、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス−(N−メチル,2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、[コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン]縮合物、ポリ{[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノール]}等が挙げられる。 【0027】これらの光安定剤のなかでも、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス−(N−メチル,2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等のセバケート系光安定剤は、良好なる耐候性が得られる点で好ましい化合物である。 【0028】上記酸化防止剤としては、アルキルフェノール系化合物、キノン系化合物、メチレンビスアルキルフェノール系化合物等のフェノール系酸化防止剤、チオジプロピオン酸エステル系化合物、チオビスアルキルフェノール系化合物、アルキルベンジルスルフィド系化合物等のイオウ系酸化防止剤、ベンジルホスホネート系化合物等のリン系酸化防止剤、トリアジン系化合物、N,N’−ジアルキルフェニレンジアミン系化合物、N−アルキルアミノフェノール系化合物等のアミン系酸化防止剤等が挙げられる。 【0029】なお、これら、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤の各添加量は、樹脂分に対して、0.1〜30質量%程度とするのが、良好なる耐候性が得られる点で好ましい。より好ましくは、紫外線吸収剤は0.1〜10質量%、光安定剤は0.1〜10質量%である。これらの添加量が少なすぎると耐候性の効果が十分に得られず、多すぎると表面の白化や、コスト高に繋がる。紫外線吸収剤と共に光安定剤も併用することで、耐候性が大幅に向上する。 【0030】表面保護層中に紫外線吸収剤のみを添加した場合は、耐候性は添加しない場合よりも相応に向上はするものの、長期的に於いては転写層の強度が弱まり、転写層にクラックが発生し易い。また、紫外線吸収剤に無機化合物を使用する場合は、熱による紫外線吸収剤のブリードアウトは生じ難いが、転写層表面が白濁してくるために、絵柄層の色調を有効に活かせない。しかしながら、上記の如き、フェニルベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等の有機化合物からなる紫外線吸収剤と共に光安定剤を併用すれば、この様なクラック発生等を抑制することができる。そして、更に、紫外線吸収剤及び光安定剤に加えて、酸化防止剤も添加することで、長期間にわたる耐候性をより向上させることができる。 【0031】なお、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤同士の割合は、紫外線吸収剤と、光安定剤及び酸化防止剤との質量比で、紫外線吸収剤:(光安定剤+酸化防止剤)=9.5:0.5〜7:3と、紫外線吸収剤の方を多めにするのが耐候性の点で好ましい。なお、酸化防止剤の添加量は、耐候性の点で好ましくは樹脂分に対して0.1〜10質量%である。 【0032】表面保護層に用いる樹脂として、特にアクリル樹脂を使用することで、耐候性をより確実に向上できる。該アクリル樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル−(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸エチル−(メタ)アクリル酸ブチル−(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステルを含む単独又は共重合体からなる樹脂を用いる。なお、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。 【0033】なお、表面保護層は、上記の如き各材料を用いたインキ或いは塗液で、グラビア印刷、スクリーン印刷等の印刷法、或いは、グラビアコート、ロールコート等の塗工法等の公知の形成法で形成すれば良い。また、表面保護層の厚みは、用途、表面強度等の要求物性等に応じて適宜厚さとすれば良く、通常は1〜20μm程度とする。 【0034】なお、表面保護層中には、必要に応じ適宜、ワックス、シリコーン等の滑剤、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム等の充填剤等の公知の添加剤を添加しても良い。 【0035】〔絵柄層〕絵柄層4は、アクリル樹脂をバインダー樹脂とするインキ或いは塗液を用いて、グラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷等の従来公知の印刷等による形成方法によって形成すれば良い。絵柄は用途に合わせて、例えば木目模様、石目模様、布目模様、タイル調模様、煉瓦調模様、皮絞模様、文字、幾何学模様、全面ベタ等を用いる。なお、全面ベタはグラビアコート等の塗工法で形成する事もできる。 【0036】絵柄層形成用のインキ(又は塗液)は、一般的なインキ(又は塗液)同様に、バインダー等からなるビヒクル、顔料や染料等の着色剤、これに適宜加える各種添加剤からなる。バインダーに用いる樹脂としては、アクリル樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル樹脂等の公知の樹脂を用いることができる。これらのなかでも、耐候性により優れている点ではアクリル樹脂が好ましい。該アクリル樹脂としては、前記表面保護層で列記した様な樹脂を適宜使用することができる。 【0037】着色剤としては、チタン白、カーボンブラック、弁柄、黄鉛、群青等の無機顔料、アニリンブラック、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料、二酸化チタン被覆雲母の箔粉等の光輝性顔料、或いは、その他染料等を用いる。なかでも、着色剤としては耐候性により優れている点で、有機顔料や染料を用いるよりは、チタン白、カーボンブラック、弁柄、黄鉛、群青等の無機顔料を用いるのが好ましい。 【0038】また、この絵柄層中にも、表面保護層と同様に、紫外線吸収剤、光安定剤、及び酸化防止剤を添加するのが、耐候性をより向上できる点で好ましい。これら添加剤としては、前述表面保護層で列記した化合物等を適宜使用する。なお、各添加剤の添加量は表面保護層の場合に順じれば良い。 【0039】〔接着剤層〕接着剤層5は、転写層を被転写体に転移させて接着させる為の層である。接着剤層に用いる樹脂としては、従来公知のアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂、2液硬化型ウレタン樹脂等の硬化性樹脂等を用いることができる。しかし、接着剤層は転写後は転写層の中でも最も下側となる層ではあっても、この接着剤層に対して耐候性をより向上する為に、アクリル樹脂を用いるのが好ましい。該アクリル樹脂としては、前記表面保護層で列記した様なアクリル樹脂を適宜使用する。 【0040】なお、接着剤層は、アクリル樹脂を含むインキ(又は塗液)を、グラビア印刷(又はロールコート)等の公知の印刷法(又は塗工法)等で形成すれば良い。接着剤層の厚さは特に制限は無いが、通常は2〜40μm程度である。 【0041】〔その他の転写層〕本発明の転写シートでは、転写層として、少なくとも上記した表面保護層、絵柄層、及び接着剤層を有するが、その他の転写層構成層として、例えば、層間密着性を強化するプライマー層等を層間に設けても良い。なお、プライマー層は例えば2液硬化型ウレタン樹脂等のプライマー剤の塗工で形成できる。 【0042】〔転写シートを用いた転写方法〕なお、本発明の転写シートを利用して被転写体に転写する転写方法としては、圧力を用いた通常の転写方法が適用出来る。その場合、更に必要に応じて熱の作用も利用する。特に、被転写体の被転写面が三次元凹凸形状の場合には、熱と圧力の併用が好ましい。例えば、下記の様な各種の転写方法を適用できる。 【0043】(1)ローラ転写法:ローラ転写法は、例えば、特開平6−99550号公報、特開平8−286599号公報等に記載されている様に、慣用的な転写圧加圧方法を採用した転写方法である。ローラ転写法は、転写シートを、その転写層を被転写体側に向けて、支持体シート側から弾性体ローラ(鉄芯周囲をシリコーンゴム等の弾性体で被覆したゴムローラ等)によって加圧して転写圧を与える。通常は、弾性体ローラを予め加熱しておき、加圧と同時に接着剤を加熱活性化したり、或いは転写シートを加熱軟化させて被転写面形状への追従成形性を付与したりする。 【0044】(2)真空成形転写法:特公昭56−45768号公報(オーバーレイ法)、特公昭60−58014号公報(真空プレス法)等に記載されるように、被転写体上に転写シートを対向又は載置し、少なくとも被転写体側からの真空吸引による圧力差により転写シートを被転写体に圧接して転写する、所謂真空成形積層法を利用した転写方法。 【0045】(3)射出成形同時絵付転写法:特開平6−315950号公報、特公平2−42080号公報に記載されるように、転写シートを射出成形の雌雄両型間に配置した後、加熱溶融等で流動状態の樹脂を型内に射出し充填し、樹脂成形物の成形と同時にその表面に転写シートを積層後、転写シートの支持体シート(及び凹凸模様賦形層)を剥離して、転写する転写方法。 【0046】(4)ラッピング転写法:特公昭61−5895号公報、特開平5−330013号公報等に記載されるように、円柱、多角柱等の柱状の被転写面を有する被転写体の長軸方向に、転写シートを供給しつつ、複数の向きの異なるローラーにより、被転写体を構成する複数の側面に順次転写シートを圧接して転写してゆく、所謂ラッピング加工方法による転写方法。 【0047】(5)固体粒子衝突圧を利用する転写法:特許第2844524号公報、特開平10−193893号公報等に開示された新規な転写方法である。この転写方法は、被転写体に、転写シートの転写層側を対向させ、支持体シート側に多数の固体粒子(金属粒子等を使用)を衝突させ、その衝突圧によって転写シートを被転写体の表面形状に追従させ成形させて、転写する。この転写方法は、ローラ転写法等では不可能な複雑、或いは深い微細凹凸の表面に転写する場合に特に好適である。 【0048】(6)その他、BMC(Bulk Molding Compound)成形法、SMC(Sheet MoldingCompound)成形法、ハンドレイアップ成形法等のFRP(Fiber Reinforced Plastics)における各種成形法、或いは、RIM(Reaction Injection Molding)、マッチドモールド成形法等の成形と同時に行う転写方法、等がある。 【0049】なお、上記(1)、(2)、(4)及び(5)は既に形状を有する被転写体に転写するものであり、(3)及び(6)は、樹脂成形品として被転写体の形状発現と同時に転写するものである。また、上記(3)の方法では、樹脂の成形型、又は別の型により転写シートを予備成形した後に、樹脂を射出成形して成形と同時に転写する方法もある。これと同様に、(6)に列記の方法においても、転写シートの成形は樹脂成形と同時の場合と、樹脂成形の前に予備成形する場合がある。なお、ハンドレイアップ法では、転写シートの成形は予備成形となる。 【0050】〔被転写体〕また、本発明の転写シートによる転写の被転写体としては、特に制限はない。被転写体には、用途及び採用する転写法に応じ適宜な材質及び形状の物を使用すれば良い。例えば、被転写体の材質は、木質系、無機非金属系、金属系、プラスチック系等である。具体的には、木質系では、例えば、杉、檜、樫、ラワン、チーク等からなる単板、合板、パーティクルボード、繊維板〔MDF(中質繊維板)等〕、集成材等がある。無機非金属系では、例えば、押し出しセメント、スラグセメント、ALC(軽量気泡コンクリート)、GRC(硝子繊維強化コンクリート)、パルプセメント、木片セメント、石綿セメント、ケイ酸カルシウム、石膏、石膏スラグ等の非陶磁器窯業系材料、土器、陶器、磁器、セッ器、硝子、琺瑯等のセラミックス等の無機質材料等がある。また、金属系では、例えば、鉄、アルミニウム、銅等の金属材料がある。また、プラスチック系では、例えば、ポリプロピレン、ABS樹脂、フェノール樹脂等の樹脂材料がある。 【0051】〔転写製品の用途〕なお、本発明の転写シートを用いて得られる転写製品の用途は、特に限定は無い。例えば、サイディング等の外壁、塀、屋根、門扉、破風板等の外装、壁面、天井、床等の建築物の内装、窓枠、扉、手摺、敷居、鴨居等の建具類の表面化粧、箪笥等の家具やテレビ受像機等の弱電・OA機器のキャビネットの表面化粧、自動車、電車、航空機、船舶等の乗物内装材等である。転写品の形状は、平板、曲面板、棒状体、立体物等と任意である。 【0052】 【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳述する。 【0053】〔実施例1〕図1の断面図に示す如き転写シートSを次の様にして作製した。先ず、厚さ26μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからなる支持体シート1の片面に、転写層2として、アクリル樹脂に、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤を添加してなる塗液をグラビアコートして、厚さ3μmの表面保護層3を形成した。これらの樹脂分に対する添加量は、紫外線吸収剤は2質量%、光安定剤は0.3質量%、酸化防止剤は0.3質量%である。なお、上記紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールを用い、上記光安定剤としてはビス−(N−メチル,2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケートを用い、上記酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノールを用いた。 【0054】更に転写層2として、上記表面保護層3の上に、アクリル樹脂をバインダー樹脂とし、無機顔料からなる着色剤として、弁柄、黄鉛、群青、チタン白及びカーボンブラックを添加した着色インキをグラビア印刷して、木目のパターン柄の柄層と着色隠蔽性の全ベタ層とからなる絵柄層4を順次形成した。なお、この着色インキ中にも上記表面保護層の場合と同じ、紫外線吸収剤、光安定剤、及び酸化防止剤を表面保護層と同様に添加したものを用いた。 【0055】更に転写層2として、上記絵柄層4の上に、アクリル樹脂を用いたインキをグラビア印刷して接着剤層5を形成して、図1の断面図で示した様な所望の転写シートSを得た。 【0056】この転写シートをMDF(中質繊維板)からなる板材に、ローラ転写法で転写して化粧板を作製した上で、紫外線耐光性試験機を用いて促進耐光性試験を行ったところ、表面保護層のみに紫外線吸収剤のみを添加した場合に比べて、より優れた耐候(光)性を示した。 【0057】 【発明の効果】(1)本発明によれば、表面保護層に紫外線吸収剤、光安定剤及び酸化防止剤を含有させてあるので、耐候(光)性が向上し優れたものとなる。 (2)更に表面保護層以外に絵柄層にも、紫外線吸収剤、光安定剤及び酸化防止剤を含有させれば、より耐候性が優れたものとなる。 (3)また、紫外線吸収剤をフェニルベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とし、光安定剤をセバケート系光安定剤とすれば、耐候性を確実に優れたものとなる。 (4)また、絵柄層の着色剤として無機顔料を含有させれば、絵柄層の着色が退色し難く、耐候性が更に優れたものとなる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002897 【氏名又は名称】大日本印刷株式会社 【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号
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| 【出願日】 |
平成14年5月24日(2002.5.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100111659 【弁理士】 【氏名又は名称】金山 聡
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| 【公開番号】 |
特開2003−341294(P2003−341294A) |
| 【公開日】 |
平成15年12月3日(2003.12.3) |
| 【出願番号】 |
特願2002−150097(P2002−150097) |
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