| 【発明の名称】 |
転写シート及びそれを用いて製造した化粧材 |
| 【発明者】 |
【氏名】前川 直輝 【住所又は居所】東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印刷株式会社内
【氏名】加藤 一照 【住所又は居所】東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印刷株式会社内
【氏名】鈴木 幸雄 【住所又は居所】東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印刷株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】ポリオレフィン系樹脂製の基材シートを用いた転写シートであって、ポリ塩化ビニル樹脂製の基材シートを用いたものと同等の熱成形性を有し、しかも、表面に凹部を有する立体形状の被転写基材に転写した場合にも、成形後の剥離時に被転写基材の表面の凹部における剥離不良を発生することのない、熱成形性及び転写性(剥離性)に優れた転写シート、及びそれを用いて製造した立体形状の化粧材を提供する。
【解決手段】ポリエチレン系樹脂層12の表裏にポリプロピレン系樹脂層11、13が積層された3層積層フィルムを基材シート1とし、その片面に剥離層21、保護層、絵柄層23、隠蔽ベタ層24及び/又は接着層等からなる転写層2を設けて転写シートとした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】基材シート上に転写層を有する転写シートにおいて、前記基材シートが、ポリエチレン系樹脂層の表裏にポリプロピレン系樹脂層が積層された3層積層フィルムであることを特徴とする転写シート。 【請求項2】前記転写層が、剥離層、保護層、絵柄層、隠蔽ベタ層、及び接着層の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の転写シート。 【請求項3】請求項1又は2に記載の転写シートを使用して、表面に少なくとも凹部を有する立体形状の被転写基材の表面に転写層を転写してなる化粧材。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、表面に少なくとも凹部を有する立体形状の被転写基材の表面に、印刷による絵柄等を転写形成するに好適な転写シートと、当該転写シートを用いて製造した化粧材とに関するものである。 【0002】 【従来の技術】建築物の内外装材や家具什器類、家電製品外装材などの分野では、消費者の嗜好の多様化・高度化により、三次元立体形状を有する立体成形品の表面に、木目模様等の所望の意匠を施してなる、立体化粧材製品に対する要望がますます高まっている。三次元立体形状を有する立体成形品の表面への絵付け方法のひとつとして、真空成形法を利用した転写絵付け法が広く採用されている。 【0003】これは、被転写基材である立体成形品の表面上に、熱可塑性樹脂等からなる熱成形性を有する基材シート上に絵柄層等からなる転写層を具備する転写シートを、加熱軟化させた状態で載置し、該転写シートの立体成形品側の空間を真空吸引により減圧し、併せて必要に応じて転写シートの背面側の空間を圧縮空気の導入等により加圧することによって、転写シートの両面間での気圧差を利用して転写シートを被転写基材の表面の三次元立体形状に沿って成形させつつ密着させ、しかる後、転写シートの基材シートを剥離除去することによって、転写シートの転写層を被転写基材の表面に転写するものである。 【0004】係る真空成形法を利用した転写絵付け法に使用するための転写シートの基材シートとしては、熱成形性に優れた熱可塑性樹脂として、ポリ塩化ビニル樹脂からなるシート乃至フィルムが、従来最も広く採用されていた(特開平5−96614号公報、特公平6−69759号公報、特開平7−1825号公報、特公平7−29518号公報、特公平7−100398号公報等)。 【0005】しかしながら、転写シートの基材シートは、転写工程の終了後は産業廃棄物となるものであるので、廃棄処分の容易な材料を使用することが望まれるのに対し、ポリ塩化ビニル樹脂は、焼却処分を行うと、燃焼条件によっては塩化水素ガスを発生して焼却炉を損耗させたり、有毒物質であるダイオキシンを発生したりする危険性があり、また一方、埋立処分を行った場合にも、ポリ塩化ビニル樹脂に添加されている重金属等の安定剤やフタル酸エステル類等の可塑剤が環境中に溶出し、これが生物に対し毒性作用や内分泌攪乱(いわゆる環境ホルモン)作用をする危険性があることが指摘されており、地球環境問題に対する社会的な関心が益々高まる中、ポリ塩化ビニル樹脂以外、すなわち塩素を含有しない樹脂による代替が強く要望されている。また、転写シートの基材シート用材料としての性能上も、ポリ塩化ビニル樹脂は、耐溶剤性に乏しいために転写層に使用可能な材料の種類が限定されることや、耐熱性に劣るために接着剤の接着温度が制限されることなどの問題点が指摘されている。 【0006】係る問題点を解決するために、塩素を含有しない熱可塑性樹脂として、例えばポリオレフィン系樹脂からなる基材シートを用いた転写シート(特開平10−35086号公報、特開平10−250213号公報、特開平10−297192号公報、特開平11−151898号公報、特開2000−127693号公報、特開2001−310596号公報等)や、ポリエステル系樹脂からなる基材シートを用いた転写シート(特開2000−296591号公報、特開2001−171295号公報)等が、既に提案されている。 【0007】しかし、ポリ塩化ビニル樹脂は加熱により極めて緩やかに軟化し、しかも軟化状態でも十分な耐破断性を有するのに対し、ポリオレフィン系樹脂やポリエステル系樹脂は加熱による軟化や耐破断性の低下が急激で、成形可能な条件範囲が狭く、被転写基材の表面形状への追従が不十分なための転写抜けや、不均一な変形による柄伸び、破断による転写不能事故等が発生し易いこと、汎用樹脂での対応は困難で特殊グレードのため高価になること、また、特にポリエステル系樹脂は、熱成形性に優れた柔軟な樹脂は耐溶剤性に乏しく、成形適性と印刷適性との両立が困難であることなどの問題があり、ポリ塩化ビニル樹脂と同等の熱成形性、転写性、印刷適性、経済性を備えたものは得られていないのが実情である。 【0008】そこで、本出願人は既に、非晶質ポリオレフィン樹脂を主成分とするオレフィン系樹脂組成物層の表裏に、エチレン系樹脂および/または結晶性ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層が積層された、3層積層フィルムを基材シートとする転写シートを提案した(特開平10−217692号公報)。この転写シートにおける基材シートは、非晶質ポリオレフィン樹脂を主成分とするオレフィン系樹脂組成物層の優れた柔軟性や熱軟化性と、エチレン系樹脂および/または結晶性ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層の優れた剛性や破断強度とが相俟って、加熱により容易に軟化しながら耐破断性の低下が少なく、ポリ塩化ビニル樹脂に近似した加熱軟化特性を示すと共に、転写層形成面は耐溶剤性に優れたエチレン系樹脂および/または結晶性ポリプロピレン樹脂からなる樹脂層であるので、印刷適性や転写性にも優れることなどの利点がある。 【0009】しかしながら、上記の基材シートは、加熱軟化特性をポリ塩化ビニル樹脂と近似させるために、シートを全体として非常に柔軟にした結果、被転写基材の表面における凹凸形状に極めて忠実に追従して成形され、しかも、その成形された形状が冷却によりそのまま固定される結果、特に表面に深く急峻な凹部を有する被転写基材への転写に際し、成形後の剥離時に基材シートが被転写基材の凹部から抜けにくく、無理に剥離すると、基材シートが破断したり、転写層が傷付いたりする場合があることが判明した。この様な現象は、従来のポリ塩化ビニル樹脂製の基材シートを用いた場合には見られないものである。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術における上記の様な問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ポリオレフィン系樹脂製の基材シートを用いた転写シートであって、ポリ塩化ビニル樹脂製の基材シートを用いたものと同等の熱成形性を有し、しかも、表面に凹部を有する立体形状の被転写基材に転写した場合にも、成形後の剥離時に被転写基材の表面の凹部における剥離不良を発生することのない、熱成形性及び転写性(剥離性)に優れた転写シート、及びそれを用いて製造した立体形状の化粧材を提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明の転写シートは、基材シート上に転写層を有する転写シートにおいて、前記基材シートが、ポリエチレン系樹脂層の表裏にポリプロピレン系樹脂層が積層された3層積層フィルムであることを特徴とするものである。 【0012】また特に、前記転写層が、剥離層、保護層、絵柄層、隠蔽ベタ層、及び接着層の少なくとも一つを含むことを特徴とするものである。 【0013】本発明の化粧材は、上記の転写シートを使用して、表面に少なくとも凹部を有する立体形状の被転写基材の表面に転写層を転写してなるものである。 【0014】 【発明の実施の形態】本発明の転写シートは、図1や図2に示す様に、基材シート1の片面に転写層2が剥離可能に積層されてなる転写シートであって、その支持体である基材シート1が、ポリエチレン系樹脂層12の表裏にポリプロピレン系樹脂層11、13が積層された3層積層フィルムによって構成されている。 【0015】上記基材シート1におけるポリプロピレン系樹脂層11、13は、基材シート1に転写シートの支持体としての適度の強度や剛性を付与すると共に、その転写層2側の面のポリプロピレン系樹脂層13にあっては、転写層2の印刷面としての耐溶剤性や剥離性(非粘着性)を付与する目的で設けられるものである。 【0016】上記ポリプロピレン系樹脂層11、13を構成するポリプロピレン系樹脂は、例えばプロピレンの単独重合体であるホモポリプロピレン樹脂や、プロピレンを主成分とし、少量(通例15重量%以下)のエチレンを共重合させてなるランダム重合ポリプロピレン樹脂やブロック重合ポリプロピレン樹脂、プロピレンを主成分とし、これに例えばブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等のα−オレフィンを少量(通例15重量%以下)共重合させてなるプロピレン−α−オレフィン共重合体や、これらに更にエチレンを少量(通例15重量%以下)共重合させてなるプロピレン−α−オレフィン−エチレン共重合体等、或いはそれらの複数種の混合物等であって、少なくとも結晶部分を含む結晶性の樹脂組成物であることが望ましい。 【0017】一方、上記基材シート1におけるポリエチレン系樹脂層12は、基材シート1に適度な柔軟性を与えると共に、転写時の加熱により容易に軟化し、被転写基材の表面の三次元立体形状に沿った転写シートの成形が容易な熱成形性を付与する目的で設けられるものである。 【0018】上記ポリエチレン系樹脂層12を構成するポリエチレン系樹脂は、例えば高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のエチレンの単独重合体や、エチレンを主成分とし、これに例えばプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等のα−オレフィン、酢酸ビニル等のビニルエステル若しくはその鹸化物、(メタ)アクリル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸若しくはその無水物、エステル又は金属塩等の共重合可能なモノマー成分を少量(通例15重量%以下)共重合させてなるエチレン系共重合体等、或いはそれらの複数種の混合物等であって、少なくとも結晶部分を含む結晶性の樹脂組成物であることが望ましい。 【0019】上記ポリエチレン系樹脂は、単に転写時の加熱により容易に軟化して基材シート1に被転写基材の表面の立体形状への優れた追従性を与えるのみならず、加熱軟化状態においても半ばエラストマー的な挙動を示す特徴がある。このため、転写シートが加熱軟化状態において被転写基材の表面の立体形状に沿って成形された時点では、その基材シート1におけるポリエチレン系樹脂層12は、半ばは加熱軟化による塑性変形により、半ばはエラストマー的な弾性変形により、被転写基材の表面の立体形状に沿った形状を成しているのであって、該成形の後、転写シートの両面間での気圧差等による被転写基材面への押圧力が解除され、及び/又は、冷却によりポリエチレン系樹脂層12の弾性率が上昇すると、エラストマー的な弾性変形の部分は、成形前の形状に戻ろうとする作用を発生する。 【0020】この作用によって、表面に少なくとも凹部を有する被転写基材の表面の立体形状に沿って熱成形された時点では、該立体形状に忠実に追従して成形されていた転写シートの基材シート1が、成形後に押圧力が解除されると共に冷却されると、被転写基材の表面の凹部においては、特に剥離力を加えなくても該凹部の表面から自動的に剥離しようとする力が発生し、剥離が容易となる。従って、従来の転写シートにおいて屡々発生していた様な、凹部に入り込む様に成形された転写シートの基材シート1を無理に剥離しようとすることによる破断や転写された転写層の損傷等の事故を、効果的に防止することが可能となるのである。 【0021】基材シート1の転写層2形成側の面には、必要に応じて、メラミン系樹脂やシリコーン樹脂等による離型処理を施すことも可能である。しかしながら、ポリプロピレン系樹脂層13は表面張力が低く非粘着性であり、印刷インキ等からなる転写層2に対する剥離性に優れるから、一般的には特に離型処理を施す必要がない場合が多い。 【0022】基材シート1の厚さは、本発明において特に限定されるものではないが、立体形状の被転写基材の表面への熱成形性を考慮すると、薄過ぎると熱成形時に破断し易く、逆に厚過ぎると形状追従性が悪化したり、転写シートを軟化させるために要する熱量が増してエネルギーロスの増大や生産性の低下にも繋がるので、具体的な被転写基材の形状や寸法、材質にもよるが、一般的には概ね20〜300μm程度の範囲内であり、中でも50〜120μm程度が最も好適である。 【0023】基材シート1におけるポリエチレン系樹脂層12及びポリプロピレン系樹脂層11、13の厚みに関しては、本発明において特に限定されるものではないが、ポリエチレン系樹脂層12の厚みが薄過ぎると熱成形性や形状追従性が低下し、逆に厚過ぎると、相対的にポリプロピレン系樹脂層11、13の厚みが減ることにより、基材シート1の強度や剛性が低下して、熱成形時に破断したり皺が寄ったりし易くなるので、基材シート1の総厚に占めるポリエチレン系樹脂層12の厚みの比率は20〜80%、より好ましくは33〜67%程度とすることが好ましい。また、表裏面のポリプロピレン系樹脂層11、13の厚みは互いに異なっていても良いが、反りや不均一変形の防止の観点からは、両者は同一の厚みとすることが最も好ましい。 【0024】本発明において、基材シート1の製造方法は特に限定されず、例えば熱ラミネート法、ドライラミネート法、押出ラミネート法、共押出法等、従来公知の任意の方法が適用可能である。また、積層時に接合面に例えば接着剤やアンカー剤、プライマー剤等の塗布や、コロナ放電処理、プラズマ処理、フレーム処理、オゾン処理、酸処理、紫外線又は電子線等の電離放射線処理等の表面処理を施すことによって、各構成層間の接着強度を向上する処置を施すことも任意である。 【0025】以上に説明した基材シート1の片面側に、被転写基材の表面に転写させるための転写層2が設けられる。この転写層2として、如何なる材料からなる層を如何なる順序で設けるかについては、本発明において一切限定されるものではなく、例えば従来のポリ塩化ビニル樹脂等からなる基材シートを用いた転写シートにおける転写層と基本的に同様の構成とすることができる。 【0026】具体的には、図1に示す様に、基材シート1面側から順に、剥離層21及び絵柄層23を設けた構成などが代表的なものである。また、被転写基材の表面の色調のばらつきや欠陥を隠蔽して、意匠的に安定した仕上がりを得るために、絵柄層23の裏面側に隠蔽ベタ層24が設けられる場合も多い。 【0027】その他、絵柄層23が基材シート1から容易に剥離可能であれば、剥離層21は省略しても良いし、図2に示す様に、転写後の絵柄層23の保護のために、絵柄層23の基材シート1側に保護層22を設けたり、転写前に被転写基材の表面又は転写シートの転写層2面に接着剤を塗布する手間を省くために、基材シート1とは反対側の表面に接着層25を設けたりしても良い。また、絵柄の付与の必要がなければ絵柄層23も省略可能であり、例えば保護層転写用の転写シートなどとすることもできる。 【0028】剥離層21は、転写層2の基材シート1からの剥離の重さを適当な範囲内に調整し、基材シート1からの安定的な剥離性を確保するために設けられるものである。その材質としては特に制限されるものではないが、例えば塩化ゴム、環化ゴム等の天然ゴム誘導体や、天然ワックス、合成ワックス等のワックス類、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等の繊維素誘導体、アクリル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエステル系、ポリアセタール系、塩素化ポリオレフィン系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系等の熱可塑性樹脂、メラミン系、エポキシ系、ポリウレタン系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂等からなる剥離剤を挙げることができる。 【0029】保護層22は、転写後に絵柄層23等を外部からの物理的又は化学的な刺激から保護するために設けられるものである。その材質としては特に制限されず、例えばウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アミノアルキド系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、尿素系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂等の熱硬化性樹脂や、(メタ)アクリレート系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂等の電離放射線硬化性樹脂等が用いられる場合が多いが、熱可塑性樹脂であっても例えばアクリル系樹脂等の様に表面硬度や耐溶剤性に優れた樹脂であれば使用可能である。 【0030】絵柄層23は、所望の意匠を印刷等によって表現したものであり、染料又は顔料等の着色剤を、適当な結着剤樹脂と共に適当な溶剤に溶解又は分散してなる印刷インキ又は塗料によって設けられるのが一般的である。上記結着剤樹脂としては特に制限されるものではないが、立体形状の被転写基材の表面に沿って成形する際の伸びに追従可能な柔軟性を備えていることが望ましく、具体的には、例えばウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、繊維素誘導体等を好適に使用することができる。 【0031】隠蔽ベタ層24は、転写層2に被転写基材の表面の色彩や欠陥を隠蔽可能な隠蔽性を付与するために設けられるものであり、その材質は、着色剤として例えば二酸化チタンや酸化亜鉛、酸化鉄、カーボンブラック、金属粉、真珠光沢顔料等の、隠蔽性の高い顔料が大量に添加されていることのほかは、上記絵柄層23における印刷インキ又は塗料と概ね同様である。なお、隠蔽ベタ層24に代えて、金属蒸着層を設けることによっても、隠蔽性の付与は可能である。 【0032】接着層25は、転写層2を被転写基材の表面に接着させるために設けられるものであり、その材質は転写時に利用する接着機構によって例えば感熱接着剤、感圧接着剤(粘着剤)、再湿接着剤、熱硬化型接着剤、電離放射線硬化型接着剤等が利用可能であるが、一般的には、転写時の熱により活性化して接着性を発現し、転写後の冷却により固化して強固に接着する性質を有する、感熱接着剤が利用される場合が多い。該感熱接着剤としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、繊維素誘導体等を好適に使用することができる。 【0033】上記転写層2を構成する各層の形成方法は特に限定されないが、印刷法又は塗工法によるのが一般的である。印刷法としては例えばグラビア印刷法、オフセット印刷法、グラビアオフセット印刷法、ドライオフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、凸版印刷法、転写印刷法、静電印刷法、電子写真法、インクジェット印刷法等、塗工法としては例えばグラビアコート法、マイクログラビアコート法、ロールコート法、フローコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、ロッドコート法、キスコート法等を適宜用いることができる。 【0034】本発明の転写シートを使用して製造する化粧材の基材すなわち被転写基材としては特に限定されず、例えば木材、合板、積層材、中密度繊維板、パーティクルボード等の木質系基材や、ガラス、陶磁器、石膏ボード、珪酸カルシウム板、木毛セメント板、軽量気泡コンクリート等の無機質系基材、鋼、真鍮、アルミニウム、ステンレス等の金属系基材、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ABS樹脂、ガラス繊維プラスチック等の合成樹脂系基材等、或いはそれらの複数種の混合物、複合体、積層体等、任意の材質からなる基材を使用することができる。そして、既に述べた様に、係る被転写基材として特に、表面に少なくとも凹部を有する立体形状のものを使用した際に、本発明の効果が最も顕著に発揮される。 【0035】 【実施例】以下に本発明の具体的な実施例を示して詳細に説明する。 【0036】<実施例1>ポリエチレン系樹脂層の表裏にポリプロピレン系樹脂層が積層された3層積層フィルム(出光ユニテック(株)製 ピュアソフティフィルムシリーズ、厚み80μm、弾性率260〜310MPa)を基材シートとし、その片面に、ポリビニルブチラール樹脂(東洋インキ製造(株)製 K323MTP)を塗工して剥離層を形成し、次いで硝化綿系グラビアインキ(大日精化工業(株)製 OH及びTHB)により絵柄層を形成し、更に隠蔽ベタ層及び接着層として上記硝化綿系グラビアインキを塗工して、本発明の転写シートを作成した。 【0037】表面に深さ5mmの凹部を含む三次元立体形状を切削形成し、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂系接着剤を塗布した中密度繊維板からなる被転写基材の表面に、上記転写シートを、メンブレンプレス式の真空成形機を使用してメンブレン温度120〜140℃、基材温度66〜77℃の条件にて真空成形して密着させた後、解圧し自然冷却させたところ、被転写基材の表面の凹部において転写シートの基材シートが自然に剥離し、基材シートが剥離時に破断したり凹部の転写層を損傷したりすることなく、絵柄の歪みもなく凹部の内面にまで良好に絵柄を転写させることができた。 【0038】 【発明の効果】以上詳細に説明した様に、本発明の転写シートは、ポリオレフィン系樹脂からなる基材シートを採用したことにより、ポリ塩化ビニル樹脂を使用したものと異なり、基材シートの廃棄時の問題がなく環境に優しいことは勿論のこと、特にポリエチレン系樹脂層の表裏にポリプロピレン系樹脂層が積層された3層積層フィルムを基材シートとしたことにより、表面に少なくとも凹部を有する立体形状の被転写基材の表面に沿って成形密着させた後の解圧・冷却により、該凹部において転写シートの基材シートが被転写基材及び転写層から自動的に剥離するため、転写後に基材シートを剥離させる際の付加が少なく、該剥離時における基材シートの破断や転写層の損傷等の事故が防止され、品質の良好な化粧材等の転写絵付製品を作業性良く製造することができるという顕著な効果を奏するものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003193 【氏名又は名称】凸版印刷株式会社 【住所又は居所】東京都台東区台東1丁目5番1号
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| 【出願日】 |
平成14年1月28日(2002.1.28) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−211897(P2003−211897A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月30日(2003.7.30) |
| 【出願番号】 |
特願2002−18227(P2002−18227) |
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