| 【発明の名称】 |
樺細工品の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】冨岡 浩樹
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】下地材に桜の皮を貼着して樺細工品と成る製造方法において、桜皮の皮目部分が皮を削った際に欠落する部分および陥没した節目等の凹部に摺漆を施し、前記摺漆の粘着力を利用し金粉、銀粉等の装飾粉体を摺漆表面に付着させ、再度摺漆による塗着を繰り返して、欠落部分ならびに陥没した節目等の凹部を埋めるように表現し、美観を損なわないようにした事を特徴とする樺細工品の製造方法を提供し、上述にある種々の問題点を解決している。 |
【特許請求の範囲】
【請求項 1】下地材に桜の皮を貼着して樺細工品と成る製造方法において、桜皮の皮目部分が皮を削った際に欠落する部分および陥没した節目等の凹部に摺漆を施し、前記摺漆の粘着力を利用し金粉、銀粉等の装飾粉体を摺漆表面に付着させ、再度摺漆による塗着を繰り返して、欠落部分ならびに陥没した節目等の凹部を埋めるように表現し、美観を損なわないようにした事を特徴とする樺細工品の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は桜皮を使用した細工品において、特に桜皮を削り剥いだ欠落部分および節目等の陥没によって美観を損なうことが無い、桜皮細工品の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の技術として桜皮を貼着した樺細工製品、即ち桜の樹皮を薄く削って得た桜皮を木板或いは合板の台材に貼り付ける細工品は、茶筒や小物入れ又は花台等を始めとして家財道具とされる装飾細工品として種々の形を呈するものが多く存在しているものであり、特にこの種のものは樺細工とする伝統的工芸品として一般に知られている。 【0003】従来より、樺細工とした伝統的工芸品の技法である製造方法としては、以下の手順によって製造されている。 1.採取され乾燥した桜皮をサンドペーパーや刃物を用いて皮を削る。 2.上記に於ける削りとった桜皮と、製品の下地材(合板形成品、ハードボード、木無垢材等からの形成品)にニカワその他の接着剤を塗り接着接合する。 3.桜皮の皮目部分が皮を削った際に欠落するので、皮目部分の欠落部分(節目)に同一種の天然桜皮の粉を使用して接着し埋める。 4.接着した後、再度、サンドペーパー或いは刃物等で研磨する。 5.仕上げにバフ研磨仕上げか表面塗装仕上げを行う。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】特殊なものとしては桜皮を使用して匠な樺貼り技術によって得ることができる、たたみ皮貼り、二度皮貼りなどの技術があるもののの、いわゆる伝統工芸独特の職人技として長年に渡る技術習得により完成されたものであり、特に二度皮貼りなどの場合は、桜皮を一度剥いだ樹皮の下にもう一度再生された皮を利用するもので、この二度目の皮の利用後には桜の木から製品化できる皮が育たないことから非常に貴重なものであり、また大量に生産するものでもないため、いわゆる超一品とする高級装飾品となるものが殆どであった。 【0005】また、桜皮を絵模様に表し動植物や風景を表現したものなど蒔絵とされる表現技術によって、外観美を追及するものなどが種々存在するものであったが、本来、桜皮を使用した樺細工品は一般的に食器類や家具類などの家財道具の一つとしての使用を目的とするものであるが、その一方で巧みな技術によって完成されるが故に高価過ぎる点から装飾品として扱われことも多く、本来使用頻度の多い器物は使用よりも鑑賞用とされる事が多いことである。 【0006】蓋し前述した製造方法は、長年に渡りその工程が何等変わることなく行われてきているものであり、たたみ皮貼り、二度皮貼りなどの技法も製造過程における方法においては、前述した製造方法が用いられいる。この従来の製造方法では、貴重とされる桜皮であっても桜皮独特の皮模様にある節目も、体裁の良い外観美に優れたものを選び出すことも職人の感性とされたため、桜皮の皮目部分が皮を削った際に欠落する部分や、剥ぎ取る前から損傷が激しいものは、使用に耐え難いため破棄又は焼却されるものも多いものであった。 【0007】本発明はこれら従来の製造技術に於ける問題点に鑑み、その問題点を解決するべく、桜皮の皮目部分が皮を削った際に生じる欠落部分によって、商品としての価値を損なうこと無く、また、貴重な桜皮を余す事無く使用できる樺細工の製造方法を提供するものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】前記の問題点を解決すべく種々研究の結果、上記目的は本発明によって有効に達成することができる。すなわち本発明にかかる樺細工品は、下地材に桜の皮を貼着して樺細工品と成る製造方法において、桜皮の皮目部分が皮を削った際に欠落する部分および陥没した節目等の凹部に摺漆を施し、前記摺漆の粘着力を利用し金粉、銀粉等の装飾粉体を摺漆表面に付着させ、再度摺漆による塗着を繰り返して、欠落部分ならびに陥没した節目等の凹部を埋めるように表現し、美観を損なわないようにした事を特徴とする樺細工品の製造方法を提供し、上述にある種々の問題点を解決している。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明は、数回における摺り漆の技法を用いて金粉、銀粉等の装飾粉体を桜皮材に蒔き以下の工程を経て完成することができる。 【0010】以下に本発明における桜皮を使用する樺細工品の製造方法の実施例を図1乃至図8の添付図面に基いて具体的に説明する。図1は、採取され乾燥した桜皮をサンドペーパーや刃物を用いて削り剥ぎ取った状態の外観図であり、図2は、削り剥いだ欠落部分および節目等の陥没した凹部の状態を示す点線部Aの拡大図である。また図3は、削り剥ぎ取った桜皮の断面図である。 【0011】これらの図に示す通り、桜皮1は桜の木の樹皮を剥ぎ取り乾燥された後、皮貼り材として加工用にサンドペーパーや刃物等で薄く皮を削り取って使用される。この際、桜皮1の使用表面には傷、打痕等のヘコミの他に桜の皮の特徴でもある、桜皮の皮目部分が皮を削った際に欠落し縞模様の凹部2及び凹部2aが表れる。特に欠落の状態が激しい場合に、節目痕のように大きな陥没となる凹部2aなどが、凹部2内にあることも特徴でそれぞれが均等な凹状態となっている訳ではない。このような桜皮1を使用して下地材に貼りながら製品とする樺細工は、第1工程の薄く剥ぎ取りする際に、ある程度の利用ができるものと、使用に耐えることができないものとに選別される。 【0012】樺細工品としては、単に下地材表面にだけ貼る物と、図4に示すように下地材3を鏡板として表裏に桜皮1を貼るものがあり、表裏貼り加工工程は全て同じ加工が施される。このことにおいて本発明における方法では、表裏どちらにも桜皮を貼った場合においても同様の手順で行うことができる。 【0013】図5は、樺細工の一実施例として茶筒に桜皮を貼っている状態を表す外観図である。この場合、茶筒本体5には蓋4が挿入される部分以外は桜皮を全面的に貼る加工が通常用いられている。つまり図5に於いて研磨及び塗装などその他、加工完成前となる荒皮状態とした桜皮1aを蓋4上面に接着した状態を示しているが、蓋4側面及び茶筒本体5の底面部分及び周辺部分となる、未着部6とした下地素材にも桜皮1を接着する。 【0014】次に、図5乃至り図8について図9の工程手順を示すフローチャートを使用し、加工手順を説明すると。図5における蓋4及び茶筒本体5の外周部に工程2として、工程1で剥ぎ取り削った桜皮1と製品の下地材(この場合、蓋4及び茶筒本体5)にニカワその他の接着剤を塗り接着接合する。次に工程3は従来例では最終工程の前に行っていた工程であるが、本発明では第3工程として接着後に再度サンドペーパー、刃物等で研磨を行う。この工程3が実際には最終研磨と成る。次に工程4として貼着した桜皮1全体の陥没した部分や欠落した皮目部分の凹部2及び凹部2aに摺り漆を施す。工程5として図6に示すように摺漆した部分に金粉、銀粉等の装飾粉体7を蒔き拭き取る。この場合、工程4で施した摺り漆によって凹部2及び凹部2aには漆が塗り込まれている事から、この漆の粘着力を利用して装飾粉体7が取着される。なお実施において使用した装飾粉体7は、金消し粉とされる黄金色の色彩として装飾効果に優れる粉体を使用したが、装飾用銀粉など桜皮の装飾を引き出す粉体であれば如何なる色合いの粉体であってもよく、また、漆以外の塗料でも実施ができることから、その他種々の装飾効果に優れた粉体の使用は全て本発明に包含される。 【0015】工程6は最終工程として、その後数回摺り漆の技法を施す。このことによって図7及び図8に示すように、装飾粉体7が凹部2及び凹部2aに蒔かれ欠落した皮目部分に埋ったような蒔き皮目8となる。特に、凹部2aは凹部2内部で陥没した部分であるため、工程5及び工程6によって装飾粉体7が程よく蒔かれることから、均一に取着された装飾粉体7によって外観を損なうことが無く、特に凹部分のへこみが大きい場合であっても装飾粉体によって表面に程よく埋った状態に見え、欠落の著しい桜皮であっても対応できるものである。 【0016】本発明では以上の工程を行えばよく従来例にあった最終工程の、仕上げにバフ研磨仕上げ又は表面塗装仕上げというのが摺り漆の技法を用いるため必要としない。以上の実施により、本発明は樺細工製品の製造を行うものである。 【0017】 【発明の効果】従来は陥没や欠落した皮目部分の穴埋め作業は、同一材の桜皮の粉体を使用していたことから、天然の樹皮であるため原材料によって埋める箇所が多いとコスト高となっており、また、商品として常に良い材料が先利用されるため、欠落・欠損等が少々あるだけでも後回しにされることから在庫が蓄積していく一方であったが、本発明によれば少々悪いとされる材料もより良く活用されることになる。更に、欠落部分が多いものは使用されず焼却されているものであったが、本発明の樺細工品の製造方法によれば、上記欠点を全て克服できることによって生ずる効果に加え、欠落部分を気にすることなく商品価値を高めることができ、しかも粉体を蒔いて拭き取ることでよいことから、穴埋めに要する時間を必要としないため、製造に要する大幅の時間短縮が図れる。特に、従来技術では桜皮の選定及び皮貼り及び埋めに要する技術が、大幅に改善されることから誰にでも簡単に行え、更には天然の桜皮を使用する上で、使用できる商品の選定のためにより多くの皮を要したが、必要以上に余計な購入を控えることができ特段の経済的効果を奏するものである。以上の如く本発明による樺細工品の製造方法によって生ぜしめる効果は絶大なものであり、極めて実用的有益なる優れた経済効果を奏するものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】598015969 【氏名又は名称】有限会社冨岡商店
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| 【出願日】 |
平成13年12月14日(2001.12.14) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−182299(P2003−182299A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月3日(2003.7.3) |
| 【出願番号】 |
特願2001−402720(P2001−402720) |
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