| 【発明の名称】 |
水圧転写方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】上山 弘徳 【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】オンデマンド方式で必要な時に必要な量だけ転写シートを製造して水圧転写を行なうことが可能であり、小ロットの製品の水圧転写に安価に対応することが可能な水圧転写方法を提供する。
【解決手段】水溶性或は水膨潤性の支持体シート2上に、インキジェット印刷を行なって印刷模様層3を形成した転写シート1を作成し、次いで、該転写シート1の印刷模様層3上に該印刷模様層3に接着力を付与せしめる為の活性剤を塗工した後、該該転写シート1を該支持体シート2側が水面5側を向く様にして水面5上に浮遊せしめ印刷模様層3を活性化させ、該転写シート1の印刷模様層4上に被転写体6を押圧して、水圧によって該被転写体6の要転写部分に印刷模様層4を密着せしめて被転写体6表面に印刷模様層4を転写して水圧転写を行なう。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水溶性或は水膨潤性の支持体シート上に、インキジェット印刷を行なって印刷模様層を形成した転写シートを作成し、次いで、該転写シートの印刷模様層上に該印刷模様層に接着力を付与せしめる為の活性剤を塗工した後、該該転写シートを該支持体シート側が水面側を向く様にして水面上に浮遊せしめるか、或は、該転写シートを該支持体シート側が水面側を向く様にして水面に浮遊せしめた後、該転写シートの印刷模様層上に該活性剤を塗工して、印刷模様層を活性化させ、次いで、該転写シートの印刷模様層上に被転写体を押圧して、水圧によって該被転写体の要転写部分に印刷模様層を密着せしめて被転写体表面に印刷模様層を転写することを特徴とする水圧転写方法。 【請求項2】 支持体シート上に非水溶性且つ非水膨潤性の防水プライマー層を形成し、該防水プライマー層上に水性インキを用いてインキジェット印刷を行って印刷模様層を形成して転写シートを作成する請求項1記載の水圧転写方法。 【請求項3】 水性インキを用いてインキジェット印刷を行なって印刷模様層を形成した後、該印刷模様層を非水溶性且つ非水膨潤性化せしめて転写シートを作成する請求項1又は2記載の水圧転写方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、主として立体面や曲面を有する各種成形体の表面に、印刷模様を設けた転写シートを用いて、水圧により上記印刷模様を転写印刷する方法に関し、特に小ロットの転写印刷に対応することが可能な水圧転写方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、凹凸による立体面を有する成形体の表面に転写印刷により印刷模様を形成する手段として水圧転写方法が公知である。例えばこのような水圧転写方法は、特公昭52-41683号公報、特公平7-55599号公報、特許第2757346号公報等に記載されている。 【0003】上記従来の水圧転写方法は、転写シートを製造する際、水圧転写を行なう製品のロットの大小、及びサイズの如何に関わらず、版を作成した上で、輪転印刷機を用いてグラビア印刷又はオフセット印刷等により印刷模様を形成していた。 【0004】しかしながら、上記従来の方法で転写シートを製造すると、小ロットの場合でも、大ロットの場合と同様のリードタイム(製版、輪転印刷機の稼働準備にかかる時間)が必要である。しかも、被印刷原反、インキ等も輪転印刷機を稼働させる為の最少必要量が多く、コストが上昇してしまうという問題があった。 【0005】又上記従来の方法では、転写シートの製造の際に版を使用することから、版の保管のためのスペース、管理に係る労力、コストがかかる。又、製版にも時間と労力が必要であるという問題があった。 【0006】結果的に従来の方法では、多品種少ロット生産が不可能であり、又短納期で必要な時に必要な量だけ製造する、所謂オンデマンド生産も不可能であった。その為、各顧客の個別の希望に応じた絵柄を印刷して水圧転写することが困難であった。但し、従来の方法は、少品種、大ロット、長期且つ計画生産により水圧転写を行なう場合は、むしろ効率的であり好ましいものである。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術の欠点に鑑みなされたものであり、オンデマンド方式で必要な時に必要な量だけ転写シートを製造して水圧転写を行なうことが可能であり、小ロットの製品の水圧転写に安価且つ短納期に対応することが可能な水圧転写方法を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、(1)水溶性或は水膨潤性の支持体シート上に、インキジェット印刷を行なって印刷模様層を形成した転写シートを作成し、次いで、該転写シートの印刷模様層上に該印刷模様層に接着力を付与せしめる為の活性剤を塗工した後、該該転写シートを該支持体シート側が水面側を向く様にして水面上に浮遊せしめるか、或は、該転写シートを該支持体シート側が水面側を向く様にして水面に浮遊せしめた後、該転写シートの印刷模様層上に該活性剤を塗工して、印刷模様層を活性化させ、次いで、該転写シートの印刷模様層上に被転写体を押圧して、水圧によって該被転写体の要転写部分に印刷模様層を密着せしめて被転写体表面に印刷模様層を転写することを特徴とする水圧転写方法。(2)支持体シート上に非水溶性且つ非水膨潤性の防水プライマー層を形成し、該防水プライマー層上に水性インキを用いてインキジェット印刷を行って印刷模様層を形成して転写シートを作成する上記(1)記載の水圧転写方法、(3)水性インキを用いてインキジェット印刷を行なって印刷模様層を形成した後、該印刷模様層を非水溶性且つ非水膨潤性化せしめて転写シートを作成する上記(1)又は(2)記載の水圧転写方法、を要旨とするものである。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。本発明水圧転写方法は図1に示すように、水溶性或は水膨潤性のシートから成る支持体シート2上に、インキジェット印刷を行なって印刷模様層3を形成した転写シート1を用いるものである。 【0010】転写シート1に用いられる支持体シート2は、水溶性又は水膨潤性を有するシートであれば良い。支持体シート2に用いられる具体的な材料として、ポリビニルアルコール樹脂、デキストリン、ゼラチン、にかわ、カゼイン、セラック、アラビアゴム、澱粉、蛋白質、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルメチルエーテル、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸との共重合体、酢酸ビニルとイタコン酸との共重合体、ポリビニルピロリドン、アセチルセルロース、アセチルブチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、アルギン酸ソーダ等が挙げられる。支持体シート2の厚さは10〜100μmが好ましい。 【0011】印刷模様層3はインキジェット印刷を行なうことで形成される。小ロットの印刷を行なう場合、商業印刷等で汎用化されているオンデマンド印刷で印刷模様層を形成するのはきわめて効果的である。このオンデマンド印刷は静電印刷(コピー)を応用した方式ではなく、インキジェット印刷を利用して行なう。インキジェット印刷に用いる装置としては、インキジェット印刷機、該印刷機の制御及び画像情報処理受用の電子計算機、原稿画像を読込んでAD変換するスキャナ装置、画像情報を記憶用の記憶装置、画像表示装置等から構成される。これらの装置を用いて、画像データを取込、該画像に顧客の要望も取入れてCRT等の画像表示装置に画像を表示してデスクトップ上で色調の調整、画像の補正(不要部分の除去等)、他の画像データとの組合わせ、画像の殖版、画像のエンドレス化等の処理を行ない、これをそのまま支持体シート2の表面(或は防水プライマー層4の表面)にインキジェット印刷して印刷模様層3を形成する。 【0012】インキジェット印刷により形成される印刷模様層3の図柄は特に限定されず、木目柄、石目柄、布目柄、文字、図形、記号、絵柄等の任意の形状に形成されるものである。印刷模様層3は、支持体シート2の表面に、全面ベタに形成されていても、部分的に形成されていてもいずれでもよい。印刷模様層3の厚さは、通常1μm〜10μm程度に形成する。 【0013】インキジェット印刷は、被印刷体に細いノズルからインキを粒子(液滴)の状態で噴出させて印刷を行なう方法であり、インキの噴出法とインキの粒子の制御法の種類により、荷電制御型、Hertz型、電界制御型、圧力制御型(オンデマンド型)等の方法がある。以下、これらの方法を説明する。 (i)荷電制御型インキに2〜3kg/cm2の圧力を加え、圧電素子を50〜100kHz以上の周波数で作動させてインキを噴出、粒子化し、帯電電極、偏向電極等で粒子の飛行方向を上下又は左右に振り任意の位置にインキを付着させる。 (ii)Hertz型荷電制御型と同じくノズルからスプレー状にインキを噴出させる。その時、制御電極の電圧を大小させることによって、スプレー状ジェットインキの広がりが変化し、一定の大きさのアパチャーを通るインキ密度が異なって被印刷体に到達する。 (iii)電界制御型インキを噴射させるノズルに設けられ正に帯電したノズル電極と、被印刷体を支持しノズルに対向するプラテンに設けられ負に帯電したプラテン電極と、上記ノズル電極とプラテン電極との間に設けられた、開閉電極、水平偏向電極、垂直偏向電極等の制御電極とから構成される。インキを弱く加圧しておき、ノズル直前の加速電極とノズルの間及び、対向プラテン電極の間に高電圧を印加し、電界によってインキをノズルから引出す方式である。インキ滴は一定電荷を持ち、信号電圧によるオン・オフと偏向板による偏向により文字等の画像を形成する。 (iv)圧力制御型インキ部に圧電素子で記録信号に従った振動圧を加え、その圧力変化によってインキ粒子を噴出させる方式である。又ノズル内に信号に従った加熱方法による気泡の発生を利用したインキ噴出法を利用した物(バブルジェット(登録商標)型)もある。 【0014】一般的にインキジェット印刷に用いられるインキとしては、有機溶剤希釈型、或は水性のいづれのものも用い得る。但し、ノズルの目詰り防止、有機溶剤についての防火(防爆)及び衛生管理の煩雑さの回避の点から、水性(水溶液或は水分散エマルジョン)インキが好ましく用いられている。一方本発明では、印刷模様層3は水に接する為(転写時、水洗時)、印刷模様層が溶出して流動することが起き易い。その点では非水性が好ましい。斯かる矛盾を両立させる為の好ましい形態の一つとして、印刷時は水性とし、印刷後は非水溶性且つ非水膨潤性化せしめる事が挙げられる。このような形態の具体例として、ポリオールとブロックイソシアネートから水性インキを構成してインキジェット印刷し印刷模様層3を形成し、印刷後(水面に浮べる前までの間)、該印刷模様層3を加熱してブロック解除し、ポリオールとイソシアネートを架橋させ、印刷模様層3を非水溶性且つ非水膨潤性化する方法がある。 【0015】本発明においては、転写シート1のインキジェット印刷を行なう場合、被印刷体である支持体シート2に水溶性又は水膨潤性のものを用いる。それ故に、インキジェット印刷時の支持体シートの溶解、膨潤、及びそれにともなう支持体シートの破れ、皺、変形を防止する為、(A)インキジェット印刷に用いられるインキとして、被印刷体を溶解する水等の水性溶剤を含まないもの(有機溶剤希釈型インキ)を用いるか、或は、(B)図2に示す様に支持体シート2の印刷面に予め非水溶性(有機溶剤希釈型等)インキから成る防水プライマー層4を形成しておき、その上から水を含む水性インキを用いてインキジェット印刷を行ない印刷模様層3を形成する等の手段を用いるのが好ましい。 【0016】特に上記(B)の方法はインキジェット印刷に水性インキを使用することができる為、インキジェット印刷機の目詰りが起きにくく、有機溶剤の防火・衛生管理も不要であり、且つ水性インキを用いたインキジェット印刷の際に、支持体シート2が溶解、膨潤する等の心配も無いといった利点がある。 【0017】インキジェット印刷に用いられる水性インキとしては、セルロースアセテートブチレート樹脂に代表される水溶性もしくは水膨潤性樹脂等のビヒクルに染料、顔料等の着色剤をはじめとして、必要に応じて分散剤、可塑剤、体質顔料等を添加し、水で適当な粘度になるように希釈した組成物が用いられる。着色剤としては、例えばイソインドリノンイエロー、キナクリドンレッド、フタロシアニンブルー、アニリンブラック等の有機顔料、黄鉛、弁柄、群青、墨等の無機顔料等公知のものが用いられる。水溶性もしくは水膨潤性樹脂等のビヒクルとしては、其他にも前記した支持体シートの材料として例示したものを用いることができる。 【0018】インキジェット印刷に用いられる非水溶性インキとしては、アクリル樹脂、ポリエステル、硝化綿、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の樹脂を、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン等の有機溶剤で希釈し、これに更に前記の如き着色剤、其他添加剤を添加したものが挙げられる。 【0019】防水プライマー層4は、インキジェット印刷のインキを吸収する受容層も兼ねる、耐水(非水溶性且つ非水膨潤性)層である。防水プライマー層4は、インキジェットのインキを吸収する樹脂及び二酸化チタン粉末等のタック防止剤等を有機溶剤に溶解或は分散させた組成物を支持体シート2の表面に塗工して形成される。上記樹脂は、硝化綿、酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系、カチオン性の高分子(四級化窒素を含む高分子)、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクチル酸ブチル共重合体、(メタ)アクル酸メチル−(メタ)アクリル酸2ヒドロキシエチル共重合体等のアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂等の1種単独又は2種以上の混合物が挙げられる。 【0020】防水プライマー層4には、更に必要に応じて、炭酸カルシウム、シリカ、硫酸バリウム、カオリナイト、タルク等の粒径0.1〜10μm程度の体質顔料を添加することができる。 【0021】防水プライマー層4の組成物に用いられる溶剤は、ペンタン、ヘキサンン、ヘプタン、オクタン等、あるいはこれらの混合液であるガソリン、石油、ベンジン、トルエン、キシレン、シクロへキサン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、トリクロルエチレン、パークロルエチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール等の1価アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、エチレングリコール・モノ・メチルエーテル、エチレングリコール・モノ・エチルエーテル、ジエチレングリコール・モノ・メチルエーテル、ジエチレングリコール・モノ・エチルエーテル、ジエチレングリコール・モノ・ブチルエーテル、ジエチレングリコール・ジ・ブチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、エチレングリコール・モノ・エチルエーテル・アセテート、ジエチレングリコール・モノエチルエーテル・アセテート等の酢酸エステル類、酪酸エステル等のエステル類が単独或は混合溶剤として使用される。 【0022】防水プライマー層4の塗工は、グラビアコート、ロールコート、バーコート法等が用いられる。防水プライマー層4の厚さは、1〜10μmに形成するのが好ましい。防水プライマー層4は、通常は支持体シートの表面に全面ベタに形成されるが、必要箇所のみに部分的に形成しても良い。 【0023】本発明水圧転写方法では、支持体シート2に防水プライマー層4を形成した状態の物(印刷模様層3は、まだ形成しない状態)を予め多量に作成して作り溜めしておくことが好ましい。そうすることで、例えば、防水プライマー層4を形成する工程を工場等で行ない、水圧転写を行なう現場で印刷模様層3の形成のみを行なうことができるから、防水プライマー層4の形成に有機溶剤等を使用する場合、工場等で十分管理した状態で塗工可能である。この場合、水圧転写を行なう現場にあっては、設備としてインキジェット印刷の印刷機(プリンタ)を備えているだけで良く、容易に印刷模様層3の形成を行なうことができる。 【0024】図3は本発明水圧転写方法を説明する為の概念を示す説明図である。本発明水圧転写方法は、上記インキジェット印刷により印刷模様3を形成した転写シート1を用いて行なう。図3に示す様に、該転写シート1を支持体シート2が水面側を向き印刷模様層3が上を向く様にして、転写シート1を水面5に浮べると共に、該転写シート1の印刷模様層3を活性剤によって活性化させる。この場合、予め印刷模様層3上に活性剤を塗工して該印刷模様層3を活性化させた後、転写シート1を水面上に浮遊せしめる方法、或は、転写シート1を支持体シート2が水面側となり印刷模様層3が上になるように水面上に浮遊せしめた後、印刷模様層3上に活性剤を塗工して活性化させる方法のいずれを用いても良い。 【0025】転写シート1の印刷模様層3を活性化させるとは、該印刷模様層3の一部が溶解或は膨潤して、被転写体に付着し易い状態として接着力を付与する事である。このような活性剤としては、印刷模様層3のバインダー成分を溶解或は膨潤可能な溶剤を含有するものが用いられる。活性剤として用いられる溶剤は、防水プライマー層の溶剤として例示したものの中から適宜印刷模様層のバインダー成分に応じて選択することができる。 【0026】活性剤は上記溶剤のみから構成してもよいが、転写シート1の印刷模様層3が被転写体6の被転写面に転写される工程が水面上で完了するまでは蒸発することがなく、さらには被転写体6の表面を浸蝕することのないものであることが好ましい。このような活性剤としては、前記した印刷模様層3を活性化させる溶剤中に、下記の樹脂を溶剤の5〜60質量%程度添加してなる膨潤化液を用いることができる。上記膨潤化液は、活性剤の粘度調整が容易であり、塗工液の塗付手段を幅広く利用可能であり、転写工程に時間がかかった場合でも安定した接着性を得ることができるといった利点がある。 【0027】膨潤化液に添加される樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル重合体、ポリスチレン並びにスチレンの其の誘導体の重合体、ポリ酢酸ビニル等のビニルエステル重合体、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸又はフマル酸等の不飽和カルボン酸類のエステル誘導体の重合体、同ニトリル誘導体又は同酸アミド誘導体の重合体、或は上記の不飽和カルボン酸類の酸アミド誘導体のN-メチロール誘導体及び同N-アルキルメチロールエーテル誘導体、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリルグリシジルエーテル、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、2-ヒドロキシエチル-(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル-(メタ)アクリレート、エチレン、エチレングリコール-モノ(メタ)アクリレート等の単量体の単独又は共重合体等の熱可塑性樹脂、若しくは初期縮合物、天然樹脂、ロジン、及び其の誘導体、セルロース誘導体、天然又は合成ゴム、石油樹脂等の樹脂が挙げられる。尚、(メタ)アクリレートとはアクリレート又はメタクリレートの意味である。 【0028】活性剤の印刷模様層3上への塗工手段としては、グラビアオフセットコート、グラビアコート、ロールコート、バーコート、スプレーコート、超音波コート等を用いることができ、活性剤の塗工量は2〜30g/m2程度、好ましくは3〜15g/m2程度である。 【0029】転写シート1を水面5に浮べるには、枚葉状の転写シートを1枚ずつ浮べることが出来るし、又水を1方向から流しながら、連続シートとして形成されているロール状の転写シートを、連続的に水面に浮べることもできる。この際、転写シート1の支持体シート2側が水面に接するように下側となるように浮べるが、転写シート1と水面5との間に気泡が入らないようにし、転写シート1に皺が発生しないように注意する。 【0030】次に、被転写体6を、水面5の上方から転写シート1上に押圧して、被転写体6の被転写面が下方となるようにして下降させ、被転写体6の一部或は全部を水中に沈降させると共に、転写シート1と被転写体6との間に気泡が入らないように維持しながら転写シート1を被転写体6の被転写面形状に沿って延展させ、水圧によって被転写体6の所要部分に該転写シート1を被覆密着させる。 【0031】転写シート1を水面5に浮べると、支持体シート2は水と接して、水膨潤性の場合には膨潤し、水溶性の場合は溶解する。支持体シート2が水膨潤性の場合には、該支持体シート2は印刷模様層3と一緒に被転写体6表面に密着する。又、支持体シート2が水溶性の場合、材質によっては完全に水に溶解してしまって、印刷模様層3のみが水面上に存在する状態になる場合(此の場合は、被転写体押圧時点で支持体シートは消失している)と、支持体シート2の一部が溶解し一部が残存している場合とがある。支持体シート2が完全に溶解してしまっている場合、被転写体6には印刷模様層3のみが被覆密着した状態となる。 【0032】転写シート1の印刷模様層3が被転写面に十分に密着した後、支持体シートの少くとも一部が溶解せずに残存している場合には、転写シート1の支持体シート2を除去する。支持体シート2の除去には、水を用いてシャワー洗浄する。被転写体6表面に付着している支持体シート2が、完全に除去されると共に、転写の際に生ずる汚れ等も除去される。このシャワー洗浄の条件は、支持体シート2の種類等によっても異なるが、通常、水温が15〜60℃が好ましく、又洗浄時間は1〜10分が好ましい。 【0033】最後に、被転写体6を十分乾燥して水分を蒸発させ、印刷模様層3が被転写体6の表面に転写されて意匠が付与された目的とする製品が得られる。 【0034】図2に示す様な防水プライマー層4を形成した転写シートを用いた場合には、転写シート1を水面に浮遊せしめると、防水プライマー層4は耐水性を有する為に、溶解したり膨潤することがない。その為、転写完了後は、該防水プライマー層4は、転写済み製品最表面に残存して転写済み製品の表面保護層として機能する。 【0035】本発明方法において、被転写体6としては各種の製品が利用できる。例えば、ABS樹脂、ポリスチレン、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂等の樹脂成形体、鉄、アルミニウム、銅等の金属成形体、木質成形体、硝子、陶磁器、其他各種無機質成形体等の、所定の立体形状に形成されたものが最適に利用できる。 【0036】尚、被転写体6の被転写面には転写シート1の印刷模様層3との密着性を良好ならしめる為の易接着処理を施しておくことができる。易接着処理は、易接着層の形成、或はコロナ放電処理等がある。易接着層は例えば被転写体がポリスチレン樹脂成形体の場合にはウレタン系やアクリル系の樹脂を用いた塗工組成物を塗工して形成される。 【0037】又転写シート1を浮べる水は、転写シートの支持体シート2の種類(水溶性或は水膨潤性の違い)等に応じて適宜温度を調整することができる。例えば、支持体シート2として澱粉系シートを用いた場合は、水温40〜50℃が好ましい。又水中には支持体シート2の除去を促進する為の添加剤を添加することができる。例えば、澱粉系シートの場合には、水中にアミラーゼを2〜4%添加しておくことが出来る。 【0038】 【実施例】以下、本発明水圧転写方法の実施例を示す。 実施例1〔インキジェット印刷用インキの準備〕下記の成分を混合してインキジェット印刷用インキを製造した。ビヒクルとしてセルロースアセテートブチレート樹脂、着色剤としてC.I.FoodBlack 2、C.I.Direct Blue 199、C.I.Direct Yellow 86のイソプロピルアルコール(IPA)溶液(濃度は各々9質量%)からなる。 〔転写シートの製造〕ポリビニルアルコールと澱粉を主成分とする厚さ40μmの水膨潤性の支持体シート上に、硝化セルロース樹脂を溶剤に溶解してなる塗工液をグラビアロールコートで10g/m2(乾燥時)塗工して防水プライマー層を形成した後、インキジェット装置に配置して、スキャナ上で取込んだ写真原稿画像を画像処理ソフトウエアで色相、明度、彩度、及び濃度階調に所望の補正を行ない、得られた画像をインキジェット印刷機の装置にかけ、インキジェット印刷を行ない防水プライマー層表面に印刷模様層が形成された転写シートを得た。 〔水圧転写による成形体への印刷模様の転写〕上記転写シートの印刷模様層上に下記組成の活性剤を13g/m2塗工し、さらに水温30℃の水面上に前記転写シートの支持体シート側が水面側を向く様にして水面に浮遊せしめ、1分間経過後に、該支持体シートが膨潤状態に於いて、空調機の外枠用のポリスチレン樹脂成形体を転写シートの上方から押入れ、該成形体の表面に延展、密着させた。次いで、表面に転写シートが延展、密着しているポリスチレン樹脂成形体を水中から引出し、40℃の温水を30分間シャワーした後、さらに清水でシャワーし、転写シートのポリビニルアルコールと澱粉から成る支持体シートを除去し、続いて乾燥に付し、印刷模様が形成されたポリスチレン樹脂成形体を得た。 [活性剤組成〕 (a)ブチルセロソルブアセテート・・・・・・・26質量部 (b)ブチルカルビトールアセテート・・・・・・26質量部 (c)ブチルメタクリレート重合体・・・・・・・ 8質量部 (d)ジブチルフタレート・・・・・・・・・・・20質量部 (e)硫酸バリウム・・・・・・・・・・・・・・20質量部【0039】実施例2防水プライマー層の塗工液の組成物に用いた樹脂を、アクリル酸-メタクリル酸メチル共重合体に代えた以外は実施例1と同様にして転写用シートを得た。 【0040】実施例3〜7防水プライマー層の塗工液の組成物に用いた樹脂を下記の表1に示す物とした以外は実施例1と同様にして転写シートを得た。 【表1】
【0041】 【発明の効果】以上説明したように、本発明水圧転写方法は、印刷版を使用せずに転写シートを製造することが出来る為に、オンデマンド方式で必要な時に必要な量だけ転写シートを製造して、小ロットの水圧転写に対応可能であり、水圧転写を安価に行なう事ができる。 【0042】又、従来の静電印刷により印刷模様層を形成すると、感光体及びトナーが不安定であることから色再現性に問題があったが、インキジェット印刷は静電印刷のような色再現性の問題がなく、色再現性が良好であり、成形品に優れた意匠を付与できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002897 【氏名又は名称】大日本印刷株式会社 【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号
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| 【出願日】 |
平成13年11月13日(2001.11.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077573 【弁理士】 【氏名又は名称】細井 勇
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| 【公開番号】 |
特開2003−145997(P2003−145997A) |
| 【公開日】 |
平成15年5月21日(2003.5.21) |
| 【出願番号】 |
特願2001−347495(P2001−347495) |
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