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【発明の名称】 描画ロボット
【発明者】 【氏名】堀井 正信

【氏名】青木 優

【氏名】諏訪 斎

【氏名】高橋 一

【要約】 【課題】従来は文字や図形は人が手で書いたり、ロボットではリモコンを利用したものがあったが、自動で文字や図形を描くことはできなかった。

【解決手段】走行器体に搭載した制御用ワンチップ・マイコンにプログラムを書き込んで、自動で文字や図形を描くことができ、基板上のスイッチの切り替えやマイコンチップを変えることにより、さらにいろいろな文字や図形を描くことができる。筆記具はクリップ方式で取り外しが容易にできる。自動描画と外部からマニュアル操作の両方に対応している。また、走行器体に吸引機構を取り付けることで、壁面に文字や図形を描画できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行器体と、筆記面に筆記可能な筆記具と、この筆記具を保持する保持機構と、この筆記具を描画面に対して移動させる筆記具移動機構と、走行器体を走行移動させる走行移動機構と、これら筆記具移動機構および走行移動機構を制御する制御装置とからなることを特徴とする描画ロボット。
【請求項2】 上記筆記具保持機構として筆記具を脱着可能なクリップが用いられ、かつ上記筆記具移動機構として位置制御可能な制御用モータが用いられていることを特徴とする請求項1記載の描画ロボット。
【請求項3】 上記走行移動機構として、車輪走行機構が用いられ、この車輪を位置制御可能な制御用モータを用いたことを特徴とする請求項1または2記載の描画ロボット。
【請求項4】 上記制御装置は、走行器体の自走を可能とするプログラム可能なワンチップ・マイコンからなるプログラム構造を持つことを特徴とする請求項1〜3記載の描画ロボット。
【請求項5】 上記制御装置は、リモートコントロールで制御可能な構造を持つことを特徴とする請求項1〜4記載の描画ロボット。
【請求項6】 上記走行器体の描画面での吸引走行移動を可能にする吸引機構を備えてなる特徴とする請求項1〜5記載の描画ロボット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば描画面に文字や図形を筆記したり、建物の壁面に描画する描画ロボットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】文字や図形を描く場合、人が描いたり、ロボットをリモコンで操作して描かせていたが、自走ロボットを使って自動で描画することはできなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、人が手で描いたり、直流モータを用いたリモコンロボットにより動作業を繰り返して行う場合、同じ作業の繰り返しによる誤描画やリモコンロボットで誤操作による正確な位置決めができないという問題点がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような問題点を解決することを目的とするもので、請求項1の発明は、走行器体1と、描画面20に筆記可能な筆記具8と、この筆記具8を保持する筆記具保持機構2と、この筆記具8を描画面20に対して移動させる筆記具移動機構3と、走行器体1を走行移動させる走行移動機構4と、これら筆記具移動機構3および走行移動機構4を制御する制御装置5とからなる描画ロボットである。
【0005】そして、請求項2の発明は、筆記具保持機構2として筆記具8を脱着可能なクリップ2aが用いられ、かつ上記筆記具移動機構3として位置制御可能な制御用モータ3aが用いられていることを特徴とする描画ロボットである。
【0006】また、請求項3の発明は、走行移動機構4として、車輪走行機構6が用いられ、この走行用車輪6aを位置制御可能な制御用モータ4aを用いた描画ロボットである。
【0007】請求項4の発明は、制御装置5として走行器体1の自走を可能とするプログラム可能なワンチップ・マイコン5aからなるプログラム構造を持つ描画ロボットである。
【0008】請求項5の発明は、上記制御装置5としてリモートコントロールで制御可能な構造を持つ描画ロボットである。
【0009】請求項6の発明は、走行器体1の描画面20での吸引走行移動を可能にする吸引機構7を備えた描画ロボットである。
【0010】
【実施例】本発明の描画ロボットは、図1に示されるように、アルミニウム板で四角箱状に製作された走行器体1と、描画面20に筆記可能なマジックペンなどの筆記具8と、この筆記具8を保持する筆記具保持機構2と、この筆記具8を描画面20に対して移動させる筆記具移動機構3と、走行器体1を走行移動させる走行移動機構4と、これら筆記具移動機構3および走行移動機構4を制御する制御装置5で構成されている描画ロボットで、基板9にスタートスイッチ10、制御用ワンチップ・マイコン5a、制御用モータドライバ5b・5c、リモコン用接続端子11を取り付ける。走行器体1に筆記具移動機構3用スライドレール固定部3bとその固定部に装着されているスライドレール可動部3cを取り付け、そのスライドレール可動部3cに筆記具保持用クリップ2aを取り付け、筆記具8を固定する。筆記具移動制御用モータであるパルスモータ3aと、そのパルスモータ3aの回転軸21にスライドレール可動部3cを上下移動させる回転部品18を取り付け、走行移動制御用モータであるパルスモータ4aと、走行用車輪6aを取り付ける。走行用車輪6aには滑り止め用凹凸ゴム12が貼り付けてある。走行器体1の内部にはDC電源22と、吸引装置7aと吸着装置7bで構成されている吸引機構7が格納されている。
【0011】次にこの実施例の作用を図2を用いて説明する。プログラムは、スイッチ入力と数値データを設定するメインプログラムと、パルスモータを制御するサブプログラムにより構成されている。メインプログラムの実行後、制御用ワンチップ・マイコン5aの初期化を行う。I/Oピンは13本利用し、8本を出力に5本を入力に設定する。
【0012】つぎに、スタートスイッチ10が押されたかどうか判断する。押された場合には、描画図形選択スイッチ15の状態により、図形描画のための数値設定を行う。ロボットが現在位置から筆記具8を上昇させたままで描画位置まで移動し停止する。
【0013】描画開始の準備として、スライドレール可動部3cの下降を制御するデータを設定し、筆記具上下移動用パルスモータドライバ5bに送る。筆記具上下移動用パルスモータ3aの回転でスライドレール可動部3cが降下し、固定された筆記具8の先端が描画面20である紙面20a上に接触する。
【0014】描画距離のデータを設定し、車輪走行用パルスモータドライバ5cに送る。そのデータに従って車輪走行用パルスモータ4aが回転し、紙面20a上に筆記具8の軌跡が描かれ、設定された移動距離だけ移動して停止する。
【0015】スライドレール可動部3cを上昇させるデータを設定し、筆記具上下移動用パルスモータドライバ5bに送る。筆記具上下移動用パルスモータ3aの回転でスライドレール可動部3cが上昇し、固定された筆記具8の先端が紙面20a上から離れ初期状態に戻る。
【0016】描画終了かどうかの判断を行い、継続の場合は上記動作を繰り返し描画を続ける。終了の場合は、スタート位置まで移動して描画が終了する。
【0017】図3は、紙面20a上にロボットが描画する状態を示している。プログラムされたデータ通りに移動と描画を繰り返す。
【0018】制御用ワンチップ・マイコン5aからのデータを筆記具上下用パルスモータドライバ5bと、車輪走行用パルスモータドラバ5cへデータを転送し、コネクタ16を通して接続されているパルスモータ3a・4aを制御する。走行器体1に取り付けた車輪走行用パルスモータ4aの回転軸17に走行用車輪6aを直結し、その走行用車輪6aの接地面に滑り止め用凹凸ゴム12が貼ってあり、紙面20a上を滑らずに車輪が回転する。
【0019】制御装置5であるワンチップ・マイコン5aはCPU、プログラムROM、データRAMおよびI/Oを基本要素とするマイクロコンピュータ・システムを構成していて、電気的に消去/再書き込み可能なEEPROMでオシレータ回路、リセット回路、タイマ/カウンタなどを内蔵している。動作電圧範囲は2.0Vから6.0Vと広く、かつ消費電流が小さく小型機器への組み込みに適した構造になっている。
【0020】本描画ロボットは内蔵オシレータ回路を用いず、外部に水晶振動子と2個のコンデンサからなるHS(ハイ・スピード)タイプ10MHzを使用した。
【0021】プログラムの開発は、テキスト・エディタを使ってパソコン上で行い、アセンブラやC言語などでソースプログラムを作り、コンパイラを使ってコンパイルし、書き込み可能なファイルに変換する。
【0022】ROMへの書き込みは、ロム・ライター装置とライタ・プログラムを使う。電気的な消去/再書き込みができるので開発に便利である。
【0023】制御用パルスモータ3a・4aは一つの電子回路(駆動回路)により運転される。信号回路の信号入力端子にパルスを与えると、パルスモータ3a・4aは一定の角度(ステップ角)だけ回転する。したがってパルスを連続的に与えたときの速度はパルス周波数に比例する。起動および停止特性に優れていて、一定の周波数範囲において、パルスのない状態からその周波数のパルス列を入れたとき、起動して同期する。
【0024】走行器体1に取り付けた制御用パルスモータ3a・4aは4相ハイブリッド型モータでステップ角は1.8゜である。走行用車輪6aの直径が5cmであるので、1パルスで0.079cm、200パルスで走行用車輪6aが一回転して15.7cm正確に移動する。
【0025】制御用パルスモータ3a・4aの動作の基本に時計方向回転、半時計方向回転、停止がある。特に停止の場合においてパルスが加えられていないときには、ロータが一定の位置を保持して静止し続けようとするので、筆記具8の静止保持と走行器体1の静止保持に適している。
【0026】制御用パルスモータ駆動回路に専用のドライバ5b・5cを用いて動作させている。このパルスモータドライバ5b・5cは、ワンチップの中に入力回路、分配回路、増幅回路を有し、運転回路を構成している。
【0027】励磁の始まりにおいて、巻線のインダクタンスにうち勝って電流を急速に立ち上がらせる。励磁の終わりに、巻線に流れる電流をできるだけ急速にたち下げると同時に、巻き線に発生する逆起電力を吸収する必要がある。簡単な方法として逆起電力吸収用ダイオードを制御用パルスモータ3a・4aの各相に接続している。
【0028】制御用パルスモータ3a・4aの運転方式は、常に2つの相を励磁する方式(2相励磁方式)をとっている。2相励磁方式はトルクが強く、歩進に際して振動が少ないという特性を持っていて、描画ロボットのモータ制御に適している。
【0029】筆記具を取り付けて上下移動させる筆記具移動機構3は、アルミニウム製のスライドレール固定部3bとスライドレール可動部3cで構成されていて、スライドレール可動部3cはボールベアリングでスムーズに可動する。スライドレール可動部3cの上下移動には筆記具移動用パルスモータ3aで正確に位置を決めることができるので、描画の際に筆記具8を紙面20a上に常に接触させておくことができる。
【0030】筆記具移動用パルスモータ3aは走行器体1に取り付け金具で固定され、そのパルスモータ3aの回転軸21にスライドレール可動部3cを上下させるアルミニウム製回転部品18が取り付けられている。
【0031】この回転部品18に2本の溝を掘り、ゴムリング19が埋め込まれていて、スライドレール可動部3cを押し突け、滑らないようにしている。筆記具移動用パルスモータ3aにパルスが加えられていないときには、筆記具移動用パルスモータ3aのロータが一定の位置を保持して静止し続けようとするので、筆記具8が常に紙面20a上に接している状態を保つ。
【0032】自走で図形を描画する場合、描画図形を切り替えるために描画図形選択スイッチ15を取り付け、そのスイッチ15の状態でどの図形を描画するかプログラムすることができる。
【0033】外部制御で図形を描画する場合は、基板9に取り付けたリモコン接続端子11に接続コードで外部と接続する。ポッケトコンピュータを接続すると、テスト描画が簡単にでき開発が容易になる。また、電源も外部から供給でき走行器体1自体も大きくでき、トルクの大きなモータを取り付けることも可能である。パソコンを接続して制御すれば、図形データを簡単に作れ作業が容易になる。
【0034】図4は、壁面20b上にロボットが描画する状態を示している。壁面20bに吸い付くために吸引装置7aと吸着装置7bを走行器体1に取り付け、DC電源22から電源を供給する。後輪は負荷の少ないキャスター23を取り付ける。
【0035】壁面20b描画の場合、落下の危険性があるので走行器体1を保持するワイヤ24とワイヤを止める金具25を取り付け、安全を期す必要がある。
【0036】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれば、筆記具移動機構および走行移動機構を制御する制御装置を用いて自動で文字や図形を描くことができる。
【0037】また、請求項2の発明によれば、筆記具の脱着にクリップやネジ込みや貼り付けなどがあるが、クリップを用いれば筆記具を確実に固定することができ、簡単に脱着することができるとともに、筆記具の移動位置制御を高めることができ、これにより筆記具の描画面に対する筆圧を的確なものとすることができ、それだけ描画性を高めることができる。
【0038】また、請求項3の発明によれば、車輪走行機構を用いれば走行器体の停止位置精度や走行器体の走行速度調整ができ、描画性を高めることができる。
【0039】また、請求項4の発明によれば、プログラム可能なワンチップ・マイコンからなるプログラム構造により自走で描画することができ、ワンチップ・マイコンを取り替えることにより異なる文字や図形を描画でき、描画性を高めることができる。将来は自動看板書きにも応用でき、その発展性は計り知れないものがある。
【0040】また、請求項5の発明によれば、リモートコントロールで制御可能な構造を持つので遠隔操作ができ、描画性を高めることができる。
【0041】また、請求項6の発明によれば、吸引走行移動が可能な構造を備えているので、高所の壁面を移動しながら描画することができ、今まで人が描いていたような文字や図形までも描くことができ、その発展性は計り知れないものがある。
【出願人】 【識別番号】301059075
【氏名又は名称】堀井 正信
【識別番号】501489214
【氏名又は名称】青木 優
【識別番号】501488712
【氏名又は名称】諏訪 斎
【識別番号】501488561
【氏名又は名称】高橋 一
【出願日】 平成13年12月19日(2001.12.19)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−182289(P2003−182289A)
【公開日】 平成15年7月3日(2003.7.3)
【出願番号】 特願2001−385747(P2001−385747)