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【発明の名称】 ライティングボード
【発明者】 【氏名】石井 暁
【住所又は居所】愛知県名古屋市中区錦二丁目2番13号 リコーエレメックス株式会社内

【氏名】有山 賢三
【住所又は居所】愛知県名古屋市中区錦二丁目2番13号 リコーエレメックス株式会社内

【氏名】傍嶋 友樹
【住所又は居所】愛知県名古屋市中区錦二丁目2番13号 リコーエレメックス株式会社内

【要約】 【課題】クリーナ液を付着して手書き面上の書き込み内容を消去するライティングボードにおいて、クリーナ器が接合部を通過する際に生じるクリーナ液漏れや衝突音を低減する。

【解決手段】記録媒体14の手書き面に書かれた内容を消去する際には、記録媒体14をクリーナ器15に密着させながら搬送する。この際、駆動ローラ10と従動ローラ11との間に掛け渡された記録媒体14の接合部12を、クリーナ器15に対して一定の角度を持って設け、クリーナ器15が接合部12の一端から他端に向かって順次当接し、乗り上げ、通過するようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のローラ間にエンドレスのシート状記録媒体を掛け回してその記録媒体に書き込みを行うとともに、その記録媒体上を走査するクリーナ器を備えてそのクリーナ器で前記記録媒体にクリーナ液を付着して該記録媒体上の書き込み内容を自動消去する、ライティングボードにおいて、前記記録媒体の両端を接合する接合部と前記クリーナ器とが角度をもって交叉して相対移動してなる、ライティングボード。
【請求項2】 前記接合部を上下方向に設けて前記クリーナ器に対して水平方向に相対移動するとともに、その相対移動するとき前記クリーナ器が前記接合部にその上部側から先に接触する構成としてなる、請求項1に記載のライティングボード。
【請求項3】 前記接合部で、表面に接合テープを貼り付けて前記記録媒体の両端を接合してなる、請求項1または2に記載のライティングボード。
【請求項4】 前記接合部で、裏面にも補強裏当てテープを貼り付けて前記記録媒体の両端を接合してなる、請求項3に記載のライティングボード。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、マーカーペン等の筆記具を用いてシート状の記録媒体の手書き面に書込みを行う、会議等で用いる電子黒板、プレゼンテーションを行うときに用いるプレゼンテーション装置などのライティングボードに関する。特にそのようなライティングボードの中で、クリーナ液を付着して手書き面上の書込み内容を自動消去するライティングボードに適用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来、電子黒板等のライティングボードでは、記録媒体に手書き面を形成し、その手書き面上に、マーカーペン等の筆記具を用いて書込みを行っていた。
【0003】この種のライティングボードには、例えば特開平9−123681号公報に示すような、クリーナ液で消去可能な筆記具を用いて文字や絵などを書き込み、その書き込み内容のすべてを消去する際、クリーナ液を使用して自動的に消去することができる湿式自動消去手段を設けた装置がある。このような自動消去機能付きライティングボードにおいては、記録媒体に押し当てたクリーナ器にポンプの作用によってクリーナ液を循環させ、このクリーナ液がクリーニング器の開口部を通して付着することにより、記録媒体表面上に書き込まれた文字や絵などの消去を行っている。
【0004】従来用いられているライティングボードの内部構成を図7に示す。図中符号1はクリーナ器、2は記録媒体を示し、3はシート状の記録媒体を接合するための接合テープを、4は接合テープによって貼り合わせられた記録媒体の接合部を示している。
【0005】ライティングボードには、図示しない駆動ローラと従動ローラとが一定間隔離して平行にかつ回転自在に配設され、それらの両ローラ間に記録媒体2が掛け渡される。そして、シート状の記録媒体2の長手方向両端部を突き合わせ、その表面上に接合テープ3を貼着することによって接合部4が形成され、シート状の記録媒体2がエンドレスとなる。接合テープ3は一定の厚みを持っているので、接合部4は、記録媒体2の表面上で凸形状を呈する。
【0006】図8は、接合部4がクリーナ器1を通過する前後の様子を示している。図中符号6は、クリーナ器1の記録媒体2に当接する面に設けられた開口部を示している。符号7はクリーナ液の流入チューブ、8は流出チューブを示し、図示しない貯蔵容器に貯蔵されているクリーナ液をクリーナ器1に流入出させるためのものである。
【0007】図9(1)〜(9)は、接合部4がクリーナ器1を通過する動作を説明するための断面図である。図中左手から右手に向かって接合部4がクリーナ器1の左方より搬送され(1)、接合テープ3がクリーナ器1の左側部に当接する(2)。接合テープ3は一定の厚みをもっているので、クリーナ器1が接合テープ3上に乗り上げて傾く(3)(4)。
【0008】その後、接合テープ3がクリーナ器1の開口部6を通過し(5)、接合テープ3がクリーナ器1の右側部に達したとき(6)、再びクリーナ器1は、接合テープ3上に乗り上げて傾く(7)(8)。そして、接合部4は、クリーナ器1から離れてゆく(9)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような従来のライティングボードでは、接合部4はクリーナ器1に対してほぼ平行に設けられているので、接合部4がクリーナ器1を通過する際には、クリーナ器1が接合部4の上端部から下端部に至る全区間にわたって同時に当接し、図9の(3)(4)(7)(8)に示すように接合部4上に乗り上げることになる。この際、図10に示すように、記録媒体2と、記録媒体2に貼り付けられた接合テープ3とクリーナ器1との間に隙間5が生じ、クリーナ液漏れが起こる原因となっている。
【0010】つまり、直線状の接合部4は、クリーナ器1の長手方向と平行、すなわち記録媒体の搬送方向を横切る方向に配設されているため、接合部4の上部から下部に至る全区間にわたって同時にクリーナ器1に当接し、乗り上げ、通過することになる。したがって、クリーナ器1と記録媒体2との間に連続した隙間5が生じてしまい、クリーナ器1内部のクリーナ液が漏れ出し記録媒体2を汚してしまい、クリーナ液で文字や絵が書けなくなってしまうという問題があった。
【0011】また、接合部4にクリーナ器1が当接する際には、衝突音が発生してしまうという問題もあった。
【0012】本発明の目的は、クリーナ器が、接合部を通過する際に発生するクリーナ液漏れの低減と、接合部に当接する際に生じる衝突音を低減することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】そのため、請求項1に記載の発明は、複数のローラ間にエンドレスのシート状記録媒体を掛け回してその記録媒体に書き込みを行うとともに、その記録媒体上を走査するクリーナ器を備えてそのクリーナ器で前記記録媒体にクリーナ液を付着して該記録媒体上の書き込み内容を自動消去する、ライティングボードにおいて、前記記録媒体の両端を接合する接合部と前記クリーナ器とが角度をもって交叉して相対移動してなることを特徴とする。
【0014】請求項2に記載の発明は、前記接合部を上下方向に設けて前記クリーナ器に対して水平方向に相対移動するとともに、その相対移動するとき前記クリーナ器が前記接合部にその上部側から先に接触する構成としてなることを特徴とする。
【0015】請求項3に記載の発明は、前記接合部で、表面に接合テープを貼り付けて前記記録媒体の両端を接合してなることを特徴とする。
【0016】請求項4に記載の発明は、前記接合部で、裏面にも補強裏当てテープを貼り付けて前記記録媒体の両端を接合してなることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態について説明する。図1において、10は駆動ローラであり、11は駆動ローラ10から一定間隔離して平行に設ける従動ローラである。駆動ローラ10と従動ローラ11とは、それぞれの回転軸が略鉛直となるように回転自在に配設される。駆動ローラ10と従動ローラ11間には、シート状の記録媒体が掛け渡される。
【0018】そして、図2に示すように、シート状の記録媒体の長手方向両端部を突き合わせ、その表面上に一定の厚みを持った接合テープ13を貼着することによって、直線状に接合部12が形成され、シート状の記録媒体がエンドレス状の記録媒体14となる。この記録媒体14は、駆動ローラ10の回転によって搬送されるようになっている。
【0019】図1に示すとおり、記録媒体14の正面内側には、その記録媒体14に裏当てするように裏板26を設ける。また、従動ローラ11の横には、記録媒体14の表面と対面するように読取機構部25を備える。読取機構部25は、詳しくは図示省略するが、複写機やこの種のライティングボードなどではすでにあまねく公知のものであり、記録媒体14の搬送とともにその記録媒体14上の書き込み内容を読み取るものである。そして、読取機構部25からの信号を、図示しないプリンタに備える記録紙に記録し、プリントアウトするようになっている。
【0020】記録媒体14の背面外側には、その記録媒体14に当接面18を対向するように、かつ記録媒体14が搬送される方向に直角にクリーナ器15を設ける。クリーナ器15は、矩形形状(縦長)をしており、クリーナ液で消えるインクを用いたマーカーペン等の筆記具を用いて記録媒体14の手書き面17に書き込まれた文字や絵などを消去するものである。また、当接面18には、縦長の開口部19が設けられている。開口部19内には、クリーナ液が循環し、記録媒体14と当接することによって書き込み内容が消去されるようになっている。
【0021】クリーナ器15上部の導入口31には、クリーナ液を循環させるための流入チューブ20が、下部の排出口32には流出チューブ21がそれぞれ接続されている。流入チューブ20は、途中に電磁弁22を設けて他端が貯蔵容器23に接続され、流出チューブ21は、途中にポンプ24を設けて他端が貯蔵タンク23に接続されている。これにより、クリーナ液は、貯蔵タンク23から電磁弁22内を通過して流入チューブ20よりクリーナ器15に至り、さらに流出チューブ21よりポンプ24に至り、クリーナ液を貯蔵容器23へと循環するようになっている。
【0022】そして、図示省略するが、読取機構部25およびクリーナ器15を含めて記録媒体14の全体をケースで被い、そのケースの正面側に大きな表示窓を設けてそこから記録媒体14の正面側を外部に臨ませ、そこをマーカーペン等の筆記具を用いて書き込みを行う手書き面17とする。
【0023】ライティングボードを使用するときは、マーカーペン等の筆記具を用いて書き込みを行う。手書き面17がいっぱいになったときは、不図示の送りボタンを押して駆動ローラ10を回転し、従動ローラ11を従動回転しながら記録媒体14を搬送して記録媒体14の新しい面を表示窓に臨ませる。
【0024】手書き面17上に書き込んだ手書き内容をプリントするときは、不図示のコピーボタンを押して駆動ローラ10を回転し、従動ローラ11を従動回転しながら記録媒体14を搬送するとともに記録媒体14上の手書き内容を読取機構部25で読み取り、それを不図示のプリンタでプリントアウトする。
【0025】手書き面17に書かれた内容を消去する際には、駆動ローラ10を回転するとともに従動ローラ11を従動回転し、記録媒体14を搬送する。同時にポンプ24を作動しクリーナ器15の開口部19内を負圧化して、記録媒体14をクリーナ器15の当接面18に密着させる。
【0026】そして、電磁弁22を解放し、ポンプ24により貯蔵容器23内のクリーナ液を流入チューブ20を通してクリーナ器15に向けて送出し、クリーナ器15の開口部19にてその記録媒体14の表面にクリーナ液を十分にムラなく塗布して、文字や絵を消去する。その後、クリーナ器15内のクリーナ液を、送出チューブ21を通して貯蔵容器23に戻す。
【0027】ここで、クリーナ器15の当接面18は、四フッ化エチレンでつくった合成樹脂などが塗布されていてもよく、また記録媒体14の表面は、マット加工処理などが施されていてもよい。
【0028】さらに、本実施形態においては、シート状の記録媒体14の長手方向両端部を突き合わせて接合テープ13によって接合し、エンドレス状の記録媒体14としたが、接合方法はこれに限定されるものではなく、例えばシート状の記録媒体14の長手方向両端部を重ね合わせて接合してもよい。また、接合箇所は、1箇所に限定されるものではなく、複数箇所設けられていてもよい。さらに、シート状の記録媒体14の接合方法は、テープ接合に限定されるものではなく、溶着接合など他の方法であってもよい。
【0029】また、本実施形態においては、クリーナ器15がライティングボード本体に固定されて、記録媒体14が駆動ローラ10によって搬送されるようになっているが、これに限定されるものではなく、記録媒体14が固定されていてクリーナ器15が移動するように構成されていてもよく、さらに、記録媒体14、クリーナ器15の双方が互いに逆方向に移動するように構成してもよい。
【0030】本実施形態において直線状の接合部12は、図2に示すように縦長矩形状のクリーナ器15と一定の角度θで交叉するように構成されている。したがって、図3のように記録媒体14が図中右方から左方に搬送されると、接合部12は、図中下部から上部に向かってクリーナ器15に順次当接し、通過することになる。接合部12には、一定の厚みをもった接合テープ13が貼着されているので、クリーナ器15を通過する際には図4に示すように4箇所に隙間30が生じる。
【0031】しかし、記録媒体14とクリーナ器15との隙間30は、従来に比べて大幅に少なくなり、クリーナ液漏れを低減させることができる。また、接合部12がクリーナ器15に対して一定の角度をなすように構成されているので、クリーナ器15は、最初に接合部12の下部28に当接し、乗り上げることになる。その後、クリーナ器15は、接合部12の上部27に向かって順次、接合部12を通過していくので、従来のように接合部12の下部28から上部27に至る全区間にわたって同時に当接し、乗り上げることがなくなる。したがって、クリーナ器15が接合部12に当接する際に発生する衝突音も低減できる。
【0032】本実施形態においては、記録媒体14をエンドレス状として横方向に搬送した。しかし、この発明を適用しうるライティングボードは、これに限定されるものではなく、縦方向に搬送する場合にも当然に適用することができる。もちろん、手書き面17は、図示例のような表裏2面に限らず3面以上であってもよく、例えば駆動ローラ10と従動ローラ11を配設し、さらにガイドローラを設けて記録媒体14を三角に張り渡した形状としてもよい。
【0033】ところで、前述の実施形態において、接合テープ13がクリーナ器15に対して一定の角度をもって設置されたとき、記録媒体14とクリーナ器15との隙間30から微量のクリーナ液が漏れ出す可能性がある。このクリーナ液は、接合テープ13の縁を伝って接合部12の下部28に滞留し、接合テープ13のこの部分が剥離しやすい状態となる。また、図2に示すように、下部28が最初にクリーナ器15に当接するように接合部12を傾斜させると、クリーナ器15が当接する際の衝撃が下部28に加わることになり、一層、下端部28の接合テープ13が剥離しやすい状態となる。
【0034】そこで、図5に示すように、接合部12の傾斜方向を上部27が最初にクリーナ器15に当接するように設置することにより、クリーナ器15に最初に乗り上げる際に衝突する部分(上部27)と、漏れ出したクリーナ液が滞留する部分(下部28)とを分離することができ、接合テープ13の下部28が剥離しにくくなるという効果がある。
【0035】ところで、図6に示すように接合部12において、接合テープ13を貼着した記録媒体14の裏面側に補強裏当テープ29を貼着してもよい。これにより、記録媒体14の表面側の接合テープ13を薄くすることができ、クリーナ器15が接合部12を通過する際の液漏れや衝突音をさらに低減することができる。この補強裏当テープ29は、接合テープ13と同種あるいは類似した粘着性のテープが好適に用いられるが、これに限られるものではない。
【0036】
【発明の効果】したがって、この発明によれば、クリーナ器を備えたライティングボードにおいて、記録媒体の接合部をクリーナ器に対して一定の角度で傾けて設置することにより、接合部がクリーナ器を順次通過するので、接合部とクリーナ器との間にできる隙間を少なくすることができる。これにより、クリーナ液漏れを低減させることができる。また、接合部がクリーナ器に当接する際に発生する衝突音を低減させることができる。
【0037】請求項2の発明によれば、接合部の上部側から下部側に向かって順次、クリーナ器に当接し、乗り上げ、通過するように接合部が設置されているので、クリーナ器と当接することにより衝撃を受ける部分(上部)と、接合部がクリーナ器を通過することにより隙間が生じて漏れた微量のクリーナ液が滞留する部分(下部)を分離することができ、接合テープの下部が剥離しにくくなる。
【0038】請求項4の発明によれば、接合部の裏面側に接合部補強裏当テープを貼着することによって、表面側の接合テープを薄くすることができ、クリーナ器が接合部を通過する際の液漏れや衝突音をさらに低減することができる。
【出願人】 【識別番号】000006932
【氏名又は名称】リコーエレメックス株式会社
【住所又は居所】名古屋市中区錦二丁目2番13号
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
【住所又は居所】東京都大田区中馬込1丁目3番6号
【出願日】 平成13年11月8日(2001.11.8)
【代理人】 【識別番号】100074310
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 俊介
【公開番号】 特開2003−145993(P2003−145993A)
【公開日】 平成15年5月21日(2003.5.21)
【出願番号】 特願2001−343337(P2001−343337)