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【発明の名称】 軸筒へのクリップ取り付け構造
【発明者】 【氏名】齋藤 昭成
【住所又は居所】埼玉県吉川市大字川藤125 ぺんてる株式会社吉川工場内

【要約】 【課題】天冠を軸筒に螺合させる過程において、クリップの取付座が微妙に移動し位置ずれを起こしてしまい、製品としての見栄え、価値を落としてしまっていた。

【解決手段】軸筒の上部に縮径部を形成すると共に、その縮径部の上部に突部を形成する一方、クリップの取付部の内面に前記軸筒の縮径部が嵌り込む大径部を形成すると共に、突部が係合する凹部を形成し、また、前記クリップの取付部を軸筒と天冠によって挟持・固定した軸筒へのクリップ取り付け構造。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 軸筒の上部に縮径部を形成すると共に、その縮径部の上部に突部を形成する一方、クリップの取付部の内面に前記軸筒の縮径部が嵌り込む大径部を形成すると共に、突部が係合する凹部を形成し、また、前記クリップの取付部を軸筒と天冠によって挟持・固定したことを特徴とする軸筒へのクリップ取り付け構造。
【請求項2】 前記軸筒の突部と、その突部に係合するクリップの凹部をクリップと対向する位置に形成したことを特徴とする請求項1記載の軸筒へのクリップ取り付け構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸筒へのクリップ取り付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】1例として、実開平7−40191号公報を挙げ説明する。その公報の実用新案登録請求の範囲には「請求項1: キャップ1の天面2における開口縁の所要位置に切欠部3を設けると共に、キャップ1の天面2とキャップ1に接合される天冠4とによって挟着されるクリップ5の取付座6に上記の切欠部3に嵌合する切り起し部7を設けたことを特徴とする筆記具のクリップ取付構造。」と記載されている。そして、図1にはその1例が記載されている。詳述すると、クリップに形成されている平坦な取付座はキャップの天面に位置し、天冠とキャップによって挟着されている。そして、その天冠とキャップとは螺合によって固定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来技術にあっては、天冠をキャップに螺合させる過程において、クリップの取付座が微妙に移動し位置ずれを起こしてしまい、製品としての見栄え、価値を落としてしまっていた。つまり、切り起こし部を支点とし、クリップがキャップに対して微妙に回転してしまうのである。特に、クリップの弾力が強いものにあっては、クリップをキャップに取り付ける際、前記クリップの弾力反作用によって取付部の端部がキャップの天面から浮いた状態になり、前記切り起こし部を支点とした回転動作が発生しやすく、それ故に、位置ずれも起こしやすくなってしまっていた。この問題を無くすために、慎重に組み立て作業を行うことも考えられるが、著しく生産性を落としてしまい、現実的ではない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、軸筒の上部に縮径部を形成すると共に、その縮径部の上部に突部を形成する一方、クリップの取付部の内面に前記軸筒の縮径部が嵌り込む大径部を形成すると共に、突部が係合する凹部を形成し、また、前記クリップの取付部を軸筒と天冠によって挟持・固定したことを要旨とする。
【0005】
【作用】軸筒の突部とクリップの凹部との係合部分を支点とする、クリップの軸筒に対する回転が、軸筒の縮径部とクリップの大径部との嵌合によって防止される。
【0006】
【実施例】1例として、キャップノック式のシャープペンシルを挙げ説明する。軸本体1の内部には、複数本の芯を収容する芯タンク2が前後動可能に配置されている。その芯タンク2の前端には、継ぎ手部材3を介して芯の把持・開放を行うチャック体4が固定されているが、そのチャック体4の前方外周には、そのチャック体4の開閉を行うチャックリング5が囲繞している。符号6は、それら芯タンク2やチャック体4を後方に付勢するコイルスプリングなどからなる弾撥部材である。一方、芯タンク2の後方には、消しゴムホルダー7を介して消しゴム8が着脱自在に設けられている。また、前記軸本体1の前方部には、先部材9が中継部材10を介して着脱自在に固定されており、その先部材9の内部には芯の後退を阻止する芯戻り止め部材11が、また、前端には視認性を良くするための芯保護管12が取り付けられている。以上の構成は、一般的なシャープペンシルである。
【0007】前記軸本体1の後部には、金属材質からなるキャップ13が位置しているが、そのキャップ13の内側には内筒14が固定されている。そして、その内筒14が、前記芯消しゴムホルダー7に対して着脱自在に取り付けられている。前記キャップ13の上部には縮径部15が形成されており、その縮径部15の上部には突部16が形成されている。この突部16は、後述するクリップ本体と対向した位置に形成されている。そして、これら縮径部15や突部16は、圧延加工によって1回の工程で形成されているが、切削加工などで形成しても良く、また、樹脂成形品で形成などしても良い。
【0008】一方、キャップ13に取り付けられるクリップ17は、本体部18と取付部19から構成されるが、その取付部19は筒状をなしている。そして、その取付部19の内面には、前記キャップ13の縮径部15に嵌り込む大径部20が形成されている。また、前記取付部19には、前記キャップ13の突部16が係合する凹部21が形成されているが、この凹部21はクリップ17の本体部18と対向する位置に形成されている。このクリップ17は、キャップ13に組み付けた際、本体部17の下端に形成された玉部22が、キャップ13の表面に圧接し得るようになっている。つまり、クリップ17の本体部18は、キャップ13に向かって弾性付勢されているのである。
【0009】符号23は、前記クリップ17の取付部19をキャップ13に固定させる天冠であるが、本実施例においてはその天冠23はキャップ13に直接固定しているのではなく、前記内筒14に固定しているが、天冠23を直接キャップ13に固定しても良い。即ち、クリップ17の取付部19は、天冠23とキャップ13に挟着された状態で固定されている。尚、前記固定手段としては、螺合や圧入、接着など種々の方法が考えられる。
【0010】次に、前記クリップ17のキャップ13への固定方法について説明する。先ず、キャップ13内に内筒14と組み立て治具Hを挿着し、次いで、クリップ17の大径部21をキャップ13の縮径部15に嵌め込み、この嵌め込み過程でクリップ17の凹部21をキャップ13の突部16に係合させる。次いで、天冠23を前記内筒14に固定させるが、前記状態では、前述したようにクリップ17の玉部22がキャップ表面に当接し、その為、クリップ17の取付部19がキャップ13から離れた状態にある。具体的には、本体部18側が離れた位置(隙間H)にあり、対向する位置がキャップ13と接触している(図3参照)。しかし、本実施例においては、取付部19の大径部21の周状の殆どの範囲がキャップ13の縮径部15に嵌合しているため、キャップとの係合部(凹部21と突部16との係合部)を支点として回転してしまうようなことがない。この様な状態において、前記天冠23の螺子部24を内筒14に螺合・固定し、クリップ17をキャップ13に固定する。
【0011】第2例を図4,図5に示し説明する。前記キャップ13の突部16と、その突部16に係合するクリップ17の凹部21を本体部18側に形成した例である。本体部18と取付部19の連結部近傍に前記凹部21を形成しているので、その凹部21を加工する際の反力による連結部近傍の変形を防止することができる。つまり、比較的剛性のある部分に形成しているため、加工による変形が防止されるのである。
【0012】
【発明の効果】本発明は、軸筒の上部に縮径部を形成すると共に、その縮径部の上部に突部を形成する一方、クリップの取付部の内面に前記軸筒の縮径部が嵌り込む大径部を形成すると共に、突部が係合する凹部を形成し、また、前記クリップの取付部を軸筒と天冠によって挟持・固定したので、容易に組み立てられることは勿論、見栄えの良い製品を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000005511
【氏名又は名称】ぺんてる株式会社
【住所又は居所】東京都中央区日本橋小網町7番2号
【出願日】 平成14年5月31日(2002.5.31)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−341286(P2003−341286A)
【公開日】 平成15年12月3日(2003.12.3)
【出願番号】 特願2002−158378(P2002−158378)