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【発明の名称】 ノック式ボールペン
【発明者】 【氏名】小林 清一
【住所又は居所】神奈川県横浜市神奈川区入江2丁目5番12号 三菱鉛筆株式会社横浜事業所内

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 先端口を有して、先細状の先端部を一体に有した軸筒内に、ボールペンリフィールをコイル状のリターンスプリングで後方へ附勢する状態で軸筒後端から収納して、軸筒の後端孔にノック機構部を着脱可能に配設し、ノック部を前後動してボールペンリフィールの筆記先端部を軸筒の先端口から出没状態に係止するノック式ボールペンに於いて、上記リターンスプリングのボールペンリフィール側に当接する後端座捲部の端部がリターンスプリング内径内に適宜突出するように変形して設けられ、一方軸筒側に当接する前端座捲部の端部がリターンスプリング外径外に適宜突出するように変形して設けられたことを特徴とするノック式ボールペン。
【請求項2】 ノック機構部は、軸筒の後端に当接する天冠部とクリップを一体に有したカム筒が軸筒の後方孔に着脱可能に螺合され、カム筒内にはカム溝と迎合するカム部及びリブを有したノック棒と回転子が軸推移自在に嵌装されてなる請求項1に記載のノック式ボールペン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明はボールペンリフィールをコイル状のリターンスプリングにより後方に附勢して、ノック操作によって軸筒の先端口から筆記先端部を出没可能としたノック式ボールペンの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、軸筒内に収容したボールペンリフィールをリターンスプリングによって軸筒の後方側に付勢し、軸筒の後端孔にノック機構部を着脱可能に配設して、そのノック部を前後動してボールペンリフィールの筆記先端部を軸筒の先端口から出没状態に係止するノック式ボールペンがよく知られている。具体的なノック機構部としては、ボールペンリフィールをリターンスプリングで後方へ附勢して収納し、軸筒の後方内孔部に固定されたカム筒内にカム部を設け、そのカム部と迎合するカム部を備えた回転子とノック棒が配設されて、ノック棒の後端をノックすることによって、回転子を進退位置に係合させると共に、回転子と連動させてボールペンリフィールの筆記先端部が軸筒の先端口から出没可能となるものが一般的によく使われている。また、ノック部の外面に弾性変位自在な係合突起を設け、一方軸筒に係合窓部やまた軸筒に固定されたクリップの玉部などに係合段部を設けて、ノック部を進退位置に係合させるようにしたものなどが使われている。
【0003】また、ボールペンリフィールとしては、従来知られる高粘度の油性インキが充填され、インキ収容部の外径が3mm程度の細いもの、相対的に低粘度のインキであるが、先端ボールの回転でより粘度が低下してインキがスムーズに流出する、所謂剪断減粘性を有した水性インキが充填され、インキ収容部の外径が5〜6mmほどの比較的太いものが知られている。
【0004】また、ボールペンリフィールの替え芯を交換する手段として、軸筒の先端に先具を螺合等によって着脱自在に設け、替え芯の交換を行った後、替え芯と先具の内段部との間にリターンスプリングを敷設して軸筒に先具を螺着するものや、軸筒と先具が一体で、軸筒の後端から前方部にリターンスプリングを装着した後に替え芯を挿入し、その後端に前端を当接させてノック部を軸筒に装着するものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した軸筒と先具が一体のものは、軸筒の後端からリターンスプリングを装着した後に替え芯を挿入し、リターンスプリングを軸筒前端の内段に当接係止させるが、リターンスプリングがずれて取付いたり、曲がって取付いたりしてノック作動が不良となる問題がある。また、リターンスプリングが曲がった状態で軸筒の前端に取り残されて、替え芯を交換しようとした場合、筆記先端部がリターンスプリングの内孔に正しく挿通されず作動不可となってしまう。インキ収容部の外径が3mm程度の細いものを使用する場合、軸筒の内径に対してガタが大きくなり、より顕著に問題が起きる。また、上記の問題を解決するものとして、リターンスプリングの端部に密着した座捲部を設けて、その座捲部をボールペンリフィールの前方軸部に係合させ、リターンスプリングを装着した状態で替え芯を軸筒に挿入するものが知られているが、そのものは、インキ収容部の外径が比較的太いもので、ボールペンリフィールには座捲部を係合できる前方部よりやや大径とした軸部や係合突部などを有したものである。本発明は、上記のやや大径とした軸部や係合突部などを有さないボールペンリフィールであっても、リターンスプリングが装着された状態となり、作動に支障無く取付け可能とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に係るノック式ボールペンは、先端口を有して、先細状の先端部を一体に有した軸筒内に、ボールペンリフィールをコイル状のリターンスプリングで後方へ附勢する状態で軸筒後端から収納して、軸筒の後端孔にノック機構部を着脱可能に配設し、ノック部を前後動してボールペンリフィールの筆記先端部を軸筒の先端口から出没状態に係止するノック式ボールペンに於いて、上記リターンスプリングのボールペンリフィール側に当接する後端座捲部の端部がリターンスプリング内径内に適宜突出するように変形して設けられ、一方軸筒側に当接する前端座捲部の端部がリターンスプリング外径外に適宜突出するように変形して設けられたことを特徴とする。
【0007】請求項2に記載の発明に係るノック式ボールペンは、請求項1に記載のノック式ボールペンに於いて、ノック機構部は、軸筒の後端に当接する天冠部とクリップを一体に有したカム筒が軸筒の後方孔に着脱可能に螺合され、カム筒内にはカム溝と迎合するカム部及びリブを有したノック棒と回転子が軸推移自在に嵌装されてなる。
【0008】
【実施例】図1乃至図12は本発明の実施例であるノック式ボールペンを示している。先ず、図3に示すように軸筒1は先端口2を有して、先細状の先端部を一体に有した透明な樹脂成形品で形成されている。又、後方孔には雌螺子部16が形成されている。
【0009】図4及び図5に示すようにカム筒3は筒体で後端にやや増径した天冠部5が形成され、天冠部5の一側面から筒体の前方に向かってクリップ4が一体に形成されている。又、筒体の天冠部前方の外周には雄螺子部15が形成されている。又、筒体の内孔17の後方で、内壁にリブ19とカム溝20が放射状に交互に形成されたカム部18が設けられている。又、カム溝20は径方向に深いカム溝20aと浅いカム溝20bが交互に形成され、リブ19の先端と浅いカム溝20bの先端に向けて傾斜面21が形成されている。
【0010】図6及び図7は回転子7を示している。回転子7の外周の所要箇所には前記カム筒3のカム溝20の割り付け位置に対応するリブ23とその先端に傾斜状のカム部22が形成され、更に連続山形状のカム部が円周状に形成されている。
【0011】図8乃至図10はノック棒6を示している。ノック棒6の前方部外周の所要箇所には前記カム筒3のカム溝20に嵌装するリブ25が形成され、先端には前記回転子7の山形状のカム部と迎合するカム部24が形成されている。
【0012】ボールペンリフィール9は、インキを充填したインキ収容管10の先端にボールペンのチップ12が止着され、インキ収容管10の前方部位にクリンプ11が形成されている。ボールペンリフィール9は、リターンスプリング13の後端をクリンプ11に当接した状態で軸筒1の内孔に嵌挿され、リターンスプリング13の前端は内孔の先方に形成した段部に当接する。
【0013】図11乃至図13に示すように、リターンスプリング13は、ボールペンリフィールのクリンプ11に当接する後端座捲部13bの端部13dがリターンスプリング内径内に適宜突出(バリも内径側)するように変形して設けられ、一方軸筒の内段部1aに当接する前端座捲部13aの端部13cがリターンスプリング外径外に適宜突出(バリも外径側)するように変形して設けられている。
【0014】ノック棒6と回転子7はカム筒3の内孔17に挿入され、ノック棒6のリブ25が前記カム溝20に嵌装する。回転子7はカム部22がノック棒6のカム部24に対接する側で挿入され、リブ23は前記深いカム溝20aのみに嵌装する。リブ23がカム溝20aに嵌装したノック棒6の後退位置で、ノック棒6のカム部24の山形状の頂部が回転子7の山形状のカム部の頂部から僅かにずれた斜部に当接している。ノック棒が前進した状態で、回転子7のリブ23がカム溝20aから外れると、上記カム部24の頂部が回転子7の山形状のカム部の谷部に迎合するように回転子7を僅かに回動する。その状態でノック棒6の前進を解除すると、回転子7のカム部22の頂部がカム筒のカム部18の傾斜面を滑りながら回転されてカム溝20b位置の傾斜面21の端部に位置決めされ、回転子7は前進位置にセットされる。以下、ノック棒6の前後退で回転子7が回動して進退位置に位置決めされる。尚、カム筒3、ノック棒6、回転子7で構成されるノック機構部はノック式ボールペンでよく知られるカーン式ノック機構と同等の構成を成すものである。
【0015】また、カム筒3の内孔17の前方内周に適宜突部と前方部が容易に拡開するようにスリ割りが形成されて、回転子7が弾性的に嵌装されるが、突部に当接して抜出不能となるように成される。(図示せず)
【0016】以上により、ノック機構部が構成されたカム筒3が軸筒1の後方孔に螺合される。又、回転子7の前面にボールペン筆記体9の後端が当接される。又、実施例ではノック棒6の後端にノックカバー8が止着されている。
【0017】
【作用】上記の実施例に基づき作用を以下に説明する。先ず、図1の状態より、ノックカバー8の後端をノックしてノック棒6を前進させると回転子7が回転して前進位置に位置決めされ、ボールペンのチップ12が先端口2から突出し、図2に示す筆記状態となる。又、この状態からノックすると回転子7が回動して後退位置になりチップ12が先端口2から没入する。尚、ボールペン筆記体9を交換する最には軸筒1からカム筒3を回動して外す。
【0018】また、クリンプ11に当接する後端座捲部13bの端部13dがリターンスプリング内径内に適宜突出(バリも内径側)しているので、リターンスプリング13は、ボールペンリフィールのインキ収容管10の外周部に食いつき状に係合される。また、一方軸筒の内段部1aに当接する前端座捲部13aの端部13cがリターンスプリング外径外に適宜突出(バリも外径側)しているので、ノック作動は円滑で全く支障がない。なお、両端の座捲部には、適宜巻数の密着した座捲部を設けることで、ボールペンリフィールに対して安定した取付けが可能となるが、特には、前端座捲部と後端座捲部の座巻き数に差をつけて、リターンスプリングの取付け方向が明確となるように設けられることが望ましい。
【0019】
【発明の効果】本発明は以上の通りであり、軸筒と先具が一体となった軸筒に於いて、ボールペンリフィールの形状に制約されず、容易にリターンスプリングが係合可能となり、軸筒の後端からリターンスプリングを装着した替え芯が挿入でき、軸筒前端の内段部にリターンスプリングがずれて取付いたり、曲がって取付いたりしてノック作動が不良となる問題が解消される。また、インキ収容部の外径が3mm程度の細いものを使用する場合、軸筒の内径に対してガタが大きくても、リターンスプリングがボールペンリフィールに係合した状態で軸筒内に挿入されるのでノック作動不良は解消される。
【出願人】 【識別番号】000005957
【氏名又は名称】三菱鉛筆株式会社
【住所又は居所】東京都品川区東大井5丁目23番37号
【出願日】 平成14年5月27日(2002.5.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−341285(P2003−341285A)
【公開日】 平成15年12月3日(2003.12.3)
【出願番号】 特願2002−152323(P2002−152323)