| 【発明の名称】 |
塗布具 |
| 【発明者】 |
【氏名】高橋 一成 【住所又は居所】埼玉県草加市吉町4−1−8 ぺんてる株式会社草加工場内
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| 【要約】 |
【課題】Oリングの内径がピストンの中間部の外径よりも大きいため、Oリングの姿勢が安定しにくくなっている。即ち、ピストンを軸方向に移動させ加圧する際、Oリングも軸方向に移動するが、この時、そのOリングに捻れや歪みが発生する。その結果、空気が漏れてしまい、加圧が確実に行われない状態になってしまっていた。
【解決手段】軸本体内に液体が収容され、また、その軸本体の後方には前記液体を加圧する加圧手段が配置され、前記液体の後部に、その液体の減少に伴って移動する逆流防止体を配置すると共に、その逆流防止体と前記加圧手段との間に第1の弁機構を配置し、また、前記加圧手段に第2の弁機構を配置した塗布具であって、その第2の弁機構をピストンに摺動自在に配置された環状部材と、その摺動する環状部材によって開閉する前記ピストンに形成された貫通孔によって構成した塗布具。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 軸本体内に液体が収容され、また、その軸本体の後方には前記液体を加圧する加圧手段が配置され、前記液体の後部に、その液体の減少に伴って移動する逆流防止体を配置すると共に、その逆流防止体と前記加圧手段との間に第1の弁機構を配置し、また、前記加圧手段に第2の弁機構を配置した塗布具であって、その第2の弁機構をピストンに摺動自在に配置された環状部材と、その摺動する環状部材によって開閉する前記ピストンに形成された貫通孔によって構成したことを特徴とする塗布具。 【請求項2】 前記環状部材をピストンに形成した環状凹部に配置すると共に、その環状凹部を円錐状に形成し、また、その円錐状の環状凹部の最大径部に前記貫通孔を形成したことを特徴とする請求項1記載の塗布具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、液体を収容する液室を加圧する加圧手段を有する塗布に関するものであり、その塗布具の一例としては、アイライナーやマニュキュアなどの化粧具、ボールペンなどの筆記具や修正具などが挙げられる。 【0002】 【従来の技術】従来技術の一例として、特開平10−28921号公報を挙げ説明する。液剤を収容する本体の後方部には、シリンダ室が設けられており、そのシリンダ室にはピストンが摺動自在に配置されている。また、シリンダ室の前方部には、コイルスプリングによって後方に付勢された逆止弁が配置されており、その逆止弁よりも前方部分が液剤の収容部となっている。前記ピストンの径大の基部と、通気路が形成されたヘッド部との間の径小の中間部には、Oリングがピストン軸方向に摺動自在に嵌挿されており、前記ピストンを前進させることよって、そのピストンの環状段部がOリングの側面に密接し、前記シリンダ室の空気を加圧することが可能になっている。そして、その加圧力で前記逆止弁を解放させ、その加圧された空気が液剤収容部に送り込まれると、その液剤収容部内の液剤が加圧される。また、前記ピストンを後退させると、そのピストンの環状段部がOリングから離れ、ヘッド部がOリングに当接する。これによって、前記通気路が開放され外気がシリンダ内へ流入する。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、ピストン後退時に外気がシリンダ内に流入することが可能となっているという利点がある。しかし、Oリングの内径がピストンの中間部の外径よりも大きいため、Oリングの姿勢が安定しにくくなっている。即ち、ピストンを軸方向に移動させ加圧する際、Oリングも軸方向に移動するが、この時、そのOリングに捻れや歪みが発生する。その結果、空気が漏れてしまい、加圧が確実に行われない状態になってしまっていた。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、軸本体内に液体が収容され、また、その軸本体の後方には前記液体を加圧する加圧手段が配置され、前記液体の後部に、その液体の減少に伴って移動する逆流防止体を配置すると共に、その逆流防止体と前記加圧手段との間に第1の弁機構を配置し、また、前記加圧手段に第2の弁機構を配置した塗布具であって、その第2の弁機構をピストンに摺動自在に配置された環状部材と、その摺動する環状部材によって開閉する前記ピストンに形成された貫通孔によって構成したことを要旨とするものである。 【0005】 【作用】本発明は、上記の構成により、ピストン摺動時の環状部材の捻れや歪みが防止されると共に、矯正もされる。 【0006】 【実施例】第1例を図1〜図6に示し説明する。軸本体1は、前軸2と後軸3とから構成されており、それらは螺合によって着脱自在に連結されている。前記前軸2の内部には、液体4が直接収容されている。即ち、前軸2自体が、液体4の収容部となっている。また、前記前軸2の前端部分には、先細りの先部5が形成されていて、その先部5の前端にはボールペンチップ6が圧入・固定されている。そして、そのボールペンチップ6の前端には、ボール7が回転自在に取り付けられているが、コイルスプリングなどの弾撥部材8によって、常に、前方に付勢されており、常時は、ボールペンチップ6の先端開口部9を塞いでいる。そして、ボールペンチップ6のボール7を塗布面などに当接させると、その当接力によってボール7が後退し、前記先端開口部9が解放することで、前記2内の液体がボール7の回転と共に吐出する。また、前記弾撥部材8が装着されているボールペンチップ6のインキ通路10の後方には、リブ11が等間隔に3個延設されており、それらの後端部は円形連接部12によって連結されているが、リブ11の中間部で連結してもよい。 【0007】前記液体4の後端部には、前記2の後部からの液体4の流出を防止する2種類のグリース13(水性グリース13a、油性グリース13b)が介在しており、そのグリース13には合成樹脂製のフロート14が埋設している。このフロート14の外径は、前記2の内径よりも僅かに小さく形成されている。前記グリース13が前軸2とフロート14との隙間に常に介在するようにしているのである。尚、フロート14は、収容されている液体4やグリース13の粘度が比較的高い場合や、前軸2の内径が比較的小さい場合にも、必ずしも必要なものではない。また、これらグリース13やフロート14は、液体の減少と共に前進するものである。符号15は、前軸2の先端に着脱自在に取り付けられたキャップであって、そのキャップ15には、クリップ16が一体成形されているが、別部材で構成し、圧入などの手段によって前記キャップに固定してもよい。 【0008】前記後軸3の後方内部には、コイルスプリングなどの弾撥部材17によって後方に付勢されたピストン部材18が摺動自在に配置されている。このピストン部材18は、その中間部から下方が後軸3内に入り込んでいるが、その入り込んでいる部分は、空気の流通を十分に確保しつつも、がたつきを極力防止したクリアランスを有している。また、このピストン部材18の中間部には摺動溝19が形成されており、その摺動溝19には弾性部材からなる環状のOリング20が嵌挿されている。そのOリング20が弁機構(第2の弁機構)となる。そのOリング20は、前記後軸3の内径よりもやや大径の外径を有しており、その為Oリング20と後軸3の内面とは密接状態となっている。また、Oリング20の内径は、前記ピストン部材18の摺動溝19の外径より小径なものとなっている。尚、その摺動溝19は、Oリング20の線径よりも長い寸法の溝幅(前後方向)を有しており、嵌挿されたOリング20はその摺動溝19の前方部21から後方部22までの範囲を摺動可能としている。即ち、Oリング20の最前進位置である前方部21で前方段部21aに当接し、一方、最後退位置である後方部22で後方段部22aに当接するのである。また、この後方部22には、ピストン部材18の内側と連通する連通孔23が設けられており、空気の流通が可能なものとなっている。尚、常態であるピストン部材18の最後退位置においては、前記Oリング20は摺動溝19の前方部21に位置しており、前記連通孔23によって、後軸3の内部と外部とが連通した状態となっている。 【0009】前記ピストン部材18の後部には押圧部24が一体形成されており、前記後軸3の後端部から突出しているが、ピストン部材と押圧部とを別部材で形成し、圧入などの手段によって固定してもよい。また、前記後軸3の後部にはスリット25が対向した位置に形成されており、そのスリット25に嵌り込む弾性突起26が前記ピストン部材18の外面に形成されている。その弾性突起26はピストン部材18の側面にコの字型のスリットを形成することによって構成されている。そして、これらが嵌り込み、係合することによって、ピストン部材18の後軸3からの飛び出しが防止されている。符号27は、押圧操作の際、ピストン部材18の過剰な没入を阻止する円周状の鍔部である。 【0010】前記後軸3の中間部であって、前記後軸2の後部には、ゴム状弾性体からなる第1の弁機構28が配置されている。その第1の弁機構28は、縮径された底部29を有する筒状体30であるが、底部29にはスリット31が形成されている。そして、筒状体30の後部外面には、鍔部32が形成されており、前記後軸3の内面に形成された周状段部に当接しているが、前記ピストン部材18から付勢される弾撥部材17の端部によって固定リング33を介して前記周状段部に押しつけられ、前記後軸3に対して固定された状態になっている。この第1の弁機構28は順次縮径する筒状体30を形成することによって、その筒状体30の方向からの圧力に対しては、前記スリット31が拡開し易く、逆の方向からの圧力に対しては、拡開しにくい構造となっている。つまり、圧力の受ける部分の面積を小さくすることによって、変形しにくくしているのである。尚、この第1の弁機構28を後軸3の中間部に配置することと、第2の弁機構となる前記Oリング20を、ピストン部材18の中間部に配置することによって、後軸3内は2つの室が形成されるが、第1の弁機構と第2の弁機構の間に形成される室を加圧室34と称し、第1の弁機構の前方に形成される室を圧力保持室35と称する。符号36は前記第1の弁機構28を覆うように形成された半球状のカバー部であって、そのカバー部36の前端部には、前記ボールペンチップ6の外径よりも小径な貫通孔37が形成された筒状部38が形成されている。即ち、このカバー部36によって前記第1の弁機構28を保護しているとともに、万が一洩れてしまったグリース13や液体4の後方への移動を阻止しているのである。つまり、カバー部36の外周近傍が液溜め部ともなるのである。ちなみに、この様な液体の漏れは、塗布具を逆さまにした状態で落下させてしまうなど、衝撃が付与されてしまうと発生しやすい。ここで、前記第1の弁機構および第2の弁機構を構成する弾性部材の材質としては、ニトリルゴムやスチレンブタジエンラバー、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ブチルゴムなどが挙げられる。 【0011】次に第1実施例の使用方法(動作)について説明する。図1は常態を示す図であり、前記ピストン部材18は弾撥部材17により後方に付勢されている。このとき、前記Oリング20は摺動溝19の前方部21に位置しており、その為、連通孔23により加圧室34は外気と連通した状態となっている。この図1の状態から、押圧部24を押圧するとピストン部材18が前進するが、初期前進時においては、前記Oリング20はピストン部材18からの力を受けないので、Oリング20は静止した状態を保っている。その為、連通孔23により加圧室34は外気と連通したままの状態となっている。更にピストン部材18の前進が進行すると、後方部22の後方段部22aが前記Oリング20に当接し、これによってピストン部材18はOリング20と伴に前進することになる。この時、Oリング20は後軸3の内面との密接状態を維持しつつ、後方段部22aとも密接状態となる。その結果、前記連通孔23は外気と遮断され、ピストン部材18の前進により加圧室34が加圧される。 【0012】前記ピストン部材18の前進により加圧室34の加圧が開始され、その加圧室34の圧力が高まると、第1の弁機構28のスリット31が拡開し、加圧された空気が圧力保持室35内へと移動する。この移動により、圧力保持室35の圧力も高まり、その結果、フロート14がグリース13と共に前進し、液体4が加圧された状態となる。即ち、空気が液体に接触した状態で、その液体が加圧されるのではなく、フロートやグリースが液体に接触した状態で、その液体を加圧するのである。そして、この加圧された状態でボール7を筆記面などに押しつけると、先端開口部9が開口しインキが吐出する。この時、インキは、円形連結部12の開口部12aから流入すると共に、隣り合うリブ11の隙間11aから流入し、この際、互いが衝突しあって混合・撹拌され、前記先端開口9の方向に移動する。 【0013】ここで、前記押圧部24の押圧操作を解除するとピストン部材18が後退を開始する。その際、初期後退時においては、前記Oリング20はピストン部材18から受ける後退する力が小さいためOリング20は静止した状態を保ち、その結果、Oリング20と後方段部22aとの当接が解除され、前記連通孔23は外気と連通され、加圧室34も外気と連通することになる。この外気との連通により、加圧室34が外気と同気圧になるのである。即ち、ピストン部材18の後退による、加圧室34の減圧が防止されるのである。これによって、スムーズなピストン部材の後退動作が可能となる。そして、更にピストン部材18が後退すると、前方部21の前方段部21aがOリング20に当接し、そのOリング20もピストン部材18と伴に後退し常態へ戻る。尚、初期前進時におけるOリング20と前方段部21aの当接解除、並びに、初期後退時におけるOリング20と後方段部22aとの当接解除がスムーズになされるよう、後軸3の内面とOリング20との摺動抵抗や、Oリング20と摺動溝19との摺動抵抗を適宜設定する必要があるが、適宜なし得ることである。以上のように、Oリング20は後軸3の内面と摺動溝19から常に力を受けているため、Oリングの姿勢が常に矯正される状態にあり、その結果、捻れや歪みが発生しにくくなっている。 【0014】図7は第1実施例の変形例である。前記摺動溝19がテーパ形状となっており、後方部22の外径は、Oリング20の内径より大径となっているが、前方部21の外径は、Oリング20の内径より小径となっている(図7参照)。本変形例によれば、押圧操作を解除してから常態に至る過程において、Oリング20は摺動溝19の前方部21に位置しているため(前方部21の外径がOリング20の内径より小径であるため)捻れや歪みが発生しやすくなっている。しかし、使用時の押圧操作において、ピストン部材18が前進すると、Oリング20は摺動溝19のテーパ部に沿って、摺動溝から押し広げられながら姿勢が矯正されるため、捻れや歪みが解消され、確実な加圧操作が可能となる。本変形例の構成により、常態においては、Oリング20が摺動溝19からの拡開力を受けないため、そのOリング20は経時的な変形などの劣化が抑制されるという効果もある。 【0015】図8乃至図11は、本発明の第2実施例である。前記第1実施例と同様な構成は、その説明を省略する。後軸3の後方には、コイルスプリングなどの弾撥部材17によって、後方に付勢されたピストン部材18が摺動自在に配置されている。このピストン部材18の中間部には揺動溝39が形成されている。この揺動溝39には環状部材であるOリング20が嵌挿されている。この揺動溝39は、ピストン部材18の周状に形成されているが、任意の位置において、Oリング20と略同一の最小溝幅部40となっており、その対向する位置では最大溝幅部41となっている。そして、その最小溝幅部40と最大溝幅部41は中間部42によりなめらかに連続形成されている。また、その中間部42にはピストン部材18の内側と連通する連通孔23が形成されており、空気の流通が可能となっている。尚、前記Oリング20は、揺動溝39を最小溝幅部40を支点として揺動可能となっており、第1実施例と同様に、前方部21の前方段部21aから、後方部22の後方段部22aまでの範囲を揺動する。 【0016】次に使用方法(動作)について説明する。図8は、常態を示す図であり、前記ピストン部材18は、弾撥部材17により後方に付勢されている。このとき前記Oリング20は、前記揺動溝39の前方部21に位置しており、連通孔23により加圧室34は外気と連通した状態となっている。この図8の状態から、押圧部24を押圧するとピストン部材18の前進によりOリング20は、最小溝幅部40を支点として最大溝幅部41及び中間部42の後方部22へ揺動し、後方段部22aに当接する。このときOリング20は後軸3の内面と密接状態を継続しつつ、後方段部22aとも密接状態となる。従って連通孔23は外気と遮断され、ピストン部材18の前進により、加圧室は加圧される。そして、第1実施例と同様に前記液体4が吐出可能となる。 【0017】前記押圧部24の押圧操作を解除すると、ピストン部材18が後退を開始するとともに、Oリング20は最小溝幅部40を支点として、最大溝幅部41及び中間部42の前方部21へ揺動し、前方段部21aに当接する。このとき、連通孔23は外気と連通され、加圧室34は外気と連通し、スムーズなピストン部材の後退動作が可能となる。即ち、ピストン部材の後退に伴う加圧室34内の減圧作用が極力防止されるのである。 【0018】 【発明の効果】本発明は、軸本体内に液体が収容され、また、その軸本体の後方には前記液体を加圧する加圧手段が配置され、前記液体の後部に、その液体の減少に伴って移動する逆流防止体を配置すると共に、その逆流防止体と前記加圧手段との間に第1の弁機構を配置し、また、前記加圧手段に第2の弁機構を配置した塗布具であって、その第2の弁機構をピストンに摺動自在に配置された環状部材と、その摺動する環状部材によって開閉する前記ピストンに形成された貫通孔によって構成したので、ピストン摺動時の環状部材の捻れや歪みが防止され、空気の漏れの発生しない、確実な加圧作動を行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005511 【氏名又は名称】ぺんてる株式会社 【住所又は居所】東京都中央区日本橋小網町7番2号
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| 【出願日】 |
平成14年5月30日(2002.5.30) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−341276(P2003−341276A) |
| 【公開日】 |
平成15年12月3日(2003.12.3) |
| 【出願番号】 |
特願2002−156948(P2002−156948) |
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