| 【発明の名称】 |
ノック式ボールペン |
| 【発明者】 |
【氏名】松川 亮 【住所又は居所】東京都江東区毛利2丁目10番18号 セーラー万年筆株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】ボールを回転自由に抱持したチップ先端からのインキ出およびシール性の優れ、チップの加工も容易なキャップレスのノック式ボールペンを提供する。
【解決手段】ボール39がチップ30先端においてかしめられて回転自由に抱持され、先端にチップが接続されたインキ収容管21に水性インキIが充填され、インキの尾端側にグリース状の逆流防止体25が配置されたレフィール20が軸筒10内に搭載され、ノック操作によりレフィールが前後動し、チップ先端が軸筒の先端開口から出没するノック式ボールペンにおいて、チップ先端のかしめ角度θを90°≦θ≦100°にする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ボールがチップ先端においてかしめられて回転自由に抱持され、先端に該チップが接続されたインキ収容管に水性インキが充填され、該インキの尾端側にグリース状の逆流防止体が配置されたレフィールが軸筒内に搭載され、ノック操作により該レフィールが前後動し、チップ先端が軸筒の先端開口から出没するノック式ボールペンにおいて、前記チップ先端のかしめ角度θが90°≦θ≦100°であることを特徴とするノック式ボールペン。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ノック操作により、ボールを回転自由に抱持したチップの先端が軸筒の先端開口から出没するキャップレスのノック式ボールペンに関するものである。 【0002】 【従来の技術】水性インキ、ことに静的には高い粘性を有し、筆記時のボールの回転により粘性が低下する所謂ゲルインキを使用する水性ボールペンが数多く実用化されいるが、インキ収容管にゲルインキが充填されたレフィールを軸筒内に搭載し、ノック操作により、ボールを回転自由に抱持したチップの先端が軸筒の先端開口から出没するノック式ボールペンにすると、キャップが不要であり、携帯に便利で使い易いボールペンとすることができる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】水性インキは油性インキに比べて筆記時のインキ消費量が多く、チップ先端からインキが多く吐出する必要がある。つまり、インキ出を良くする必要がある。しかし、ゲルインキは静的には高い粘性を有するものの、油性インキに比べると粘度が低いため、インキ出を良くすると、非使用時においてもチップ先端からインキがにじみ出る不具合がある。ことに、キャップレスのノック式ボールペンの場合は、ポケットに装着した時などにおいて、チップの先端からインキがにじみ出ることはできるだけ避けなければならない。つまり、チップ先端のシール性を向上させなければならない。しかし、ゲルインキを使用するノック式ボールペンにおいて、インキ出を良くするとともにシール性を向上させるのはなかなか困難であった。 【0004】そこで本発明は、ボールを回転自由に抱持したチップ先端からのインキ出およびシール性の優れ、チップの加工も容易なキャップレスのノック式ボールペンを提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するために、本発明は、ボールがチップ先端においてかしめられて回転自由に抱持され、先端にチップが接続されたインキ収容管に水性インキが充填され、インキの尾端側にグリース状の逆流防止体が配置されたレフィールが軸筒内に搭載され、ノック操作により該レフィールが前後動し、チップ先端が軸筒の先端開口から出没するノック式ボールペンにおいて、チップ先端のかしめ角度θを90°≦θ≦100°にする。 【0006】従来、ゲルインキを使用するノック式ボールペンにおいては、チップ先端のかしめ角度は60°〜80°程度であるが、前述のとおり、インキ出を良くするとともにシール性を向上させるのはなかなか困難であった。そこで本発明者は、このチップ先端のかしめ角度に注目し、鋭意検討した結果、チップ先端のかしめ角度θを90°≦θ≦100°にすることにより好結果が得られることを見い出し、本発明を完成した。 【0007】 【発明の実施の形態】以下に、図面に基づいて本発明の実施の形態を具体的に説明する。図1はキャップレスのノック式ボールペンを示すが、図1において、軸筒10は、合成樹脂で成形された後軸11および前軸12からなり、前軸12の先端には、先端開口15を有する先口13が螺着されている。また、前軸12の外周には軟質の合成樹脂からなるグリップ14が配置されている。後軸11の尾端部には、クリップ16の円筒固定部17が固定されている。つまり、先口13と円筒固定部17は軸筒10の一部を構成している。 【0008】かかる軸筒10内に、レフィール20がコイルスプリング26で尾端側に弾発された状態で収容されている。レフィール20のインキ収容管21の先端開口に継手22が嵌着され、継手22の中心孔にチップ30が嵌着されている。インキ収容管21内にはインキIが充填され、インキIの後端にはグリース状の逆流防止体25が配置されている。 【0009】インキIは、着色剤である顔料または染料、樹脂、増粘剤、水溶性溶剤を含み、必要に応じて分散剤、防腐剤などを含有し、静的には高い粘性を有し、筆記時のボールの回転により粘性が低下するゲルインキである。このインキIの粘度は20mPa・s以上である。また、逆流防止体25は、ポリブデン、シリコーンオイル、鉱物油などを主成分とし、シリカゲル、金属石鹸などで適度に増粘させたものである。 【0010】チップ30はステンレスにて砲弾型に成形されたものであり、チップ30の先端において、図2に示すように、ボールハウス31を切削加工により形成し、続いて中心孔33およびインキ溝34をブローチ・ポンチ加工により形成する。そして、ボールハウス31内に、例えば外径が1.0mmであり、超硬合金からなるボール39を投入し、かしめローラによるかしめ加工によりかしめ部32を形成し、ボール39をその一部がチップ先端から臨出した状態て回転自由に抱持する。ここで、かしめ角度θは90°≦θ≦100°である。 【0011】チップ30内には小さなスプリング(図示せず)が配置されており、ボール39はこのスプリングで弾発され、非筆記時においてチップ30先端のかしめ部32の内面に圧接している。つまり、ボール39とかしめ部32により弁機構を構成しており、非筆記時は弁が閉じてインキがチップ30先端から流出せず、また、上向きにしたときも弁が閉じているのでチップ30先端から空気が内部に侵入しないようになっている。そして、筆記時においては、筆圧によりボール39が後退して弁が開き、インキが流出するようになっている。 【0012】軸筒10の先端開口15からチップ30先端を出没させる出没機構は、カム筒40、ノック棒50、回転子60などからなる周知のダブルノック式であり、ノック棒50を指先で押圧するノック操作を行ことによりレフィール20が前進ないし後退し、これにともない、チップ30先端が軸筒10の先端開口15から出没する。なお、出没機構はかかるダブルノック式に限られるものではない。 【0013】図2に示すかしめ角度θが68°、78°、90°の3種類のレフィールをそれぞれ100本製作し、インキ出とシール性のテストを行った。インキ出は100m筆記するのに消費するインキ量(g)で評価し、シール性は、チップを下向きにして24時間放置したときに、図3に示すように、チップ30先端のかしめ部32からインキIがにじみ出た本数で評価した。その結果を表1に示す。 【0014】 【表1】
【0015】表1から分かるように、かしめ角度θが大きいほうがインキ出およびシール性がよくなり、かしめ角度θが90°のものがインキ出およびシール性が優れている。かしめ角度θが大きいとインキ出がよくなるのは、かしめ角度が大きくなるにつれてかしめ部32の幅が減少するが、かしめ部32の幅が減少するとボール39とかしめ部32内面との接触面積が減少し、インキの流通が良くなるためであり、また、シール性が向上するのは、ボール39とかしめ部32内面との接触面積が小さいと、かしめ加工時において、単位面積当りのかしめ圧力が大きくなり、かしめ部32のボール39との接触面がボール39の球面になじみ、接触面の仕上げ精度が向上するためである。従って、インキ出およびシール性をよくするために、かしめ角度θは90°以上が好ましい。 【0016】しかし、かしめ角度θを100°以上にするためには、かしめ前のチップの加工精度およびチップとかしめローラの位置精度を大きく向上させなければならない。つまり、かしめ時にかしめローラがボールに接触するとかしめが不充分になりシール不良を招くので、かしめ時にかしめローラがボールに接触しないようにするが、かしめ角度θが大きくなると、かしめ前のチップの加工精度およびチップとかしめローラの位置精度を高くしないと、かしめ時にかしめローラがボールに接触してかしめ不良を招く。従って、かしめ角度θは100°以下にすることが好ましい。結局のところ、かしめ角度θを90°≦θ≦100°にすることにより、インキ出およびシール性が優れ、加工精度もあまり要求されないチップとすることかできる。 【0017】 【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ボールがチップ先端においてかしめられて回転自由に抱持され、先端にチップが接続されたインキ収容管に水性インキが充填され、インキの尾端側にグリース状の逆流防止体が配置されたレフィールが軸筒内に搭載され、ノック操作によりレフィールが前後動し、チップ先端が軸筒の先端開口から出没するノック式ボールペンにおいて、チップ先端のかしめ角度θを90°≦θ≦100°にするので、ボールを回転自由に抱持したチップ先端からのインキ出およびシール性の優れ、チップの加工も容易なキャップレスのノック式ボールペンとすることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002314 【氏名又は名称】セーラー万年筆株式会社 【住所又は居所】東京都江東区毛利2丁目10番18号
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| 【出願日】 |
平成14年5月14日(2002.5.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100084113 【弁理士】 【氏名又は名称】田原 寅之助
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| 【公開番号】 |
特開2003−326889(P2003−326889A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月19日(2003.11.19) |
| 【出願番号】 |
特願2002−137869(P2002−137869) |
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