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【発明の名称】 押出式筆記具
【発明者】 【氏名】鳥居 收
【住所又は居所】京都府京都市右京区嵯峨野神ノ木町2番地ノ4 株式会社ジーエスピー研究所内

【要約】 【課題】筆記具の押出操作にともなう作動部の周方向の移動が最小になるようにして、軸主体の太さを細くできる押出式筆記具を提供する。

【解決手段】外部に設けた操作片7によって前進方向に移動される複数の作動片8を、軸主体2内にその内面に沿って進退自在に併置し、各作動片をバネ10により後方に付勢し、作動片の前方部分に軸主体の横断面方向に突出する第1凸部8aを設ける一方、この第1凸部から一定距離後方に同様に横断面方向に突出する第2凸部8bを設け、最も後退した位置における作動片の第1凸部に近接する軸主体の内周面に小径部11を形成し、第2凸部の端縁に形成したカム面8cは、第2凸部とこれに隣接する作動片の第2凸部8b´との軸線方向の相対的接近により横断面方向の推力を作用させたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 外部に設けた操作片によって少なくとも前進方向に移動される複数の作動片を、筆記体を収納する中空の軸主体内にその内面に沿って進退自在に併置するとともに、各作動片をバネにより後方に付勢し、これら作動片の前方部分に前記軸主体の横断面方向に突出する第1凸部を設ける一方、この第1凸部から一定距離後方に同様に横断面方向に突出する第2凸部を設け、最も後退した位置における作動片の第1凸部に近接する軸主体の内周面に小径部を形成し、前記第2凸部の端縁にカム面を形成して、このカム面は第2凸部の形成部とこれに隣接する作動片の第2凸部の形成部との軸線方向の相対的接近により、前記形成部相互に対して前記横断面方向の推力を作用させる形状に形成され、前記各作動片に筆記体を連結可能としたことを特徴とする押出式筆記具。
【請求項2】 作動片の第1凸部を具備した前方部分における横断面の周方向の大きさを、作動片に連結する筆記体の後端面の周方向の大きさに一致させたことを特徴とする請求項1記載の押出式筆記具。
【請求項3】 軸主体の前方部における筆記時のグリップ部またはその近傍に各操作片を露出させ、この操作片と作動片とを操作力伝達状態に連結したことを特徴とする請求項1または2記載の押出式筆記具。
【請求項4】 作動片の後方に操作片を連設し、この操作片を軸主体に設けた透孔から外方に露出させたことを特徴とする請求項1乃至3記載の押出式筆記具。
【請求項5】 作動片に連結する筆記体の少なくとも一つをシャープペンシルとし、このシャープペンシルの締め具受けの後端に作動片を取り付けたことを特徴とする請求項1乃至4記載の押出式筆記具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、押出式筆記具に係り、特に、軸主体内に収納した複数の筆記体を外部から前進方向にスライド操作する押出式筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、押出式筆記具は、種々の形態のものが普及しており、ワンタッチによる筆記具本体先端からの筆記部の出没動作や3色や4色の多色切替が可能なボールペンなどが商品化されている。
【0003】従来のものは、そのほとんどが、中空の軸主体内に収納した複数のレフィールと、各レフィールの後端に連結されるとともに軸主体の後部に形成した複数の摺動溝に進退自由に係合させた操作片とを有する構成からなり、この操作片の押し出しにより、進出位置で作動部を係合ロックすることによって、これに連結されたレフィールのみが軸主体の前方端から突出するものである。そして他の一つを押し出すと、すでに突出状態にある筆記部が後退して、他の操作片に連結されたレフィールの筆記部が代わって突出し、例えば別の色による筆記が可能となるものである。
【0004】また、すべてのレフィールを軸主体内に収納するには、後退位置にある操作部のひとつをわずかに前進させて前進位置にある前記係合ロックを解除し、各々に付勢させた復帰バネにより後退位置に復帰させる構成となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら従来構成では、前記摺動溝に対して、操作片を前進させてから軸主体断面の中心側に押し込んで係合ロックさせるものであるから、これらの動作を許容する必要があり、必然的に軸の径が太くなる不具合がある。
【0006】本特許の発明者は、これを解決するため開発検討をおこない、特開2001−146093「筆記具操作装置」を出願したが、これに示される構成では、軸主体の内部に未だ空間が存在しており、この空間の除去による軸の細径化についてはなお改善の余地があった。
【0007】本発明は、上記点に着目してなされたものであり、筆記具の押出操作にともなう作動部の周方向の移動が最小になるようにして、軸主体の太さを細くできる押出式筆記具を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1記載の発明における押出式筆記具は、外部に設けた操作片によって少なくとも前進方向に移動される複数の作動片を、筆記体を収納する中空の軸主体内にその内面に沿って進退自在に併置するとともに、各作動片をバネにより後方に付勢し、これら作動片の前方部分に前記軸主体の横断面方向に突出する第1凸部を設ける一方、この第1凸部から一定距離後方に同様に横断面方向に突出する第2凸部を設け、最も後退した位置における作動片の第1凸部に近接する軸主体の内周面に小径部を形成し、前記第2凸部の端縁にカム面を形成して、このカム面は第2凸部の形成部とこれに隣接する作動片の第2凸部の形成部との軸線方向の相対的接近により、前記形成部相互に対して前記横断面方向の推力を作用させる形状に形成され、前記各作動片に筆記体を連結可能としたことを特徴とするものである。
【0009】この構成によれば、作動片の第1凸部にカム面を設ける必要がなく、作動片が前進状態にあるときは、第2凸部を軸主体の小径部によって係止させるため、軸主体の内面の形状および作動片の形状を単純なものにすることができ、軸主体内面の空間を最小とすることによって、軸径を細くした押出式筆記具を提供することができる。
【0010】請求項2記載の発明は、作動片の第1凸部を具備した前方部分における横断面の周方向の大きさを、作動片に連結する筆記体の後端面の周方向の大きさに一致させたことを特徴とするものであり、収納する筆記体の径が設定された場合、作動片の周方向の大きさを筆記体の径まで縮小することができ、軸主体の径をその条件下で最小のものとすることができる。
【0011】請求項3記載の発明は、軸主体の前方部における筆記時のグリップ部またはその近傍に各操作片を露出させ、この操作片と作動片とを操作力伝達状態に連結したことを特徴とするものであり、軸主体を筆記状態に保持したままの手元操作で、筆記体の種類を変える操作、および筆記位置にある作動片の後退位置への復帰動作を簡単におこなうことができる。
【0012】上記における、操作片と作動片とを操作力伝達状態に連結した構成とは、連結片などで操作片と作動片とを連結する構成以外に、操作片が筆記体のレフィールに取り付けられ、このレフィールに作動片が連結された構成なども含むものである。
【0013】請求項4記載の発明は、作動片の後方に操作片を連設し、この操作片を軸主体に設けた透孔から外方に露出させたことを特徴とするものであり、作動片と操作片とを近接した状態で一体化できることにより、操作の確実性とともに構成の簡素化をはかることができる。
【0014】請求項5記載の発明は、作動片に連結する筆記体の少なくとも一つをシャープペンシルとし、このシャープペンシルの締め具受けの後端に作動片を取り付けたことを特徴とするものである。
【0015】通常、複合筆記具中に収納されたシャープペンシルは、芯ケースを保持して筆記する構成となっているため、強い筆圧を受けた場合、芯を挟持する力が弱いので、いわゆる芯すべり現象を起こすが、本発明の構成により、シャープペンシルの芯を挟持する力を単体のシャープペンシルと同等にすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の1実施形態について説明する。図1は本発明に係る押出式筆記具を正面からみた断面図であり、筆記体の前進方向へのスライド操作を筆記具の後端部に設けた操作片でおこなう例を示している。
【0017】押出式筆記具(1)は、後端開口部を後軸(3)で閉塞した円筒状の軸主体(2)の内部に筆記体である各々色の異なる4本のボールペン用のレフィール(4)(4´)を収納し、軸主体(2)の先端には、前記レフィール(4)の個々の先端筆記部(4a)が出没する開口(5a)を形成した軸主体よりやや径太の先軸(5)を嵌合配設した構成からなっている。
【0018】図2にその詳細を示すように、後軸(3)は、軸主体(2)の後端開口を支承部(6)で嵌合して閉塞するとともに後端を後方へ向けて筒状に延設しており、その後部開口にはレフィール(4)を筆記位置にスライドする操作片(7)(7´)を配設している。
【0019】各レフィール(4)の後部は、詳細を後述する作動片(8)の前端に一体に形成したレフィール受け(8d)に嵌合固定されており、さらに作動片(8)の後方には作動片を摺動移動させる軸(9)を一体に設け、この軸(9)を前記後軸(3)の支承部(6)を貫通して軸主体(2)の後部から突出させるとともに、この軸(9)に復帰用バネ(10)を添設している。
【0020】復帰用バネ(10)は圧縮バネであり、前記軸(9)を常時軸主体(2)の後方に引っ張る方向に付勢しており、この構成によって、レフィール(4)と係合している作動片(8)を、通常は軸主体(2)後部の支承部(6)の壁面に当接させて係止している。また、各軸(9)の後端には、キャップ状の操作片(7)を装着して軸(9)および復帰用バネ(10)の軸主体(2)からの突出部分を意匠的に覆うようにしている。
【0021】しかして、筆記具(1)の筆記状態は、図3、およびその要部の詳細図である図4に示す構成となり、筆記時における作動片(8)は、その斜視図を図6に示すように、後軸(3)の後方に設けた操作片(7)を親指などで押圧してスライド操作することにより、軸(9)を復帰用バネ(10)に抗して前方に摺動させ、対象とするレフィール(4)を出没、あるいは多色の切替動作をさせるものであり、軸方向に長い棒状をなし、その前方端部には、横断面の周方向の大きさをレフィール(4)の後端面の周方向の径の大きさに一致させた第1凸部(8a)を形成している。
【0022】この第1凸部(8a)を有する4本のレフィール(4)(4´)を束ねた場合の周方向の端部は、軸主体(2)の内周側壁とわずかの間隙を有してほぼ一致している。
【0023】上記により、多芯筆記具としては、軸主体(2)の太さを極限まで細くできるものである。もちろん、先端部近傍においては、筆記位置へ前進するレフィール(4)が軸の中心方向へ偏移するための最低限必要な空間が存在することは言うまでもない。
【0024】作動片(8)における第1凸部(8a)後方のレフィール切り換えのための作動距離に相当する位置には、周面が軸主体(2)の内周面に沿うほぼ90度の扇形をなし、突出面を傾斜カム面(8c)とした第2凸部(8b)を形成している。
【0025】円筒形の軸主体(2)内面の周方向に、4本のレフィール(4)に合わせて互いに内接する係合状態に併置されたこれら作動片(8)の第2凸部(8b)は、通常は前記復帰用バネ(10)による軸(9)の引っ張り作用と傾斜カム面(8c)によって、扇形が相互に隣接したほぼ円形状となって 前記支承部(6)に当接保持されている。
【0026】支承部(6)に当接状態にある作動片(8)の前記第1凸部(8a)後方の軸主体(2)には、内面周囲に段差を有してわずかに突出した小径部(11)を帯状に形成している。
【0027】図5に示すように、軸主体(2)の内径寸法が、レフィール4本の摺動が可能な径に形成されているのに対し、この小径部(11)の直径はそれより少し小径として、レフィール(4)と同径寸法の第1凸部(8a)が4つ併置できない寸法とし、筆記状態とするときに、一つのレフィールの作動片(8)を前方へ摺動させ、その第2凸部(8b)が小径部(11)を乗り越えて、第2凸部(8b)と他の作動片(8´)の第1凸部(8a´)とが軸線方向に相対接近した場合は、前記傾斜カム面(8c)によって相互に周方向への推力が作用され、他の作動片の第1凸部(8a´)と併置させるとともに、小径部(11)による段差がストッパーとなって操作片(7)の押圧を解除してもその筆記状態を保持するように構成されている。
【0028】そして、操作片(7)の押圧によりレフィール(4)を筆記状態とすべく作動片(8)のいずれかを前進させた場合には、第1凸部(8a)が他の第1凸部(8a´)より前方に移動することで軸主体(2)内の周方向に空間が生じ、ここに後方の第2凸部(8b)が前進してくる。第2凸部(8b)は軸主体の小径部(11)を通過して他の第1凸部(8a´)群に係合するが、傾斜カム面(8c)により他の第1凸部(8a´)を周方向へ押し出す作用をおこない、結果として、小径部(11)を乗り越えた時点で第2凸部(8b)が他の作動片(8´)の第1凸部(8a´)と併置状態になる。
【0029】この押出作用の後、操作力を解除すると、復帰バネ(10)の作用により、作動片(8)には後方への移動力が付勢されるが、他の作動片の第1凸部(8a)群と併置している第2凸部(8b)がその後方に位置する小径部(11)が形成する段部によって後方への移動を阻まれ、これにより、この作動片(8)に連結されているレフィール(4)は図4に示す状態となって、筆記位置で保持され、筆記が可能となるものである。
【0030】また、前記筆記状態において、他の作動片(8´)を前方へ移動させると、前記筆記位置にある作動片(8)の第2凸部(8b)を併置状態に支持していた他の第1凸部(8a´)群のひとつが前方へ抜け出ることにより、前記第2凸部(8b)が軸の中心方向へ移動して小径部(11)による段差を乗り越え、後方へ抜け出て後退し、支承部(6)に当接し復帰する。
【0031】このとき、前記他の作動片(8´)をそのまま前方位置まで移動させると、この作動片の第2凸部(8b´)は小径部(11)を乗り越えて他の第1凸部(8a´)群と併置状態になり、その後操作力を解除することによって前述と同様の作用により、この作動片(8´)に係合しているレフィール(4)が筆記位置に保持されることになる。
【0032】次に本発明の他の実施例について説明する。図7に示す筆記具(21)は、シャープペンシルとボールペンが摺動自在に配置されている複合多芯筆記具である。この場合、筆記具はシャープペンシルとボールペンが各1本ずつの組み合わせに限らず、複数種の芯径のシャープペンシルとボールペン、あるいは複数色のボールペンとシャープペンシルとのとの組み合わせであってもよい。
【0033】軸主体(22)のほぼ中央部における外部には、図8にその詳細を示すように、軸主体(22)の内部に設けた作動片(28)を前後に移動させてボールペンのレフィール(24)を図示しない先軸の先端から出没させ、筆記状態の保持あるいは解除をおこなう操作片(27)を設けている。この操作片(27)は、軸主体(22)の外面に穿設したガイドスリット(35)に摺動自在に係合している。
【0034】ガイドスリット(35)は、前記作動片(27)の後方における復帰状態から前方移動で係止する筆記状態までの移動に必要な長さとし、操作片(27)は軸主体(22)の長手方向に長い平板状をなして、その表面には指の掛かりが良好となるように凹凸あるいはローレット成形を施すとともに、作動片(28)の後方に位置しており、軸主体(22)内に設けた連結部(36)によって内外に亙って一体に連結して形成されている。
【0035】前記作動片(28)と連結片(36)は筒状をなし、個々のレフィール(24)を筒状部に挿通して保持するとともに、作動片(28)の外形は前記第1の実施例の作動片(8)と同様に、前方に第1凸部(28a)、および後方には傾斜カム面(28c)を有して筒体の外形寸法を第1凸部(28a)の外径よりわずかに大きく形成した第2凸部(28b)を設けている。
【0036】第1凸部(28a)と第2凸部(28b)とは筒状であることから両者はレフィール(24)の側部に対応して設けた接続片(28e)で一体に形成されており、第1凸部(28a)に対応するレフィール(24)の前方位置には外部表面に膨出するストッパ(24a)を形成っして作動片(28)に対するレフィールの後方移動を阻止している。
【0037】したがって、この実施例における第1凸部(28a)の周方向の外径は、前記実施例に比較して第1凸部の肉厚分だけ大きくなる。
【0038】そして、操作片(27)がガイドスリット(35)の後端に当接することで係止され、復帰状態にある作動片(28)の前記第1凸部(28a)に対応する部位には、軸主体(22)の内周側壁に段差を有して少許突出した小径部(31)を帯状に形成している。
【0039】なお、レフィール(24)の後方復帰位置への係止は、前述のように操作片(27)の後端をガイドスリット(35)の後端に当接させて係止させてもよく、またあるいは後述する他の実施形態の説明図である図10に示すように、軸主体の後端部に係止させてもよい。
【0040】本実施例においても前記第1の実施例構成と同様に、軸主体(22)はレフィール4本の摺動が可能な内径寸法とし、小径部(31)の内径についてはレフィール(24)を挿通した第1凸部(28a)が4つ横断面方向に併置可能な寸法とするとともに、筆記時に一つのレフィールの作動片(28)が前方へ摺動してその第2凸部(28b)が小径部(31)に近接した場合には、第2凸部(28b)が隣接する他のレフィール(24´)やシャープペンシル(34)の締め具受け(34a)の第1凸部(38a)に係合してこれをともに前方へ移動させ、移動によって第2凸部(28b)が小径部(31)を乗り越えた時点で、前方の拡径空間により他のレフィール(24´)の第1凸部(28a´)が後方に設けた復帰バネの作用で復帰位置に戻ることになる。
【0041】このレフィール(24)の押出作用の後、操作力を解除することにより作動片(28)には後方への移動力が付勢されるが、前方に押し出された第2凸部(28b)はその後方で周方向に密に連続して併置されている他の作動片の第1凸部(28a´)群によって後方への移動が阻まれる形となるとともに、小径部(31)による段差がストッパとなって後方への移動が阻まれ、操作片(27)の押圧を解除しても、その筆記状態を保持するように構成されている。
【0042】また、前記筆記状態において、他の作動片(28´)を前方移動させることによる作動片(28)や操作片(27)の復帰動作、および前記他の作動片(28´)をそのまま前方位置まで移動させることによるこの作動片に係合しているレフィール(24´)の筆記位置への保持作用は前述と同様である。
【0043】上記構成による筆記具(21)の組立は、以下のようにおこなうことができる。まず、操作片(27)と作動片(28)および連結片(36)からなる一体品の作動片および連結片の筒状部に、レフィール(24)をスペーサ(29)を介してそのストッパ(24a)が作動片(28)の前端部に当接する位置まで挿入して筆記体ユニットを形成する。そして、このユニットを軸主体(22)前方の開口より軸主体内へ収納し、操作片(27)をガイドスリット(35)部から外部へ引き出してユニットを軸主体(22)に保持するようにする。当然のことながら、スペーサ(29)(39)は、操作片(27)(37)がガイドスリット(35)の位置に来てから図示の位置に移動させる。
【0044】そして、図10に示すように、レフィール(24)の後端を軸主体(22)の後方に設けた支承部(26)の透孔を貫通し、あらかじめレフィール受け(51)に装着している復帰用バネ(60)の中を通して後端のレフィール受け(51)に係止させることによって、筆記体と操作機構部はすべて軸主体内および外部の操作位置に収納保持されることになり、軸主体(22)の前部開口に先軸を装着することで筆記具(21)としての組立を完了する。
【0045】次にシャープペンシルの構成について説明する。図7中、(34a)は金属やプラスチック製のパイプなどからなるシャープペンシル(34)の締め具受けであり、図示しないが前端は先端筆記具に結合している。(34b)は芯ケースであり、先端に図示しないチャック体を備えており、締め具受け(34a)内に挿通してノックすることにより鉛芯を繰り出すものである。
【0046】そして、締め具受け(34a)の後端部に、作動片(38)として一体に形成した第1凸部(38a)と第2凸部(38b)の筒状部を嵌入して固定し、この作動片(38)から所定距離後方の芯ケース(34b)には、ガイドスリット(35)から軸主体(22)の外部に位置する操作片(37)の筒状の保持部(37a)を固着し、スペーサ(39)を介してシャープペンシル(34)の筆記部を軸主体(22)内に摺動自在に保持している。
【0047】この作動片(38)における第1凸部(38a)と第2凸部(38b)の外形状と軸主体の小径部(31)との位置関係、および作動片(38)と操作片(37)の位置関係寸法は、前述のボールペン用の構成と同一にしている。
【0048】このとき、本発明においては、シャープペンシルの芯ケース(34b)に操作片(37)の保持部(37a)を嵌入して保持するようにしており、操作力を芯ケース(34b)から締め具受け(34a)後端に固着した作動片(38)に伝達するようにして、操作片(37)によるシャープペンシルの押出操作、および鉛芯の繰り出しノック操作を芯ケース(34b)を押圧して前方移動させることでおこなうようにしている。
【0049】通常、複合筆記具内にシャープペンシルを収納したものにおいては、収納された芯ケース自体を保持して筆記する構成であることから、鉛芯の挟持力が弱く、筆記時に鉛芯が押圧力で筆記具内に没入してしまう欠点が存在したが、本発明においては、上記構成により、シャープペンシルの芯を挟持する力を単体のシャープペンシルと同等にすることができ、複合筆記具におけるシャープペンシルの上記欠点が解消されるばかりでなく、操作片(37)に別体である作動片(38)を前進させる作用と芯ケース(34b)を前進させて芯を繰り出す双方の役割を担わせることができる。
【0050】さらに本発明の他の実施例について説明する。図10は、シャープペンシルとボールペンが摺動自在に配置されている複合筆記具の後端部における要部拡大図である。
【0051】軸主体(2)内に設けたボールペンのレフィール(24)は支承部(26)を貫通して軸主体(22)の背面開口を閉塞する後部キャップ(52)の位置まで延出しており、レフィール周囲に添設した復帰用バネ(60)の後端に装着したレフィール受け(51)を復帰用バネ(60)の伸張作用で後部キャップ(52)に当接させることで係止させているものである。
【0052】そして、軸主体内に、同様に収納されているシャープペンシルの芯ケース(34b)の後端は、前記後部キャップ(52)の後方に配置した筒状開口を有する受け部(53)に嵌入保持されているとともに、受け部(53)の後方に形成した凹部(54)には消しゴム(56)を保持しており、消しゴム(56)の外面はカバー体(55)で覆っている。
【0053】前記受け部(53)は、軸主体の支承部(26)との間に設けた復帰用バネ(60)の作用により、後部キャップ(52)の筒状内を所定長に亙って前後方向に摺動可能に設けられており、この摺動移動によって芯ケース(34b)をノック操作して前進させ、シャープペンシルの先軸から鉛芯を繰り出す作用をおこなう。
【0054】なお、前記実施例においては、鉛芯の繰り出し動作は受け部(53)の摺動作用によっておこない、作動片(38)の前進による筆記体の前後移動は軸主体(22)前方部の操作部(37)でおこなう形態としたが、これに限らず、前記受け部(53)の摺動作用によって、前記鉛芯繰り出し動作とともに作動片を前進させる動作をおこなわせてもよい。
【0055】以上、シャープペンシルの締め具受け(34a)の後端に作動片(38)を取り付け、芯ケース(34b)に操作片(37)を連結する例を示したが、操作片を締め具受けに取り付けるようにしてもよい。また、ボールペンのレフィール(24)の前進についても、操作片を作動片(28)の近傍ではなく、図3,4のように軸主体後部に設けて後方から操作するようにしてもよい。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明によれば、軸主体の内面の形状および作動片の形状を単純なものにすることができるため、軸主体内面の空間を最小とすることができ、軸径を細くした押出式筆記具を提供することができる。
【0057】請求項2の発明によれば、作動片の周方向の大きさを筆記体の後端面の大きさに一致するまで縮小でき、収納する筆記体の径が設定された場合、軸主体の径をその条件下で最小のものとすることができる。
【0058】請求項3の発明によれば、先端筆記部の出没や多色切替動作を、軸主体を都度持ち替えることなく筆記状態にグリップ保持したままでおこなうことができる。
【0059】請求項4の発明によれば、作動片と操作片とを近接した状態で一体化できることにより、操作の確実性とともに構成の簡素化をはかることができる請求項5の発明によれば、通常、複合筆記具中に収納されたシャープペンシルは、芯ケースを保持して筆記する構成となっているため、強い筆圧を受けた場合、芯を挟持する力が弱いので、いわゆる芯すべり現象を起こすが、この構成により、シャープペンシルの芯を挟持する力を単体のシャープペンシルと同等にすることができる。
【出願人】 【識別番号】598158048
【氏名又は名称】株式会社ジーエスピー研究所
【住所又は居所】京都市右京区嵯峨野神ノ木町2番地ノ4
【識別番号】390027351
【氏名又は名称】アンコス株式会社
【住所又は居所】兵庫県西宮市神呪町14番41号
【出願日】 平成14年2月15日(2002.2.15)
【代理人】 【識別番号】100059225
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 璋子 (外1名)
【公開番号】 特開2003−237290(P2003−237290A)
【公開日】 平成15年8月27日(2003.8.27)
【出願番号】 特願2002−39275(P2002−39275)