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【発明の名称】 ボールペン
【発明者】 【氏名】松川 亮
【住所又は居所】東京都江東区毛利2丁目10番18号 セーラー万年筆株式会社内

【要約】 【課題】構造が簡単で使い易い消しゴム内蔵型ボールペンを提供する。

【解決手段】インキ収容管に消しゴムで消せるインキが充填されたレフィールが軸筒内に収容されたキャップ付のボールペンにおいて、キャップの尾端部に二股部を形成し、この二股部に保持部材を回動可能に保持し、保持部材を180°回動させることにより、保持部材に保持された消しゴムがキャップの尾端から出没するようにする。二股部の内面に摺動突起を形成し、保持部材に摺動突起が摺動する円弧状の溝を形成するとともに、溝の両端に凹部を形成し、保持部材を回動させて消しゴムの軸線がキャップの軸線と一致したときに摺動突起がいずれかの凹部に嵌まり込んで保持部材の回動が阻止されて安定状態する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 インキ収容管に消しゴムで消せるインキが充填されたレフィールが軸筒内に収容されたキャップ付のボールペンにおいて、前記キャップの尾端部に二股部が形成され、該二股部に保持部材が回動可能に保持され、該保持部材を180°回動させることにより、保持部材に保持された消しゴムがキャップの尾端から出没することを特徴とするボールペン。
【請求項2】前記二股部の内面に摺動突起が形成され、該保持部材に該摺動突起が摺動する半円状の溝が形成されるとともに、該溝の両端に凹部が形成され、保持部材を回動させて消しゴムの軸線がキャップの軸線と一致したときに該摺動突起がいずれかの該凹部に嵌まり込んで保持部材の回動が阻止されて安定状態になることを特徴とする請求項1記載のボールペン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インキ収容管に消しゴムで消せるインキが充填されたレフィールが軸筒内に収容されたボールペンに関する。
【0002】
【従来の技術】ボールペンに使用される水性インキや油性インキは、インキの染料や顔料が紙面の繊維間にしみ込むため、筆跡を消しゴムで消すことができない問題点があった。しかし最近では、インクの紙面への浸透性を低くし、顔料が紙面の繊維間にしみ込みにくくし、消しゴムで消せるインキが開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかるインキを使用するボールペンは、消しゴム内蔵型にすると便利であるが、簡単な構造で使い易い消しゴム内蔵型ボールペンにするのは困難であった。そこで本発明は、構造が簡単で使い易い消しゴム内蔵型ボールペンを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するために、請求項1の発明は、インキ収容管に消しゴムで消せるインキが充填されたレフィールが軸筒内に収容されたキャップ付のボールペンにおいて、キャップの尾端部に二股部を形成し、この二股部に保持部材を回動可能に保持し、保持部材を180°回動させることにより、保持部材に保持された消しゴムがキャップの尾端から出没するようにする。また、請求項2の発明のように、二股部の内面に摺動突起を形成し、保持部材に摺動突起が摺動する半円状の溝を形成するとともに、溝の両端に凹部を形成し、保持部材を回動させて消しゴムの軸線がキャップの軸線と一致したときに摺動突起がいずれかの凹部に嵌まり込んで保持部材の回動が阻止されて安定状態するのが望ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、図面に基づいて本発明の実施の形態を具体的に説明する。図1において、合成樹脂で成形された軸筒10の先端開口に先口18が螺着され、尾端開口に尾栓19が嵌着されている。軸筒10の先端近傍には、非使用時にキャップ30を装着するための先端係止部11が形成されている。また、軸筒10の尾端近傍には、筆記時にキャップ30を嵌着するための尾端係止部12が形成されている。
【0006】かかる軸筒10内に、ボールペンレフィール20が収容されている。ボールペンレフィール20のインキ収容管21の先端開口に継手22が嵌着され、継手22の中心孔にボールペンチップであるボールペン体23が嵌着されている。インキ収容管21内には消しゴムで消すことができるインキIが充填され、インキIの後端にはグリース状の逆流防止体25が配置されている。また、逆流防止体25内には、円筒状の駒26が配置されている。そして、ボールペン体23は先口18の先端開口から突出している。
【0007】消しゴムで消せるインキIは、着色剤である顔料、樹脂、増粘剤、水溶性溶剤を含み、必要に応じて分散剤、防腐剤などを含有し、静的には高い粘性を有し、筆記時のボールの回転により粘性が低下するゲルインキである。顔料は平均粒子径が2〜20mμのものを使用し、紙面への浸透性を低くして紙面の繊維間にしみ込みにくくし、かつ顔料の沈降を抑えるために、粘度を1000〜4000mPa・s(20℃)に調整してある。そして、樹脂は、紙面に定着したインキが造膜し、かつ擦ると容易に破壊されるようなものを使用している。従って、その筆跡は消しゴムにより容易に消すことができる。逆流防止体25は、ポリブデン、シリコーンオイル、鉱物油などを主成分とし、シリカゲル、金属石鹸などで適度に増粘させたものである。駒26は、その比重が逆流防止体25の比重とほぼ同等になっている。
【0008】ボールペン体23はステンレスにて砲弾型に成形されたものであり、ボールペン体23先端のボールハウス内に、例えば外径が0.5mmであり、超硬合金からなるボール24が回転自由に抱持されている。ボールペン体23内には小さなスプリング(図示せず)が配置されており、ボール24はこのスプリングで弾発され、非筆記時においてボールペン体23先端の内向き突起に圧接している。つまり、ボール24とボールペン体23先端の内向き突起により弁機構を構成しており、非筆記時は弁が閉じてインキがボールペン体23先端から流出せず、また、上向きにしたときも弁が閉じているのでボールペン体23先端から空気が内部に侵入しないようになっている。そして、筆記時においては、筆圧によりボール24が後退して弁が開き、インキが流出するようになっている。
【0009】合成樹脂にてクリップ37が一体に成形されたキャップ30の内部奥底にはシール体保持リブ38が形成されており、例えばシリコンゴムのような軟弾性体からなる球状のシール体39がシール体保持リブ38で保持されている。そして、キャップ30を軸筒10の先端に装着すると、ボールペン体23の先端がシール体39に埋没してシールされる。キャップ30の尾端面には、図2に示すように、一対の縦壁からなる二股部31、31が一体に形成されている。この二股部31、31にはピン孔32、32が対向して穿設されており、ピン孔32の近傍に内向きの摺動突起33が形成されている。
【0010】保持部材40は、図3に示すように、底面40aが円弧状をした箱体であり、内面に複数本の消しゴム保持リブ44が放射状に形成されている。保持部材40の外面には、ピン孔32に対応する一対の回動ピン41が立設されている。そして、回動ピン41の周囲には、摺動突起33に対応する半円状の溝42が形成されており、溝42の両端に貫通孔である凹部43、43が形成されている。そして、図4に示すように、円柱状の消しゴム50が消しゴム保持リブ44によって保持部材40から半分以上露出した状態で保持されている。消しゴム50の外径は二股部31の横幅よりも僅かに小さくなっている。
【0011】回動ピン41、41がピン孔32、32に嵌め込まれて消しゴム50を保持した保持部材40が二股部31に回動可能に保持されている。このとき、摺動突起33が溝42に嵌め込まれており、保持部材40の回動時に摺動突起33が溝42の内面に沿って摺動する。つまり、保持部材40は適度の摺動抵抗を伴って回動し、不用意に回動しないようになっている。
【0012】消しゴム50を使用しないときは、図1および図4(A)に示すように、保持部材40の底面40aが露出し、消しゴム50は二股部31の間に隠れている。このとき、消しゴム50の軸線はキャップ30の軸線と一致し、摺動突起33が溝42端部の一方の凹部43に嵌め込まれて安定状態になり、所定のモーメントを加えないと保持部材40は回動しない。
【0013】次に消しゴム50を使用するときは、図1および図4(A)に示す状態から所定のモーメントを加えて保持部材40を180°回動させ、図4(B)および図5に示すように、消しゴム50を露出させる。このときも消しゴム50の軸線はキャップ30の軸線と一致し、摺動突起33が溝42端部の他方の凹部43に嵌め込まれて安定状態になり、所定のモーメントを加えないと保持部材40は回動しない。従って、安定的に消しゴム50を使用することができる。このように、保持部材40を180°回動させることにより、消しゴム50がキャップ30の尾端から出没するので、極めて簡単な操作で消しゴム50を使用することができる。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、インキ収容管に消しゴムで消せるインキが充填されたレフィールが軸筒内に収容されたキャップ付のボールペンにおいて、キャップの尾端部に二股部を形成し、この二股部に保持部材を回動可能に保持し、保持部材を180°回動させることにより、保持部材に保持された消しゴムがキャップの尾端から出没するようにするので、構造が簡単で使い易い消しゴム内蔵型ボールペンとすることができる。
【出願人】 【識別番号】000002314
【氏名又は名称】セーラー万年筆株式会社
【住所又は居所】東京都江東区毛利2丁目10番18号
【出願日】 平成14年2月18日(2002.2.18)
【代理人】 【識別番号】100084113
【弁理士】
【氏名又は名称】田原 寅之助
【公開番号】 特開2003−237289(P2003−237289A)
【公開日】 平成15年8月27日(2003.8.27)
【出願番号】 特願2002−39406(P2002−39406)