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【発明の名称】 ダブルチャック式シャープペンシル
【発明者】 【氏名】新井 幸夫
【住所又は居所】埼玉県川越市大字鯨井138番地 株式会社壽川越工場内

【氏名】小高 忠夫
【住所又は居所】埼玉県川越市大字鯨井138番地 株式会社壽川越工場内

【要約】 【課題】クッション式ダブルチャックシャープペンシルにおいては、部品点数が多く構造が複雑であるため、折れ芯の除去等の分解作業性が悪く、かつセンター出しも困難であった。

【解決手段】軸筒1の先端部に取り外し可能に設けられた先具3と、外部から操作されて軸筒内を長手方向に摺動する芯タンク4と、この芯タンクの先端に直接もしくは間接に設けられた芯繰り出しチャック5と、この繰り出しチャックに遊嵌されたチャックリング6と、上記先具と繰り出しチャックとの間に摺動可能に設けられたスリーブ7と、このスリーブの先端部に固設された先端チャック10と、上記スリーブと芯タンクの先端との間に設けられたリターンスプリング8と、上記先具とスリーブとの間に設けられた先端スプリング13と、先具と芯タンクとの間に設けられたストッパ筒14と、このストッパ筒とスリーブの後端との間に設けられたクッションスプリング15とから構成されてなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 芯タンクに設けられた芯繰り出し用の繰り出しチャックと、繰り出しチャックの前方においてスリーブ受けに設けられた芯保持用の先端チャックとからなるダブルチャック式シャープペンシルにおいて、スリーブ受けを有する先端チャックユニットと、スリーブを有する繰り出しチャックユニットとを、軸筒の先部に設けられた先具内で当接可能としたことを特徴とするダブルチャックシャープペンシル。
【請求項2】 軸筒の先部に取り外し可能に設けられた先具と、外部から操作されて軸筒内を長手方向に摺動する芯タンクと、この芯タンクの先端に直接もしくは間接に固設された繰り出しチャックと、この繰り出しチャックに遊嵌されたチャックリングと、上記先具と繰り出しチャックとの間に設けられたスリーブと、このスリーブの先端に当接しかつ先部に先端チャックが固設されたスリーブ受けと、上記スリーブと芯タンクの先端との間に設けられたリターンスプリングと、上記先具とスリーブとの間に設けられた先端スプリングと、芯タンクの外側に設けられかつ先具の後部に係合されたストッパ筒とから構成されてなることを特徴とするダブルチャック式シャープペンシル。
【請求項3】 前記スリーブの後端とストッパ筒の前端との間にクッションスプリングを設けてなる請求項1記載のダブルチャック式シャープペンシル。
【請求項4】 前記先具はストッパ筒がねじりにより係合される係合孔を有し、この係合孔は先具の後端縁から前方に向かって形成された導入孔と、この導入孔の後端から側方に曲折された横孔と、ストッパ筒の係合突起が係合する最奥の係止孔とからなる請求項1記載のダブルチャック式シャープペンシル。
【請求項5】 前記ストッパ筒は後部周壁部に長手方向の突条を形成してなる請求項1記載のダブルチャック式シャープペンシル。
【請求項6】 前記先端リングは、先具の内側に当接しかつ先端スプリングを受ける環状凸部を外周に備えてなる請求項1記載のダブルチャック式シャープペンシル。
【請求項7】 軸筒の先部に螺合により設けられた先具と、外部から操作されて軸筒内を長手方向に摺動する芯タンクと、この芯タンクの先端に直接もしくは間接に固設された繰り出しチャックと、この繰り出しチャックに遊嵌されたチャックリングと、上記先具と繰り出しチャックとの間に設けられたスリーブと、このスリーブの先端に当接しかつ先部に先端チャックが固設されたスリーブ受けと、上記スリーブと芯タンクの先端との間に設けられたリターンスプリングと、上記先具とスリーブとの間に設けられた先端スプリングと、芯タンクの外側に設けられかつ軸筒と先具との各内周部とに螺合する中ねじ部材とから構成されてなることを特徴とするダブルチャック式シャープペンシル。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する分野】この発明は、芯繰り出し用の繰り出しチャックと芯保持用の先端チャックとからなるダブルチャック式シャープペンシルに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ロス芯(残留芯)を少なくするという観点から、芯繰り出し用のチャックと芯保持用のチャックとを備えたいわゆるダブルチャック式シャープペンシルが種々提案されている。しかしながら、このような従来のダブルチャック式シャープペンシルは、芯繰り出し用のチャック機構と芯保持用のチャック機構とを備えた複雑な構造であるところから、次のような問題が生じていた。
【0003】まず、この種のダブルチャック式シャープペンシルは、加工精度が要求される先端チャック(口金)の不具合が製造工程において発見された場合、構造が複雑で各部品がユニット化されているため、他の先端チャックとの交換が容易でなかった。また、構造上部品が幾重にも重なってしまい内部機構自体の外径が大きくなるため、その結果完成品であるシャープペンシルの外径も小さくすることが出来なかった。
【0004】さらに、使用者が過ってシャープペンシルを落下させてしまい、チャック内部で芯が折れて芯詰まりを起こしても、内部機構が完全にユニット化されてしまっているので、各部品を簡単に分解して折れ芯を内部から除去することが困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明は、上記従来のダブルチャック式シャープペンシルの欠点を解消したものであって、製造過程において先端チャックの不具合が発見された場合には、新しい部品との交換が容易にでき、かつ折れ芯が芯詰まりを起こしても分解が容易にでき簡単に折れ芯を除去することのできるダブルチャック式シャープペンシルをを提供することを目的とする。
【0006】さらに、この発明は、先具(先金)にストッパ筒を介して繰り出しチャック等からなるメカユニットをツイスト(ねじり)式で先具に固定させることで、今までは前軸がボールペン用とシャープペン用で2種類必要であったが、前軸を両者に共用出来るために、生産性が良くかつ工程管理がし易いダブルチャック式シャープペンシルを提供することを目的とする。
【0007】また、この発明は、完全ユニット式内部機構をセパレート式内部機構にすることによってスリーブ受け、スリーブ、ストッパ筒の各成形部品の偏心(偏肉)を少なくし、芯が通過するためのセンターが出し易いダブルチャック式シャープペンシルを提供することを目的とする。
【0008】さらに、この発明は、ダブルチャック式シャープペンシルの場合、最先端の芯が摩耗して次の芯に切り替わる際に、先端チャックが開放された状態でも芯抵抗があるため、芯繰り出しチャックは出来るだけセンターを保ち、芯を送ることが望ましい。例えば、繰り出しチャックとプラスチック製の芯タンクとの圧入が斜めの場合や、ノックの圧力が強いと芯タンクが撓むため繰り出しチャックが振動してしまい、1本目の芯から2本目の芯に切り替わる時、1本目の芯の後部センターを外して押して送ることがあるため、2本目の芯が出にくいという問題があった。そのため、先具を長くしてさらにストッパ筒を後方に設けることでノック時の芯タンクの撓みを小さくして振動を少なくし、芯を確実に送れるようにしたダブルチャック式シャープペンシルを提供することを目的とする。
【0009】さらに、この発明は、内部機構の外径を極力小さくすることができるので、その結果、完成品の外径も小さくすることができるダブルチャック式シャープペンシルを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、この発明によれば、芯タンクに設けられた芯繰り出し用の繰り出しチャックと、繰り出しチャックの前方においてスリーブ受けに設けられた芯保持用の先端チャックとからなるダブルチャック式シャープペンシルにおいて、スリーブ受けを有する先端チャックユニットと、スリーブを有する繰り出しチャックユニットとを、軸筒の先部に設けられた先具内で当接可能としたダブルチャック式シャープペンシルが提供される。
【0011】さらに、この発明によれば、軸筒の先部に取り外し可能に設けられた先具と、外部から操作されて軸筒内を長手方向に摺動する芯タンクと、この芯タンクの先端に直接もしくは間接に固設された繰り出しチャックと、この繰り出しチャックに遊嵌されたチャックリングと、上記先具と繰り出しチャックとの間に設けられたスリーブと、このスリーブの先端に当接しかつ先部に先端チャックが固設されたスリーブ受けと、上記スリーブと芯タンクの先端との間に設けられたリターンスプリングと、上記先具とスリーブとの間に設けられた先端スプリングと、芯タンクの外側に設けられかつ先具の後部に係合されたストッパ筒とから構成されてなるダブルチャック式シャープペンシルが提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照してこの発明の実施の形態によるダブルチャック式シャープペンシルを詳細に説明する。図1および図2は、この発明のダブルチャック式シャープペンシルの完成品を示し、他方図3〜図14は、その各部品をそれぞれ示す。
【0013】まず、シャープペンシルの本体を構成する軸筒は、後部外周にフランジ1aを有する前軸1と、フランジ1aに先端が当接・位置決めされた後軸2とからなる。即ち、前軸1は、クリップ21を備えた後軸2と相互に回転自在に構成されてなる。そして、前軸1の前部には先具3が螺合により取り外し可能に設けられている。
【0014】図11〜図14に図示されたように、先具3はその後部の外径が前軸1のめねじに螺合するおねじ31を有し、かつ後端部には後述するストッパ筒14の一対の係合突起141が移動可能に係合する一対の係合孔32が形成されている。より詳しく述べると、この係合孔32は先具3の後端縁から前方に向かって形成された導入孔321と、この導入孔321の先端から側方に曲折されて形成された横孔321とその奥の係止孔323とからなる。
【0015】即ち、先具3にストッパ筒14を組み込む時には、上記導入孔321を利用してストッパ筒14の一対の係合突起141を前方向に押し込み、これらの係合突起141が導入孔322の最深部に当接せしめる。その後、ストッパ筒14を導入孔322に曲折して連続的に形成された横孔322の側に回転して収納せしめる。すると、係合突起141は係止孔323の後端によって移動を規制される。なお、図13において符号324は、後述する先端リング11のフランジ111が当接して先端リング11が抜け落ちないように形成された環状段部である。
【0016】また、軸筒内には、複数の芯が収納可能な芯タンク4が摺動可能に設けられている。そして、この芯タンク4の先部内には後部が圧入された繰り出しチャック5が固設されている。この繰り出しチャック5の3つにすり割されたチャック部にはチャックリング6が遊嵌されている。さらに、繰り出しチャック5の外側には内周中間に内フランジ7aが形成されたスリーブ7が設けられている。この内フランジ7aと芯タンク4の先端面との間にはリターンチャックスプリング8が装着され、繰り出しチャック5と共に芯タンク4を後方に付勢している。
【0017】なお、スリーブ7の先端に当接して、図3及び図4に示すようなスリーブ受け9が設けられている。このスリーブ受け9は、先端部に縮径の取付部91を備えている。そして、この取付部91には芯保持用の先端チャック10が圧入・固設されており、その後方の中間部92内には弾性摩擦部材であるパッキン12が装着されている。また、スリーブ受け9の後部内周には、ノック操作時にチャックリングが6が当接してチャックが開放されるためのストッパ用の内側段部93が形成されている。
【0018】さらに、先具3の先端部内周と先端チャック10との間には図5および図6に示された先端リング11が設けられている。この先端リング11は、先具3内に組み込まれた時、その先端開口から抜け落ちないようにストッパ用のフランジ111を有している。そして、このフランジ111の前面は、当接する先具3の先端内壁に合わせて前方に向かって下降する傾斜面を有している。
【0019】また、この先端リング11のフランジ111とスリーブ受け9の先部の取付部の外側段部94との間には先端スプリング13が装着されている。即ち、先具3の先端部開口には、この部分を保護するための先端リング11が設けられて先端チャック10の外側と当接している。なお、先端チャック10は前端開口から離間して先具3の開口からの落下を防止するためのストッパ用の段部91が形成されている。
【0020】また、スリーブ7の後方の前軸1内側には、図7〜図10に示すようなストッパ筒14が設けられいる。このストッパ筒14は、前部外壁に設けられた一対の係合突起141が設けられている。そして、上述したようにストッパ筒14の一対の係合突起141は、先具3の後部取付部に形成された係合孔32に係合され、この係合孔32の最奥の係止孔323内に収納される。なお、ストッパ筒14の側壁には、長手方向に複数の突条142が形成され、組立時にこのストッパ筒14を指先で摘み易くしている。
【0021】そして、このストッパ筒14の前端面とスリーブ7の後端面との間には、過大筆圧を吸収するためのクッションスプリング15が装着されている。なお、図7及び図10において、符号143はストッパ筒14の成形時にコアピンの倒れを防止するために、キャビティの内側に設けられた突き出しピンによって形成された円穴である。
【0022】一方、後軸2の後部には、後述する回転繰り出し式の消しゴム繰り出し機構16が、ノック受け台17を介して取り外し可能に設けられている。即ち、芯タンク4の後端部外側には、ノック受け台17の取り付け脚部171が取り付けられている。そしてこのノック受け台17の受け部172には、消しゴム繰り出し機構16が取り外し可能に設けられている。なお、図中符号18は、前軸1のグリップ部分に装着されたグリップカバーである。
【0023】以下、上記発明の実施の形態によるダブルチャック式シャープペンシルの動作について説明する。まず、予めシャープペンシルの後部に取り付けられた消しゴム繰り出し機構16をノック受け台17から後方に引き抜き、ノック受け台17を介して芯タンク4内に複数の筆記芯を充填し、再び消しゴム繰り出し機構16の脚部をノック受け台17に差し込む。
【0024】その後、後端をノック操作すると、ノック受け台17を介して芯タンク4がリターンスプリング8の後方への付勢力に抗して前進せしめられる。すると、この芯タンク4の先端に固設された繰り出しチャック5も共に前進される。この前進過程でチャック5の先部に遊嵌されたチャックリング6がスリーブ受け9の内側に形成された段部93(図4)に当接して係止される。この状態で更にチャック5が前進せしめられると、チャックリング6がチャック5から外れチャック5は解放されるので芯は自重で落下・前進される。
【0025】上記ノック操作を繰り返されると、チャック5は芯を挟持した状態で前進・解放されるので芯はさらに前進して先端チャック10から保持状態で突出し、筆記が可能な状態となる。なお、筆記終了後は、再度ノックした状態で突出した芯を紙面等に当接して押し込めノックを解除すれば突出した芯は内部に収納される。なお、芯タンク4内の芯が無くなった場合には、ノック受け台17から消しゴム繰り出し機構16を抜き取り、後方より芯タンク4内に適宜芯を充填すれば良い。
【0026】なお、上記実施の形態によるリターンスプリング8と、先端スプリング13と、クッションスプリング15の弾発力は、リターンスプリング>先端スプリング>クッションスプリングに設定すると良い。
【0027】さらに、図15〜図18はこの発明の他の実施の形態によるダブルチャック式シャープペンシル及びその部品を示す図である。この場合、先具3の製造には金型が必要ない挽き物の先具3を用いているので少量生産やモデルチェンジにも対応できる。即ち、先具3は図16に示すようにその外形は前方に向かって次第に縮径とされ、内部には前方に向かって段部31が形成されている。従って、上記実施の形態のものと比べて構造がシンプルであるので、金型によらないで挽き物の先具3によって多品種少量の先具3の製造が可能となる利点がある。
【0028】即ち、この先具3内の後端から離間した内周にはめねじ32が形成されている。そして、このめねじ32には中ねじ部材16の前部外周に形成されたおねじ161と螺合する。即ち、中ねじ部材16は、後端に内フランジ162を備え、更にその後方に前軸1の内周に形成されためねじ1bと螺合するおねじ163を有している。
【0029】このように、中ねじ部材16を介して先具3と前軸1とが螺合構造にて組み立てられるので、構造が簡単なので金型によらないで挽き物で先具の製造が可能となり、組立も簡単かつ確実に行える利点がある。
【0030】
【発明の効果】この発明は、上記した通りの構成であるので、製造工程において先端チャックの不具合が発見された場合、他のものとの交換が容易になると共に、内部機構の外径が小さくなるため、完成製品の外径も小さく出来るというデザイン上の効果もある。
【0031】さらに、この発明によれば、使用者がシャープペンシルを過って落下させてしまい、チャック内部で芯が折れて芯詰まりを起こしても簡単に折れ芯を除去出来るという効果もある。
【0032】またさらに、この発明によれば、先具にメカユニットをツイスト式で固定させることで、前軸をボールペン用とシャープペン用の両者に共用出来るため、生産性が良く、かつ工程管理がし易いという効果もある。
【0033】またさらに、この発明によれば、ユニット式内部機構ををセパレート式内部機構にした方がスリーブ受け、スリーブ、ストッパ筒の各部品の成形部品の偏心(偏肉)を少なくし、センターが出し易いという効果もある。
【0034】またさらに、この発明によれば、1本目の芯から2本目の芯に切り替わる際に、ダブルチャックの場合、チャックが開放された状態でも芯抵抗があるため、芯を送るチャックは出来るだけセンターを保ち芯を送ることが望ましい。例えば、チャックとプラ芯パイプの圧入が斜めの場合や、ノックの圧力が強いとプラ芯パイプが撓むためチャックが振動してしまい、1本目の芯から2本目の芯に切り替わる時、1本目の芯の後部センターを外して押して送る時があるため、2本目の芯が出にくいという問題があった。そのため、先具を長くしてさらにストッパ筒を後方に設けることでノック時芯タンクの撓みを小さくして振動を少なくし、芯が確実に送れるという効果もある。
【0035】さらにまた、この発明によれば金型によらないで挽き物の先具を用いることもできるので、多品種少量の先具の製造が可能となるという効果もある。
【出願人】 【識別番号】000156134
【氏名又は名称】株式会社壽
【住所又は居所】京都府京都市北区紫竹西栗栖町13
【出願日】 平成14年7月18日(2002.7.18)
【代理人】 【識別番号】100069914
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 信雄
【公開番号】 特開2003−237285(P2003−237285A)
【公開日】 平成15年8月27日(2003.8.27)
【出願番号】 特願2002−209244(P2002−209244)