トップ :: B 処理操作 運輸 :: B43 筆記用または製図用の器具;机上付属具




【発明の名称】 筆記具及びその筆記具用グリップ
【発明者】 【氏名】村上 路枝
【住所又は居所】東京都新宿区東五軒町2番9号 ゼブラ株式会社内

【氏名】光谷 良英
【住所又は居所】埼玉県川越市大字鯨井138番地 株式会社壽川越工場内

【要約】 【課題】トルマリンを利用した筆記具であって、放射線を発生する物質を励起材として使用するのではなく、筆記時の軸筒に作用する使用者の把持力による圧力を利用することにより、放射能の放射のおそれがなく、しかしながら、トルマリンの有効な効果を引き出して、使用者に提供することができる筆記具とする。

【解決手段】筆記部11と軸筒12とを有し、少なくとも、軸筒12の使用者把持部位14に、使用者の把持によって加圧されるトルマリン含有体となった筆記具用グリップ16が装着される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 筆記部と軸筒とを有し、少なくとも、軸筒の使用者把持部位が、使用者の把持によって加圧されるトルマリン含有体で構成された筆記具。
【請求項2】 前記トルマリン含有体は、その全重量の5〜15重量%のトルマリンを含有する請求項1記載の筆記具。
【請求項3】 筆記具の少なくとも使用者把持部位に装着される筆記具用グリップであって、使用者の把持によって加圧されるトルマリン含有体で構成された筆記具用グリップ。
【請求項4】 前記トルマリン含有体は、その全重量の5〜15重量%のトルマリンを含有する請求項3記載の筆記具用グリップ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筆記具及び筆記具用グリップに関し、特にトルマリンを含有する筆記具及び筆記具用グリップに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、トルマリンがマイナスイオンを発生するものとして注目されており、トルマリンを利用した種々の製品が発表されている。このトルマリンは、電気石とも言われ、極性結晶体の鉱石であり、空気中の水分と接触することにより、水を電気分解させて、その結果としてマイナスイオンを発生すると言われている。
【0003】しかしながら、トルマリンが大きな電気分極を持つといっても、そのままでは、マイナスイオンはほとんど発生しないことが分かっており、トルマリンを外的にエネルギを与えて励起させる必要がある。最も効果的に励起させる方法として、放射線照射による励起が知られている。例えば、特開2001−19420公報は、トルマリンの粉体と、励起剤の粉体とを混合することによって、マイナスイオンの発生を促進させることを開示しており、励起剤として放射線を放出するデービド鉱、ブランネル石、センウラン鉱、ニンギョウ石、インカイウラン石、カルノー石、ツャムン石、メタツャムン石、フランセビル石、トール石、コフィン石、サマルスキー石、トリウム石、トロゴム石、モズナ石等の微粉末またはこれらを一部含む微粉末を用いている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】大きなマイナスイオン発生効果を出そうとすれば、放射線を放出する励起剤を多く含有させる必要があり、その結果、製品から検出される放射能が高くなるという問題がある。その一方で、安全性を高めて放射能を低く抑えようとすれば、マイナスイオン発生効果を期待することはできず、トルマリンを含有する意味がなくなってしまう。
【0005】本発明はかかる従来のトルマリンを含む製品の問題点に鑑みなされたもので、トルマリンを別の観点から利用することにより、新規な筆記具を提供することができることに知見して、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明では、放射線を発生する物質を励起材として使用するのではなく、筆記時の軸筒に作用する使用者の把持力による圧力を利用することにより、放射能の放射のおそれがなく、しかしながら、トルマリンの有効な効果を引き出して、使用者に提供することができる筆記具とすることを目的とするものであり、その目的を達成するために、本発明の筆記具は、筆記部と軸筒とを有し、少なくとも、軸筒の使用者把持部位が、使用者の把持によって加圧されるトルマリン含有体で構成されたことを特徴とする。
【0007】トルマリンには圧電効果があることが知られており、圧力をかけることにより、電気が発生し、この電気エネルギーが遠赤外線に変換されることが知られている。本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、使用者の把持による加圧がトルマリンの圧電効果を引き出しうることを見い出した。筆記時に繰り返し把持力による圧力をトルマリン含有体が受けることで、遠赤外線効果を発揮し、その使用者の把持する手及び身体を芯から暖めることができる。さらに前述のようなトルマリンの電気分極によって微弱電流が身体を流れ、これが神経系統に伝えられて新陳代謝や血液循環を活発にする。これらの複合効果によって、使用者の身体を暖め、発汗作用を促し、肩こりや息切れ等の諸症状を緩和する効果を持たせることができる。
【0008】このように、本発明では、励起剤として放射能を発生する材料を一切使用しないでよいため、高い安全性を有する製品を使用者に提供することができる。
【0009】軸筒においてトルマリン含有体で構成された使用者把持部位としては、軸筒の使用者把持部位に設けられるグリップ部とすることができ、例えば、主として軟質材料で構成され、筆記具の使用者把持部位に装着される筆記具用グリップ自体とすることができる。グリップ部または筆記具用グリップを構成する軟質材料としては、天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性エラストマーまたはシリコーンゴム等の材料とすることができる。
【0010】トルマリン含有体は、トルマリンをトルマリン含有体の全重量の5〜15重量%含有するとよく、特に、約8〜10重量%含有すると好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態を表す図であり、筆記具10は、筆記部11と、軸筒12とを有している。この例では、筆記部11は、軸筒12内に収納されたボールペンレフィールの先端となっており、筆記具10はボールペンとなっている。もちろんこれに限ることなく、筆記具として、シャープペンシル、マーカーペン、フェルトペン、万年筆等の任意の筆記具とすることができ、それぞれ対応する筆記芯、ペン体等の筆記部を有することができる。また、軸筒12は、一体品として構成してもよく、またはこの図示例のように複数の部品を連結することにより一体的に構成することとしてもよい。
【0012】軸筒12の先端部分は、使用者が筆記具10を使用する際に、使用者の手指で把持する部分となる使用者把持部位14となっている。そして、その把持部位14の部分は、他の軸筒12の部分とは異なり、主として軟質材料からなる筆記具用グリップ16となっており、その筆記具用グリップ16は、トルマリンを含有するトルマリン含有体となっている。この場合、筆記具用グリップ16は、軸筒12の他の部分とは別部品となっており、軸筒12の把持部位14に装着されている。装着を確実に行うために、軸筒12の対応する部分に凹部を形成して、その凹部に筆記具用グリップ16を装着するとよい。
【0013】また、図示のように軸筒12の把持部位14以外と把持部位14とをそれぞれ異なる部品で構成する他に、任意には軸筒12の把持部位14以外の少なくとも一部の部分を把持部位14と一体に構成してもよく、さらにその場合、把持部位14と一体に構成される部分をトルマリンを含有するトルマリン含有体で構成してもよく、またはトルマリン含有体で構成しなくてもよい。また、その場合、軸筒12の把持部位14以外の少なくとも一部の部分は、把持部位14と同様の軟質材料から主として構成してもよく、または、把持部位14とは異なる硬質材料から主として構成してもよい。そして、軸筒12の把持部位14以外の少なくとも一部の部分を把持部位14と異なる材料で一体に構成する場合には、二色成形またはインサート成形等の手法により形成してもよい。
【0014】トルマリン含有体は、トルマリンを、全体の重量の5〜15重量%含有させるとよく、特に、約8〜10重量%位が最適である。
【0015】
【実施例】トルマリンを含有するトルマリン含有体としての筆記具用グリップを以下の通り製造した。
【0016】
実施例1 オレフィン系熱可塑性エラストマー(商品名「ラバロンMJ7301C」 三菱化学(株)製) 90.25重量% 顔料 0.72重量% トルマリン 9.03重量%以上の材料を混合して成形し、筒状のトルマリン含有体である筆記具用グリップ16を製造した。このトルマリン含有体である筆記具用グリップ16を軸筒12の対応する部分に装着して、把持部位14とした。この軸筒12を使用して、筆記を行い、筆記開始時と筆記開始後15分経過後の手の体温をそれぞれサーモグラフを用いて計測した。その結果を図2に示す。図2において、濃淡の濃度の低い方がより温度の高いことを示している。図2から明らかなように、筆記の際に、把持部位14を把持することによってトルマリン含有体が圧力を受け、遠赤外線効果により、その使用者の把持する手及び身体を芯から暖めることができることが分かる。
【0017】一方、筆記による運動により、単純に体温が上昇することも当然に予測される。そこでトルマリンによる効果を検証するために、トルマリンを含有しない次の筆記具用グリップを製造して、比較を行った。
【0018】
比較例1 オレフィン系熱可塑性エラストマー(商品名「ラバロンMJ7301C」 三菱化学(株)製) 99.2重量% 顔料 0.8重量%この比較例1による筆記具用グリップを同様に、軸筒12の対応する部分に装着して、把持部位14として、筆記開始時と筆記開始後15分経過後の手の体温をそれぞれサーモグラフを用いて計測した。その結果を図3に示す。図3を図2と比較すると、その体温上昇が図2の場合よりも小さく、実施例1と比較例1との間に有意な差異があることが分かった。
【0019】また、実施例1で用いたトルマリン含有体である筆記具用グリップから放射される放射線の線量当量を測定した結果、検出不能、即ちほぼ0(Sv)であることも確認された。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、放射線を発生する物質を励起材として使用するのではなく、筆記時の軸筒に作用する使用者の把持力による圧力を利用することによって、圧電効果を引き起こし、この圧電効果による遠赤外線効果により、使用者に肩こりや息切れ等の諸症状を緩和する効果を与えることができる。こうして安全性が高く、且つトルマリンの効果を発揮させることができて付加価値の高い製品を使用者に提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000108328
【氏名又は名称】ゼブラ株式会社
【住所又は居所】東京都新宿区東五軒町2番9号
【識別番号】000156134
【氏名又は名称】株式会社壽
【住所又は居所】京都府京都市北区紫竹西栗栖町13
【出願日】 平成13年11月7日(2001.11.7)
【代理人】 【識別番号】100097250
【弁理士】
【氏名又は名称】石戸 久子 (外3名)
【公開番号】 特開2003−145988(P2003−145988A)
【公開日】 平成15年5月21日(2003.5.21)
【出願番号】 特願2001−341972(P2001−341972)