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【発明の名称】 筆記具用グリップ
【発明者】 【氏名】松川 亮
【住所又は居所】東京都江東区毛利2丁目10番18号 セーラー万年筆株式会社内

【要約】 【課題】グリップが比較的硬質の合成樹脂で成形で成形されている場合において、組立ての容易さと確実な保持を両立させることが可能な筆記具用グリップを提供する。

【解決手段】軸筒10の把持部分に形成された小径部11に嵌め込まれ、小径部の先端に形成された円環突起13と後端に形成された段部12で挟圧されて保持される筆記具用グリップにおいて、グリップ20の開口部内面に外部に向かって広がるテーパー部22を形成するとともに、円環突起の前方に小径円環突起14を連設し、円環突起と小径部外周面の半径の差をL3、円環突起と小径円環突起の半径の差をL1、グリップ内周面の半径とグリップ開口部の最大半径の差をL2とするとき、L3>L2>L1 かつ L2>(L3−L1)を満たすようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 軸筒の把持部分に形成された小径部に嵌め込まれ、小径部の先端に形成された円環突起と後端に形成された段部で挟圧されて保持される筆記具用グリップにおいて、前記グリップの開口部内面に外部に向かって広がるテーパー部が形成されるとともに、該円環突起の前方に小径円環突起が連設され、前記円環突起と該小径部外周面の半径の差をL3、円環突起と小径円環突起の半径の差をL1、グリップ内周面の半径とグリップ開口部の最大半径の差をL2とするとき、L3>L2>L1 かつ L2>(L3−L1)
であることを特徴とする筆記具用グリップ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筆記具の軸筒の把持部外周に配置される筒状のグリップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】筆記時に指先を軸筒に確実にフィットさせて書き易くするために軸筒の把持部外周に弾性に富んだ材料からなる筒状のグリップが配置されることが多い。また、このグリップを軸筒に取り付けることにより、外観形状が変化に富むので、意匠的要素としての機能も有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】筒状のグリップを軸筒に保持する構造は、軸筒の把持部分に小径部を形成し、この小径部に嵌め込まれたグリップを小径部の先端に形成された円環突起と後端に形成された段部で挟圧して保持するものが多い。従って、組立時には、軸筒の前方からグリップを差し込み、グリップを弾性変形させて内径を拡開させた状態で円環突起を乗り越えて小径部に嵌め込む。
【0004】このため、グリップがシリコンゴムのように弾性に富んだ材料で形成されている場合は比較的容易に組立てることができるが、比較的硬質の合成樹脂で成形されている場合は、弾性変形量が少ないので、円環突起とグリップが嵌め込まれる小径部外周面の半径の差、つまり小径部の外周面から円環突起の頂部までの高さが大きいとグリップを大きく弾性変形させる必要があるので組立てが困難である。しかし、この高さを低くすると使用中にグリップが抜け落ち易い不具合が生じる。すなわち、グリップが比較的硬質の合成樹脂で成形で成形されている場合は、組立ての容易さと確実な保持を両立させるのはなかなか困難である。
【0005】そこで本発明は、グリップが比較的硬質の合成樹脂で成形で成形されている場合において、組立ての容易さと確実な保持を両立させることが可能な筆記具用グリップを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するために、本発明は、軸筒の把持部分に形成された小径部に嵌め込まれ、小径部の先端に形成された円環突起と後端に形成された段部で挟圧されて保持される筆記具用グリップにおいて、グリップの開口部内面に外部に向かって広がるテーパー部を形成するとともに、円環突起の前方に小径円環突起を連設し、円環突起と小径部外周面の半径の差をL3、円環突起と小径円環突起の半径の差をL1、グリップ内周面の半径とグリップ開口部の最大半径の差をL2とするとき、L3>L2>L1、かつ、L2>(L3−L1)を満たすようにする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、図面に基づいて本発明の実施の形態を具体的に説明する。図5はグリップ20を軸筒10に組み付けた状態を示すが、軸筒10の筆記時における把持部に形成された小径部に嵌め込まれたグリップ20は、小径部の先端に形成された円環突起13と後端に形成された段部12で挟圧されて保持されている。そして、軸筒10の先端には先口30が螺着されている。
【0008】図1は軸筒10の要部の断面図を示すが、軸筒10の筆記時の把持部には小径部11が形成されている。そして、小径部11の尾端側に段部12が形成され、小径部11の前方側に円環突起13が形成されている。つまり、小径部11は段部12と円環突起13で画定されている。また、円環突起13の前方には小径円環突起14が一体に連設されている。なお、円環突起13と小径部11外周面の半径の差、つまり小径部11外周面から円環突起13の頂部までの高さがL3であり、円環突起13と小径円環突起14の半径の差、つまり円環突起13の頂部と小径円環突起14の頂部の高さの差がL1である。小径部11の外周面には、嵌め込まれたグリップ20が回転しないように、微小な縦リブ15が複数本形成されており、更には、軸筒10の先端には先口用ねじ16が形成されている。
【0009】グリップ20は、比較的硬質な合成樹脂にて筒状に成形されたものであり、図2に示すように、外周面には円環状の滑り止め突起21が複数個形成されている。グリップ20の長さは段部12と円環突起13との間の長さに等しく、グリップ20内周の半径は小径部11の半径に等しい。そして、グリップ20の開口部内面には、外側に向けて広がるテーパー部22が形成されている。なお、テーパー部22は片側の開口部内面のみに設けてもよいが、テーパー部22を片側の開口部内面のみに設けると、グリップ20は前後に非対称になって組立て時に前後の方向性を確認する必要があるので、両側の開口部内面に設けるのがよい。そして、グリップ20内周面の半径とグリップ開口部の最大半径の差がL2である。ここで、L1、L2、L3の間には、L3>L2>L1、かつ、L2>(L3−L1)の関係が満たされている。
【0010】しかして、組立てに際しては、軸筒10の先端部をグリップ20内に挿入するが、L2>(L3−L1)であるので、つまり、グリップ20の内径は小径円環突起14の外径よりも小さいが、グリップ20開口部の最大内径が小径円環突起14の外径よりも大きいので、小径円環突起14の縁部はグリップ20内に入り込んでテーパー部22に当接する。この状態でグリップ20を押し込むとグリップ20は弾性変形して前進し、図3に示すように、グリップ20の内周面は小径円環突起14の外周面に当接する。
【0011】更には、L2>L1であるので、円環突起13の縁部は、図3に示すように、グリップ20内に入り込んでテーパー部22に当接する。この状態でグリップ20を押し込むとグリップ20は更に弾性変形し、グリップ20の内周面が円環突起13の外周面に当接した状態で前進する。そして、グリップ20が円環突起13を乗り越えると、グリップ20はその弾性変形が復元して小径部11に嵌め込まれる。
【0012】このように、小径円環突起14の縁部および円環突起13の縁部が組立て過程において、いずれもグリップ20の端面に当ることなくテーパー部22に当り、かつ、グリップ20は2段階にわたって弾性変形して内径が拡大するので、グリップが比較的硬質の合成樹脂で成形されて弾性変形しにくい場合においても、容易に組立てることができる。そして、L3>L2であるので、図4に示すように、グリップ20の端部が円環突起13の側面に当接し、使用中に脱落することを確実に防止することかできる。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、軸筒の把持部分に形成された小径部に嵌め込まれ、小径部の先端に形成された円環突起と後端に形成された段部で挟圧されて保持される筆記具用グリップにおいて、グリップの開口部内面に外部に向かって広がるテーパー部を形成するとともに、円環突起の前方に小径円環突起を連設し、円環突起と小径部外周面の半径の差をL3、円環突起と小径円環突起の半径の差をL1、グリップ内周面の半径とグリップ開口部の最大半径の差をL2とするとき、L3>L2>L1、かつ、L2>(L3−L1)を満たすので、グリップが比較的硬質の合成樹脂で成形で成形されている場合において、組立ての容易さと確実な保持を両立させることが可能な筆記具用グリップとすることができる。
【出願人】 【識別番号】000002314
【氏名又は名称】セーラー万年筆株式会社
【住所又は居所】東京都江東区毛利2丁目10番18号
【出願日】 平成13年11月19日(2001.11.19)
【代理人】 【識別番号】100084113
【弁理士】
【氏名又は名称】田原 寅之助
【公開番号】 特開2003−145983(P2003−145983A)
【公開日】 平成15年5月21日(2003.5.21)
【出願番号】 特願2001−352488(P2001−352488)