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【発明の名称】 ファイル
【発明者】 【氏名】細川 裕子
【住所又は居所】大阪市東成区大今里南6丁目1番1号 コクヨ株式会社内

【氏名】西川 雅章
【住所又は居所】大阪市阿倍野区阪南町1丁目9番2号 マルニ株式会社内

【要約】 【課題】表裏対をなす表表紙部及び裏表紙部、又はそれらに加えて背表紙部を有するファイル本体と、このファイル本体の表表紙部、裏表紙部又は背表紙部のいずれかの表面又は内面に接着されるシート材とを備えたファイルにおいて、使用者や内部に綴じた用紙等に対する安全性が高く、外観も良好なファイルを提供する。

【解決手段】シート材3、4の周縁部の又は一部31、41a、41b、41cに対応するファイル本体2の表面23a又は内面21bの一部を窪ませた凹部25、27を形成し、シート材3の周縁部において反貼り付け面3a、4aに表出する突部32、42の頂部32a、42aがそれに対応するファイル本体2の表面23a又は内面21bと略面一乃至低くなるように、そのシート材3、4の周縁部を凹部25、27内に位置づけてファイル本体2に接着した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】表裏対をなす表表紙部及び裏表紙部、又は表表紙部と裏表紙部と背表紙部とを有するファイル本体と、このファイル本体の表表紙部、裏表紙部又は背表紙部のいずれかの表面又は内面に接着されるシート材とを備え、シート材の一部を、その表面に突部を形成してファイル本体に接着したファイルにおいて、前記シート材の周縁部の全部又は一部に対応するファイル本体の表面又は内面の一部を窪ませた凹部を形成し、シート材の周縁部において反貼り付け面側に表出する突部の頂部がそれに対応するファイル本体の表面又は内面と略面一乃至低くなるように、該シート材の周縁部を前記凹部内に位置づけてファイル本体に接着していることを特徴とするファイル。
【請求項2】シート材の周縁部を前記凹部内でファイル本体と部分的に加圧し加熱等して溶着することにより接着している請求項1記載のファイル。
【請求項3】表表紙部の一部又は裏表紙部の一部にその厚みを貫通する開口窓を形成するとともに、該開口窓を塞ぐ位置にシート材を配置し、このシート材の周縁部の略全域に対応する表表紙部又は裏表紙部の表面又は内面に前記凹部を形成し、該凹部内においてシート材の周縁部の略全域を接着している請求項1又は2記載のファイル。
【請求項4】シート材を、表表紙部又は裏表紙部の内面側に接着している請求項3記載のファイル。
【請求項5】シート材の周縁部のうち一部にファイル本体に接着されない非接着部を設け、シート材とそれを接着したファイル本体の部位とによって、前記非接着部とファイル本体の表面又は内面との間にシート状をなす他の部材を挿入し得るポケット部を形成している請求項1、2、3又は4記載のファイル。
【請求項6】ファイル本体が、発泡樹脂素材からなるものである請求項1、2、3、4又は5記載のファイル。
【請求項7】シート材が透明又は半透明の樹脂フィルムからなるものである請求項1、2、3、4、5又は6記載のファイル。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、用紙や用紙を収容する用紙ホルダ等を保持するファイルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種のファイルには、表表紙部及び裏表紙部、又は表表紙部及び裏表紙部と背表紙部とを有するファイル本体に、それとは別体をなすシート材を接着したものがある。このようなものとしては、例えば、ファイル本体のうち表表紙部にその厚みを貫通する開口窓を設けるとともに、この開口窓をシート材によって塞ぎ、ファイルを閉じた状態でも、開口窓を通じてそのファイルに綴じている用紙等の内容物を外部から視認可能としたものや、ファイル本体の表表紙部又は裏表紙部の表面又は内面、あるいは背表紙部の表面等にシート材をその周縁部の一部を除いて接着してポケット部を形成し、このポケット部にネームカード等を差し込むことによってファイルに綴じた書類タイトル等を表示するようにしたもの等が挙げられる。このようなファイルでは、ファイル本体にシート材を溶着等の手段により接着しているのが通例である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなファイルでは、シート材をファイル本体に接着する際に、その接着部分に連続した凹凸を形成する場合がある。これは、シート材をファイル本体に溶着により接着する場合に生じる形状であるが、このような凹凸形状は、極めて幅の狭い範囲での溶着を実現し、しかも溶着部位の見栄えの良さと溶着強度の良好さをも実現するために採用される溶着手法によって形成される。その際、例えばシート材の周縁部に沿って所定ピッチで連続的に加圧及び加熱することによりシート材をファイル本体に溶着した場合に特に顕著に凹凸形状が生じる。ところが、このような凹凸が生じていると、例えばシート材をファイル本体の内面側に接着している場合には、その凹凸によってファイルに綴じられた用紙や用紙ホルダの表面に跡や傷が付く可能性がある。また、シート材をファイル本体の表面側に設けているか内面側に設けているかを問わず、凹凸の凸部分が鋭利な形状となっていると、ファイルの使用者が指に怪我をしかねないと考えられる。
【0004】そこで本発明は、以上のような問題に鑑みて、使用者や内部に綴じた用紙等に対する安全性が高く、外観も良好なファイルを提供することを主たる目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明のファイルは、表裏対をなす表表紙部及び裏表紙部、又はそれらに加えて背表紙部を有するファイル本体と、このファイル本体の表表紙部、裏表紙部又は背表紙部のいずれかの表面又は内面に接着されるシート材とを備え、シート材を、その表面に突部を形成してファイル本体に接着したファイルであって、シート材の周縁部の全部又は一部に対応するファイル本体の表面又は内面の一部を窪ませた凹部を形成し、シート材の周縁部において反貼り付け面に表出する突部の頂部がそれに対応するファイル本体の表面又は内面と略面一乃至低くなるように、そのシート材の周縁部を凹部内に位置づけてファイル本体に接着していることを特徴とするものである。
【0006】このような構成のファイルであれば、接着手段の如何を問わず、シート材をファイル本体に接着する際に生じた突部がファイル本体に形成した凹部内に略埋没する状態となる。したがって、シート材をファイル本体の内面側に接着した場合には、突部によって生じていたファイルに綴じた用紙や用紙ホルダへの傷付を容易に防止することができ、シート材をファイル本体の表面側に接着した場合には、例えばファイルを棚などに収納した際にこのファイルに隣接配置される他のファイル等の物品の表面への傷付を防止することができる。さらに、シート材がファイルの表面側又は内面側のいずれに接着した場合であっても、使用者が指を突部に引っ掛けて怪我をする可能性も有効に予防することができる。
【0007】このようなファイルによる有用性は、特に鋭利な突部が生じやすい、シート材の周縁部を凹部内でファイル本体と部分的に加圧し加熱等して溶着した場合に極めて効果的である。溶着方法には、この他にも例えば超音波溶着も含まれる。
【0008】シート材のファイル本体に対する配置態様の一例としては、表表紙部の一部又は裏表紙部の一部にその厚みを貫通する開口窓を形成するとともに、この開口窓を塞ぐ位置にシート材を配置し、このシート材の周縁部の略全域に対応する表表紙部又は裏表紙部の表面又は内面に凹部を形成し、この凹部内においてシート材の周縁部の略全域を接着したものが挙げられる。この場合、ファイルの外観を良好なものとし、さらに内部の用紙等への損傷を有効に防止するには、シート材を、表表紙部又は裏表紙部の内面側に接着するとよい。
【0009】シート材のファイル本体に対する他の配置態様の例としては、シート材の周縁部のうち一部にファイル本体に接着されない非接着部を設け、シート材とそれを接着したファイル本体の部位とによって、非接着部とファイル本体の表面又は内面との間にシート状をなす他の部材を挿入し得るポケット部を形成したものが挙げられる。
【0010】以上のファイルでは、ファイル本体の表面又は内面に凹部が形成されるが、凹部を形成した面とは反対側の面にその凹部の痕跡を表出させないようにするには、ファイル本体を、発泡樹脂素材から形成することが好ましい。一方、上記開口窓やポケット部の本来の機能を有用なものとするには、シート材を透明又は半透明の樹脂フィルムから形成することが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0012】図1に示す本実施形態のファイル1は、内部に図示しない用紙等を綴じることができるようにしたものであって、樹脂製のファイル本体2を主体とし、このファイル本体2に、2種類のシート材3、4を接着し、さらに用紙等を綴じるための綴じ具5を設けた構成を有するものである。
【0013】まず、ファイル本体2は、図1及び図2に示すように、例えばA4規格の用紙等に対応するサイズを有するものであり、いずれも概略矩形板状の表表紙部21及び裏表紙部22、及び所定の収容枚数に対応する幅の矩形板状の背表紙部23を一体に備えている。このファイル本体2は、発泡樹脂素材の一体成形品であり、表表紙部21と背表紙部23、及び裏表紙部22と背表紙部23を区分する境界部分を若干薄肉として、その部分で折り曲げ可能なヒンジ部2a、2bを形成している。また、表表紙部21には、表表紙部21と裏表紙部22とを対向させたファイル1を閉じた状態において、裏表紙部22の内面側又は綴じ具5に綴じた用紙等の最表面を外部から視認可能とする概略矩形状をなす開口窓24を厚み方向に貫通させて形成している。なお、この開口窓24は、後述する第1のシート材3によって塞がれる。また、表表紙部21の内面21bにおける開口窓24の周縁部の周囲には、図3、図4、図5及び図6に示すように、第1のシート材3の形状及び大きさに対応して開口窓24よりも一回り大きい概略矩形状をなす凹部25を形成している。なお、図6は、凹部25の近傍を拡大して示す概略的な斜視図である。この凹部25は、表表紙部21の内面21bに対して成形時に所定の圧力を加えることによって内面21bを部分的に凹没させて形成したものであり、その凹没深さは例えば表表紙部21の厚み寸法の略半分として、表面21a側には至らないようにしている。また、背表紙部23の表面23aには、図1、図3及び図4に示すように、後述する第2のシート材4を取り付けることによって、ポケット部26を形成しており、このポケット部26に、ファイル本体2の内側に綴じた用紙等からなる書類のタイトル等を記載したネームカード等(図示省略)を収納できるようにしている。そして、背表紙部23の表面23aには、第2のシート材4の形状及び大きさに対応して正面視縦長のU字形状をなす凹部27を形成している。この凹部27も、前記凹部25と同様に、その凹没深さを例えば背表紙部23の厚み寸法の略半分として、裏面23b側には至らないようにしている。なお、第2のシート材4の上縁部41aに対応する部位には凹部27を形成していないのは、この部位には第2のシート材4を接着せずに、前記ネームカード等をポケット部26に出し入れするためである。
【0014】第1のシート材3は、上述したように開口窓24よりも一回り大きい概略矩形状をなす樹脂製透明フィルムからなるものである。そしてその周縁部31の全域を、図5(a)に示すように開口窓24の周囲の凹部25内に位置づけて第1のシート材3側から所定の圧力を掛け、さらに加熱することによって、凹部25内で表表紙部21に溶着する。このとき、加圧及び加熱により、第1のシート材3の周縁部31に沿って、所定ピッチで連続的に第1のシート材3の反接着面3a側に突出する突部32が多数形成されるような溶着方法を採用している。そして、図5(b)に示すように、この突部32の高さが凹部25の深さと略同一となり、突部32の頂部32aが表表紙部21の内面21aと略面一となるように、突部32の全体を凹部25に埋没させている。
【0015】第2のシート材4も、前記第1のシート材3と同様の樹脂製透明フィルムからなり、背表紙部23の形状に対応して縦長の概略矩形状をなすものである。そして、この第2のシート材4の周縁部における上縁部41aを除く下縁部41b及び両側縁部41cを、背表紙部23に形成した凹部27に位置付けてこの凹部27内に溶着している。なお、この溶着方法は、第1のシート材3の凹部25に対する溶着方法と同様である。したがって、第2のシート材4の下縁部41b及び両側縁部41cにも第1のシート材3の周縁部31と同様の突部42が反接着面4a側に連続的に形成されており、この突部42が凹部27に埋没して、突部42の頂部42aが背表紙部23の表面23aと略面一となるようにしている。なお、第2のシート材4の周縁部における上縁部41aに、概略半円形状をなす切り欠き部41dを形成しているのは、この切り欠き部41dを通じてポケット部26へのネームカード等の出し入れを容易にするためである。
【0016】綴じ具5は、本実施形態では背表紙部23の内面側に配置されるベース部51を複数のリベット53を用いて背表紙部23に固定し、このベース部51に複数のリング52を操作部54の操作により開閉可能に設けた一般的なリング式の綴じ具5であるため、詳細な説明は省略する。なお、綴じ具としては、このような構成のもの以外にも、用紙等を綴じる機能を有するものであれば種々のものを適用することができる。
【0017】以上のような構成からなる本実施形態のファイル1では、ファイル本体2の表表紙部21及び裏表紙部23にそれぞれシート材3、4を貼り付けているが、それらシート材3、4の周縁部31、41b、41cが位置付けられる箇所に凹部25、27を形成し、この凹部25、27内でシート材3、4をファイル本体2に溶着により接着している。そして、その溶着時に、シート材3、4の周縁部31、41b、41cに形成される突部32、42の頂部32a、42aが、表表紙部21の内面21a及び背表紙部23の表面23aと略面一となるようにしているので、突部がそれら内面21aや表面23aよりも突出することがない。そのため、特に表表紙部21の内面21a側では、溶着により形成される第1のシート材3の突部32によって、ファイル本体2の内側に綴じられた用紙や用紙ホルダ等の表面に傷が生じるのを有効に防止することができる。また、第1のシート材3及び第2のシート材4のいずれの突部32も、凹部25、27内に略面一になっているので、この突部25、27に使用者が指を引っ掛けて怪我をするような自己も未然に防止することが可能である。
【0018】また、ファイル本体2は、発泡樹脂成形品であるため、凹部25、27の痕跡がそれらを形成したのとは反対側の面、すなわち、表表紙部21の表面21a及び背表紙部23の内面23bに表出しにくいため、ファイル1の外観を極めて良好に保つことができる。
【0019】さらに、第1のシート材3は、表表紙部21に形成される開口窓24を閉塞するものであり、また第2のシート材4は、背表紙部23に形成されるポケット部26を構成するものであって、何れのシート材3、4も透明な樹脂フィルムから形成したものであるため、開口窓24を通じて閉じたファイル本体2の内部を外部から見えるようにしたり、ポケット部26の内部に挿入したネームカードを外部から見えるようにするという、窓部24やポケット部26の本来の機能を有効なものとすることができる。
【0020】なお、本発明は上述した実施形態に限られるものではなく、ファイル本体を紙製としてシート材を接着する態様を採用することもできるし、突部を上述したような間欠的に形成するのではなく、直線状又は曲線状に連続的に形成することもできる。また、ファイル本体の各部の大きさや構成、窓部やポケット部の有無あるいは位置、シート材の数や配置箇所など、各部の具体的構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0021】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明のファイルは、ファイル本体の表面又は内面に、ファイル本体に形成される開口窓の閉塞用やネームカードを差し込むポケット部の形成用等の種々の用途で別体をなすシート材を接着するに際して、ファイル本体に接着されるべきシート材の周縁部の全部又は一部に対応する箇所に、表面又は内面の一部を凹没させて凹部を形成し、この凹部内にシート材の周縁部を接着することで、その接着箇所においてシートにの形成される突部の頂部が、ファイル本体の表面又は内面と略面一となるかそれよりも低くなるように構成したものである。このため、ファイル本体の表面又は内面から接着時に形成されたシート材の突部が突出することがなく、従来の問題点であったファイル内部に閉じた用紙の表面等への傷付きや、使用者の怪我、棚等への収納時の他のファイル等への傷付きを有効に防止することが可能である。
【出願人】 【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市東成区大今里南6丁目1番1号
【識別番号】000157681
【氏名又は名称】マルニ株式会社
【住所又は居所】大阪市阿倍野区阪南町1丁目9番2号
【出願日】 平成14年5月27日(2002.5.27)
【代理人】 【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博 (外1名)
【公開番号】 特開2003−341269(P2003−341269A)
【公開日】 平成15年12月3日(2003.12.3)
【出願番号】 特願2002−152521(P2002−152521)