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【発明の名称】 クリップおよびクリップ拡開用ガイド
【発明者】 【氏名】野畑 義昭

【要約】 【課題】クリップ挟入装置を使用して装着されるクリップでありながら、挟入装置無しでも簡単に挟持物に装着することができるクリップ、および、そのクリップ挟入装置のクリップ拡開用ガイドに関する。

【解決手段】クリップ102の先端端縁は前後にずれて形成され、且つ、その上下突起部21、22は、その端縁が互いに交差するように形成されている。クリップ拡開用ガイド502は、上下ガイド52、53から構成され、上ガイド52、52の内端の離間距離GWuが、下ガイド53、53の内端の離間距離GWdよりも大きくなるように、上下ガイドが配置されている。また、ガイド502の上ガイド(板バネ)弾性開始点54uと下ガイド(板バネ)弾性開始点54dとが前後にずれて形成され、且つ、上下ガイドの元端56u、56dも前後にずれて形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 クリップ拡開用ガイドを備えたクリップ挟入装置を使用して書類等挟持物に装着可能なクリップであって、弾性を有する板状部材が、上挟持板11と下挟持板12および前記上挟持板11と下挟持板12の背面側で連結される背板14から成り、前記上挟持板11と下挟持板12の先端が閉じて挟み込み可能となるように断面が略コの字状に形成されたクリップにおいて、前記下挟持板12の先端が上挟持板11の先端から、平面上、挟持物を挿入する方向と平行に所定の長さだけ長く延びて突出し、前記上挟持板11および下挟持板12の各々の先端付近両脇に、所定の幅Wtuを有する上挟持板突起部21、21および、所定の幅Wtdを有する下挟持板突起部22、22とをそれぞれ備え、前記下挟持板突起部22の幅Wtdが上突起部先端端縁27uと下突起部先端端縁27uとの離間距離Lffよりも大きく、且つ上挟持板突起部21が下挟持板突起部22よりも背板と略平行になる方向に長く延び、上挟持板突起部21の突出長さLtuが下挟持板突起部22の突出長さLtdよりも大きくなるように形成されることで、前記上突起部先端端縁27uと下突起部側端端縁28dとが所定の角度をもって平面上交差する上下端縁交差部25を少なくとも一以上備えたことを特徴とするクリップ。
【請求項2】 前記上挟持板11からの上突起部21の突出長さLtuが必要最小限、すなわち、少なくてもクリップ拡開用ガイドに接触して拡開できる突出長さが確保され、且つ、前記上挟持板突起部21背面側の上突起部後端端縁29uの位置において、上挟持板11の幅Wuが下挟持板12の幅Wdより大きくなるように上下挟持板が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のクリップ。
【請求項3】 クリップ拡開用ガイドを備えたクリップ挟入装置を使用して書類等挟持物に装着可能なクリップであって、弾性を有する板状部材が、上挟持板11と下挟持板12および前記上挟持板11と下挟持板12の背面側で連結される背板14から成り、前記上挟持板11と下挟持板12の先端が閉じて挟み込み可能となるように断面が略コの字状に形成されたクリップにおいて、前記上挟持板11および下挟持板12の各々の先端付近両脇に、所定の形状を有する上挟持板突起部21、21および下挟持板突起部22、22とをそれぞれ備え、前記上挟持板突起部21の先端端縁27uと、前記下挟持板突起部22の後端端縁29dとが所定の離間距離Lbfを確保できるように、下挟持板12を上挟持板11よりも長く延伸させることで、前記上挟持板突起部21の先端端縁27uと、下挟持板側端端縁16dとが所定の角度をもって平面上交差する上下端縁交差部25を少なくとも一以上備えたことを特徴とするクリップ。
【請求項4】 請求項1ないし3に記載のクリップを、書類等挟持物に装着可能にするためのクリップ挟入装置のクリップ拡開用ガイドであって、挟持物挿入口側であるケース先端付近の内部両側に設けられた一対のクリップ拡開用ガイド51が、板バネ等弾性片で形成され、上ガイド52および下ガイド53から成り、且つ先端が開いた上下一対のガイドとして形成され、且つ、それぞれのガイドがケース本体に固定されるガイド係止部57と弾性片の弾性力に応じて変形するガイド弾性部分58とで形成され、前記下ガイド53の弾性部分の開始点である下ガイド(板バネ)弾性開始点54dが、前記上ガイド52の弾性部分の開始点である上ガイド(板バネ)弾性開始点54uよりも、平面上、所定の距離だけ先端側に離間して位置するように上下ガイド52、52、53、53が構成されたことを特徴とするクリップ拡開用ガイド。
【請求項5】 請求項1または2に記載のクリップを、書類等挟持物に装着可能にするためのクリップ挟入装置のクリップ拡開用ガイドであって、挟持物挿入口側であるケース先端付近の内部両側に設けられた一対のクリップ拡開用ガイド51が、板バネ等弾性片で形成され、上ガイド52および下ガイド53から成り、且つ先端が開いた上下一対のガイドとして形成され、且つ、それぞれのガイドがケース本体に固定されるガイド係止部57と弾性片の弾性力に応じて変形するガイド弾性部分58とで形成され、前記両側に位置する上ガイド52、52の内端相互の離間距離GWuが、前記両側に位置する下ガイド53、53の内端相互の離間距離GWdよりも大きくなるように上下ガイド52、52、53、53が配置されたことを特徴とするクリップ拡開用ガイド。
【請求項6】 前記クリップ拡開用ガイド51にあって、前記下ガイド53の元端(クリップ挿入開始点)56dが、前記上ガイド52の元端(クリップ挿入開始点)56uよりも、平面上、所定の距離だけ挟持物挿入口側に離間して位置するように上下ガイド52、52、53、53が構成されたことを特徴とする請求項4または5に記載のクリップ拡開用ガイド。
【請求項7】 前記クリップ拡開用ガイド51にあって、前記上ガイド52の元端(クリップ挿入開始点)56uを下方に折り曲げる、あるいは、斜め下方に傾斜する面を形成することで、上ガイド元端にガイド上面が下方に傾斜するガイド元端テーパー部60を備えている、および/または、前記下ガイドの元端(クリップ挿入開始点)56dを上方に折り曲げる、あるいは斜め上方に傾斜する面を形成することで、下ガイド元端にガイド下面が上方に傾斜するガイド元端テーパー部60を備えていることを特徴とする請求項5または6に記載のクリップ拡開用ガイド。
【請求項8】 請求項3に記載のクリップを、書類等挟持物に装着可能にするためのクリップ挟入装置のクリップ拡開用ガイドであって、挟持物挿入口側であるケース先端付近の内部両側に設けられた一対のクリップ拡開用ガイド51が、板バネ等弾性片で形成され、上ガイド52および下ガイド53から成り、且つ先端が開いた上下一対のガイドとして形成され、且つ、それぞれのガイドがケース本体に固定されるガイド係止部57と弾性片の弾性力に応じて変形するガイド弾性部分58とで形成され、下ガイド先端(クリップ開放端)55dが上ガイド先端(クリップ開放端)55uよりも、平面上、挟持物挿入口側に所定の距離だけ離間して位置するように上下ガイド52、52、53、53が構成されたことを特徴とするクリップ拡開用ガイド。
【請求項9】 前記クリップ拡開用ガイド51にあって、前記下ガイド53の弾性部分の開始点である下ガイド(板バネ)弾性開始点54dが、前記上ガイド52の弾性部分の開始点である上ガイド(板バネ)弾性開始点54uよりも、平面上、所定の距離だけ先端側に離間して位置するように上下ガイド52、52、53、53が構成されたことを特徴とする請求項5ないし8に記載のクリップ拡開用ガイド。
【請求項10】 前記クリップ拡開用ガイド51にあって、下ガイド先端(クリップ開放端)55dが上ガイド先端(クリップ開放端)55uよりも、平面上、挟持物挿入口側に所定の距離だけ離間して位置するように上下ガイド52、52、53、53が構成されたことを特徴とするクリップ請求項4ないし7、または9に記載のクリップ拡開用ガイド。
【請求項11】 前記クリップ拡開用ガイド51にあって、前記上ガイド52または下ガイド53のガイド弾性部分58dが、固定された板状部材で略水平に形成されたことを特徴とする請求項4ないし10に記載のクリップ拡開用ガイド。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクリップに関し、より詳細には、クリップ挟入装置を使用して装着されるクリップでありながら、挟入装置無しでも簡単に挟持物に装着することができるクリップ、および、そのクリップ挟入装置のクリップ拡開用ガイドに関する。
【0002】
【従来の技術】手動式のクリップ挟入装置に関しては、過去に数多くの発明、考案がなされ、その多くが実際に商品化されている。その基本原理は殆ど同一であり、図37ないし図39に示した通りである。また、前記手動式のクリップ挟入装置を使用して書類等を挟持するクリップの基本形態は、図36に示したように、弾性を有する略板状の部材で先端が閉じた略コの字状に形成されている。その挟持板先端両脇に設けられた突起の先端は、クリップ挟入装置の拡開用ガイドにスムースに差し込むことができるように上下に折り曲げられて開いている。使用の際の動作は以下に説明する通りである。
【0003】前記略コの字状のクリップをケース内に挿入し、上部スライダでケース先端方向に押出すことで、クリップ両脇に備わる左右突起の先端の開いた部分がクリップ拡開用ガイド51の元端56に差し込まれ、さらにスライダで押出すことでクリップは板バネで形成された上下ガイド52、53の弾性部分58によって拡開され、挟持物挿入口に差し込まれた書類等の挟持物を挟み込む。そしてさらにスライダで押出して左右突起の後端が上下拡開用ガイド先端55u、55dに到達したとき、クリップは拡開用ガイドから開放され、挟持物に装着される。
【0004】以上に述べたように、クリップ挟入装置を使用して装着する従来のクリップの優れた点は、クリップ装着時におけるクリップを開くためのハンドルが不要なため、クリップがかさばらない、装着時に大きな力を必要としない、連続して多数の書類に装着可能で使い易い、多くが板状の弾性板のみで構成されているため、クリップそのものが安価である、などが挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一方で、その殆どが挟入装置無しでは挟持物に装着することが不可能である。特に打合せ先等、外出先で一度クリップをはずしたりしたら、挟入装置がない限り書類はバラバラのままで持ち帰らざるを得ず、大変不便である。挟入装置無しで挟持物に装着できるクリップも商品化されているが、クリップそのものがかさばるものとなっており、その利点が失われている。
【0006】また、挟入装置の拡開用ガイドへの挿入を可能にするため、当該クリップの先端(拡開用ガイド挿入位置)は最低限、拡開用ガイド元端の厚み分、離間している。すなわちクリップ上下挟持板の先端が折れ曲がって開いている。そのため、クリップ挟持板の表面から折れ曲がった分だけかさばるものとなっている。
【0007】
【発明の目的】以上が、クリップ挟入装置によって挟持物に装着可能な従来のクリップの不都合な点である。本発明は、板状部材で略コの字状に形成されたクリップであって、その上挟持板の端縁と下挟持板の端縁とが平面的に交差する上下端縁交差部を備えたクリップを、前記クリップ挟入装置で使用可能になるように構成することで、挟入装置を使用して連続的に多数の挟持物へのクリップ装着が可能でありながら、挟入装置無しでもクリップ装着が容易に可能であり、しかも、従来のクリップ挟入装置を利用したクリップと同様、もしくはより以上かさばることが無く、且つ、形態が単純でより安価に製造可能なクリップを提供することを目的とする。同時に、当該クリップの挟持物への装着をスムースにする挟入装置を提供することをも目的とする。
【0008】なお、前記上挟持板の端縁と下挟持板の端縁とが平面的に交差する上下端縁交差部を備えたクリップについては、すでに平成14年3月20日付けの「特願2002−121443のクリップおよび見出し付きクリップ」において出願済みであり、その実施例は図34および図35に示したクリップAAに代表される。本発明は、この上下端縁交差部を備えたクリップを挟入装置によって装着可能となるように改良することで、前記目的を達成するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明では、弾性を有する板状部材で形成され、小突起を設けたクリップの先端両脇付近に前記上下端縁交差部を備えるようにクリップを構成した。
【0010】より具体的には、本発明の目的は、クリップ拡開用ガイドを備えたクリップ挟入装置を使用して書類等挟持物に装着可能なクリップであって、弾性を有する板状部材が、上挟持板11と下挟持板12および前記上挟持板11と下挟持板12の背面側で連結される背板14から成り、前記上挟持板11と下挟持板12の先端が閉じて挟み込み可能となるように断面が略コの字状に形成されたクリップにおいて、【0011】前記下挟持板12の先端が上挟持板11の先端から、平面上、挟持物を挿入する方向と平行に所定の長さだけ長く延びて突出し、前記上挟持板11および下挟持板12の各々の先端付近両脇に、所定の幅Wtuを有する上挟持板突起部21、21および、所定の幅Wtdを有する下挟持板突起部22、22とをそれぞれ備え、前記下挟持板突起部22の幅Wtdが上突起部先端端縁27uと下突起部先端端縁27uとの離間距離Lffよりも大きく、且つ上挟持板突起部21が下挟持板突起部22よりも背板と略平行になる方向に長く延び、上挟持板突起部21の突出長さLtuが下挟持板突起部22の突出長さLtdよりも大きくなるように形成されることで、前記上突起部先端端縁27uと下突起部側端端縁28dとが所定の角度をもって平面上交差する上下端縁交差部25を少なくとも一以上備えたことを特徴とするクリップによって達成される。
【0012】より好ましい実施態様においては、前記上挟持板11からの上突起部21の突出長さLtuが必要最小限、すなわち、少なくてもクリップ拡開用ガイドに接触して拡開できる突出長さが確保され、且つ、前記上挟持板突起部21背面側の上突起部後端端縁29uの位置において、上挟持板11の幅Wuが下挟持板12の幅Wdよりも大きくなるように上下挟持板が形成されている。このような構成とすれば、クリップ拡開用ガイドに係る上下突起部が平面上、離間して配置され、なお且つ、上挟持板突起部21の上挟持板の側面端縁から突出する長さを短くすることが可能であり、突起部21の曲げに対する強度は大きくなって、損傷し難くなる。
【0013】また、本発明の目的は、クリップ拡開用ガイドを備えたクリップ挟入装置を使用して書類等挟持物に装着可能なクリップであって、弾性を有する板状部材が、上挟持板11と下挟持板12および前記上挟持板11と下挟持板12の背面側で連結される背板14から成り、前記上挟持板11と下挟持板12の先端が閉じて挟み込み可能となるように断面が略コの字状に形成されたクリップにおいて、前記上挟持板11および下挟持板12の各々の先端付近両脇に、所定の形状を有する上挟持板突起部21、21および下挟持板突起部22、22とをそれぞれ備え、前記上挟持板突起部21の先端端縁27uと、前記下挟持板突起部22の後端端縁29dとが所定の離間距離Lbfを確保できるように、下挟持板12を上挟持板11よりも長く延伸させることで、前記上挟持板突起部21の先端端縁27uと、下挟持板側端端縁16dとが所定の角度をもって平面上交差する上下端縁交差部25を少なくとも一以上備えたことを特徴とするクリップによっても達成される。
【0014】また、本発明の目的は、請求項1ないし3に記載のクリップを、書類等挟持物に装着可能にするためのクリップ挟入装置のクリップ拡開用ガイドであって、挟持物挿入口側であるケース先端付近の内部両側に設けられた一対のクリップ拡開用ガイド51が、板バネ等弾性片で形成され、上ガイド52および下ガイド53から成り、且つ先端が開いた上下一対のガイドとして形成され、且つ、それぞれのガイドがケース本体に固定されるガイド係止部57と弾性片の弾性力に応じて変形するガイド弾性部分58とで形成され、前記下ガイド53の弾性部分の開始点である下ガイド(板バネ)弾性開始点54dが、前記上ガイド52の弾性部分の開始点である上ガイド(板バネ)弾性開始点54uよりも、平面上、所定の距離だけ先端側に離間して位置するように上下ガイド52、52、53、53が構成されたことを特徴とするクリップ拡開用ガイドによって達成される。このような構成とすれば、上下挟持板先端位置が前後にずれていても、上下挟持板はガイド弾性部分に同時に接触し、バランス良く拡開することが可能になる。
【0015】また、本発明の目的は、請求項1または2に記載のクリップを、書類等挟持物に装着可能にするためのクリップ挟入装置のクリップ拡開用ガイドであって、挟持物挿入口側であるケース先端付近の内部両側に設けられた一対のクリップ拡開用ガイド51が、板バネ等弾性片で形成され、上ガイド52および下ガイド53から成り、且つ先端が開いた上下一対のガイドとして形成され、且つ、それぞれのガイドがケース本体に固定されるガイド係止部57と弾性片の弾性力に応じて変形するガイド弾性部分58とで形成され、前記両側に位置する上ガイド52、52の内端相互の離間距離GWuが、前記両側に位置する下ガイド53、53の内端相互の離間距離GWdよりも大きくなるように上下ガイド52、52、53、53が配置されたことを特徴とするクリップ拡開用ガイドによって達成される。このような構成とすれば、上下挟持板幅が異なっていても、拡開用ガイドが挟持板本体に接触することなく、スムースにスライドし、且つ、拡開用ガイドからスムースに開放される。
【0016】好ましい実施態様においては、前記クリップ拡開用ガイド51にあって、前記下ガイド53の元端(クリップ挿入開始点)56dが、前記上ガイド52の元端(クリップ挿入開始点)56uよりも、平面上、所定の距離だけ挟持物挿入口側に離間して位置するように上下ガイド52、52、53、53が構成されている。
【0017】より好ましい実施態様においては、前記クリップ拡開用ガイド51にあって、前記上ガイド52の元端(クリップ挿入開始点)56uを下方に折り曲げる、または斜め下方に傾斜する面を形成することで、上ガイド元端にガイド上面が下方に傾斜するガイド元端テーパー部60を備えている、あるいは、前記下ガイドの元端(クリップ挿入開始点)56dを上方に折り曲げる、あるいは斜め上方に傾斜する面を形成することで、下ガイド元端にガイド下面が上方に傾斜するガイド元端テーパー部60を備えている。このガイド元端テーパー部は、上下ガイドのどちらか一方に備わっていても良いし、両方にテーパー部があっても良い。このような構成とすれば、クリップ先端を折り曲げて先端を離間させなくても、クリップを拡開用ガイドに挿入することが可能になる。
【0018】また、本発明の目的は、請求項3に記載のクリップを、書類等挟持物に装着可能にするためのクリップ挟入装置のクリップ拡開用ガイドであって、挟持物挿入口側であるケース先端付近の内部両側に設けられた一対のクリップ拡開用ガイド51が、板バネ等弾性片で形成され、上ガイド52および下ガイド53から成り、且つ先端が開いた上下一対のガイドとして形成され、且つ、それぞれのガイドがケース本体に固定されるガイド係止部57と弾性片の弾性力に応じて変形するガイド弾性部分58とで形成され、下ガイド先端(クリップ開放端)55dが上ガイド先端(クリップ開放端)55uよりも、平面上、挟持物挿入口側に所定の距離だけ離間して位置するように上下ガイド52、52、53、53が構成されたことを特徴とするクリップ拡開用ガイドによって達成される。このような構成とすれば、クリップを押出したとき、上下クリップの突起部後端端縁が前後にずれていても、クリップは拡開用ガイドから同時に開放される。
【0019】また別の実施態様においては、前記クリップ拡開用ガイド51にあって、前記上ガイド52または下ガイド53のガイド弾性部分58が固定された板状部材で略水平に形成されても良い。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発明に係るクリップおよびクリップ拡開用ガイドの形態、その使用方法などにつき説明を加える。図1は、本発明の第1の実施形態にかかるクリップ101の平面図、図2はY1−Y1側断面図、図3は斜視図である。クリップ101は請求項1に記載されたクリップの実施例の1例である。
【0021】図1および図2に示すように、本実施の形態にかかるクリップ101は、弾性を有する板状部材で形成され、上挟持板11、下挟持板12、背板14および上下挟持板先端部付近両側に位置する上下突起部21、21、22、22とから成り、下挟持板12は上挟持板11よりも先端部が長く延びて突出している。その断面は先端が閉じた略コの字状に形成され、且つ、その先端部はそれぞれ外方に折り曲げられて内側から外側に開くテーパー部が形成されている。また、前記上下突起部21、22は、上突起部21が下突起部22より側方に長く延びて突出し、上突起部先端端縁27uと下突起部側端端縁28dとが平面的に交差する上下端縁交差部25が形成されている。
【0022】本実施の形態にかかるクリップ101にて、挟持物13を挟もうとするときにつき、図4および図5を参照しながら説明する。まず使用者は、図4に示すようにクリップ101の上下端縁交差部25を挟持物13の端縁に斜めにあてがう。このとき、下挟持板突起部22が挟持物13の下に、上挟持板突起部21が挟持物13の上に位置するようにクリップ101を保持して、挟持物13に図のよう押し込む。押し込むことで上下挟持板の先端を開くことができるので、図のように回転しながらさらに押し込むことで、図5に示すように挟持物13にクリップ101を装着することができる。
【0023】次に、本発明の第2の実施形態にかかるクリップ102について、図6および図7を参照しながら説明を加える。図6は第2の実施形態にかかるクリップ102の平面図であり、図7はその斜視図である。なお、本クリップ102の断面は、クリップ101と同様である。クリップ102は請求項2に記載されたクリップの実施例の1例である。
【0024】このクリップ102は第1の実施形態にかかるクリップ101と略同様の形態を有しているが、上挟持板突起部21の突起部後端端縁29uの位置において、上挟持板11の幅Wuが下挟持板12の幅Wdよりも大きく形成され、上挟持板11が略台形の形状を成している。このような形態とすることで、クリップ101と略同様の端縁交差部25を有していながら、なお、上挟持板突起部21が上挟持板端縁から突出する長さLtuを短くすることができる。したがって、上挟持板突起部21の曲げ強度は大きくなり、損傷し難いクリップを提供することが可能となる。また、意匠的にもクリップ101より好ましい。本クリップ102の使用方法も、第1の実施形態にかかるクリップ101と同様であり、上下端縁交差部25に挟持物を斜めにあてがい、回転しながら押し込むことで装着できる。
【0025】次に、本発明の第3の実施形態にかかるクリップ103について、図8ないし図10を参照しながら説明を加える。図8は第3の実施形態にかかるクリップ103の平面図、図9はY3−Y3側断面図、図10は斜視図である。本クリップ103は、本発明によって可能になる効果を最大限生かせるように構成した実施例であり、その形状は図に示す如く、クリップ102と略同一形態としながら、その上下挟持板先端を略水平に形成し、先端部のテーパーをなくすことで、従来のクリップよりかさばることの無いクリップを実現するものである。
【0026】従来のクリップは、その上下突起部先端が同一位置に位置するため、クリップ拡開用ガイドの元端にクリップを差込むためには、上下挟持板先端が最低でもガイド元端の厚さだけ離間していなければならなかった。すなわち上下挟持板先端を外側に折り曲げ、外方に開くことで、先端を離間させていた。このため、クリップ先端がクリップ挟持板の表面から突出し、かさばる要因ともなっていた。
【0027】しかしながら、本発明によれば、クリップ拡開用ガイドに接する上挟持板と下挟持板の突起部先端は、平面上互いに前後左右に離間して位置するため、後のクリップ拡開用ガイドの項で説明するように、先端を折り曲げて離間させなくても、クリップ拡開用ガイドの元端を差込むことが可能となる。したがって、本実施の形態を採用すれば、図9に示す如く、従来のクリップよりもさらにかさばることが無く、しかも挟入装置無しでも、容易に挟持物にクリップを装着することができるクリップを提供できる。なお、クリップを直接挟持物に装着する方法は、クリップ102と同様であることは言うまでも無い。
【0028】次に、本発明の第4の実施形態にかかるクリップ104について、図11ないし図13を参照しながら説明を加える。図11は第4の実施形態にかかるクリップ104の平面図、図12はY4−Y4側断面図、図13は斜視図、図14は本クリップを挟持物に装着するときの使用動作を示す斜視図、図15は本クリップを装着したときの平面図である。本クリップ104は、上下突起部21、22を、平面上、クリップの前後に離間して配置することで、上下端縁交差部を形成したものであり、請求項3に記載のクリップの一例である。
【0029】図11に示すように、略同一幅で下挟持板12が上挟持板11よりも長く延びて突出している上下挟持板それぞれの先端両脇に略同一形状の上下突起部21、21、22、22が形成されている。そして、上下端縁交差部25は、上突起部先端端縁27uと下挟持板側端端縁16dとで形成されている。その使用方法は、第1の実施形態にかかるクリップ101と略同様であり、図14および図15に示すように、上下端縁交差部25に挟持物を斜めにあてがい、回転しながら押し込む。
【0030】本実施の形態にかかるクリップ104は、上下突起部21、22の出幅Ltu、Ltdを同一にできることに利点を有する。上下突起部21、22の出幅を最小限にすることで、後述するクリップ挟入装置において、上下突起部が通過する案内溝の深さを最小限に押さえることが可能となり、クリップ挟入装置本体の幅を小さくできる。また、上下突起部21、22の出幅を従来のクリップと同一にすれば、従来のクリップ挟入装置を使用することも可能になる。
【0031】次に、本発明にかかるクリップを挟持物に装着するときに使用するクリップ挟入装置に取り付けられるクリップ拡開用ガイドについて説明する。図16はクリップ拡開用ガイドの第1の実施形態にかかるガイド501の平面図、図17は側面図(クリップ部分は断面図)、図18は斜視図である。
【0032】本実施の形態にかかるガイド501は、先に説明したクリップ101をよりスムースに挟持物に装着可能とするためのクリップ挟入装置に取り付けられるクリップ拡開用ガイドに関するものである。
【0033】このガイド501は、従来のクリップ拡開用ガイドと同様、弾性片で形成され、先端側が広がった上ガイド(板バネ)52と下ガイド(板バネ)53とから成っている。また従来のクリップと同様、それぞれのガイドはケース本体に固定されるガイド係止部57と弾性片の弾性力に応じて変形するガイド弾性部分58とから形成されている。しかしながら、図に示すように、そのガイド係止部57とガイド弾性部分58との分岐点となる上ガイド(板バネ)弾性開始点54uと下ガイド(板バネ)弾性開始点54dとは、クリップ101の上下先端端縁のずれ幅Lffと略同距離ずれている。
【0034】このような構成とすれば、図17に示すように、クリップ101を前方にスライドさせたとき、クリップ101の上下挟持板の先端(この場合は折り曲げられたテーパー部の始点)に上下ガイド(板バネ)弾性開始点54u、54dが同時に接触し、さらにクリップを押し込むことで上下挟持板をバランス良く同時に拡開する。さらにクリップを押し込めば、クリップ101の上下突起部後端端縁29u、29dは同位置にあるため、上下同位置にある上下ガイド先端(クリップ開放端)55u、55dで上下同時に開放され、スムースにクリップ101は挟持物13に装着される。
【0035】次に、クリップ拡開用ガイドの第2の実施形態にかかるガイド502、および第2の別の実施形態にかかるガイド502aについて説明する。図19はガイド502の平面図、図20は斜視図、図21はガイド502aの平面図である。
【0036】本実施の形態にかかるガイド502、502aは、先に説明したクリップ102をよりスムースに挟持物に装着可能とするためのクリップ挟入装置に取り付けられるクリップ拡開用ガイドに関するものである。
【0037】このガイド502は、ガイド501と略同様の上下ガイド(板バネ)52、53から構成され、その上ガイド52、52の内端の離間距離GWuが、下ガイド53、53の内端の離間距離GWdよりも大きくなるように、上下ガイドが配置されていることを特徴とするものである。また、上ガイド内端の離間距離GWuはクリップ102の上挟持板幅Wuよりも広く、下ガイド内端の離間距離GWdはクリップ102の下挟持板幅Wdよりも広くなるように配置されている。さらには、本実施例においては、ガイド501と同様、上板バネ弾性開始点54uと下板バネ弾性開始点54dとが前後にずれて形成され、且つ、上下ガイドの元端56u、56dも前後にずれて形成されている。
【0038】このような構成とすれば、上下挟持板幅Wu、Wdが異なるクリップ102であっても、上ガイド52が上挟持板11に接触することなくクリップをスライドさせることが可能となる。また、上下弾性開始点54u、54dのずれは、ガイド501と同様、バランス良くクリップの上下挟持板を拡開し、上下元端56u、56dのずれは、先端位置の異なるクリップ102のガイドへの挿入をスムースなものとする。クリップのガイドからの開放動作についてはガイド501の例と略同様である。
【0039】なお、上下ガイドは、図21のガイド502aに示すように同一幅の上下ガイド(板バネ)52、53を平面上ずらして配置しても良い。
【0040】次に、クリップ拡開用ガイドの第3の実施形態にかかるガイド503について説明する。図22はガイド503の平面図、図23は側面の拡大図(クリップ部分は断面図)、図24は斜視図である。
【0041】本実施の形態にかかるガイド503は、先に説明したクリップ103を挟持物に装着可能とするためのクリップ挟入装置に取り付けられるクリップ拡開用ガイドに関するものであり、且つ、請求項11で言及した固定ガイドを採用、すなわち、下ガイド53を略水平に固定した場合の実施例である。
【0042】このガイド503は、ガイド502と同様に内端離間距離の異なる上下ガイド各々が、上ガイド(板バネ)52と全面が固定された下ガイド(固定ガイド)53とで構成されている。また、図23に示すようにクリップ挿入開始点ともなる上ガイド52の元端56uが下方に折り曲げられて、上から下へ傾斜するテーパー部60が形成されている。
【0043】このような構成とすれば、クリップをスライドさせたとき、クリップ先端が離間していないクリップ103であっても、前記テーパー部60によりクリップの上突起部は上ガイドの上面へと導かれる。また、この例では、上下ガイド元端の離間距離Lmmは、クリップ上下先端端縁の離間距離Lffよりも短く設定されているため、クリップの上突起部先端がテーパー部60に接触する前に、下挟持板先端は下ガイドの下に潜り込む。したがって、さらにクリップを先端方向にスライドさせれば、上ガイド弾性部分によってクリップは拡開され、挟持物を挟むことが可能になる。この実施例では、下ガイドを固定しているが、ガイド502の下ガイド(板バネ)と同様に弾性部分を設けたガイドを採用しても良い。また、ガイド元端のテーパー部60は上ガイドだけに設けているが、請求項7で言及したように上下ガイドの元端両方に設けても良い。
【0044】本実施の形態にかかるガイド503は、先に述べたように、従来のクリップのかさばる要因にもなっていた、クリップ先端上下の開きが持つガイドへの挿入を可能にする機能を、クリップ挟入装置側で解決しようとするものであって、本発明の如くクリップの上下挟持板突起部を、平面上、前後左右に離間させて配置することで可能になるものである。すなわち先のクリップ103で説明した通り、本発明によって可能になる効果を最大限、生かせるように構成した実施例である。
【0045】次に、クリップ拡開用ガイドの第4の実施形態にかかるガイド504について説明する。図25はガイド504の平面図、図26は側面の拡大図(クリップ部分は断面図)、図27は本ガイド504を組み込んだクリップ挟入装置の参考例の縦断面図である。ガイド504は、先に説明したクリップ104をよりスムースに挟持物に装着可能とするためのクリップ挟入装置を構成するクリップ拡開用ガイドに関するものである。
【0046】このガイド504は、ガイド501と略同様の上下ガイド(板バネ)52、53から構成され、その下ガイド53の先端(クリップ開放端)55dが上ガイド52の先端55uよりも挟持物挿入口側に位置するように形成されている。この上下ガイド先端55u、55dのずれ幅Lbbはクリップ104の上下突起部後端端縁(拡開用ガイド開放端)29u、29d相互の離間距離Lbbと同一である。さらには、ガイド501と同様、上ガイド(板バネ)弾性開始点54uと下ガイド(板バネ)弾性開始点54dとが前後にずれて形成されている。
【0047】このような構成とすれば、上突起部後端端縁29uと下突起部後端端縁29dとの前後位置が異なるクリップ104であっても、上下挟持板は同時に拡開され、且つ同時に上下ガイド52、53から開放されるため、スムースに挟持物13に装着される。
【0048】本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【0049】クリップの上下挟持板の形状は実施形態に示したものに限定されることは無い。図28ないし図33は、本発明にかかるクリップの挟持板の形態を様々に変えた応用例であり、たとえば、図28、図33に示したクリップ105、109のような形態を採用すれば、挟持板の幅を調整することで、挟持力の強弱を調整することができる。また、図28に示すように挟持板表面に凹凸をつけて滑りにくくしても良い。また、図29のクリップ106のように、挟持板の内面で力点となる位置に凹凸を設けて挟持物がくい込み、滑りにくくなるようにしても良い。端縁位置も、実施形態に示したものに限定されることはない。たとえば、図30に示したクリップ107のような形状であっても、図のように上下端縁交差部25を備え、突起部の位置が上下で異なれば、本発明の効果を得ることは可能である。
【0050】挟持板突起部の形状も実施例に示したものに限定されることは無い。実施にあたっては、図31に示したクリップ108のようにコーナー部をR形状として危険を無くすのが望ましいことは言うまでも無いし、挟持板突起部の出幅も実施例に示したものに限定されることは無い。
【0051】上下挟持板先端のテーパー加工も必要に応じて設ければ良い。また、図31、図32に示したクリップ108のように、下挟持板屈曲点を従来のクリップのように上挟持板屈曲点と同位置に設けて下挟持板突出部全体をテーパー部としても良い。このようにすれば、挟持板の弾性は、上下ほぼ同一となり、上下挟持板をよりバランス良く拡開することが可能となる。
【0052】また、すべての実施の形態においてクリップを形成する素材は、金属板を想定して表現されているが、プラスチック等、他の素材に置き換えても良いのは言うまでも無い。
【0053】クリップ拡開用ガイドの素材、形状、位置等も実施例に示したものに限定されることは無い。たとえば、第3の実施形態にかかるガイド503において、固定ガイドは、金属板で表現されているが、プラスチックに置き換えても良い。プラスチックとすれば、本体ケースと一体成型も可能となり、よりコストの低減を図れ、且つ、品質の均質化も期待できる。
【0054】無論、クリップの形態において上挟持部と下挟持部とを上下反転、つまり上挟持板先端が下挟持板先端よりも突出するような形態としても良いことは言うまでも無い。その場合は、クリップ拡張用ガイドも上下反転することになる。また、実施例の中で示したクリップ挟入装置本体の構造、形態等は参考例であり、本実施例で示したものに限定されるものでないのは、言うまでも無い。
【0055】
【発明の効果】まず、本発明に係るクリップおよびクリップ挟入装置を採用した場合の、最も大きな効果として挙げられるものとして、クリップ挟入装置を使用するクリップでありながら、クリップ挟入装置が無くても容易に挟持物に装着可能で、且つ、かさばらないクリップを提供できる。
【0056】特に、本発明の第3の実施形態にかかるクリップ103を採用すれば、クリップ挟入装置無しに挟持物に装着可能でありながら、従来のクリップよりもさらにかさばることの無いクリップを提供することが可能である。とくにこの場合は挟持物を挟持した時、挟持物下面において挟持物から出っ張るのは、挟持板の厚さだけである。さらには、クリップ103の場合、従来の同種のクリップに比べて形態が単純であり、曲げ加工する部分が少ない。したがって、製造コストの低減も期待できる。
【0057】また、本発明にかかるクリップのすべての実施例(クリップ108を除く)においては、クリップが挟持する部分、すなわち力点は上挟持板が線状の形態で下挟持板の面に接触する。しかしながら、従来の同種のクリップは、クリップ108と同様、上下挟持板とも線状の形態で線状の力点同士が接触するため、製造時に精度を保つことが難しい。したがって、本発明にかかるクリップを採用すれば、製造時における不良品発生率の低減をも期待できる。
【出願人】 【識別番号】500481640
【氏名又は名称】野畑 義昭
【出願日】 平成14年9月24日(2002.9.24)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−341266(P2003−341266A)
【公開日】 平成15年12月3日(2003.12.3)
【出願番号】 特願2002−313467(P2002−313467)