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【発明の名称】 シート部材のスタンド
【発明者】 【氏名】原田 満澄
【住所又は居所】東京都千代田区神田和泉町一丁目12番15号 セベク株式会社内

【要約】 【課題】シート部材の装着作業が容易であるとともに、装着時にシート部材に損傷を与えにくいシート部材のスタンドを提供する。

【解決手段】シート部材10の背面を支持する背面支持部3と、背面支持部3がシート部材10に接触する部分20より下側に配置されてシート部材10の前面を支持する前面支持部4とを有するシート部材10のスタンド1であって、前面支持部4が回転自在な回転部材8であり、回転部材8の周面の一部に背面支持部3の両側下端部を結ぶ線より背面支持部3側に膨出した膨出部8aを有し、膨出部8aと背面支持部3との間に間隙を有するように配置されて、回転部材8の回転によりシート部材の下部を背面支持部3と前面支持部4との間に案内するようにしたので、シート部材に余分な力を加えなくてもシート部材を容易に配置することができ、差込み時に局部的に過剰な力を与えにくい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シート部材の背面を支持する背面支持部と、該背面支持部に対峙し、該背面支持部が前記シート部材に接触する接触部より下側に配置されて前記シート部材の前面を支持する前面支持部とを有し、該前面支持部と前記背面支持部の両側下端部とにより前記シート部材を湾曲させた状態で後側に傾斜させて装着するシート部材のスタンドであって、前記前面支持部が回転自在な回転部材であり、該回転部材の周面に前記背面支持部の両側下端部を結ぶ線より該背面支持部側に膨出した膨出部を有し、該膨出部と前記背面支持部との間に間隙を有するように配置され、前記シート部材の装着時に該シート部材の下部が接触した際に、前記回転部材が回転することを特徴とするシート部材のスタンド。
【請求項2】 前記回転部材には前記シート部材の挿入方向と直交する方向に配向した回転軸を有し、該回転軸がベース部から上方に突設された前面支持部の軸受部に遊嵌されていることを特徴とする請求項1に記載のシート部材のスタンド。
【請求項3】 前記軸受部は、前記回転軸が前記背面支持部側に進退自在となる遊び部を有していることを特徴とする請求項2に記載のシート部材のスタンド。
【請求項4】 前記回転部材が中空成形体であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1つに記載のシート部材のスタンド。
【請求項5】 前記回転部材の周面が透明または半透明の材料からなり、該回転部材の内部に標識部を有することを特徴とする請求項4に記載のシート部材のスタンド。
【請求項6】 前記ベース部の下側には回動可能に取付られた可動脚部を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一つに記載のシート部材のスタンド。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、紙等のシート部材を立てた状態で載置することが可能なシート部材のスタンドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、紙等のシート部材を立てた状態で載置するためのスタンドとして、上向に開口する溝を備えたものが知られている。このようなスタンドでは、シート部材の下部を溝に挿入することによりシート部材を保持する。しかし、シート部材が軟質であると自重により上部が折れ曲がるため、シート部材に一定の剛性がなければならず、薄いシート部材を自立させるには無理があった。
【0003】このような点を解決するために、特開平9−311629号公報に記載された発明では、シート部材の下部の背面側を支持する案内板に永久磁石を埋設し、この永久磁石に磁着する移動可能な球状体を案内板上に配置した紙片保定具が提案されている。ここでは、案内板を湾曲形状にし、この案内板と球状体との間にシート部材を差し込んで挟持させることにより、シート部材を立てた状態で載置できるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような紙片保定具においては、球状体が案内板に当接した状態で磁着されているため、シート部材を球状体と案内板との間に挿入するには球状体を磁着力に抗して回転させなければならず、例えば、シート部材の下部を左右に引張る張力を加えた状態で差込んだり、シート部材を予め湾曲させて剛性を付与して差込まなければならなくて、シート部材の装着作業に手間を要していた。また、張力や剛性が不足すると、差し込む際に球状体を回転させることができず、その結果、シート部材の球状体との当接部分に局部的に過剰な力が作用して、折曲がったり、しわを生じるなど、シート部材に損傷を与えるという問題点があった。
【0005】そこで、この発明は、シート部材の装着作業が容易であるとともに、装着時にシート部材に損傷を与えにくいシート部材のスタンドを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決すべく、請求項1に記載の発明は、シート部材の背面を支持する背面支持部と、該背面支持部に対峙し、該背面支持部が前記シート部材に接触する接触部より下側に配置されて前記シート部材の前面を支持する前面支持部とを有し、該前面支持部と前記背面支持部の両側下端部とにより前記シート部材を湾曲させた状態で後側に傾斜させて装着するシート部材のスタンドであって、前記前面支持部が回転自在な回転部材であり、該回転部材の周面に前記背面支持部の両側下端部を結ぶ線より該背面支持部側に膨出した膨出部を有し、該膨出部と前記背面支持部との間に間隙を有するように配置され、前記シート部材の装着時に該シート部材の下部が接触した際に、前記回転部材が回転することを特徴としている。
【0007】また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加えて、前記回転部材には前記シート部材の挿入方向と直交する方向に配向した回転軸を有し、該回転軸がベース部から上方に突設された前面支持部の軸受部に遊嵌されていることを特徴としている。
【0008】さらに、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の構成に加えて、前記軸受部が前記背面支持部側に進退自在となる遊び部を有していることを特徴としている。
【0009】また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1つに記載の構成に加えて、前記回転部材が中空成形体であることを特徴としている。
【0010】また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の構成に加えて、前記回転部材の周面が透明または半透明の材料からなり、該回転部材の内部に標識部を有することを特徴としている。
【0011】さらに、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れか1つに記載の構成に加えて、前記ベース部の下側には回動可能に取付られた可動脚部を有することを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図を用いて説明する。
【0013】図1乃至図4はこの実施の形態のスタンドを示す。
【0014】図において、1はシート部材10のスタンドであり、ベース部2と、このベース部2の後面側に板状に立設された背面支持部3と、ベース部2の背面支持部3より前側に対峙して配置された前面支持部4とを備え、前面支持部4を支持する左右の側面板5と背面支持部3の両側下端部との間には一対のスリット部6が形成されている。
【0015】ベース部2のベースプレート2aの底部には、回動ピン7aにより回動可能に取付られてベースプレート2aの底部に設けられた凹部7bに収容可能で、かつ切欠き7cから突出可能な可動脚部7が設けられている。
【0016】背面支持部3は、平面視において左右方向の断面が中央部分で後側に膨出する湾曲形状を有し、側面から見て後側に傾斜して設けられている。
【0017】前面支持部4は、楕円体からなる回転部材8であり、長手方向の両側には、シート部材10の挿入方向Xと直交して回転体8の周面の一部をシート部材10の面に沿って配置できる方向に配向した左右一対の回転軸9が同軸上に設けられている。
【0018】この回転部材8は、ベースプレート2aから上方に突設された側面板5の軸受穴11に回転軸9を遊嵌することにより、回動自在に装着されている。軸受穴11は、図3に示すように、回転軸9の外径より大きく形成されて、回転軸9が背面支持部3側に進退自在となる遊び部11aが設けられている。この遊び部11aには凹み部分等により回転軸9の定位置を形成していてもよい。
【0019】そして、この軸受穴11に回転軸9が遊嵌された状態では、まず、回転部材8の周面が背面支持部3のシート部材10に接触する接触部20より下側の位置に配置されている。また、回転軸9が遊び部11aのどの位置に配置されていても回転部材8の周面の中間部分がストリップ部6を結ぶ線より背面支持部3側に膨出して膨出部8aが形成され、さらに、回転軸9が軸受穴11の最も背面支持部3側に配置された状態で膨出部8aと背面支持部3の表面との間には間隙が形成されている。
【0020】また、この回転部材8は、周面が透明または半透明の樹脂等からなる中空成形体からなり、その内部には文字、記号、図形、色彩等を表示した紙板等の標識部12が固定されていて、回転部材8と一体となって回転可能となっている。
【0021】さらに、スタンド1の前面側には、回転部材8とベースプレート2aとの間を覆うとともに左右の側面板5を繋ぐ前部覆板13が設けられていて、回転部材8の軸受穴11を有する側面板5が補強されている。
【0022】このような構成のスタンド1にシート部材10を装着するには、シート部材10の一部を把持してシート部材10の下縁を上側から背面支持部3側の回転部材8の周面上に下降させる。このとき、シート部材10を予め湾曲させて行わなくてもよい。そして、そのまま押し下てシート部材10の下縁が回転部材8の周面に当接すると、シート部材10の下降に伴って回転部材8が回転軸9を中心として背面方向に回転し、シート部材10の下部がスリット部6内を下降する。このとき、回転部材8の周面の中間部分にスリット部6を結ぶ線より背面支持部3側に膨出した膨出部8aが設けられているため、シート部材10は、下降しながら、両側のスリット部6と回転部材8の周面とを結ぶ曲線あるいは折れ線の形状に湾曲させられる(図3参照のこと)。そして、シート部材10の下縁をスリット部6の底部6aに当接させれば、シート部材10をスタンド1に装着することができる。
【0023】このようにしてシート部材10をスタンド1に装着させた状態では、シート部材10の背面が背面支持部3により支持され、背面支持部3のシート部材10に接触する接触部20より下側の位置で、シート部材10の前面が回転部材8の周面の膨出部8aに支持され、さらに、シート部材10の下部が左右両方のスリット部6に支持されて下縁が底部6aに支持される。このとき、シート部材10が平面視において湾曲形状となるため剛性が付与され、シート部材10の下部の背面および前面を支持するだけで全体を自立させた状態で載置できるようになる。また、背面支持部3が湾曲形状であるため、湾曲形状のシート部材10の背面が安定して支持される。
【0024】このような構成のシート部材10のスタンド1によれば、前面支持部4が回転自在な回転部材8であり、この回転部材8の周面の中間部分に背面支持部3の両側下端部に設けられたスリット部6を結ぶ線より背面支持部3側に膨出する膨出部8aを有しているので、シート部材10をそのまま差し込めば、シート部材10の下部を回転部材8の周面の一部に当接させることができ、しかも、回転部材8が背面支持部3との間に間隙を有して回転自在に配置されていて、容易に回転できるものであるため、回転部材8の周面にシート部材10の下縁が弱い力で当接するだけでも回転部材8を回転させることができ、この回転によりシート部材10の下部を案内することができる。
【0025】そのため、シート部材10に余分な力を加えなくてもシート部材10の下部を背面支持部3と前面支持部4との間に容易に導入することができるとともに、シート部材10を湾曲させることができ、予め使用者がシート部材10を湾曲させるなどの作業が必要なくて、シート部材10を容易に装着することができる。しかも、シート部材10に接触する回転部材8がシート部材10に余分な力を加えないため、差込み時に局部的に過剰な力を与えることがなく、シート部材10に折れ曲がりやしわ等の損傷を与えることがない。
【0026】また、回転部材8にはシート部材10の挿入方向と直交して回転体8の周面がシート部材10に沿う方向に配向した回転軸9を有し、この回転軸9が側面板5に設けられた軸受穴11に遊嵌されているので、回転部材8の重量を軸受穴11により受けることができ、回転部材8が回転し易くて、よりシート部材10に損傷を与えにくい。
【0027】さらに、軸受穴11は回転軸9が背面支持部3側に進退自在となる遊び部11aを有しているので、シート部材10の厚さや変形量等に応じて回転部材8を背面支持部3側に進退することができて、シート部材10に過剰な力が負荷されにくい。
【0028】また、回転部材8が中空成形体であるため、回転部材8が軽く、より少ない力で回転させることができ、さらにシート部材10に損傷を与えにくい。
【0029】さらに、回転部材8の周面が透明または半透明の材料からなり、回転部材8の内部に標識部12を有するので、回転部材8の内部に表示した標識部が外部から視認でき、しかも、この標識部12がシート部材10の装着時や取り出し時に回転するからより目立ち易くて優れた外観品質が得られる。
【0030】また、このスタンド1は、ベース部2の底部に回動することにより凹部7bから突出可能に取付られた可動脚部7を有しているので、使用時に可動脚部7を回動させてベース部2の底部から突出させればスタンド1の載置面を前後方向に長くすることができて、シート部材10を側面視で後傾斜で装着してもスタンド1を安定にして載置することができ、また、不使用時に可動脚部7をベース部2に収容すればコンパクトになり、収納の際に嵩張ることがないので使い勝手がよい。
【0031】なお、上記の実施の形態においては、回転部材8として楕円体を例示したが、例えば球体形状や、図5に示すような算盤珠形状等にすることも可能であり、また、周面に微細な凹凸8bを形成することによりシート部材10の下縁が引掛かり易くして、シート部材10の装着時に回転部材8をより回転させ易くすることも可能である。さらに、楕円体、球体、算盤珠等の回転体形状以外の形状であっても、シート部材10をスタンド1に装着する際に回転できるとともに、装着状態でシート部材10を湾曲させることが可能な形状であれば適宜変更可能である。
【0032】また、前記では1つの回転部材8を有する例を説明したが、回転部材を複数設けてもよく、さらに、複数の回転部材の回転軸を同一直線上に配置しなくてもよい。
【0033】さらに、上記実施の形態においては、背面支持部3として側面視で後勾配に傾斜して、さらに湾曲した形状を有する板状体を説明したが、その形状も何ら限定されるものではなく、直立した平板や他の立体的形状であってもよく、例えば、図6に示すように、背面支持部3の背面側に他の部材に係止可能なフック部3a等を形成してもよい。これにより、机の上に載置して使用するだけでなく、例えば写真立ての縁に引掛けて使用することも可能である。
【0034】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に記載の発明によれば、前面支持部が回転自在な回転部材であり、この回転部材の周面の一部に背面支持部の両側下端部を結ぶ線より背面支持部側に膨出した膨出部を有しているので、シート部材を背面支持部と前面支持部との間にそのまま差し込めば、シート部材の下縁を回転部材の周面の一部に当接させることができ、しかも、回転部材の膨出部と背面支持部との間に間隙を有するように配置されていて、回転部材が容易に回転できるものであるので、回転部材の周面にシート部材の下縁が当接するだけでも回転部材を回転させることができ、この回転によりシート部材の下部を案内することができる。
【0035】そのため、シート部材に余分な力を加えなくてもシート部材の下部を前面支持部と背面支持部との間に容易に導入することができるとともに、シート部材を湾曲させることができ、予め使用者がシート部材を湾曲させるなどの作業が必要なくて、シート部材の装着作業が容易である。しかも、シート部材に余分な力を加えないため、差込み時に局部的に過剰な力を与えることがなく、シート部材に折れ曲がりやしわ等の損傷を与えることを防止することができる。
【0036】また、請求項2に記載の発明によれば、回転部材にはシート部材の挿入方向と直交する方向に配向した回転軸を有し、この回転軸がベース部から上向に突設された前面支持部の軸受部に遊嵌されているので、回転部材の重量を軸受部により受けることができ、回転部材が回転し易く、よりシート部材に損傷を与えにくくすることができる。
【0037】さらに、請求項3に記載の発明によれば、軸受部に回転軸が背面支持部側に進退自在となる遊び部を有しているので、シート部材の厚さや変形量等に応じて回転部材が進退することができ、シート部材に過剰な力を負荷しにくい。
【0038】また、請求項4に記載の発明によれば、回転部材が中空成形体であるので、回転部材を軽くして、より少ない力で回転させることができ、さらにシート部材に損傷を与えにくくすることができる。
【0039】また、請求項5に記載の発明によれば、回転部材の周面が透明または半透明の材料からなり、回転部材の内部に標識部を有するので、回転部材の内部に表示した標識部を外部から視認でき、しかも、この標識部がシート部材の装着時や取り出し時に回転するからより目立ちやすく、優れた外観品質が得られる。
【0040】さらに、請求項6に記載の発明によれば、ベース部の底部に回動可能に取付られた可動脚部を設けたので、使用時には可動脚部を回動させてベース部の底部から突出させることにより載置面を長くしてスタンドを安定して載置することができ、不使用時には可動脚部をベース部の底部に収容することによりコンパクトにして収納することができて嵩張ることがなく、使い勝手がよい。
【出願人】 【識別番号】501119492
【氏名又は名称】セベク株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区神田和泉町1丁目12番15号
【出願日】 平成14年2月19日(2002.2.19)
【代理人】 【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
【公開番号】 特開2003−237278(P2003−237278A)
【公開日】 平成15年8月27日(2003.8.27)
【出願番号】 特願2002−41639(P2002−41639)