| 【発明の名称】 |
コーナークリップ |
| 【発明者】 |
【氏名】野畑 義昭
|
| 【要約】 |
【課題】簡単な構造により、容易に装着可能で、書類に密着し、かさばることの無いコーナークリップを提供する。
【解決手段】クリップ300は、略直角なコーナーを有する上下挟持部と、コーナー部2辺において上下挟持部を連結する弾性体と、上下挟持部に架け回された押圧部を備えている。また、初期挟持力を与える上下離間距離保持部と上下挟持部の水平回転を防止する、上下回転防止部を備えている。さらには上下挟持部の端縁部が、平面上、交差するように構成することで、書類等への簡易な装着を可能にした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 書類等、任意の挟持物のコーナー部に装着され、挟持物を挟持するクリップであって、少なくとも内面が平面であり、隣り合う端縁部2辺が略直角を形成するコーナー部を有する略板状の上挟持部と、少なくとも内面が平面であり、隣り合う端縁部2辺が略直角を形成するコーナー部を有する略板状の下挟持部を有し、前記上挟持部、および下挟持部のコーナー部を形成する前記2辺の端縁部それぞれに配置され、挟持物を挟持した状態で、前記挟持物の背面に沿って位置するように形成された、垂直方向に伸縮自在の少なくとも一対の弾性体とを備え、前記弾性体の両端部から、上端にあっては前記上挟持部の上で上挟持部が成す面と略平行、且つ、下端にあっては前記下挟持部の下で下挟持部が成す面と略平行に延び、上挟持部および下挟持部を、双方が近接する向きで付勢する、線材、あるいは板状部材で形成された上下一対の押圧部を備えたクリップにおいて、前記下挟持部が、前記上挟持部よりも、平面上、長く延びて突出する部分と、前記上挟持部が、前記下挟持部よりも、平面上、長く延びて突出する部分とを、それぞれ、少なくとも一以上有し、前記上挟持部を形成する周囲端縁と、前記下挟持部を形成する周囲端縁とが、平面的に所定の角度を成して交差する上下端縁交差部を、少なくとも一以上有するように、上挟持部および下挟持部の形状が形成されたことを特徴とするクリップ。 【請求項2】 書類等、任意の挟持物のコーナー部に装着され、挟持物を挟持するクリップであって、少なくとも内面が平面であり、隣り合う端縁部2辺が略直角を形成するコーナー部を有する略板状の上挟持部と、少なくとも内面が平面であり、隣り合う端縁部2辺が略直角を形成するコーナー部を有する略板状の下挟持部を有し、前記上挟持部、および下挟持部のコーナー部を形成する前記2辺の端縁部それぞれに配置され、挟持物を挟持した状態で、前記挟持物の背面に沿って位置するように形成された、垂直方向に伸縮自在の少なくとも一対の弾性体とを備えたクリップにおいて、前記弾性体が両端部から、上端にあっては前記上挟持部が成す面と略平行、且つ、当該コーナー端縁部と略平行に延び、下端にあっては前記下挟持部が成す面と略平行、且つ、当該コーナー端縁部と略平行に延びる線材、あるいは板状部材で形成された上下一対の押圧部を備え、前記上挟持部および下挟持部の各々に、少なくとも一点で前記押圧部が接することで、上挟持部および下挟持部を、双方が近接する向きに付勢するように形成された押圧力伝達部が、上挟持部および下挟持部の前記コーナー2辺の端縁部に沿って設けられたことを特徴とするクリップ。 【請求項3】 前記下挟持部が、前記上挟持部よりも、平面上、長く延びて突出する部分を少なくとも一以上有することを特徴とする請求項2に記載のクリップ。 【請求項4】 前記下挟持部が、前記上挟持部よりも、平面上、長く延びて突出する部分と、前記上挟持部が、前記下挟持部よりも、平面上、長く延びて突出する部分とを、それぞれ、少なくとも一以上有し、前記上挟持部を形成する周囲端縁と、前記下挟持部を形成する周囲端縁とが、平面的に所定の角度を成して交差する上下端縁交差部を、少なくとも一以上有するように、上挟持部および下挟持部の形状が形成されたことを特徴とする請求項2に記載のクリップ。 【請求項5】 前記弾性体が、前記背面において、略垂直方向に形成されたことを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載のクリップ。 【請求項6】 前記弾性体が線材あるいは板状部材で形成され、且つ、一対の弾性部材と、前記弾性部材の端部を連結する結節部とを有することを特徴とする請求項1ないし5の何れか一項に記載のクリップ。 【請求項7】 前記弾性体の結節部が、前記上挟持部および下挟持部のコーナー部近傍に位置することを特徴とする請求項6に記載のクリップ。 【請求項8】 前記弾性体の結節部が、前記上挟持部および下挟持部のコーナー部と反対側の端部付近に位置することを特徴とする請求項6に記載のクリップ。 【請求項9】 前記上挟持部のコーナー部を形成する2辺の端縁部それぞれにおいて、当該上挟持部あるいは押圧力伝達部から略垂直に下方に延びる略板状または略柱状の上離間距離保持部を備え、前記上離間距離保持部が挟持物を挟持しない状態で、前記下挟持部、または下挟持部に備わる押圧力伝達部と少なくとも一点で接することを特徴とする請求項1ないし8の何れか一項に記載のクリップ。 【請求項10】 前記下挟持部のコーナー部を形成する2辺の端縁部それぞれにおいて、当該下挟持部あるいは押圧力伝達部から略垂直に上方に延びる略板状または略柱状の下離間距離保持部を備え、前記下離間距離保持部が挟持物を挟持しない状態で、前記上挟持部、または上挟持部に備わる押圧力伝達部と少なくとも一点で接することを特徴とする請求項1ないし9の何れか一項に記載のクリップ。 【請求項11】 前記上挟持部および下挟持部のコーナー部を形成する2辺の端縁部それぞれにおいて、当該上挟持部あるいは押圧力伝達部から略垂直に下方に延びる略板状または柱状の上離間距離保持部と、当該下挟持部あるいは押圧力伝達部から略垂直に上方に延びる略板状または柱状の下離間距離保持部とを備え、前記上離間距離保持部と下離間距離保持部とが、挟持物を挟持しない状態で、少なくとも一点で互いに接することを特徴とする請求項1ないし8の何れか一項に記載のクリップ。 【請求項12】 前記上挟持部に設けられた押圧力伝達部が、前記上離間距離保持部の側面に位置することを特徴とする請求項9ないし11の何れか一項に記載のクリップ。 【請求項13】 前記下挟持部に設けられた押圧力伝達部が、前記下離間距離保持部の側面に位置することを特徴とする請求項10ないし12の何れか一項に記載のクリップ。 【請求項14】 前記上挟持部のコーナー部を形成する2辺の端縁部それぞれにおいて、当該上挟持部あるいは押圧力伝達部から、所定の長さで略垂直に下方に延びる略板状または略柱状の上回転防止部、あるいは、前記下挟持部のコーナー部を形成する2辺の端縁部それぞれにおいて、当該下挟持部あるいは押圧力伝達部から、所定の長さで略垂直に上方に延びる、略板状または略柱状の下回転防止部のどちらか一つを備えたことを特徴とする請求項1ないし13の何れか一項に記載のクリップ。 【請求項15】前記上回転防止部および前記下回転防止部の両方を備え、当該上回転防止部と下回転防止部とが、互いに近接して配置されたことを特徴とする請求項1ないし13の何れか一項に記載のクリップ。 【請求項16】 前記上回転防止部および下回転防止部が互いに近接するそれぞれの面に、当該面から所定の形状で突出するストッパーを設けたことを特徴とする請求項15に記載のクリップ。 【請求項17】 前記上挟持部および下挟持部が、当該挟持部を形成する周囲端縁部の内面において、内方から縁端にいくにしたがって次第に挟持部の厚さが薄くなるように形成されたテーパー部を有することを特徴とする請求項1ないし16の何れか一項に記載のクリップ。 【請求項18】 前記押圧部が、その先端部分において、所定の角度で折れ曲がった抜け落ち防止部を備え、当該挟持部、または押圧力伝達部に設けられた溝、あるいは孔に係止されたことを特徴とする請求項1ないし17の何れか一項に記載のクリップ。 【請求項19】 前記上挟持部、あるいは下挟持部が、略直角を形成するコーナー部1辺あるいは2辺において、それぞれ背面側に延びることで、上挟持部、あるいは下挟持部が、任意の形状を形成することを可能にすることを特徴とする請求項1ないし18の何れか一項に記載のクリップ。 【請求項20】 前記上挟持部、あるいは下挟持部のコーナー部2辺において、どちらか1辺あるいは2辺が背面側に延びた見出し部を備えていることを特徴とする請求項1ないし18の何れか一項に記載のクリップ。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はクリップに関し、より詳細には、書類等のコーナーに装着するコーナークリップに関する。 【従来の技術】 【0002】従来、コーナークリップとしては、挟持部の形状が略直角二等辺三角形に形成されたクリップであって、その斜辺となる先端部分が閉じる力で、挟持物を挟むプラスチック製のクリップが市販されている。コーナークリップは、他のクリップと異なり挟持するクリップ先端部分とその反対側、すなわち支点となる部分が平行でないため、他のクリップ、たとえば、洗濯バサミ型クリップやダブルクリップ等と同じように考えるわけにはいかない。このため、当該先端部分に挟持力を与える様々な工夫がされている。 【0003】ひとつには、図49の平面図に示したクリップCCのように、線状部材で構成されたバネCC30を、当該クリップの斜辺と直角方向に配置し、挟持物を挟持する斜辺部分とコーナー部の略中間点に支点CC32を設け、クリップ挟持板CC11の斜辺部分で挟持物を挟持する構造を採用したクリップ。すなわち、通常のクリップの形状を三角形にしたもので、支点CC32、CC32とコーナー部で囲まれた略三角形部分を開くためのハンドルとして利用している。支点CC32およびバネの支点(背の部分)となる部分はクリップの縁から各々はみ出ている。 【0004】今ひとつは、図47の平面図、および図48の背面図に示したクリップBBのように、クリップコーナー部の2辺に、その各々の辺と直角となる方向に板バネBB30を配置して、バネ先端部分が閉じようとする力を挟持板BB11、BB12に伝達し、クリップ先端部分(斜辺部分)で挟持物を挟持する構造を採用したクリップがある。この場合はバネBB30の閉じる方向と、挟持板そのものが閉じる方向とが異なるため、図48に示すように、バネの背板、すなわち支点となる部分を中心として、挟持板BB11、BB12が回転するように、バネと挟持板とが接する部分の形状を工夫している。そしてその機構を挟持板BB11、BB12の厚さの範囲内で処理しているため、挟持板は厚くならざるを得ない。 【0005】また、クリップBBは、クリップCCと同様、支点BB31、BB31とコーナーで囲まれた略三角形部分を開くためのハンドルとして利用している。クリップBBにしても、クリップCCにしても、より厚手の書類等を挟持するクリップとする場合は、「てこ」の部分、つまりこのハンドルの大きさを大きくしなければならない。そのため、クリップBB、クリップCCともに、挟持できる挟持物の厚さには、おのずと限界がある。すなわち、あまりに厚さのある挟持物を挟持するクリップの場合、クリップそのものが大きくなりすぎてしまうという不都合が生じる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】従来のコーナークリップは、挟持できる書類の厚みという観点から言えば、支点部分、あるいはバネの背板における上下両挟持板の離間距離が、挟むことのできる書類の厚さの限界である。また、先に説明したように、クリップを開くための「てこ」、いわゆるハンドルに、挟持板のコーナー部分を利用しているため、厚い挟持物を挟むクリップ、すなわち挟持力が強く、開くストロークが大きいクリップは、「てこ」、いわゆるハンドルの長さが長くなる。言い換えればクリップ自体が大きくなるため、挟持できる挟持物の厚さにもおのずと限界がある。 【0007】従来のクリップの場合、そのバネの支点部分における上下両挟持板の離間距離は固定的な幅(高さ)である。そのため、その幅(高さ)よりも薄い書類を挟んだ場合には、書類の厚さと上下両挟持板の離間距離との差が、挟持板の厚さに加えて必要以上にかさばる要因となる。 【0008】クリップで綴じることに起因する押圧跡など、書類の傷みという観点から従来のクリップをみると、その先端部分、すなわち、挟持部の斜辺となる部分で挟持物を挟持しているため、局所的に大きな力がかかることになる。特に厚い書類等を挟んだ後には、その部分が凹みになって跡が残る場合もある。 【0009】また、クリップを形態という観点からみると、従来のクリップは、その力点となる先端部分が常に直線的であり、さらには、挟持する部分、すなわち力点は平面上、上下同一の位置になければ、書類を挟んだときにクリップ本体が上下どちらかに偏り、バランスが保てない。したがって、その形状は、おのずと制限され、たとえば、丸いクリップ、あるいは、キャラクターの形をしたクリップ等、自由な形状を持つクリップは提供できない。 【0010】 【発明の目的】以上が、従来のクリップの構造上発生し、避けることのできない不都合な点である。本発明は、垂直に位置し、垂直方向に伸縮して、挟持物を挟持する力を上下挟持部に与える弾性体と、前記垂直に位置する弾性体に対してほぼ水平となる90度内外の角度を持つ上下2つの挟持部とでクリップを構成し、挟持物を上下挟持部の面全体で挟むことで、これら従来のクリップの持つ不都合な点のすべてを同時に解消する構造のクリップを提供することを目的とする。 【0011】前記垂直に位置し、垂直方向に伸縮する弾性体を利用したクリップについては、すでに平成13年10月22日付けの「特願2001−324263のクリップおよびバインダー」および平成13年9月25日付けの「特願2001−331653の伸縮クリップ」において出願済みであり、その応用例として、コーナークリップが記載されている。その実施態様は図44の平面図、および図45の背面図に示すとおりである。 【0012】クリップを開くためのハンドルを持たないこのコーナークリップでは、クリップ装着時に先端を手で開くため、先端が閉じたクリップや、上下挟持部の離間距離hAの幅が小さい薄手の挟持物を挟むクリップでは、手で開きにくく、クリップを装着しにくいという不都合が生じる。 【0013】また、押圧部AA14が挟持部AA11の略中央部にまで架け回されており、挟持物AA13を挟持した状態では、前記挟持部の上側には最低限、挟持部AA11の厚さに押圧部AA14の厚み(高さ)が加わることになり、余分にかさばる要因ともなる。また、上挟持部AA11の上側にあるこの押圧部AA14は、意匠的にも好ましいものとはいえない。特に透明なプラスチック等で挟持部を形成した場合には、書類等を挟持したとき、この押圧部が目障りなものとなる。 【0014】また、何も挟持していない状態で、上下両挟持部AA11、AA12が離間しているこの実施例では、初期状態、つまり何も挟持していない状態では挟持力は付加されていない。そのため、たとえば、当該離間距離よりもわずかに厚い挟持物を挟持したような場合には、弾性体の伸びもわずかであり、十分な挟持力を得ることができない。すなわち初期挟持力は0(零)に近い。 【0015】さらには、上下挟持部を連結する弾性体AA10、AA10の結節部AA17、AA17が、共にクリップコーナー部近傍に位置しているこの実施例では、図46のように結節部AA17を略中心として上下挟持部AA11、AA12が水平に回転し、同時に書類もずれてしまうという不都合が生じる。薄手の挟持物を挟持した場合は、ほとんど回転せず不都合が生じることは無いが、特に厚手の書類等を挟持した場合には回転しやすくなる。これを防止するため、「特願2001−324263のクリップおよびバインダー」においては、一般的なクリップ(コーナークリップではない)についてであるが、結節部の位置を反対側に設けることについても言及している。また、弾性体に平鋼等を用いて部材自身のねじれ剛性を高め、回転を防止することも可能である。しかしながら、このような方法だけでは上下挟持部の水平回転を完全に防ぐことは難しい。 【0016】本発明は、先に説明した従来のコーナークリップの不都合な点を解消するとともに、平成13年10月22日付けの「特願2001−324263のクリップおよびバインダー」および平成13年9月25日付けの「特願2001−331653の伸縮クリップ」において出願済みのクリップに改良を加え、その不都合な点を同時に解消する構造のクリップを提供することを目的とする。すなわち、本発明は簡単な構造で、どんな厚さの書類を挟んだ時にも、挟持板が書類に密着して挟持板の厚さ以上にかさばることがなく、どんな厚さの挟持物にも対応できて、しかも極端にクリップ本体が大きくならず、強い挟持力で挟持物を挟んだ時にも跡が残りにくく、クリップを開くためのハンドルも不要であり、しかも装着が容易で、十分な初期挟持力を得ることができ、厚い挟持物を挟持したときにも回転してずれることが無く、そしてなお、挟持板を自由な形状にできるクリップを提供することを目的とする。 【0017】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明では、先に説明した、垂直に位置し、垂直方向に伸縮して、挟持物を挟持する力を上下挟持部に与える一対の弾性体と、前記垂直に位置する弾性体に対して90度内外、すなわちほぼ水平となる上下一対の挟持部とで構成された形成体をクリップの構造として採用し、なお、その押圧部をクリップコーナー端縁部、すなわち弾性体と略平行に配置すると共に、初期挟持力の確保、あるいは、より装着しやすくするため、その形態に工夫を加えた。 【0018】より具体的には、本発明の目的は、書類等、挟持物のコーナーに装着することで、挟持物を挟持するクリップであって、少なくても内面が平面で、略直角のコーナー部を有する略板状の上挟持部と、少なくても内面が平面で、略直角のコーナー部を有する略板状の下挟持部と、前記上挟持部のコーナーを形成する2辺の端縁部分と、下挟持部の対応する端縁部分とを、各々連結し、前記上下挟持部のそれぞれの一端から、挟持物を挟持した状態でその背面に沿って位置するように構成された少なくとも一対以上の弾性体を備え、当該弾性体の両端部から、上端にあっては前記上挟持部の上で上挟持部が成す面と略平行、且つ、下端にあっては前記下挟持部の下で下挟持部が成す面と略平行に延び、上下挟持部を、双方が近接する向きで付勢する、線状、あるいは板状の上下一対の押圧部を有し、前記下挟持部が、上挟持部よりも平面上長く延びて突出する部分と、前記上挟持部が、下挟持部よりも平面上長く延びて突出する部分とを、各々一以上有し、上挟持部の端縁部と、下挟持部の端縁部が平面上任意の角度で交差する部分を一以上有することを特徴とするクリップにより達成される。このような構成とすれば、弾性体の性能が許す限り、どんな厚さの挟持物にも対応できて、しかも極端にクリップ本体が大きくならず、挟持板が書類に密着して必要以上にかさばることがなく、強い挟持力で挟持物を挟んだ時にも跡が残りにくく、クリップを開くためのハンドルも不要なクリップを実現できる。また、このような構成とすれば、当該上下端縁交差部の部分に、下挟持部が挟持物の下に位置し、上挟持部が挟持物の上に位置するように挟持物を斜めにあてがい、押し込むことで、挟持物を上下挟持物の間に差し込み、さらに挟持物をクリップコーナー部まで押し込むだけでクリップの装着が完了する。すなわち、極めて簡易なクリップの装着方法を実現できる。なお、この交差する角度は、平行、すなわち0度でなければ任意の角度で良い。また、前記上下挟持部の内面は、必ずしも平滑であることを、必要としない。表面に凹凸が形成されていても、挟持物を挿入するときに障害とならないように、面全体が平面形状であれば良い。 【0019】別の好ましい実施態様においては、書類等、挟持物のコーナーに装着することで、挟持物を挟持するクリップであって、少なくとも内面が平面で、略直角のコーナー部を有する略板状の上挟持部と、少なくとも内面が平面で、略直角のコーナー部を有する略板状の下挟持部とを備え、前記上下挟持部のコーナー部2辺それぞれに配置され、垂直方向に伸縮する一対の弾性体が、その上下両端部から前記上挟持部が成す面、および下挟持部が成す面、それぞれと略平行、且つ、前記上下挟持部のコーナー端縁部の2辺それぞれと略平行に延びて、前記上挟持部の上側および下挟持部の下側にそれぞれに架け回され、上挟持部および下挟持部を双方が近接する向きに付勢する一対の押圧部を備えている。このような構成によれば、どんな厚さの挟持物にも対応でき、しかも極端にクリップ本体が大きくならず、強い挟持力で挟持物を挟んだ時にも跡が残りにくく、クリップを開くためのハンドルも不要であり、しかもどんな厚さの書類を挟んだ時にも、挟持板が書類に密着して挟持板の厚さ以上にかさばることがないクリップを実現できる。 【0020】さらに好ましい実施態様においては、前記下挟持部が、上挟持部よりも平面上長く延びている。すなわち、下挟持部のほうが上挟持部よりも大きい。このような構成によれば、下挟持部を挟持物で押えながらクリップを開くことができるので、クリップを装着しやすくなる。 【0021】さらに好ましい実施態様においては、前記上挟持部よりも平面上、長く延びる下挟持部の部分と、下挟持部よりも平面上、長く延びる上挟持部の部分とを備え、前記上挟持部を形成する周囲端縁と、前記下挟持部を形成する周囲端縁とが、平面的に所定の角度を成して交差する上下端縁交差部を、少なくとも一以上有している。このような構成によれば、先に説明したように、クリップの装着はさらに容易になる。 【0022】さらに好ましい実施態様においては、前記弾性体が線材あるいは板状部材等で構成され、且つ、一対の弾性部材と、前記弾性部材の端部を連結する結節部とで、垂直な面を構成するように形成され、且つ、前記弾性部材の端部が、前記上下挟持部それぞれの外側で、挟持部が成す面と略平行、且つ、弾性体と略平行に結節部の方向に延びている。前記弾性体の結節部が、前記上挟持部および下挟持部それぞれのコーナー部近傍に位置しても良いし、あるいは上挟持部および下挟持部の端部付近すなわちコーナー部と反対側に位置しても良い。また、弾性体の数は一対に限定されるものではない。 【0023】さらに好ましい実施態様においては、前記上挟持部のコーナー部を形成する2辺の端縁部近傍から略垂直に下方に延びる略板状の上離間距離保持部を備え、挟持物を挟持しない状態で、前記上離間距離保持部先端が前記下挟持部の上面または下挟持部に設けられた押圧力伝達部と少なくとも一点で接する、あるいは、前記下挟持部のコーナー部を形成する2辺の端縁部近傍から略垂直に上方に延びる略板状の下離間距離保持部を備え、挟持物を挟持しない状態で、前記下離間距離保持部先端が前記上挟持部の下面または上挟持部に設けられた押圧力伝達部と少なくとも一点で接することで、上挟持部下面と下挟持部上面とが、所定の離間距離を保持している。このような構成によれば、あらかじめ、弾性体に付勢しておくことで、当該クリップに初期挟持力を付加することが可能になる。この、離間距離保持部は、上下両方備えていても良いし、どちらか片方を備えていても良い。またこの離間距離保持部の形状は、板状に限定されることなく、たとえば、角柱、円柱等、任意の形態であってもよい。 【0024】別の好ましい実施態様においては、上下挟持部がそれぞれ前記上離間距離保持部、および前記下離間距離保持部を備え、挟持物を挟持しない状態で、その両離間距離保持部の各々の先端部分あるいは所定の部分が、相互に、少なくとも一点で接することで、上挟持部下面と下挟持部上面とが、所定の離間距離を保持していても良い。 【0025】別の好ましい実施態様においては、垂直に延びる略板状の前記離間距離保持部の側面に、前記押圧部の押圧力を挟持部に伝達するための押圧力伝達部を設けても良い。このような形態とすれば、弾性体の大きさ(高さ)を変えることなく、離間距離保持部の長さを変えることで、大小異なる厚さの挟持物を挟持するクリップを提供できる。 【0026】さらに好ましい実施態様においては、前記上挟持部のコーナー部を形成する2辺の端縁部から略垂直に下方に延びる略板状の上回転防止部、および前記下挟持部のコーナー部を形成する2辺の端縁部から略垂直に上方に延びる略板状の下回転防止部を備え、前記上回転防止部と前記下回転防止部とを近接して配置することで、上下回転防止部相互の面接触を可能とする。このような形態とすることで上下挟持部が水平回転してずれることを防止することができる。この回転防止部は、上下どちらか一方を備え、対面する挟持部の側面、あるいは、押圧力伝達部の側面と面接触させることで、水平回転を防止しても良い。 【0027】さらに好ましい実施態様においては、前記上下回転防止部の先端もしくは所定の位置で相対する面に、任意の形態を有する突起状のストッパーを各々設けても良い。このストッパーを設けることで、上下挟持部が離間する方向に大きく開いた時、このストッパー同士が接触し、クリップが過度に開いて弾性体を損傷することを防止できる。なお、前記離間距離保持部と前記回転防止部は一体化して両方の機能を兼用しても良いし、離間距離保持部だけを設けて、回転防止機能やストッパーの機能を付加しても良い。 【0028】さらに好ましい実施態様においては、前記上下挟持部内面の端縁部沿いにおいて、その内方から外方すなわち端縁にかけて、当該挟持部を形成する板の厚みが、次第に薄くなるように、言い換えれば内方から外方に開くように挟持部内面が傾斜するテーパー部が形成されていることが望ましい。このように挟持部の端縁部内面を形成することで、挟持物はさらに差込み易くなる。 【0029】さらに好ましい実施態様においては、前記押圧部の先端部分が所定の角度で折り曲げられた抜け落ち防止部を備えている。この抜け落ち防止部は、挟持部に設けられた溝に埋め込む、あるいは押圧部先端部分で押圧力伝達部に設けられた貫入孔に差し込むことで、弾性体がクリップから外れて抜け落ちることを防止することができる。 【0030】別の好ましい実施態様においては、前記上挟持部または下挟持部が、挟持物を挟持した状態における背面側で、前記上挟持部あるいは下挟持部と略平面をなして延びることで挟持部を任意な形態としても良い。これによりキャラクターの顔などの形状を採用したクリップ等、挟持部の形態を自由な形状とすることが可能になる。 【0031】別の好ましい実施態様においては、前記上挟持部あるいは下挟持部の少なくとも一方が、挟持物を挟持した状態における背面側で、前記上挟持部あるいは下挟持部と略平面を成す延長部を有する。この延長部は見出しとして利用することができる。 【0032】 【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発明に係るクリップの形態、その使用方法などにつき説明を加える。 【0033】図1は、本発明の第1の実施形態にかかるクリップの平面図、図2は背面図、図3はX1−X1側断面図、図4はY1部分断面詳細図である。第1の実施形態は、挟持部にプラスチック等を使用したクリップで、本発明の構造原理を示し、基本形態ともいえる実施例である。 【0034】図1、図2に示すように、本実施の形態にかかるクリップ100は、略水平に位置する上挟持部111および下挟持部112と、垂直に位置し、垂直方向に伸縮する弾性体110、110、および押圧部114,114,114,114とから構成されている。図1に示すように、上挟持部111および下挟持部112は、略二等辺三角形の形状をなし、下挟持部112は上挟持部111より長く延びて大きい。また、図1および図2に示すように、クリップのコーナー部2辺に沿って、弾性体110、110、および前記弾性体110の端部が延びて、弾性体110と略平行、すなわちコーナー端縁部と略平行に、上挟持部111の上面、および、下挟持部112の下面に架け回された押圧部114、114が配置されている。押圧部114、114と連結された弾性体110は、上挟持部111の端縁部、および下挟持部112の端縁部にて確定される垂直面と整列するような復元力を備えた弾性部材116、116と、前記弾性部材の端部を連結した結節部117とを有している。 【0035】本実施の形態にかかるクリップ100は、従来のコーナークリップと異なり、何も挟持しない状態では、図3に示すように開いた状態、つまり、上挟持部111および下挟持部112の、コーナー部と先端部が同一の高さ(h1)だけ離間した状態で略平行となっている。また、挟持できる挟持物の厚みは、従来のコーナークリップでは、その支点における上下両挟持部の離間距離に相当する厚みがその限界であったが、本実施の形態にかかるクリップ100では、上挟持部111および下挟持部112との離間距離、つまり(h1)を超える厚さであれば、弾性体の性能が許す限り、任意の厚みの挟持物、言い換えればどんな厚さの挟持物でも挟むことができる。 【0036】本実施の形態にかかるクリップ100にて、挟持物113を挟もうとするときにつき、以下に説明する。まず、使用者は、図5に示すように、挟持物113で下挟持部112を押えながら、上挟持部111の先端部分が、下挟持部112の先端部分と離間するように手で開く。この場合、開くために必要とする力は、弾性部材116、116が閉じようとする力に抗する力である。そして、図5のように、挟持物113が差し込めるだけの離間距離が確保できたら、挟持物113を、その先端部分が、上下両挟持部のコーナー部に到達するまで押し込む。このとき、挟持物113に備わる厚みが、上挟持部111と下挟持部112との離間距離を押し広げると同時に、押圧部114、114の先端を、互いに離間する方向に押し広げる。そして、コーナー部における上挟持部111と下挟持部112との離間距離が挟持物113と同一になったときに、図8に示すように上挟持部111、下挟持部112、並びに、挟持物113の表面および裏面は平行になる。そして弾性部材116が閉じようとする力、および離間した押圧部114、114が復元しようとする力、すなわち上挟持部111および、下挟持部112が互いに近接する方向に働く力が、上挟持部111および下挟持部112に伝達され、上挟持部111および下挟持部112は挟持物113に密着し、上挟持部111の下面および下挟持部112の上面全体で、挟持物113を挟持する。 【0037】図8は、弾性体110が伸長して、弾性部材116、116が開き、さらに押圧部114、114が開いて、挟持物113を挟持している状態の背面図である。図8に示すように、挟持物113を挟持することにより、上挟持部111と下挟持部112との離間距離が、初期状態(図2参照)より大きくなっており、これに伴って、弾性体110の弾性部材116が、外方に引き伸ばされた状態となっている。また、押圧部114と弾性部材116との離間距離が、初期状態(図2参照)より開いた状態となっている。ここで弾性部材116の復元力と押圧部114の復元力とが合わされて、上挟持部111および下挟持部112に、双方を近接する方向の力として加わり、これが強い挟持力となる。ちなみに、先に説明した挟持物113を挟もうとするときに、上下両挟持部111、112の先端を開くために必要とする力は、図6の背面図に示すように、弾性部材116を開くためだけの力で足りるので、最終的に挟持物113に加わる挟持力、つまり、弾性部材116、116の復元力と押圧部114、114の復元力とが合わされた力より小さくて済む。すなわち、小さな力で簡単に開くことができる。 【0038】なお、本実施の形態にかかるクリップでは、挟持部を背面側に延長させて見出し部121を設けてもよい。これは図1において破線で示されているように、上挟持部111あるいは、下挟持部112に設けることができる。従来のクリップでは、薄い挟持物を挟んだ場合、挟持部が傾くため、挟持部に設けた見出しも傾いてしまう。このため、見出しつきクリップは、現実的でなかったが、本発明によれば、挟持部は先に説明したとおり、常に挟持物と平行に保たれる。したがって、見出しも挟持物と平行になり、実用性の高い見出しとなり得る。 【0039】挟持物113からクリップ100を外す場合には、使用者は挟持物113を片手で保持し、クリップ100を引き抜くだけでよい。 【0040】次に、本発明の第2の実施形態につき、図9ないし図14を参照して説明を加える。図9は、第2の実施の形態にかかるクリップ200の平面図、図10は何も挟持していない状態の背面図、図11は挟持物を挟持した状態の背面図、図12は何も挟持していない状態のY2a−Y2a部分断面詳細図、図13は挟持物を挟持した状態のY2b−Y2b部分断面詳細図、図14は挟持物を挟持した状態のX2部分断面詳細図である。第2の実施形態は、第1の実施形態に離間距離保持部、および回転防止部を設けて、初期挟持力の付加、および挟持部の水平回転の防止等を目的としたものである。 【0041】このクリップ200は、図12の断面詳細図に示すように、上挟持部211、および下挟持部212各々から略垂直に延びた板状の上離間距離保持部218、下離間距離保持部219を備えており、それぞれの先端部分が上下挟持部211、212の端部に位置する押圧力伝達部222、222と接している。また、図13に示すように、上挟持部211、および下挟持部212各々から略垂直に延びた板状の上回転防止部223、および下回転防止部224を備えている。さらには、前記上下回転防止部223、224各々の先端部分で互いに面する位置にストッパー226、226が配置されている。この上下離間距離保持部218、219、および上下回転防止部223、224は、図14に示すように連続しており、上下回転防止部223、224がコーナー部に位置するように形成されている。 【0042】前記上下離間距離保持部218、219を設けることで、図10に示すように、クリップ200は、何も挟持していない状態でも、上下挟持部218、219の最低限の離間距離(h2)を保つことができる。そのため、図10のように何も挟持物を挟持していない状態でも、弾性体210に縮もうとする力、すなわち初期挟持力を付加しておくことが可能になる。これにより、挟持物を挟持していない状態、つまり、図10における離間距離(h2)よりも、わずかに厚みの大きい挟持物を挟持した場合でも、じゅうぶんな挟持力を得ることが可能になる。また、図13に示すように、上下離間距離保持部223、224の先端に設けられたストッパー226、226は、互いに面接触することで、上下挟持部は停止し、上下挟持部211、212の離間距離が過度に大きくなるのを防止する。これにより、弾性体210が、伸びきって損傷するのを防ぐことができる。 【0043】また、図13に示すようにストッパー226、226の先端部分は、上下回転防止部223、224の内面と各々面接触している。さらには、図14に示すように、上下回転防止部223、224およびストッパー226、226は、略直角のコーナー部二辺に配置され、略直角形状を形成しているため、上挟持部211、あるいは下挟持部212が、水平に回転して互いにずれてしまうことを防ぐことが可能となる。さらには、前記上離間距離保持部218、あるいは上回転防止部223の内面(挟持物213の端縁に接する面)は、図14に示すように、平面的に略直角のコーナー部を形成している。このため、挟持物213を押し込んだときに、挟持物213を停止し、且つ、挟持物213のコーナーを揃えて整列する機能を持つ。すなわち、クリップを装着すると同時に書類を揃えることも同時に可能となる。なお、このクリップ200の使用方法もクリップ100の使用方法と同様であり、クリップ先端部分を開き、挟持物213を押し込んで装着する。 【0044】次に、本発明の第3の実施形態につき、図15ないし図18を参照して説明を加える。図15は、第3の実施の形態にかかるクリップ300の平面図、図16は何も挟持していない状態の背面図、図17は挟持物を挟持した状態の背面図、図18は何も挟持していない状態のY3−Y3部分断面詳細図である。第3の実施形態は初期挟持力の付加、回転防止の機能を持ち、且つ、装着が容易なクリップである。 【0045】このクリップ300は、図18に示すように、上下離間距離保持部318、319の先端部分が互いに略上下中央で接している。さらには、図17に示すように、コーナー部近傍に上下回転防止部323、324が配置されている。この上下回転防止部323、324の詳細形状はクリップ200と略同様であり、先端にはストッパー326、326が形成されている。(詳細図は示さず) 【0046】このクリップ300は、上下離間距離保持部323、324によって最低限の離間距離(h3)が保たれ、クリップ200と同様、十分な初期挟持力を与えることができる。また、上下回転防止部323、324、およびストッパー326、326が、上下挟持部311、312の水平回転を抑制して互いにずれることを防止し、且つ、クリップが過度に開いて、弾性体310を損傷するのを防止する。 【0047】本実施の形態にかかるクリップ300にて、挟持物を挟もうとするときにつき、以下に説明する。このクリップ300は、図15に示すように、上挟持部311の端縁を形成する辺L3aと、下挟持部312の端縁を形成する辺L3b、L3cとが、平面的に各々略直角に交差するように構成された上下端縁交差部325、325を備えている。このクリップ300の使用にあたっては、図35に示すように、前記上下端縁交差部325に、挟持物313を斜めに(上挟持部311の辺L3aと平行にならず、且つ下挟持部の辺L3bと平行にならないような角度をもって)あてがい、且つ、上挟持部311は挟持物313の上に、下挟持部312は挟持物313の下にくるように、クリップの位置を保ちながら、挟持物313を差し込む。そして図35に示すように、クリップを挟持物側に回転すれば装着完了である。このように、上下端縁交差部325を設けることで、簡易な装着方法を実現することが可能になる。この上下端縁交差部の形状、位置、個所数は、この実施例に限定されない。交差角度は任意の角度で良いし、位置もどの位置であっても良い。個所数も1以上あれば良い。なお、先の装着方法で装着ができないような極端に厚い挟持物の場合には、クリップ100と同様、先端を手で開いて差し込んでも目的が達成されるのは言うまでも無い。 【0048】次に、本発明の第4の実施形態につき、図19、図20を参照して説明を加える。図19は、第4の実施の形態にかかるクリップ400の背面図、図20は何も挟持していない状態のY4−Y4部分断面詳細図である。このクリップ400は、先に説明したクリップ300の変形例であり、同一機能を持ちながら、より厚手の挟持物に対応できるクリップである。図20に示すようにクリップ400はクリップ300に比べて、上下離間距離保持部418、419が長く延びており(図18参照)、その先端部側面に押圧力伝達部422、422が設けられている。上下回転防止部423、424もクリップ300と略同様で、図19に示すように略上下中央に配置されている(上回転防止部423は、下回転防止部424の背後に隠れている)。 【0049】このクリップ400の機能、使用方法は先に述べたクリップ300と略同様であるので、その詳細についてはここでは省き、その効果について説明する。クリップ400は、先に説明したようにクリップ300と同一機能を持ちながら、より厚手の挟持物に対応できるクリップである。そしてその目的は、先に説明したように、上下離間距離保持部418、419の長さを変えるだけで達成できる。言い換えれば、弾性体410は変えずに、上下挟持部411、412を取り替えるだけで、様々な厚さの挟持物に対応するクリップを提供することができ、生産コストの低減を図ることも可能である。 【0050】また、同一形状の弾性体を用いるため、薄手のクリップ(薄い挟持物に対応する(h4)の小さいクリップ)であっても、厚手のクリップ(厚い挟持物に対応する(h4)の大きいクリップ)であっても、クリップを開くために要する力は、ほぼ同じである。従来のクリップで厚手の挟持物を挟もうとするときには、その先端部分が完全に閉じた状態から、最低限、挟持物の厚みの高さまで先端を離間させるように開かなければならず、開くために要する力も挟持物の厚さに比例する。しかしながら、本クリップの場合は、どんな厚さの挟持物であっても、挟持物の厚さと、最低離間距離(h4)との差の分だけ開けばよいので、厚手の挟持物であっても、薄手の挟持物を挟持するときと同じような小さな力で開くことができる。さらには、弾性体の性能も同一なため、どんな厚さの挟持物であっても、挟持物の厚さと、最低離間距離(h4)との差が同じであれば、開くために要する力は同一である。 【0051】次に、本発明の第5の実施形態につき、図21ないし図24を参照して説明を加える。図21は、第5の実施の形態にかかるクリップ500の平面図、図22は何も挟持していない状態の背面図、図23は挟持物を挟持した状態の背面図、図24は何も挟持していない状態のY5−Y5部分断面詳細図である。このクリップ500は、上下挟持部に曲げ加工が可能で、しかも材料強度の大きい、たとえば、金属板等を使用した例であり、上離間距離保持部のみを備えたシンプルな構造のクリップでもある。このクリップ500は、図24に示すように、クリップコーナー端縁部において、上挟持部511の端部が下挟持部512の上面に到達するまで下方に略垂直に延び、上離間距離保持部518を形成することで、最低離間距離(h5)を確保している。さらには、前記上離間距離保持部518の先端が折り返されて、上挟持部511の位置まで延び、押圧力伝達部522を形成している。 【0052】本クリップ500は、金属板等、強度の大きい素材を用いることで、どんな厚みを有する挟持物を挟持した場合にも、図21の平面図に示すように(挟持した場合については図示せず)、挟持物端縁部からの突出部分は、極めて小さく、さらには、図23に示すように、挟持物513の表面、および裏面には金属板の厚さしか出っ張らないので、クリップを意識しなくても済むようなかさばらないスマートなクリップを提供することが可能である。 【0053】このクリップ500では、図22に示すように、押圧部514の先端部分が折り曲げられ、押圧力伝達部522に設けられた孔に差し込まれた抜け落ち防止部515が、形成されている。第1、第2、第3の実施形態にかかるクリップでは、押圧部と弾性部材とが挟持部、あるいは押圧力伝達部を挟みつけることで、弾性体がクリップ本体から抜け落ち、外れてしまうのを防止している。当該抜け落ち防止部515は、より強固に弾性体510をクリップ本体に固定し、抜け落ちを防止するものである。本クリップの使用方法も、クリップ200と略同様である。 【0054】次に、本発明の第6の実施形態につき、図25、図26を参照して説明を加える。図25は、第5の実施の形態にかかるクリップの何も挟持していない状態の背面図、図26は何も挟持していない状態のY6−Y6部分断面詳細図である。このクリップ600は、前記クリップ500と同様、素材として金属板等を使用し、且つ、上離間距離保持部および、下離間距離保持部を備えたクリップでもある。また、この上下離間距離保持部は、同時に上下挟持部の水平回転防止の機能も併せ持っており、且つ、ストッパーの機能も備えたクリップでもある。さらには、第4の実施形態、クリップ400と同じように、弾性体を変えずに、上下離間距離保持部の長さを変えることで、様々な厚さの挟持物に対応できるクリップでもある。 【0055】このクリップ600は、図26に示すように、コーナー端縁部において、上挟持部611の端部が下挟持部612の上面に到達するまで下方に略垂直に延び、上離間距離保持部618を形成し、且つ、前記上離間距離保持部618の先端が折り返されて上挟持部611よりやや下方に押圧力伝達部622が形成されている。また、下挟持部612の端部が前記押圧力伝達部622の下面に到達するまで上方に略垂直に延び、下離間距離保持部619を形成して最低離間距離(h6)を確保している。上下各離間距離保持部618、619の先端は折り曲げられて、ストッパー626、626を形成している。 【0056】このクリップ600は、先に述べたように、上下離間距離保持部618、619が上下回転防止部623、624の機能を兼用している。それは、図26に示すように、上下離間距離保持部618、619を共に、弾性体610より内側に近接して配置することで可能となる。また、本クリップは、クリップ500と同一形状の弾性体を使用した実施例でもある。その効果は、先のクリップ400と同様である。なお、上下離間距離保持部618、619の側面に配置された弾性体610の上下位置は、上離間距離保持部618の折れ曲がった先端部分から押圧力伝達部622までの長さ、並びに、下離間距離保持部619の折れ曲がった先端部分から押圧力伝達部622までの長さを変えることで、任意の位置に配置可能なことは言うまでも無い。本クリップの使用方法も、クリップ200と略同様である。 【0057】次に、本発明の第7の実施形態につき、図27ないし図30を参照して説明を加える。図27は第7の実施の形態にかかるクリップ700の平面図、図28は背面図、図29はX7−X7側断面図、図30はY7−Y7部分断面詳細図である。このクリップ700は、最小限の挟持物、すなわち紙1枚でも挟持できるクリップである。無論、2枚以上どんな厚みであっても、弾性体710の性能が許す限り、挟持することが可能である。それは図29に示すように、上挟持部711と、下挟持部712との離間距離を略0(ゼロ)とすることで達成される。 【0058】また、このクリップ700では、上挟持部711の先端部(斜辺)に沿って、折り曲げ用溝720が設けられている。例えば、プラスチック等、柔軟性を持つ素材で上挟持部711を形成すれば、図29に示すように、この折り曲げ用溝720を中心として、上挟持部711の先端部分を開くことが可能となる。したがって、この開いた部分に挟持物を差込み、さらに押し込むことで、上挟持部711と下挟持部712との離間距離は広がり、挟持物を挟持することが可能になる。無論、クリップ100のように、先端部分を手で開いて、挟持物を挟持することも可能であることは、いうまでもない。また、図30に示すように、このクリップ700の下挟持部712の端縁には、下回転防止部724が設けられている。このように回転防止部724を下挟持部712だけに設け、上挟持部711の側面と面接触させて、水平回転を防止しても良い。特にこのような薄手のクリップでは有効である。 【0059】次に、本発明の第8の実施形態につき、図31ないし図34を参照して説明を加える。図31は第8の実施の形態にかかるクリップ800の平面図、図32は何も挟持していない状態の背面図、図33はY8−Y8部分断面詳細図、図34は挟持物を挟持した状態の背面図である。このクリップ800は、クリップ700と同様、最小限の挟持物を挟持できるクリップであり、上下挟持部811、812のコーナー端縁部内面に弾性体810を収納する溝を設けたものである。この溝に弾性体を収納することで、外観の意匠性を高めることができる。また、クリップ700のように、弾性体710が挟持部の外側に突出することもなく、じゃまにならずに、極めてスマートになる。 【0060】また、このクリップ800は、先に説明したクリップ300と同様に、上下端縁交差部825、825を有している。この上下端縁交差部を利用して、クリップを装着する方法は、本クリップのように先端が閉じて、手で開くことができないクリップにおいては、極めて効果的である。その装着方法はクリップ300にて説明したのと同様であり、図35に示す通りである。なお、斜めに差し込めないような厚い挟持物を挟持する場合には、図36に示すように上挟持部811の側端で、下挟持部812よりも外方に飛び出ている部分に指をかけ、開くことも可能である。また、上下挟持部811、812の先端部は、図34に示すように、その内面において、内方から外方、すなわち端縁部にかけて、次第に薄くなるようなテーパー部827、827がついている。このような形態とすることで、挟持物813はより差込み易くなる。 【0061】本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。たとえば、先に説明したすべての実施形態においては、弾性体の結節部が上挟持部および下挟持部のコーナー部付近に位置しているが、このような構成に限定されるものではない。図39は、弾性体1110の結節部1117を反対側、すなわち上挟持部1117の端部(斜辺)近辺に配置している。このようにしてもクリップとしての機能は、基本的に変わらない。この場合、挟持物を差し込むためにクリップ先端を開く時に必要な力は、他の実施例と異なり、押圧部1114の復元力に抗する力であるが、挟持物を挟持した時に生じる挟持力は、他の例と同様、弾性部材1116の復元力に押圧部1114の復元力が加わったものとなる。 【0062】また、弾性体、弾性部材、結節部の形状、素材、数、位置等は、各実施の形態にて例示したものに限定されることはない。たとえば、挟持部に弾性を持つ金属板等を使用し、その端部をバネ形状の弾性体として加工し、一体的なクリップを形成しても良い。たとえば図37に示したクリップ900のように、弾性体910にコイルバネを使用し、その端部を延ばして、弾性部材916、916および押圧部914、914を形成しても良い。 【0063】また、すべての実施例では、弾性体が上挟持部と下挟持部との範囲内に納まっているが、たとえば、図41に示したクリップ1300のように上下挟持部間の範囲からはみ出しても良い。このようにすれば弾性体1310の性能は向上し、より厚みのある挟持物を挟持することも可能となる。 【0064】また、すべての実施例では、何も挟持しない状態で、上挟持部と下挟持部とは略平行、すなわち水平となっているが、これに限定されるものではなく、従来のクリップのように先端が閉じていても良い。たとえば、図40に示したクリップ1200のように上下挟持部1211、1212の先端部分(斜辺の部分)が閉じていてもよい。このように先端を閉じることで、離間距離保持部を設けなくても初期挟持力を付加することが可能となる。さらには、より挟持力の強いクリップを提供することも可能になる。あるいは、逆に先端が開く、すなわち、コーナー部における上下挟持部の離間距離よりも、クリップ先端部(斜辺)における上下挟持部の離間距離が大きくても良い。この場合は、挟持物がより差込み易くなる。また、弾性体の数は、基本的に一対、すなわち2つの弾性体が用いられているが、これに限定されるものではない。 【0065】同様に、押圧部、押圧力伝達部の形状、素材、位置、取り付け方法は各実施の形態にて例示したものに限定されることはない。先に説明した第1、第2、第3、第4の実施形態では、弾性体の弾性部材と溝の中に収納された押圧部とが、弾性体の端部において、挟持部あるいは押圧力伝達部を挟みつけることで、弾性体の位置を保持しているが、たとえば、押圧部を上挟持部、あるいは下挟持部に完全に埋め込むことで弾性体を固定しても良いし、むろん、溝も作らず、露出しても良い。あるいは、第5、第8の実施形態のように、抜け落ち防止部を設けて固定しても良い。また、すべての実施形態において、押圧部はコーナー端縁部と平行に形成された実施例が示されているが、第4、第6の実施形態、つまり、押圧部がクリップ側面(背面)に位置する実施形態を除けば、図44に示された押圧部のように、挟持部外面中央部に架け回しても良いことは言うまでも無い。 【0066】同様に、上下端縁交差部の数、位置、形状、交差する角度も、各実施の形態にて例示したものに限定されることはない。たとえば、先に説明した第3、あるいは、第6の実施形態では、上下端縁交差部が、上挟持部の斜辺端縁部に位置し、上下端縁は略90度で交差しているが、図38の上下端縁交差部1025のように、挟持部を形成するコーナーであっても良いし、他の辺であっても良い。また、その交差する角度も、任意の角度で良いことは言うまでも無い。 【0067】同様に、挟持部の素材、形状等も、各実施の形態にて例示したものに限定されることはない。特に、第1の実施形態で説明したように、内面は必ずしも平滑である必要は無い。たとえば、図42に示したように、大きな凹凸があっても、挟持力がかかる部分が全体的に略平面であれば良い。本発明にかかるクリップにおいては、従来のクリップのように、挟持物を挟持する位置が、その先端部分に限られたものではなく、挟持部の面全体で挟持物を挟持するため、挟持力が挟持部に伝達されれば、挟持部の形態を制限するものはない。したがって、挟持部の先端が曲線であっても、クリップの機能を、何ら損なうことはなく、たとえば従来のクリップでは不可能と思われるキャラクター等のデザインを挟持部に採用したような、自由な形状のクリップを提供することも、可能となる。図43に示したクリップ1400は、上挟持部1411および、下挟持部1412を背面側に延ばして、上挟持部1411にキャラクターの顔のデザインを採用し、押圧部1414、1414、1414、1414を上下挟持部1411、1412の中に埋め込んだ実施例である。本発明によれば、挟持物を面で挟持するため、挟持部先端の形状は、従来のクリップのように、直線状の形態に限定されることなく、このように自由な形状を有するクリップを提供することができる。 【0068】同様に、離間距離保持部、回転防止部、ストッパーの素材、形状、位置、機能等は、各実施の形態にて例示したものに限定されることはない。たとえば、第6の実施形態で説明したように離間距離保持部が、回転防止部の機能を兼用しても良いし、その逆であっても良い。すべての実施形態において、回転防止部がクリップコーナー部近傍に位置しているが、たとえば、反対側のクリップ端部近傍に位置しても良い。 【0069】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、従来、特別な工夫なしには不可能であったコーナークリップを、簡単な構造、部材によって提供できるだけではなく、自由な形状のコーナークリップ、あるいは見出し付きのコーナークリップ等、付加価値をもつコーナークリップを提供することが可能である。 【0070】また、本発明によれば、どんな厚みの書類を挟持しても、挟持部が挟持物に密着するので、挟持物の上下に出っ張るのは、挟持部の厚みだけ(押圧部が挟持部中央に架け回された場合は除く)である。挟持部に強度のある素材、たとえば金属板等を使用すれば、クリップを意識しなくても済むような、かさばることのないコーナークリップを提供することが可能になる。 【0071】本発明によれば、上下挟持部の初期離間距離を超えるものであれば、弾性体の性能の許す限り、どんな厚みの挟持物を挟むことも可能であり、極めて汎用性の高いコーナークリップを提供することが可能となる。 【0072】本発明によれば、クリップの力点、すなわち挟持物を挟持する部分は、従来のクリップのように、先端の局所的な線状部分ではなく、挟持部の面全体であるので、強い挟持力で挟持したときでも、従来のように挟持跡が残ることがなく、書類を傷めることが少ない。 【0073】本発明によれば、面全体で挟持物を挟持するため、挟持部の形状は自由な形とすることができる。また、従来のクリップのように上下挟持部において、挟持する位置(力点)を同一位置に合わせる必要がないため、挟持部の形状、大きさを上下で異なる形状、大きさにしてもクリップの機能を何ら損なうことはない。 【0074】本発明によれば、挟持物を挟持するときに、クリップを開くために必要とする力は、従来のクリップのように挟持力すべてに抗する力ではなく、弾性部材の復元力、あるいは押圧部の復元力に抗する力のどちらか一方であり、その両方が合わさった最終的な挟持力に比べれば少ない。また、従来のクリップの場合には、どんな厚みの挟持物を挟む場合でも、クリップが閉じた状態から最低限、挟持物の厚みの分開かなければならないが、本発明にかかるクリップでは、何も挟持しないで開いているクリップの上下両挟持部の離間距離と、挟持物の厚みとの差の分だけ開けばよいので、開くために必要とする力は、従来のクリップに比べればはるかに少なくて済む。 【0075】本発明によれば、押圧部をコーナー端縁部、すなわち弾性体に沿って配置すれば、意匠的に優れたコーナークリップを提供できる。たとえば、透明な素材等で挟持部を形成すれば、書類上の記述等をまったく遮ることのないコーナークリップを提供できる。 【0076】本発明によれば、先に述べたように、端縁交差部を設けることで、挟持物を斜めに挿し込むことが可能となり、ワンタッチで装着できるという、極めて簡易な装着方法が可能になる。 【0077】本発明によれば、離間距離保持部を設けることで、当該クリップに初期挟持力を付加することが可能となり、挟持物を挟持しない状態の上下挟持部の離間距離をわずかに超える厚さの挟持物であっても、強い挟持力でしっかり挟持することが可能なコーナークリップを提供できる。 【0078】本発明によれば、上下回転防止部を設けることで、挟持部の水平回転を防止でき、挟持物をしっかりと保持することが可能になる。また、ストッパーを設けることで、クリップが過度に開いて弾性体が損傷するのを防止することができる。 【0079】本発明によれば、離間距離保持部側面に弾性体を設置することで、離間距離保持部の長さは自由に変えることができる。このため、弾性体を変えることなく大小のクリップ(挟持物の厚さの大小に対応するクリップ)を提供することが可能で、生産コストの低減を図ることも可能である。また、大小のクリップであっても、挟持物を差し込むためにクリップを開く力を同一にすることが可能になる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】500481640 【氏名又は名称】野畑 義昭
|
| 【出願日】 |
平成14年2月13日(2002.2.13) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2003−237274(P2003−237274A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月27日(2003.8.27) |
| 【出願番号】 |
特願2002−75156(P2002−75156) |
|